ここのところの、とてもお気に入りの本を紹介します。
- 作者: 美奈子アルケトビ
- 出版社/メーカー: 玄光社
- 発売日: 2017/04/08
- メディア: 大型本
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内容紹介のところには、こんな風に書かれています。
季節により、あるいは時間帯によってもさまざまに表情を変える「砂漠」の幻想的な美しさと、アラブ首長国連邦(UAE)の砂漠に暮らす日本人女性の暮らしを美しい写真で伝えるエキゾティックなネイチャーライフ写真集。
著者は「はなもも」の名前でTwitter やブログに多くのフォロワーを持つ美奈子アルケトビさん。
砂漠の雄大さや美しさ、また200匹の動物たちとのあったかライフを余すところなく伝えます。「ブログなどで砂漠の生き物を紹介すると、『こんなに過酷なところで生きているなんて逞しい』とよく言われる。
けれど、そこで生きる能力を持ち、与えられた場所で生きることに疑問を持つことのないであろう砂漠の生き物には、『生きがい』とか『生きる意味』とか『自分の存在意義』とか、いろんなことにもがいている人間の方が『生きるの大変そうだな』と映るかもしれないと思ったりする。」(本書あとがきより)・砂漠の章
・家族の章
・暮らしの章
・あとがき内容(「BOOK」データベースより)
ツイッター&ブログが大人気!砂漠に生きる、みんなと生きる。オットと200匹の動物たち―ガゼル、イヌ、ネコ、ラクダetc.と共にアラブの砂漠に暮らす“はなもも”さんの、あったかLIFEを詰め込んだ写真集。
この本は、アネが母の日のプレゼントとして買ってくれました。
わたしがいつもツイッターでこの方のツイートを読んでは毎日のように「見てみて〜!!」と言うので、よほど好きなんだろうと思ったみたいです。
実際『よほど好き』です(笑)
間違いありません!!
ツイッターでは「はなもも」さんとおっしゃいます。
アカウントはこちらです。
そちらも毎日のように更新されているので、なんだか家族の消息を気にするように、毎日楽しく追いかけてしまいます。
そもそも動物が出てくる動画とか画像は大好きですが、桁違いに好きなのは、砂漠という立地もあるのかもしれません。
異国情緒あふれる絶景の写真の数々。
たとえば砂漠の地平線に沈みゆく夕日の写真だったり。
朝もやけむる砂漠に続く、動物たちの誰かの足跡だったり。
ジャングル大帝の一コマのような、ガゼルの走りっぷりだったり。
砂漠を行くラクダの隊商だったり。
散歩に出かけるヤギの群れだったり。
もう目を見張るような美しい写真の数々には思わずため息が出ます。
写真の一部は、このページでも見れるので、どうぞ飛んでみてくださいね。
「家族」と副題がついているところに載っている画像のガゼルは、ちょっと鹿にも似て。
わたしの好みのど真ん中の造作!
一方で、そんな見たこともないような美しい景色の中で繰り広げられる、動物たちと美奈子さんのごくごく普通の日常。
お部屋の中で普通に一緒に暮らしている人と鳩と、ウサギとガゼルと猫たちだったり。
猫に恋しちゃってるウサギだったり。
美奈子さんのご主人のことが大好きで、自分も奥さんができるまで、一緒に寝るほど仲良しだったガゼルとか。
美奈子さんを妻だと思い、自分が家の中で一番偉いと思っていて、ご主人を邪魔にする鳩のグズフとか。
それぞれの写真や、エピソードもとても楽しいです。
表紙も砂漠の小高い丘のてっぺんに座り込む、美奈子さんちのワンちゃん2頭の姿です。
ほれぼれ〜♪
活字好きなので、常に活字は読んでいたい方ですが、こんなに眺めても眺めても、まだまだ眺めたいという写真集は初めてかも?と思うくらい、眺めてます。
さすがに最初は付き合ってくれた家族も「はいはい!」「また言ってるよ〜」というムードになってきたので(笑)
この間一年生になったりーちゃんが「らくだ」という曲をやるのをいいことに…
彼女に「弾く前に一緒にこの砂漠の写真たち、見てみようよ〜♪」と誘ってみました。
もちろんもちろん、大喜びで食いついて、1ページ1ページ、とてもうれしそうに繰りながら眺めてました。
ここ最近、りーちゃんは20分くらい早めに来ていて。
最初の一回は偶然で、お母さまはすみません!早めに迎えに来ますので!とおっしゃっていたのですが、いやいや、いつも通りでいいです!と言ったのでした。
前にも書きましたが、お引越しが決まっていて、そのストレスで気持ちのコントロールに苦戦しているみたいだったので、少していねいに見てあげたかったの。
それがすご〜くいい感じに作用したようだったので、ここ1か月くらい少し長めにゆったりとレッスンしていて。
ある日は始まる前にツルを折ったり。
ある日は学校であったことをひたすら聞かせてもらったり。
それをこの日はこの写真集を一緒に見る時間にしたわけですが…
気がつけば、わたしの膝に乗り上げるようにして、一緒に夢中で眺めてる。
この時間はわたしにとっても至福で。
家族には軽くあしらわれていたし(笑)やっと期待通りのリアクションをもらって、うれしかったです(笑)
そして本を一通り眺めた後で弾いた「らくだ」が、ものすご〜く沁みました。
『つきのよる さばくこえ〜♪』
ああ、いいねぇ。
先生、ほんといいねぇ。
もうちょっとしずかにひいたほうがいいね。
『らくだにのり ゆ〜くよ〜♪』
あんまりはやくひくとヘン!!
ゆったりと。
夜になると砂は冷たいのかなぁ?
らくだは足が痛くないのかなぁ?
お月さまはきっとらくだの友だちなんだね。
いろいろ言い出して、わたしもいろいろ思いついたことをテキトーに言い(笑)
ふたりでどんどんイマジネーションを広げ放題。
久々にいいレッスンができたなぁという手ごたえ。
いい気持ちで終われてよかったです。
で。
この時に置きっぱなしだった写真集を次の3年女子が目ざとく見つけ。
3年女子は3人いるのですが、みんなツーカーなので、一人に見せたら全員に見せなきゃならないことになり(笑)
この写真集を生徒と眺めるというのが延々続いたことを報告しておきます(笑)
どの子もとても気に入って…
いいねぇ。
ピアノの部屋に置いといて!また見たいから!
ちょっと早めに来た人はこれを見ていていいことにしようよ!
そうすればおとなしいよ!?
(と、いつもうるさくして怒られるアンタが言うかな子も、笑)
それぞれに喜んでくれて、わたしもたいそう満足しました。
そんなこんな写真集も毎日のように眺めつつ。
ツイッターの「はなもも」さんのページでは、日々新しい更新がされて。
はなももさんちにたどり着いた猫ちゃんが、家の片隅で赤ちゃんを生み。
その子どもたちが日々大きくなる様子が動画で上がっていたり。
ちょっとした猫同士の小競り合いとか。
50匹以上の予防接種のイベント感とか。
おとなしいコ。
喧嘩っ早いコ。
甘えんぼ。
ほっといて欲しいコ。
どの命もとてもとても愛おしくて、大切で。
毎日とても心が安らぎます。
日々、ちょっと暗いニュースばかりだったり。
個人的な人間関係の行き詰まりなんかを癒してもらう、とても素敵な場所として楽しんでいたのですが…
最初は毎日のように挙げてくださる動画を見て、単純に「猫ちゃんたちかわいい!!」とかラクダとか羊とか、ウサギとか犬とか、ガゼルとか…
動物の動画があまりにもかわいくて、追いかけては癒される毎日だったのが。
そのうちに、異国(UAE)の気候や、国際結婚されたご主人との暮らしぶりとか、生活の知恵とか、自然に寄り添う暮らし全般にもとても興味が沸くようになりました。
人は砂漠の隅っこに住まわせてもらっているだけで、自然の営みは変わらないし。
そこにもともと住んでいる生き物や、植物も淡々と時を過ごし。
時に生き物の誕生に立ち会うことになったり、近づく死を一緒に受け止めたりもして。
それのどれもが、人の手によってコントロールできるものでもないのですよね。
だからと言って、ほったらかしというのともちょっと違っていて。
たとえばツイッターの方では、持ち込まれた風邪により、鼻水を垂らしている猫が急増すれば、助けてあげたりもして。
猫の方から鼻を拭かれにやってきたり、今日はまだですか?と催促されたり。
人がお散歩に出かければ、生き物が付いてきて、一緒に散歩を楽しんだり。
人は人の暮らしをしていくし、動物は動物の暮らしをしているのですが、お互いが自然と寄り添う瞬間というものがあって。
必要以上に干渉し合うわけではないけれども、共存していくことの美しさも感じつつ、味わっています。
それは国際結婚されたご主人との暮らしもまた、近いスタンスのように見えます。
決して無理やりどちらかの流儀に合わせようともしていないし。
とても自然にお互いの文化や「やりたいこと」を尊重し合っている気がします。
なんとなくモスリムの国では、もっと厳しい戒律の中に身を置いて。
そこに入っていくのなら、自分の方がたくさん合わせなくてはならないようなイメージがあったのですが。
この美奈子さんの暮らしは自然体で、ムリに合わせようとしているようには見えません。
ご主人のおうちが、遊牧民の家庭に育ったということとも関係があるのかな?
ツイッターでは、ご主人のお父さまがふらりと立ち寄られたりする場面もありましたが…
なんだか時間の感覚や、そのたたずまいも自由で素敵だなあと思いました。
常に大自然の中に身をおいて、刻々と変化してゆく砂漠の姿を目にしていたら、こんな風に自然体になっていくのかもしれないと思いました。
たとえば門扉の細工ひとつ。
美しい柄のソファーを見ても、異国情緒が感じられて、とても楽しいです。
未知の世界を知る楽しさも存分に味わえます。
そしてこの本やはなももさんのツイートを読むたびに『井の中の蛙』になっちゃダメだなと思うのです。
もっと世界を知らないと!!
日々の生活に必死で、気が付けばどんどん視野が狭くなっちゃうけれど。
自分のいる世界だけがすべてじゃないということを、時々思い出すためにも。
この写真集はわたしにとって、とても大切なものになっています。
もちろん時間がある時や、眠りに入る直前の時間など。
『ただただ、いい気持ちで眺める』という至福の時間をひたすらに楽しむだけの日もあって。
遠く埼玉からUAEの家族に思いを馳せつつ夢の中へ。
いろんな意味でおすすめの一冊です。
よかったらみなさまもご覧になってみませんか?