ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

[日記]エアガン

 先週の日曜日は、地元のお祭りでした。わたしたち夫婦は「お祭り」というものにあんまり興味がなくて、子供たちがもっと小さい頃もせがまれれば行くという消極的なスタイルを貫いておりますが、こどもにとってはとてもとても重要なイベントであるらしいです。なので、子供たちが小さい頃は、「お祭り」が近づくたびに、またか〜と憂鬱になったものでした。
 ところが月日は過ぎて、彼らもすでに高2と中2・・・ということで、昨年あたりから彼らは子供同士、それぞれの友人とお祭りに出かけてゆきます。「行ってらっしゃ〜い」とそれぞれ送り出すだけでいいのです。な〜んて、楽ちん、な〜んて、開放感。
 ところで今年は、オトートが大荷物を抱えて帰って来ました。たかだか1000円ぐらいしか持っていかなかったのになんで?と思っていたら、なんとくじ引きで1等が当たったとかで、びっくりするほど大きなエアガンが入っていました。もちろん本人は大得意ですが、これがいろいろと反響を呼び、友達からの誘いが絶えません。「くじびき代の300円を払うから売ってくれ」という子。一緒に遊ぼうと誘う子。とりあえず触ってみたくて電話をかけて来る子、その反応は様々です。
 本人はというと大喜びで組み立てて使ってみる気満々ですが、さあ組み立てたはいいが、やる場所がないのです。「家の前でやる」というので「車や通行人が傷ついたらどうするの?」とわたし。「神社でやる」というので、「社務所のガラスでも割ったらバチが当たるし、大事(おおごと)だよ。」とわたし。「近くの広場でやる。」というので、「ああ、最近こわ〜いお兄ちゃんがいっぱいいるから、脅されて持ってかれるかも、遊びに来てる小っちゃい子にでも当たったら、怪我するかもよ」とわたし。
 とうとう「どこでやればいいんだ〜!」とキレ気味になって、(いろいろな意味で怖いので)友人数人を誘って広場に出かけて行きました。
 ところが帰ってきてみると、とてもとても憮然としています。「どうした?」と聞くと、怖いお兄ちゃんに脅されはしなかったものの、友人たちに片っ端から試し撃ちされて、しかもふざけた友人に自分も標的にされて、痛い目にあうばかりだし、「ちょうだい」とせがまれたり、「小さい子がいる」と端っこによけて通り過ぎるのを待ったりで、ちっとも楽しくなかったのですって。
 「そうでしょ、そうでしょ!だ〜か〜ら〜!どこかに持っていかないほうがいいって言ったじゃない!」と鬼の首をとったかのように言ったわたし。シュンとしているオトートはちょっとかわいそうでしたが、エアガンはやっぱり危ないですから。
 とはいえ、本人も「1等でよかった〜!」という満足感だけで、厄介ごとばかりをしょいこんだ気がしたらしく、それからは一度も持ち出すとは言わず、ベットサイドにでかでかと飾られています。部屋に入ってこのエアガンを見るたびに、さぞかし複雑な気持ちになっていることでしょう。その幅ときたら、ベットの幅弱くらいあるのです。くじの景品、こんなのじゃなきゃいいのにな。