ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

バック・トゥー・レトロとピアノ

まずは、最近すごく共感しつつ読んだ本を紹介します。

ドミニック・ローホーさんは、京都に住んでいらっしゃるフランス人。

仏教大学で長年教鞭を取られ、ヨガを学んだり禅寺にこもって曹洞禅を学んだり、墨絵を学ばれたり、禅や東洋思想から影響を受けている方で。

この方の本がとても好きなわたしは、今までにも何冊か読んでいます。

たとえば『「限りなく少なく」豊かに生きる』は確か以前にふぇるまーたでも紹介したことがあり、ミニマリストとしても有名な方です。

この方の発想は、以前から「戻ることが未来」的つよしさんの世界観ともかなり共通してると思ってました。

そもそもつよしさんが大好きな「フランス人」だしね(笑)なんて、最初はちょっと邪(よこしま)ミーハーモードで入ったのですが(笑)

今回の本は「バック・トゥ・レトロ」という副題がついていて。

「戻ることが未来」まんまではありませんか!!

というわけで、ご紹介。

バック・トゥ・レトロ 私が選んだもので私は充分

バック・トゥ・レトロ 私が選んだもので私は充分

 

ちなみにamazonの内容紹介にはこんな風に書かれています。

自ら実践する「シンプルな生き方」を発信し、フランスをはじめ各国で著書が累計250万部を超えるベストセラーに。本書で綴られているのは、より良い運命の軌道に乗る秘訣です。そのヒントが過去のシンプルな生き方。「ネット社会のなかで自分を耕す時間の使い方」「今も愛されるクオリティの高いものと人とのやさしい関係」「楽しく暮らすことを目標にする不幸に気づく」などなど、今を幸福で満たすための1冊です。

内容(「BOOK」データベースより)
幸福とは“自分らしく”生きること。ものや情報があふれかえる世界で上質な暮らしのために何が必要か、この一冊にまとめました。

買い物の選択肢が足りないじゃなくて、実は多すぎてうまく買えないし不安になるんだ!とか。

わたしたちはショッピングの鎖につながれていて。

「働いては買う。働いては買う」のサイクルを一旦お休みしたら、実は楽になって、ようやく生きている心地がするかも?という話にもなるほど~と思ったり。

相変わらずいっぱい納得できる話が書いてあるのですが。

今回の本では「物」を減らして豊かに暮らす話だけじゃなく、デジタルデトックスについて、かなり踏み込んでいるという特徴があって。

今の気分によりぴったりでした。

これは現在のわたしにとってもとても大きなテーマで、大きな問題点でもあったので、とても興味深かったです。

ドミニクさん自身の考えと共に、いろいろな方の言葉が引用されていて。

たとえば谷崎潤一郎氏の言葉だったかと思うと、フランスの哲学者の言葉だったり。

僧侶で随筆家の小池龍之介さんの言葉だったり。ゲーテアリストテレスだったり。

パリのバック店の販売員さんの言葉だったり。

かと思うとポケモンGO2ちゃんねるのくだりがあったり。

時代も人も引用先も、とても多岐に渡っていて、しかもちっとも説教臭くはなくて。

たとえばネットとのシンプルなつながり方のくだりでは。

私たちは、どうしてこれほどまでに何でも「知りたい」と思うのでしょう。 

個人的にはさして必要でもない情報をなぜ浴びるように取り込むのでしょう。

というくだりには心底ハッとさせられたし。

スマートフォンのさまざまな通知をいらないものから切ってみたら?とか。

「つながる」のは少しお休みにして、自分の街で、自分の居場所で、小さな楽しみを見出してみては?とか、具体的な対処法がわりと平易な言葉で書かれていて、とても読みやすく実践しやすいです。

さて。

この本の中にある一節から、わたしはまたピアノの世界を探求し始めました。

えんどうマメのさやをむきながらくつろぐ。 

今の人たちはリラックスすることができなくなっています。-原田みちこ、編集者

 です。

この章では、何も考えずに無心にできる単純作業の中で、心をからっぽにして、どうしても小さな画面を見つめがちになる日常からの脱却を推奨してらっしゃいます。

確かに手を使った使った単純作業って癒されます。

ネットを見てものすごい情報量を読み飛ばし、季節やいい話や、社会問題や生きる知恵を、一瞬わかった気にはなるものの、すぐには忘れてしまう・・・

これは意外にたいして成果が見えず徒労感があることで(笑)

一方「手を使う仕事」はとりあえず「片付けた」という実績(大げさに言えばですけども、笑)が目の前にあって、満足感が生まれます。

そもそも会社員の仕事も、昨今さらに多くが細分化されすぎていて。

日々、たくさん働いているのに、ちゃんと働いて成果が出るという満足感が少ない時代だから。

仕事のないお休みの時くらい、手を使った単純作業で心を休め、達成感や満足感を得るっていうのも大事なのかもなぁなんて納得しました。

わたしもさやえんどうやスナップえんどうの筋を取ったり、ひたすらに皮をむいたり、そういう単純な家事の作業は嫌いじゃない方です。

心をからっぽにして癒される・・・

そんなことを考えていて。

ふと、あっ!!ピアノも!?と気がつきました。

手を動かす。

能動的に動いている実感ができること。

しかも楽しい!!

おぉ!!いいではありませんか!!!

とはいえ、昔の感覚そのまんまで、学生時代なんかにやっていた、むずかしいものを、いきなりヒーヒー言いながらやるのはおバカさんで(笑)

腱鞘炎にでもなるのが関の山だし(笑)

最初は志高くがんばっていても、面倒になって続かないのが目に見えるようだし(笑)

そういうのではなくて。

もっと考えなくてよくて。

譜読みも楽で。

そう考えたら、子どもの頃には超苦手で、頼まれてもがんばりたくはなかった(笑)単純無敵なエチュードたちが思い浮かびました。

少し前の日記に書きましたが、たまたま6年生の生徒と、彼女は30分、わたしは1時間。「とりあえず毎日弾く!弾いたらその日のところにシールを貼って正直に見せ合う」

 というのを始めたこともあって。

わたしが本気を出さなきゃ、彼女も本気を出せないだろうし。

負けちゃいられない!!!(笑)

わたしは頭を使わなくていい系の、なるべく機械的エチュードから入りました。

これがこれが、不思議や不思議!「えんどうまめのさやをむく」のと同じ効果を生み、無心でピアノを弾く時間は、ものすご~い楽しみな時間になったというわけです。

あの約束からかれこれ3か月。

彼女も競争の一言に背中を押され、とてもがんばってますけれども。

わたしもまた、楽しさを思い出し。

気がつけば細切れながら、1時間が2時間になり。エチュードだけだったのが、少しずつ昔投げ出したやさしい曲なども弾き始め。

エチュード効果で、ありゃ?あんなに昔苦労してた曲が弾けるようになってるじゃない!!というのが実感できるようになり。

そうなったらもう、寸暇を惜しんで楽しむべくピアノに向かうしかないではありませんか!!

幸いにも我が家には防音室があるので、何時に弾いても迷惑を掛けないし。

(電子ピアノでヘッドフォンがあるオトナの生徒さんも、わたしに感化されて始めたそうです!)

びっくりするほど、ただただ音楽を楽しみ、自分で表現する楽しみ。

アウトプットの幸せをゲットできて、癒されることに気づきました。

というわけで、日ごろの疲れを癒し、無心になりたい方に、ピアノもオススメですよ!という話を、ちょっとシリーズ化して書いてみようかな?と思い始めました。

続きはまた書きますが「ふたたびの趣味ピアノ、いつからだってまた、始めてみませんか?」というシリーズで書けたらいいな。

ピアノの世界もまた奥が深くて、とてもとても楽しいのです。

ボケ防止にもなるし(笑)

レベルなんてあまり気にせず、ピアノと仲良しの日常は楽しいですし、弾けるようになり始めるとさらに楽しいですよ~と誘い文句だけ書いておこうと思います。