ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 もったいなくて、先が読めない!

 何がっていうと、「町長選挙」奥田英朗文芸春秋社)。
 これが、異様なくらい面白いです。読み始めは、7月6日の電車の中。いつも2時間弱の横浜に通う電車の中は、余韻に浸りすぎてぼ〜っとしてしまい、電車の中の時間を無駄にしている感があったので、今回は、あんまり期待をせずに本を持っていったのです。こむずかしい本を読むテンションではないだろう?とは容易に想像がついたので、思いっきり面白系なら?と思って選んだのがこの本です。ところが、ページを繰るや否やまんまとはまり、電車の中で笑いをこらえる怪しい人になってしまいました。
 まだ、2章の途中ですが、今までのところ出てきた今患者さんが、どうみても実在人物のパロディー?!と思わせるところもあって、おかしいことおかしいこと。笑いすぎて涙目になってしまいます。
 我が家も最近アネがメンタルクリニックにお世話になっているので、伊良部先生の治療の話なんて読んだ日には、カチンと来るかと思ったらとんでもない。なんだか癒されるし、読みながら「やっぱ名医だわ!伊良部先生!看護婦の(この作品の中では、看護婦と言う)まゆみちゃん、最高!」と思ってしまいます。(そして、わたしはやっぱりユニークすぎる人が大好きと実感、笑)ストレス時代の本当の意味での救世主はこういう人かもしれません。へらへら笑い、一見バカ?という行いをしつつも、決めるときはちゃんと決める奴!彼の言動や行いは、実は深いんじゃないか?と思わせてくれます(案外、ホントに何にも考えていないかもですが、笑)現代におけるヒーローはこういう人かも(笑)
 あえて内容に触れていないし、amazonへのリンクも貼らなかったのは、全部読み終わってからきちんと書きたいので。う〜ん!もったいなくて読めないけれど、水曜日に横浜のお供にしたら、多分一気読みの予感(笑)
ところで、読み終わったものをもうひとつ紹介します。

ライオンハート (新潮文庫)

ライオンハート (新潮文庫)

 珍しくひと月半もかけて読みました。本の中で時間がいったりきたりして、それぞれの物語は一見独立しているのですが、実は大きなテーマがあって、やっぱりつながっています。どれもエドワードとエリザベスの物語で、生まれ変わっては何度も出会うふたりの物語です。
 SFは大好きなのですが、中身が純愛・・・というよりメロドラマ風のつくりになっているのが、どちらかというとさらっとした人間関係が好みのわたしには、ちょっと重すぎて一気には読めませんでした。
 時代背景、そして、章の始めに置かれている絵画が、とっても物語と合っていて想像力をかきたてられて面白かったです。どんでん返しのラストがドラマチックでわりと好みだったので、読後感は思ったよりさっぱりしていて、心地よいものが残りました。