ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

2014.5 春の奈良 旅日記 その1 5月18日

昨日の日記にとってもたくさんの反響をいただいてびっくりしました。ただ感想を書いただけなのに…本当にいつもありがとうございます。
そしてMさん、拍手コメントありがとうございます。
Mさんの気持ちがまるで一緒に経験したかのように、とてもとても心に残りました。大切な想い出をわたしにも分けていただいたような気持ちになりました。大事な大事な「命」のともし火。これからもお互い大切にしましょうね。


さて。
今日は旅日記です。

プロローグでお知らせしたとおり、奈良に行ってきました。
最初の画像はどうしてもこれにしたいと思ってしまうわたし。何度目だろう。京都駅のせんとくん。しわが増えるわけでもなく、太ったり痩せたりもせず(あたりまえじゃ、笑)彼は相変わらず澄ました顔でそこにいました。
京都駅から西大寺まで近鉄で行ったのに、なぜか今回は縁結いが聞けなかったです。残念。当然聞こえるものと思ってたら聞こえなかったの。あれ?いつまでだったっけ?と思いながら。
あと1回くらい聞きたかったなぁ。

西大寺駅でコインロッカーに荷物を入れたのが13時ちょっと前くらい。
レンタルサイクルの場所わかるかなぁ?と不安そうなオットを尻目にどんどんいくわたし(笑)知ってるからね。
すぐに自転車をレンタルして、まずは平城宮跡に向って漕ぎ出しました。
線路沿いにしばらく走って右に近鉄を見ながら…これは…ああ、なつかしいshipに向うあの道だ!!
しばし想い出に浸りつつ。今回はオットと一緒だったので、途中であっちへ行けば…と後ろ髪を引かれつつ、跡地への道とお別れ。
でもかなり近いところを通りました。なつかしかったです。
あのオレンジ色の電車を見るだけで、すぐにもあの日に戻れそう。あそこまで行ったらいつだってあのバンドがいて、真ん中に彼がいて、たくさんの笑顔に迎えられていい音に浸れそう。
しばし想像の翼を広げてみる。

未来と 過去と 止まった針の音を 抱き寄せ 空を見てた

ふと口をついて出た歌はこれでした。「彼方〜タイムマシーン」です。

やっぱりここにくるとこれが出てくるんだなぁと我ながらびっくり。奈良はわたしのふるさとじゃないけど、どこかもうひとつのふるさとのように感じているこの場所。
代官山や中目黒、渋谷、地元でさえしょっちゅう迷子になるのに(笑)不思議と奈良にくると迷わずずんずん行けるのもおもしろい。
走り出してすぐに気がついたのが、空気がおいしいこと。こんなにも違うんだなぁ。そして意外と平坦なところが少ないです。ゆるやかに、時に長〜い坂になってる。
久々の平城宮跡は着々と緑が濃くなりつつあって、とても美しかったです。

そういえば一度も大極殿の中に入ったことがないので、オットと共に行ってみました。
敷地に入ると、こんな景色。反射的に真ん中を突っ切ろうと歩き出しかけたら、隣にいたちびっこたちがおかあさんに「真ん中を歩かない!そこは歩くところじゃないのよ。看板読みなさい、左にちゃんと道があるでしょ。」
叱られてました。
おぉほんとだ。左から回るようにとでかでか書いてあります。
オットが一歩を踏み出しかけたわたしにいち早く気がついて「今恥ずかしいことしようとしたでしょ!」と笑われました(笑)
この建物は天皇の即位とか、元旦の朝賀とか、本当に重要な儀式にのみ使われたそうですが、この砂利を敷き詰めたゾーンで天皇に拝謁できるのは、ほんのひと握りの位の高い方々だけだったとか。
確か数百人って聞いたような気がします。
ずいぶん広い敷地なので、かなりゆったりと並んでいたに違いないです。

で、それよりも位の低い人たちは、遠くに見えている大極殿への入り口、南門と朱雀門との間にぎっしりと並んで拝謁したのだそうです。
広いんだから、もっとこっち側に入れてあげればよかったのに〜そっちの方が合理的…と言ったら、「あほか!そういうもんじゃないから。」とたしなめられちゃった(笑)
そういえば色とりどりの衣装を着た位の高い方々が儀式に参列している様子、以前つよしさんが「昴」を歌ったスペシャルドラマでも見ましたよね〜不意に思い出しました。

近くまでいくとこんな感じ。シロツメクサが咲いてました。緑が美しいです。

ぐるっと回って入り口から上がると、遠くの方に山がくっきりと見えました。あとで聞いたところによると、こんなにはっきりくっきり遠くの山まで見えることは珍しいんですって。この時期ならではって言ってました。
欄干のところに色とりどりの宝石のような珠がついていて、画像を撮っていたら、なんでこれ撮るの?とオット。余計なお世話じゃ(笑)ちなみにこれは如意宝珠と言うのですって。
中に入るとボランティアの方が、いろいろと説明してくださって、それを聞きながら回りました。
金色に輝く鴟尾(しび)の豪華で美しいこと。
天井板の間に書かれた無数の蓮の花はひとつひとつ手書きなので、色みなどがみんなまちまちなんですって。
日本画家、上村淳之(あつし)氏が制作した神獣「四神」と「十二支」の壁画は、当時の資料は残っていなくて“平成の四神と十二支”として新しく描かれたものなのだそうです。
「穏やかで、優しさも感じられるように表現した」とのことですが、のびやかで美しい絵でした。
参考にされたキトラ古墳の四神はもっと顔が険しくて、渡来人の感覚が見えるのだそうですが、この大極殿の壁画は、上村氏が日本人の感覚で、四神は穏やかで権威がある風に、十二支はやさしさが感じられるように創作されたとの説明を受けました。
他にも天皇陛下がお座りになった玉座、高御座やこの大極殿の土台、建設にあたり、どうやって再現されたかなど、いろいろと説明を聞いたはずなのですが、ちっとも覚えていない鳥頭。
覚えていることは…と考えると、いつあるかわからない地震に備えて耐震構造になっていること。建設にあたり、参考にできるものが第二次大極殿の土台と、中の様子が描かれた平安の絵巻くらいしかなかったので、それらを元にして、あとは法隆寺薬師寺など奈良時代の建物の様式を参考に再現されたことなどを聞いたのですが、細部は全然覚えてません。
ボランティアの方が「偶然ですけどね、ここから見て西の白虎の方向に阪神タイガース。東の青竜の方向には中日ドラゴンズがあるんですよ〜。」とおっしゃって、一緒に回っていた方々が一斉にゲラゲラ笑ったとか…そんなことはちゃんと覚えているのになぁ〜(笑)

そしてちょっと離れて画像を撮ったわけですが、あとで比べてみるとオットの画像は建物本位に撮られていて、わたしのはあきらかに空の面積が多いです。
奈良にくるとどうしても空の広さに目がいきます。こんなに空って広かったかなぁと感動を覚えます。
翌朝タクシーの運転手さんにお聞きしたのですが、奈良の建物は大仏目線より下になるように作られるきまりがあるから、高いビルとか高い建物がないんですって。
だからさえぎるものがなくて空が広く地球が丸く見えるのだそうです。納得!



そして友人たちとくると、必ず寄る場所へ…
ここへくるとほっとするなぁ。
ひばりがあちこちで鳴いていて、すがすがしいです。
「ひばり」というと思い出されるのは大好きな古澤巌さんのバイオリンの音。

ああ、ほんとにそんな声だなぁと思いながらしばし佇む。どこで鳴いてるんだろう?と言ったら、多分すっごい高いところじゃない?とオット。

オットはあっちの方角がどこで〜なんて言いながら一生懸命地図を見てる(笑)わたしは安心して想い出に浸ってる(笑)
気がつけば脳内BGMは剛紫さんの「空〜美しい我の空」に変わってました。
この日はこの後ずっとこの曲がついてきて、あちらこちらで彼の歌声が脳内を巡り、口ずさみ「センチメンタルジャーニー♪(伊代ちゃん風に)」を彩ってくれましたのことよ(笑)
多分、ちょっと前にラジオでこの曲がかかったから耳に残っていたのではないかと思われます。またどこか、ライブでもテレビでも…この曲が聴けたらいいなぁと思います。

そして…またこの場所で友人、知人、同じ思いのファンのみなさんと集まれたらどんなにいいでしょう…とやっぱりそこに思いを馳せました。
全国津々浦々から、あるいは海を渡って…ただただこの場所で歌声が聴きたくて、音の中に浸りたくて…それだけのためにこの場所に集まったたちと、ここが大好きな方たちの音に触れられたら。
平城宮跡でライブは彼だけの夢じゃなくて、みんなの夢だと思うのですが、その理由のひとつに、こんな広大な場所ならば聴きたい人がみんな入れて、みんなと一緒にこの時間を共有できるっていうことがあるような気がします。
近くで顔が見たいとか、ちょっとでもそばに行きたいという方もいるかもですが、みんなで同じ空の下、平和で温かな空気の中で、お互い譲り合い、無駄に汚したり、ごみを落としたりしないように、そっとこの地に集って、地元の方々に迷惑をかけず、ちゃ〜んとマナーを守って、それさえもひとつの儀式のように…ひとつの空間をみんなで温かいものにして楽しめたら…
どんなに素敵なことでしょう。
そしてライブが終わった後も、そのまんまみんなで余韻に浸りつつ静かに語り合ったり、空を見上げたり、空気を感じたり…そんな日が来るといいなぁと思いつつ…
音がするほどぼーーーーーーっ!!!としていたら

「早く〜っ!次行くよ!まだまだ先は長いんだから!!」とオットにせかされました(笑)

はいはい。そうでした。わかってるってば。
というわけで、グーグル先生のMAPを起動して、自転車にまたがり、車の通れない小さな道をまっすぐに突っ切って、法華寺方面に向うことになりました。
先は長いぞ!(笑)