ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 三好和義仏像写真展 ―極楽園―

 昨日、ショコラ嬢とお昼を食べていたら、銀座の和光の6階にある和光ホールの三好和義仏像写真展 ―極楽園―について、「知ってる?」という話になりました。サイトを見せてもらうと、なんとこの日が最終日だそうで「それは行かなくちゃ!」とその場で相談がまとまって、お昼ご飯もそこそこにいそいそと行ってきました。
 実はわたしたち、昨年初めて春に奈良を訪れて以来興福寺で仏像に激はまりしてしまい、今回も奈良ではかなり真剣に仏像を見てきたのです。
 とはいえ、奈良は広いし移動にたくさん時間がかかるので、思ったほどたくさん見れなくてちょっと残念に思っていたのでした。
 昨日の当初の目的は5月の「仙台」への旅の手配だったのですが(仙台ではふぇるまーたでもお馴染みのさとこさんやさとさんとも合流することになっているので、また珍道中が繰り広げられることと思います。乞うご期待! 笑)急きょ千代田線と日比谷線を乗り継いで銀座に向かいました(残念ながら、銀座線には乗りませんでした、笑)
 地下鉄から階段を上がりかけると、楽譜を持った高校生が(和光のお隣は山野楽器なので)「芸能人に会ったね〜」と言いながら降りてきたので、誰がいるのかと思ったらドン小西氏でした。ファッションチェックだったのかしらん!?ちらっとお顔を拝見したものの、すぐに出口のすぐ前にある和光へ入ってしまったので、何が起こっていたかはまったくわからなかったのですけどね(笑)
 さて、ホールに入ったわたしたちの目に最初に飛び込んできたものは、大きな大きな仏さまの写真たちでした。静かな会場内にゆったりとふすま大のパネルがあちこち置かれていて、各パネルの前にじっくり佇んで、たくさんの方々が写真を見ていました。
 そもそもお寺に仏像を見に行くと、大概お堂の中が薄暗くて仏さまのお顔がはっきりと見えないのですが、この三好さんの写真たちは、蛍光灯などを使って上手に光を当てて撮られたそうで、どの仏さまもとても美しく金色に輝いています。
 たまたま2時前後に行ったので、三好氏自身が壇上で写真たちについて説明してくださるのを聞くことができました。写真家の方がどんなお話をなさるのか、ちょっと緊張して聞き始めたのですが、四国でお生まれになったこの方がやさしい口調でちょっとお国言葉を交えながらいろいろと話してくださるのを聞くのはとても楽しい時間でした。
 「この仏さまは朝日を浴びているように撮りました。」という話や、お寺で撮影許可を取るのが大変だった話、時間が限られている中での撮影の苦労話、写真を展示する際のこだわりの話など、たくさん語ってくださったのですが、お話がとても上手な気さくな方で、聞いていてとてもわかりやすく楽しかったです。
 さて、この写真展では、三好氏の写真はどれも彼の故郷の阿波の和紙に印画されていて、それが「ふすま」に貼られて天井からぶらさがっています。そうやって展示することにもかなりこだわったのだそうで、その話を聞きながら奈良の墨と筆で「美我空」の文字を書いたつよしさんのことが浮かびました。クリエイティブな才能があって、それを世の中に出していく人たちの、そういうこだわりの話を聞くことができると、その方の想いとか伝えたいことがよりクリアに伝わってきます。
 これらの金色な姿で立ち並ぶ写真たちを眺めているとまさしく「極楽園」を垣間見ているような気持になります。
 また、三好氏の以前の作品の中に我が家が大好きな「モルディヴ」を撮られた写真もあるとのことで、いつかそれらの写真を見てみたいと思いました。
 大きな仏さまも小さな仏さまも、みんな同じ大きさのパネルになっているのもまた彼のこだわりだそうですが、そう思ってみてみるととても不思議な気持ちです。
 元々大きい仏さまにしても、こんなにはっきりくっきりと瞳の中まではっきりとわかるお姿の仏像を見ることはなかなかないですし、一枚一枚じっくりと静かに回らせていただきました。
 ちなみに会場の様子が仏像ガールさんのサイトで垣間見れますので、飛んでみてください。仏像ガールこと、廣瀬郁実さんのご本も読んでみたいです。
 それにしても思いがけず静かで穏やかな時間を持つことができました。
 わたしたちが大好きな日光月光さまや、やさしいお顔の室生寺の釈迦如来さま、三十三間堂の立ち並ぶ千手観音さまなどたくさんの仏さまに出会えて、「いつか実物の仏さまを見に行こうね」とショコラさんと言い合いながら、とてもしあわせな気持ちで会場を後にしました。