ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 堂本剛 平安神宮LIVE 2015 9月11日&12日 その4

今朝6時前、寝ぼけまなこでとりあえずツイッターを開いたら「ひよこクラブ」情報がきていて、思わずまだ夢の続きかと思いました。
意外過ぎる!!(笑)(笑)(笑)
常に想像の斜め上を行く人であることよ!
これだからつよしさんのファンでいることはやめられません♪いつ何がやってくるか誰も想像がつかないところに食い込んでくるなぁ(笑)
他にもきのうのブンブブーンのこととか、書きたいことは山ほどあれど、やっぱり先に書くべくはこれでしょってことで、これからです。
やっと本編最後のところまでやってきました。
あとひと息。
今日も今日とて、拍手を押してくださったたくさんのみなさま、スターをくださったみなさま方、ひとこと残してくださったみなさま方、本当にありがとうございます。
☆PINK               
この曲では雲海みたいなプロジェクションマッピングが印象的でした。
もちろんピンクやブルーの照明もとても美しかったのですがそれより主張していたのが、お堂に映し出された真っ白い雲の海。

そして、かわ島さんが吹いてらしたフルートの音色がとてもとても好きでした。
とても清潔で、潔癖で、美しい音。

竹内くんがギターからペットに持ち替えた時も思ったのですが、人って持つ楽器が変わると音楽表現も変わるんだなぁとしみじみ。

サックスを持っているときのかわ島さんは、ソロの時とってもジャジーでオトナな音を鳴らされるイメージなのだけど、フルートだとまた全然違うんだなぁと思いました。
もちろん「PINK」という曲の表現がそうだから・・・かもしれないけど。

このかわ島さんの清潔な音色が、ひゅーひゅーと鳴る風のようにも思えて「風は鳴き止まぬ」という言葉がぐるぐる。味わい深いなぁ。

つよしさんの声があまりにも極上で、心を捕まえちゃって放してくれません。
それと同じくらい、歌声を発しているときのまっすぐな瞳にも釘付け。
よって、彼から視線を引っぺがすのに散々苦労した挙句、最後にはあきらめました・・・ムリ!!
ステキすぎるし好き過ぎる(笑)

さらに歌声や全体のビジュアルと同じくらい惹き付けてやまないのが、彼の手です。
手の動き、指先の動きがしなやかで、表情豊かで、雄弁にいろいろなことを語っていて、釘付けになります。
なんて綺麗なんだろう。

この曲に限らずですが、つよしさんは何度も後ろを向いて、お堂に向かって歩いて行って、祈るように歌ってました。
背中が語ってる。
客席はもちろん、そんなつよしさんのことをよ〜くわかっているので静かに見守ってます。

ここのところ特に、めまぐるしく世の中が変わり、気候も安定せず、台風も大型化するばかりだし、竜巻にゲリラ豪雨、怖い犯罪に事故。
いつ何が起きるとも限らないし、誰しも明日が無事やってくるという保証はないし。

そんな中、行われているこのライブは、黙っていてもいろんな感情を運んできて、気がつけば平和な世の中を、平穏な日々を、ひとりひとりの心の安定を・・・と祈るような気持ちでステージを見上げるわたしたち。

これほど奉納ライブにふさわしいライブもないんじゃないか?と思わされます。

ステージでは白い雲をバックに、ピンクのやわらかな光が取り囲んでいて。
つよしさんが見た朝焼けの空、その時思いを馳せた奈良の空の景色のようだと思いました。

今回のライブでは、十川さんとSWING-Oさんのパート分けがあちらこちらで絶妙だと思ったのですが、この曲でもそうでした。
ものすごくバランスよく、それぞれのいいところを生かしてます。

この曲が世の中に出た頃から、ずっとつよしさんをとなりで見続けてらっしゃる十川さんは、あうんの呼吸でつよしさんの歌声に寄り添われるし、SWING-Oさんは新鮮な味付けを加えてくださって、さらに洗練された曲になってました。

この曲「PINK」は発売された当初から、つよしさんの代表作のひとつとして、とてもとても人気が高い1曲だと思います。
「Devil」と並べてひりひりと焼け付くような表現で歌われた時のこと。
「石舞台」で「水声」で歌われたときのこと。

いろいろと印象深い生歌も過去にいくつもありますが、今回はちょっと印象が違ったことを書いておきたいです。

かねてよりひしひしと感じてきた「痛み」と共に「体温」・・・のようなものかな?
人のぬくもりとか温かさ。
つよしさん自身の、包み込むような包容力を感じた気がしました。

歌っているつよしさんの表情も思いのほかやわらかく、びっくりするほど穏やかだったのですよ。

ここは心底ハッとしたところでもあり、ほっとしたところでもあります。

特に初期の頃のネガティブというネガティブをすべて携えて、まるで全部吐き出すかのように歌われたイメージがあまりにも強くて。
その表現のあまりのリアルさに、ひりひりしながらも惹きつけられずにいられなかったあの頃のあの歌。
「死にたくて、でも死ねなくて・・・明け方になって。そしてピンクに染まる空を見上げて・・・」という、この歌ができる過程のエピソードも知っているだけに・・・
久しぶりにこの歌が歌われたら、その頃の思い出が蘇り、だーだー涙が流れそうな場面になるのかと思いきや。

とても不思議ですが、温かみの方を先に感じて、でもちょっと納得させられちゃうような。
久しぶりに聴いたこの歌の中に「人を癒す」ような空気感があることに初めて気づき、心底驚き、感動しました。

多分孤独や痛みや苦しみと共にあった長い長い時代を通り過ぎ、本当に信頼できる仲間を得て、自分の力で這い上がり乗り越えた人だからこそ・・・という説得力というか。
今現在、あの頃の彼と同じような気持ち、苦しくてたまらない人にとっては「きっと乗り越えられるよ!」という無言の励まし、メッセージというか。

そんな力を感じたので、そう書いておきたいです。

この歌のことは、だれかに話したくてたまらなくて。
実はたまたま会った友人2名に「聞いてよ!」とはた迷惑なレポもどきをしまったのですが、どちらの方も話だけで、実際にあの場にいらしたわけでもないのに、涙ぐんでいらっしゃいました。

うまく言えないけれど、このPINKの歌の経験はつよしさんだけの個人的な経験でありながら、つよしさんだけのものじゃないような不思議な感じがするのです。
発売当初からこの曲が大好きな人はたくさんたくさんいて。
もちろんわたしも大好きで。

それだけに『なんとかしてこの歌の芯に触れたい』と思ってきた人も多いと思うし。

さらに、つよしさんのファンって『彼の痛みはわたしの痛み』・・・的な感覚を抱いている人が多いから。
今の穏やかな彼の姿に、ことのほかジーンとしてしまうのだと思うのです。

彼にとって「PINK」が思い入れが強い曲であることは間違いないと思うけれど、ファンもまたそうなのだ。

というわけで、ああ、この1曲が聴けただけでも来てよかった・・・
これ、今回のライブではあちこちで思いましたけど。

ほんとにほんとにそう思ったので、しつこくしつこく書いておきます。


☆セッション           
おととし去年と、ここ平安神宮のライブでは、いろいろな曲で、音が四方八方から飛んでくるイメージが強くあったのですが、今年はあんまりそういう感じではないかな?と思っていたのですが・・・
(もしかしたら座った場所のせいもあるかもですけどね・・・)
この曲では、はっきりといい音が四方八方から降り注ぐあの体験ができました。

どうやらそういうスピーカーが使われているのでは?と友人が教えてくれました。
わたしが日々格闘している楽器はアンプラグドのものばかりだし、まったくスピーカーには詳しくないので「また聞き」ですけど、360度のスピーカーっていうのがあるんですって。
特徴を聞いた限りでは、そうかもしれないと思いましたので、一応そう書いておきます。確かではないけれど。

このセッション、最初の日の最初あたりでは、「TUKU FUNK」なのかなぁ?とぼんやり思っていたのですが、全然違いました。

最初につよしさんのかなり長いギターソロがありました。
そして例によって、指先ひとつで、自由自在にバンドを操って、ソロを回してゆきます。
一人ひとりのソロパートが結構長かった印象ですが、ダレたりはせず、すご〜くおもしろかったなぁと思い出しています。

はじめて2日間セッションを聴くことができたわけですが。

どちらの日のセッションも、真ん中の展開部あたりがよく似ていた気がするので、大まかに決まっていて、ソロ回しはもちろんその日、その人、前後の人に合わせて自由自在に伸び縮みするけど、きっかけのフレーズみたいなものがあるのかなぁ?と。

特に一日目は、必ずしも隣の人へとソロを渡していくのではなくて、つよしさんがあちこち足を運んで、演奏に聴き入ったり、音で?なのかな。自由自在に次の人へ割り振っているようにも見えました。

たとえばsoloからまたtutti(全員で演奏すること)へと変わり際のきっかけは(とっかーたさんもセッションをオケにたとえてらっしゃいましたよね〜わたしもこれ、メモのまんまなんですよ!同じようなボキャを使ってる!とびっくり。tuttiなんて言葉、ここで使うことになろうとは!そして、やっぱりこの言葉がベストマッチな感じがしました!笑)つよしさん以外にも何人かが出していて、sasukeさん、竹内くん、SWING-Oさんもすっと伸び上がってサインを出したりしてました。

たとえるならタクトを振ってる人以外にも、コンサートマスターとかパートリーダーがそれぞれに指示を出している感じ。

でも、大元はやっぱりつよしさんがコンダクターなので、みなさん、目の端には常にちゃんとつよしさんが入っていて、それもちゃんと意識しつつ、小柄なつよしさんが指を高く掲げたり、かと思うと顎(あご)をちらっと上げたり、口の端っこだけで合図を送ったり。

多分お互いに絶対的な信頼があるから、こまごま決めすぎずに大まかな枠だけで、自由にやれるんだろうと想われます。

特に一日目は本当に目の前で、そんな様子がつぶさに見えたので、とてもとてもおもしろかったです。

わたし的に圧巻だったのは、スティーヴさんソロから、豪太さんとのバトルら辺。
わたしたちも大興奮だったけど、つよしさんをはじめ、ステージのみなさま方も興奮してて、みんなでわくわくしながら見守っている感じがすっごくおもしろかったです。
何が起こるのか、どんな技が繰り出されるのか、予想がつかないし、途中から経験総動員の力比べの様相を呈してきて、もちろん勝ち負けなんてなくて、双方凄いのですが、見ていてこんなに楽しいことはありません。

そしてみなさん、いつ振られるかわからないのに、ものすご〜く今目の前で起こっていることを楽しみつつ。
でもちゃんと前の人の音も聴いていて、どう振られてもちゃんと前の人の音を踏襲していて、つながりがとってもよかったです。

よく聴いてみると、ちゃんと一貫性がある音が鳴ってるんだなぁとこれはなんだか発見でした。

でありながら、曲調はどんどん変わってゆき、ジャズっぽくなったり、かと思うとどこかの民謡?民族音楽?という風情になったり。
ジャンルレスな感じなのにやっぱり、どこか一環しているというのが本当におもしろいです。

今回、このセッションタイムに、不意に大昔の「作曲ズドーン!ズドーン!ズドーン!」が思い出されてびっくりしました(笑)
(どんなもんや初期のワンコーナーです。つよしさんがお題に沿ってその場でテキトーに歌ってました、笑)
あの頃のつよしさん、できた曲の欠片を思い出すにつけても(笑)先々こんなすごい即興演奏をするようになるなんて、誰が想像したでしょう!!(笑)
ほんと、ありえないくらいの成長っぷりです。

音楽がどう転がるかわからないのも醍醐味だし、どう転がってもどうにでもできるのがそもそもすごいし、得意なフレーズひとつとかじゃダメで、いろいろな手管を持ってなきゃダメだろうし、普段から反射神経を鍛えておかなきゃダメだろうし。

それにしても、今となっては彼のライブではこんな風に即興で〆られるのは当たり前の光景だけれど、どんなミュージシャンでもできることではないし、こんなことがステージで毎回行われているのを知ったら、同業者でもびっくりされる方もたくさんいらっしゃるのではないかしら。

もしくは参戦してみた〜い!!なんて思われる方々も?

個人的にはわたしの学校の先輩でもありフリージャズの大家、タモリさんとも仲良しの山下洋輔氏あたりがご覧になったらどう思われるのか、ちょろっと聞いてみたいです。

この辺、ブルーレイになったらじっくりと見たいです。

というか、昨年のもなってないではありませんか!!どゆこと?

特に昨年のはまったく見えなくて「見えないものを見ようとして!!」というタイトルで、呆れるほど長い文章を書いたことはまだまだ記憶に新しいところです。むふふ。

昨年のと今年のを一緒にして、愛蔵盤みたいに出してくださってもいいんですのよ?つよしさん。

そして、セッションは終わり。
一気に盛り上がった会場がだんだんにクールダウンして行きます。

毎年のことなので、これでおしまいなんだなというのはみんな知っていて。
名残惜しい気持ちもありますが、みんなつよしさんの言葉を待って静まり返っています。

ここまでで本編はおしまいです。

最後のエントリーでは、全部の曲が終わったあとの流れと、MCで印象に残ったことをちょっとだけ書きます。