ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

2017年、春の奈良旅日記 その1 おふさ観音から談山神社 洞川温泉街へ

いろんなことをすっ飛ばしてしまってますが、わたしは元気です。

ちゃんといろんなニュースに喜んだり、盛り上がったりもしていたし、書きたいことも溜まっているのですが、とにかく時間がありませんでした。

某生徒によってもたらされた鼓笛隊の楽譜のアレンジというものに振り回されて、毎日のように遅くまでレッスンをしてました。

やっと少し目鼻が付いたところで、今回の旅。

とりあえず、その話から先に書こうと思います。


さて。

半年ぶりに、オットと奈良に行ってきました。

今回は細かいことはあまり決めておらず、直前までとても忙しくしていて、どうする?どうなる?という感じでしたが、インスピレーションだけで「ここ!」と決めたところに行くのが我が家のスタイルには合っている気がして。

あえてひねり出すことはせず、だんだんに行く場所を決めていった感じです。


そもそも車で行く?という計画も無きにしもあらずだったのですが、車で行くと寄れるところが減るし、そもそも何のためにここまで節約したのかわからないのでは?とオットが言い出し。

そりゃそうだということになって、いつも通り新幹線に乗って京都まで行き、近鉄で大和八木へという経路を辿りました。

そこからレンタカーを借りていざ出発です。


まずは初日、最初に立ち寄ったのは、前にふぇるまーたによく来てくださるさゆさんに画像をいただいたこのお寺。

おふさ観音です。

ここは桜井市にあって、レンタカー屋さんからもほど近いところです。

こんな風にお寺の中も外にもたくさんの薔薇が植えられていて、まだ満開には届きませんでしたが、我が家的には、開きすぎの薔薇を見るよりは、これくらいつぼみもあるくらいの方がいいよね?なんて話をしながら、中へ。

むせかえるような薔薇の匂い。
薔薇の香りの石鹸や芳香剤はたくさんありますが、本物の薔薇の香りをちゃんと感じたのは初めてかも?

当たり前かもしれないですが、正直、薔薇の香りのナントカはあんまり得意ではなかったのですが、本当の薔薇の香りは全然イヤではなかったです。びっくりです。

本堂内で生き人形の限定公開をしているとのことで、お参りをしてから入場料を払って本堂へ上がらせていただきました。

生き人形という名前から、なんとなくお菊人形的なものを想像していたら全然違いました(笑)

作りがとてもリアルで、生きた人間そっくりということでこのネーミングになったそうで、飯田喜八郎というこのお寺の発展のために尽力されたおじいさんの像でした。
その名の通り、手の甲に浮き出た欠陥や耳の中まで精巧に作られてましたよ。

そしてその人形だけじゃなくて、役行者像や阿弥陀三尊像、千手観音像、ご本尊の十一面観音弁財天像、成道仏、誕生仏…といろいろいらっしゃり。

とても見ごたえがありました。


中でも弁財天像は、先日まほろば館の天川の勉強会で勉強し、見せていただいた古来の弁天様の姿をしていて。

蛇の頭に無数の手。

ここのも宇賀神だ!!とドキドキしました。


小さいものや、新しいもの、古いもの、たくさんの仏像がありましたが、とても見ごたえがあっておもしろかったです。


本堂では、次々とご祈祷の方がいらっしゃって、なかなか真ん中あたりには近づけなかったのですが。

ちょこちょこ聞こえてくるお話はとてもわかりやすくて、庶民に愛されるお寺なんだということがわかります。

お寺の方が「美しいお花たちによって、訪れる方々の心を少しでも安らげたい」という思いで育てているうち、現在の姿になりましたと、おっしゃってました。

お花がいっぱいの美しい境内が、調和のとれた仏様の世界のようであることから、「花まんだらのお寺」とも呼ばれているのですって。


ホームページを開いたら

おふさ観音では、大切にしていることが2つあります。ひとつは、庶民のお寺として、身近な存在であること。そして何よりも、「元気が出るお寺」であることです。

老いも若きも、お一人でもご家族でも、気軽にお参りし、美しい花々や涼やかな風鈴の音、御仏のお慈悲に触れていただきたい。そして心身をリフレッシュし、毎日を生き生きと過ごす元気や活力を得ていただきたいのです。

と書いてありました。

素敵なところだなぁと思いました。



さて。

二つ目は…ほど近いところにある藤原宮跡に向かおうとしたのですが…

駐車場から車に乗ったら、ほんの3分も行かないうちにありました!!

これなら歩いて来た方がよかったよね!とオットと言い合いました。


ここは本当に広々としていて、気持ちの良いところでした。

平城宮跡が、どんどん豪華絢爛に、観光地化されて、作り物っぽくなってきて、前回行ったとき、ちょっと残念なような悲しいような気持ちになっていたのですが、ここはまだまだ素朴で、広々としていて…

なんだかとても想像の余地があってよかったです。


この場所のことを考える時、どうしても数年前にものすご〜くはまった、天井の虹を思い出してしまい、ついでに鵜野讃良皇女、後の持統天皇に思いを馳せます。


さらに、とてもとても怖い思いをしながら読んだ「朱鳥の陵」という本を!!

この日の日記です。


どんな時代にも深謀遠慮はあるのでしょうし、人が集まり国ができるところには、世の中の乱れや争いごともあるのでしょうけれど…

今の藤原宮跡は、そんな華やかなりし時代をまったく感じさせない、静かでおだやかな場所でした。


そしてとても変なことを思いました。

いつか…かなり長い長い時間を経たら、今、首都がある大都会の東京もまた、この地のように、静かでおだやかな時代がくるのかなぁ?なんて。

そうやって場所を変え、また人間は同じことを繰り返すのかなぁ?なんて…

そんなこともちらちらとよぎりつつ、直射日光にさらされつつも、ただただ広がる景色に見入っていたわたしたちでありました。



そこから移動して、今度は聖林寺へ。

この日、芸大の学生さんたちが、バスでたくさん訪れていて。

本堂で、通路で、観音堂で、そこら中で写生されている方々がいて、画像は撮りませんでしたが、このお寺の雰囲気は大好きです。

とてものどかで、なんといっても景色が抜群です。

敷地から、大和盆地の古墳群や山の辺の道、三輪山が一望できます。


本堂の阿弥陀さま、毘沙門天さま、如来荒神さまなど、仏像はどれもお顔が端正で、とてもとても美しくて見惚れました。
写生し甲斐がありそうです。

(わたしは相当な画伯なので、書こうとは思えませんけども!笑)


溜息をつきながら、観音堂に向かうと、天平時代の作の、十一面観音さまがいらっしゃいます。


均整の取れた美しい身体、ふくよかさ、まとってらっしゃる衣もたいそう美しくて、ドキドキします。


前回タクシーの運転手さんに連れてきていただいた時、なぜかその方が、お堂の中で思いっきりおならをして。

後でずっとオットと「あれは本当に台無しだった!!」「あのタイミングはないよね!」と笑い種になっているのですが(笑)

今回とても静かな気持ちで見ていたのに、やはりあの時のことを思い出してニヤニヤしてしまうわたしたち。

ダメじゃん!!

いえいえ。とてもとても美しかったので、満足ですけどね。



そして、そろそろ天川へ向かいたいけど、もう一つだけ…

とがんばって行ったのがここ。


談山神社です。


この間から繰り返し流れるこのCMを見て、どうしても行きたくなってしまいました(笑)

わたしたち夫婦ってば、なんてミーハーなんだ!!

ちなみにそのCMはこちらのページで見れます。


で。

社務所で拝観料を払ったら、これがいただけて、とてもとてもうれしい気持ちに!!



2017年5月8日(月)から7月31日(月)まで談山神社を参拝された方、 先着10,000名に
JR東海「うまし うるわし 奈良」オリジナルクリアファイル』をプレゼント!

だそうです。

行ってみようかなぁという方は早めがいいかもしれません。


さらに、如意輪観音像の限定公開もしていて、御朱印も、その如意輪観音さまのものが、今の時期だけもらえますとのことだったので、今回はいろいろといただいてきました。

ここの如意輪観音さまもまた、とても美しいです。美しい仏さまってあるんだなぁ。


そしてそして。

目的のひとつ。

クリアファイルをもらって満足してはいけない!!

実際の青もみじです。




ほんとうに緑が濃くて、しかも生で見ると少しずつ色が違っていて、ものすご〜く多彩なの。
溜息が出るくらい美しい景色が広がっていました。


CMのワンシーンみたいに撮りたかったのですが、イマイチだったな(笑)


そして談山神社と言えば、やはりここ。

十三重塔です。


この日はすっきりと晴れていて、とても美しく見えました。


本殿の中には、ボランティアのガイドさんがいらして、いろんな話を聞かせてくださいました。

実は日光東照宮はこの神社をお手本として作られたそうです。


この神社は藤原鎌足公がまつられていて。

前回来たときは、裏の方から大化の改新の相談をしたという御破裂山までちょっとした山登りをしたり、その道すがら、野うさぎを見つけたりもしましたが、今回はそこまではせず。

お話を伺って、青もみじを楽しみ、神社の中を見て回るに留めました。


ボランティアさんのお話では、大化の改新の前から相当に時は流れ、神仏習合時代のお話とか、戦乱の世の権力争いによって、さまざまに利用されたり、建て替えられたりした話、廃仏毀釈の頃、大事な仏像の数々をこっそりと隠したり逃がしたりした話には、ぞっとしたりもしつつ。


有意義な時間が過ごせたと思います。


ただし、だんだんにオットが気もそぞろになって来たではありませんか!!

カーナビに天川までの設定を入れたら、到着まで2時間半かかり、18時半になっているとかで、ご立腹!!

彼は宿に到着したら、日のあるうちに温泉に入りに行きたかったそうなのです。


わたしは今までの経験からして、山に行く時は、ナビが長めの時間設定になる気がしていて。

そんなにかからないんじゃないかなぁ?どうみても2時間半は長すぎでしょ?と踏んでいたのですが・・・

気が付けばオットはすでにして、すっかりとご機嫌斜め!!

話をしてももはや聞いちゃいない!!(笑)


もしやこんなところで夫婦喧嘩?めんどくさっ!!と思いましたが・・・


実際にはお互い疲れすぎていて、かかっていく元気もなく、回避!!(笑)(笑)


実際に車で走り出してみたら、やっぱり到着予定時刻はだんだんに減ってゆき。


17時前には温泉街に到着できたのでよかったです。

勝手知ったる駐車場に車を入れ、いつもの宿に入ったら、大好きな宿のおばあちゃんがにっこり。

「よう来たね!」「久しぶり。」

一見愛想がなさそで、実はとってもはにかんでらっしゃって、ほんとは大歓迎なのはいつものこと。

実はとっても心根のやさしい、そしておおらかなおばあちゃんなの。

それだけで、なんだか鼻の奥がつーーんとしてきました。

そして大将と若い旦那さんも出て来られて、久々ですね〜と歓待されました。

うれしいな!うれしいな!


本当に本当に、いつの間にかまるで第二の故郷になっている天川村


ここのところ、メディアを見ていても、国会中継を見ていても、ニュースを見ていても・・・

なんだかなぁなことが多くて。

心が疲弊しきっていたのでした。


日本はどこへ行くんだろう?

日本人は果たして何を目指しているんだろう?

そんなことを考え始めると、どんどん口が重くなっていって、ぎゅーっと胃が締め付けられるような、そんな気さえしていました。


そんな不安ななんやかんやが、ここに来て、宿の方々と話をし、元気だった?とにこやかに笑いかけられると、ニュートラルに戻っていくような感覚がありました。


このタイミングで、いつも変わらない天川村の方々に逢えて、本当にしあわせだと思いました。


なんとなくそれだけで、大げさに言えば生きる希望が湧いてくるような…そんな再会でありました。


さて。

最近オットが天川に行くと必ず行きたがる場所があって。

それは温泉です。

実は宿についてややしばらく、気が付いたら1時間弱くらいふたりで爆睡してしまい(笑)慌てて起きて、夕食の前に洞川温泉センターへ。


広々としてとても気持ちよくて、いつもウキウキ行ってしまうのですが、この日も平日だったこともあり、比較的すいていて、よかったです。
のんびりとお湯につかって、ほかほかになって宿に戻りました。

夕飯は地鶏の鍋で、散々堪能したあとは、昼寝したにも関わらず、部屋に帰るやいなや、もう眠くなるわたしたち(笑)


ものすご〜くたくさん本やら何やら持ってきたのに、結局まったく開けないままに寝てしまいました。


就寝なんと9時過ぎだって…ほとんどお酒も飲んでないのに、どういうこと??(笑)(笑)


とはいえ、翌朝は5時台に起きて朝拝に行く予定で、ちょうどよかったかもしれません。
天川に行くと朝も早いけど夜もとっとと眠くなります。

そういうのがそもそもは自然な姿なのかもしれないなぁと思います。

家にいたらこの時間は、まだまだこれからごはんな人たちがいるんですけどね・・・

と、考えるヒマもなく落っこちるように眠りの中へ。

(続きます!)