ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

雨音のボレロと「夜更けの囁き」

「夜更けの囁き」は「THE BACK HORN」の松田さんのラジオです。

松田さんは、KinKi KidsのNアルバムの『雨音のボレロ』の作詞を手掛けられた方です。

先日、1月21日と28日の2週に渡り、DateFM(FM仙台)でのみ放送されているこのラジオ番組に、堂島 孝平さんがゲスト出演されました。

堂島氏は、言わずと知れたNアルバムのプロデューサーさんでもあるお方なので、きっとおもしろい話が聴けるだろうなぁと思ってました。

わりと早くから情報そのものは駆け巡っていて、松田氏の生の声が聴けるということで、とても聴いてみたいと思っていたのですが…

なんせこのラジオ「仙台でのみと」ということなので、ハードルが高いなぁと残念に思っていたら…

仙台在住の方が、わざわざ音源を送ってくださって、聴くことができました。

なんとありがたいことでありましょう!!

こういう助け合いの精神みたいなものが「彼ら界隈」にはいつもあって。
素敵なことだなぁと思います。
こんな時代だからこそ、とても大切なことだなぁと思うわけです。

そんなこんなで、とてもとても感謝しつつ、さっそく聴かせていただいたら、とてもとてもよかったので、このラジオでどんな話がされたか、みなさまにもほんの少し、おすそわけができたらと思います。
ラジオは、終始穏やかなテンションで、松田氏の訥々とした福島弁の語り口も素敵だし、どんちゃんとの会話がとってもほのぼのしていて、ふたりの仲良しっぷりがうかがわれて、とても楽しいものでした。

聴きながら「THE BACK HORN」さんをネットで検索するところから始めたのですが、公式サイトで見た彼らのビジュアルは、一見とてもいかつそうで、ちと怖い!!

耳に入ってくる福島なまりのやさしい声のイメージとは一見とてもギャップがあって、そんなところもおもしろいと思いました。

ラジオでかかった「魂のアリバイ」という曲もロックテイストですが、歌詞がどちらかというと(シンガーソングライターとしての)つよしさんの世界観とも遠からずな感じで、機会を得て生で聴いちゃったりしたら、ぐぐーっと一気にファンになっちゃいそうな感じもあり…と思いつつ。

wikiをのぞいたら、彼らの歌う楽曲について

文学的、退廃的な歌詞にアグレッシヴで破壊的なサウンドが特徴である (アコースティックなサウンドやストリングスを導入した楽曲もある)。 戦争・平和・孤独・死・愛・生・つながりなどのヘヴィーなテーマが多く、ほぼ全ての楽曲の歌詞に日本語を用いて、タイトルも主に日本語表記 (ひらがな・カタカナ・漢字)を用いる。

というようなことも書いてあり…

おぉ!!やっぱり近いかも?と思うつよしファンのわたし(笑)

おもしろいなぁと思ったのが、このラジオ番組はグリコさんが提供で
「グリコのお菓子と、それに合う自分たちの楽曲」を語る「勝手にタイアップ!」というコーナーもあったりして。

これ、とっても新鮮でおもしろかったです。

スポンサーととってもWIN×WINではありませんか!!

KinKi Kidsも森永のダースやチョコモナカジャンボのCMをやってたことがありますが、こういうコーナーがどヤにあってもきっとおもしろかっただろうなぁ。

うちのふたりもノリノリで考えそうです(笑)

そんなこまごまとしたところにも食いつきつつ。

雨音のボレロが生まれた過程の話は1月21日の放送で詳しく語られました。

松田さんが、アラバキ(仙台で行われるTHE BACK HORNも関わっているフェス)の親善大使になった堂島くんと親しくなって、ふたりでオーディションの審査員をやった時のこと。

松くん(堂島くんはそう呼んでらっしゃいました!)が堂島くんに曲をクリエイトする方法や、曲の成り立ちとか構図とか、プロデュースの仕方とか、そういう話をたくさん聞かせてもらったのだそうです。

松くんは元々、堂島くんがKinKi Kidsをはじめ、たくさんの人の曲を手掛けているから、そういう話をぜひぜひ堂島くんに聞いてみたかったのだそう。

(5〜6時間は話してたって言ってました!)

一方、堂島くんはそれまで、松くんについて、プレイヤーだったり、MCだったりという側面しか知らなくて。

「そもそもがマルチでプロデューサーの視点がある人の集まりがTHE BACK HORNというバンドなのだ」ということをその時にはじめて知ったのだそうです。

その前に…

最初に逢った時、THE BACK HORNのことを「怖いよ!!」と思っていて・・・「闇を抱えた怖さを感じた」と言ってましたよ?
(あら、わたしの第一印象と一緒だ!!笑)

電柱の影とかによっかかってる人が、急に襲い掛かってくる感じとか言ってました。

愛嬌があるわけでもなく。

つまんなそうで、なんにもしなさそうな人が急に吠えるみたいな怖さがあった…って(笑)

堂島くんったら、もうほんとに言いたい放題!!(笑)

THE BACK HORNのそんな一見とても近寄りがたいイメージは、どこかうちのKinKi Kidsとも共通してる??なんて思ったり。失敬、笑)

そして、そんなちょっとしたぶっちゃけ話をしつつも、松くんも堂島くんもとっても楽しそうに、ころころ笑ってるの。

ああ、そんな話が穏やかにできるほど、とても仲良しなんだなぁとわかる感じ。

もちろんラジオでの松くんの語り口を聴いていたら、そんな人たちなはずもなく。

実物は訥々とした好青年だと一目瞭然だからこそ「最初、そんな風に見えたよ!」ってあんなにしつこく言えたわけだ!と思ったわけです(笑)

そんなところもとっても微笑ましくて、楽しいラジオでありました。

その何時間も話した日に「松くん、それだけ自分の目線を持ってるのなら、今、KinKiのアルバム作ろうとしてるんだけど、作詞とかお願いしてもいい?」みたいな話をしたんですって。

松くんとしては、その時は半信半疑だったそうですが、しばらく経ってから、堂島くんから本当に連絡があって。

具体的になってきたんだけど、やってみる?と。

1年前の1月か2月くらいから走り出していたNアルバムのプロジェクトで、若い作詞ができる人はいないの?と聞かれた堂島くんが、いますよ!と紹介したのが、松くんとベースボールベアの小出くんで。

堂島くんは、3月か4月くらいに実際に松くんと会ってご本人に話をされたそうです。

堂島くんとしては、松くんがPOPミュージックに興味があることも知ってるけれども、アイドル然としたプロジェクトには誘おうとは思ってなくて。

KinKiってほぼアイドルじゃないから。飛び越えてるから(ふたりでうなずいて同意してました。)大丈夫だと思ったのだそうです。

さらにその時に

「(KinKi Kidsの)本人たちは、自分たちをアーチストとも思ってないかもだけど…

いただいた曲たちを自分たちの音楽として言える責任があって、へんにかっこつけないし、変にきらきらもしないし、ふたりで、静かに燃える(「楽曲に対峙する」的ニュアンスかな?と思いました)みたいなことができるわけです。」

って。

このあたりは、堂島くんが力説してました(笑)

堂島くんは、Nアルバムに吉井さんがいるんだったら、もう一本、THE BACK HORNへのラインも引きたいと思ったそうです。

松くんも自分自身、KinKi Kidsなら「自分の」言葉がはまるんじゃないか?とも思っていて。

いつもと違う自分を出そうとか、そういうことを考えずにTHE BACK HORNのままでKinKi Kidsの曲を作れるはずだと堂島くんも思ったのだそうです。

松くんがこの曲の作詞にトライする前に、デモの歌詞を提出してきて、堂島くんはその律儀さに感動していたのですが。

その中に「誰かの杖になりたい」というような歌詞を書いていて、傘でもなく「杖」というその世界観がKinKi Kidsにぴったりな気がしたのですって。
(のちにそんな歌詞があったかなぁ?とこのあたりはふたりの中であいまいなようでしたが、要は多分松田さんという方が「君の傘になるよ!」という歌詞よりは「君の杖になるよ」というニュアンスの方が似合う人なんでしょうね〜素敵♡)

そもそも「THE BACKHORN」はラブソングを歌うようなグループじゃなくて。
おれたちしあわせだね?みたいな曲はもともと考えられなかった人たちなので、

「雨音のボレロ」はどうみてもラブソングだし、どうなのかな?とも思ったそうですが…

結局のところ、よそむきな歌詞じゃなくて、そのままの松くんの世界観で参加して。

デモを聴いたとき、イントロの最初のフレーズのピアノの感じとか、ウッディーな感じが雨に結びついて、イメージを作りやすかったそうです。

松くんは、提供処女作である「雨音のボレロ」ができてきたとき、正座で聴いたのだそうですよん。
「雨の〜♪」と歌が始まった最初のフレーズだけで、ドキドキして、一回目はとても冷静には聴けなかったなんて言ってくださってて。

聴いててとってもありがたいことだなぁと思いました。

もろもろ、ご縁だなぁ。

ちなみに…この曲は海外の方が作曲を手掛けられたので、もうすでにデモの段階で出来上がっていて、松くんは、自分が作るときに聴いていたアレンジそのままに自分の詞が乗っていることにびっくりしたんですって。

松くんはまた次があればいいなぁ〜みたいなことも言っていて、わたしもまた、THE BACK HORNっぽい、KinKi Kidsが聴いてみたいと思いました。

その時はできることならラブソングじゃなくて、もっとヒリヒリするような世界観もいいかも?
きっとKinKi Kidsのイメージからも遠からずだと思うし、彼をKinKi Kidsに!と思った堂島氏の目も本当に確かだなぁと思ったのでありました!!

ほんと、堂島くんのプロデューサーとしての能力の高さを目の当たりにした気がしましたよ。

この回は、最後に「雨音のボレロ」がかかって。
THE BACK HORNのファンの方は、まったくジャンルが違いそうなKinKiがラジオでかかったのを、どんな気持ちで聴かれたかしら?なんてそんなこともちょっと気になったのでありました!

なによりもアルバムの中の1曲が生まれるまでにもこんなにもドラマがあって。

人と人とのつながりや、まごころや、たくさんの思いが込められていることを知ることができました。

松くんは、この曲がアリーナツアーで歌われたことを心底喜んでらっしゃったし、堂島くんも松くんのことを思い出して、胸を熱くしながらライブに望んでいたそうです。

わたしも雨音のボレロはとても好きな曲のひとつですが、できることなら、タイムマシーンに乗って、松くんの思いを知ったうえでもう一度アリーナツアーの時の生歌を体感したいなぁなんてことを思ったりしました。

さて。

2回目は堂島くんの日常の話、ミュージシャンとしての素顔とか、一緒に参加してらっしゃるアラバキフェスの話など。

このフェスは仙台で開催されていて、つよしさんともゆかりが深い、箭内さんもかかわってらっしゃるみたいです。

ここ数年の、参加されているメンバーを見たら「音楽と人」によく載っている方がたくさんたくさん!!
ほんとに豪華なフェスで、さかのぼっていくと、どれだけスゴイミュージシャンだらけなんだ!とびっくりします。

仙台は大好きな街だし、めっちゃ行きたくなりましたが、ラジオをくださった方によれば、地元でもなかなかにチケットを入手するのがむずかしいみたいです。

そりゃそうでしょうとも!このメンバーだもの。こりゃ取れないわ!納得!

堂島くんご自身は、ほんとに2016年が忙しかったみたいで。

KinKi Kidsをやりつつも、アラバキフェスに出たり舞台をやったり。

楽曲提供だけでKinKiも含め、11曲くらいはやったんですって。

なんという忙しさ!!

お芝居の合間20分くらいの出番がない場面でまで、楽屋で曲を書いていたこともあったそうです。すごすぎる!!

で、堂島くん、最近になって、やっと何もしなくていい日が一日だけやってきたそうで。

何をしよう?と思った時に「曲でも作ろうか?」と思った自分に愕然としたそうです(笑)


怖い!怖い!とご本人。

音楽の休肝日も必要だし…と2時間寒空の下、曲を作らないように、修行僧のようにウォーキングしたそうですが…

松田氏も堂島くんも、ふたりとも意外と歩いているときに曲が浮かぶし、メロディーも浮かぶとか言ってました(笑)

で、結局歩いた時も、作ったばかりのデモテープがウォーキングにぴったりのBPM120で。
それを聴いているうちに、MIXのあれやこれやが気になって、家に帰ってからやっぱり曲の手直しをしたそうです。

松くんも似たような話をされていて、映画の途中でも曲を書きたくなったり、多分つよしさんもそうなんじゃないかな?と想像できるような話もあり。

ミュージシャン気質の人の日常に、いろいろと思いを馳せました。

松くんもグループとしてのバランスや「THE BACK HORN」らしさ…とかにもかなり思いを馳せつつ、個人としてもいろいろと考えていて。

マルチタスクな感じもKinKi Kidsとの共通点のようにも感じられて楽しかったです。

THE BACK HORNとしては、宇多田ヒカルさんと一緒に作った曲も近々出るそうです。

こちらの楽曲もぜひぜひ聴いてみたいです。

実を言うと、わたくし、なんだかんだで昨年最もよく聴いた女性アーチストのアルバムは間違いなく宇多田嬢でありました。

好きな音楽やミュージシャンたちがどんどんとつながっていく感じも楽しいな!

最後に1曲堂島くんの曲がかかって、「俺は、ゆく」。

堂島くんも、エモーショナルな曲と言ってましたけど、これがまたびっくりするほどガツーン!!ときて、堂島くんってこんな曲も歌うんだ!!と思いました。

フィクションというアルバムの中の1曲だそうで、その後探してPVも見たのですが、これは「フィクション」も聴かなくっちゃダメなやつ!!とすぐに思いました。

今回は「THE BACK HORN」中心に書きましたが、実は堂島くんの世界観にも触れてみたくてたまらなくて。

CDが聴きたいし、機会があればライブも行ってみたいと思いました。

と、駆け足で感想を書いてみましたが、いろいろと心を揺さぶられるラジオでありました。

Special Thanks!Sさま。
いつか仙台でお会いしたいし、たくさんお礼が言いたいし、ゆっくり語り合いたいです♡