ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 「ヤバいほど、好きよ」(…と、大伴坂上郎女が詠まれました。)


突然ですが、週末は奈良に行ってきました。
オットとわたしの予定を合わせて、新入社員のオトートがほぼ会社に慣れて、まぁ3日くらい家を空けても大丈夫かな?と思えるようになったこともあり。
今週末からはドラマも始まっちゃうし、たまたまわたしの仕事もGWの振り替え関係が終わったところだったし。
来月からはまた生徒が増えることになっていて、ちょっと気を引き締めなくてはならないこともあり。
このタイミングしかない…とお出かけを決めたのは、ほんのちょっと前です。
どこにする?となったとき、わたしは本当は今回は奈良じゃなくてもいいかも?温泉でもいいし。
また働き始めたオットの気分転換になって、彼が少しはゆっくりできれば…くらいの気持ちでいたのですが、オットは最初から奈良以外眼中になくて、旅行代理店に行っても奈良のカタログにまっしぐら。
というわけで、奈良一択で決めたのはもうキャンセルはできませんと念を押されるくらい近くなってからです。
たまたまここのところ、わたしは近場のお出かけもほとんどしておらず、GW前半以来誰にも会ってませんでした。
なので、たまたまタイミングよくメールをくれた方、話しかけてくださった方にしか出かけることも言ってなくて「今、奈良にいるよ」と発信したら非常に驚かれました(笑)
どこでもドアで来たの?と言われるくらいだったのですが、ほんとそのくらいの感じでした。むふふ。
行ってみて気がついたのですが、どうやらここのところ、何を見ても心が動きづらくなってたみたい。
たとえば綺麗な景色、たとえば美しい仏像。花々や緑に目がいく余裕がなかったのですよね。
いろんなことが飽和状態で、もうこれ以上何も入らないよ!という投げやりな気分だったのが、奈良に行っていろいろほどけてきた気がします。
今回オットは最初からやる気満々で、録り貯めてあるお寺の番組を見直したり、山のように資料を集めたり、本を読んで研究したり、予習に余念がなかったのですが、わたしはほとんど何もせず。
そもそも思うようにあふれかえった「気持ち」を全然アウトプットできないのだから、これ以上インプットもムリ〜という感じに思っていたのが、「まだ入るんだなぁ」と再確認しました。
そして表題のポスターです。
「ヤバいほど、好きよ」というキャプションがついたこのポスター、なんて言い得て妙!と思いましたのことよ。しかも鹿に言わせるなんて反則だ!(笑)
あまりにかわいくてポスターもらえないかなぁなんて思っちゃた。
奈良のポスターは歴代「これ欲しい!」と思うものが多いなぁ。古くは西大寺愛染明王さまのとかね。

恋ひ恋ひて
逢へる時だに
愛わしき(うるはしき)
言尽くしてよ(ことつくしてよ)
長くと思はば
万葉集 巻四の六六一)

ポスターの隅っこにこう書いてありました。
やっと逢えたよ!奈良!
もちろん元々は恋の歌ですが、そこに奈良を重ねるなんて粋だなぁ!
殿方に「言葉を尽くして愛を語ってほしい」という大伴坂上郎女
疲れが溜まってたのか、なかなか言葉を尽くせなくなりつつあったこの頃のわたし。
心は常に動いていて、あんなこと、こんなこと、あんな気持ち、こんな気持ち…たくさん思っているのにね。

そういえばGWに友達が発した「長くブログをやってる方は、あんまり自分の気持ちを深く語らないんですかね?」
(というような感じのことをおっしゃったと記憶してますが、そうだったかしらね?)
という言葉が、とっても引っかかってました(笑)
いえいえ、そんなことはないのです。
ただちょっと疲れてただけ(笑)

帰ってきて一日経ちますが、まだ奈良の魔法は解けておらず、穏やかな気持ちで過ごしています。
おととい帰った瞬間に子どもたちやバロン、ミントと会った時、きのう生徒が来た時点で「やっぱりわたしの居場所はここだな!」とうれしくなりました。
そして心もまたチクタクと動き出した気がします。
気持ちを段々に埼玉モードに戻しながら、今朝は早くから何度も洗濯機を回しております。
あと1回、あるいは2回は回さないとダメかもです。

今回の旅の特徴はとにかく機動力。
1日目と3日目は自転車を借り、2日目は思いきって観光タクシーに乗って…いっぱいいっぱいお寺を回りたくさん仏像を見てきました。
見たことがあったものも、初めて見たものもありましたが、どれも心に残り、いろいろと感情を揺さぶられました。
オットもわたしもわりと自由なタイプなので、一緒に回ってはいても全然べったりでもなく…
例えるなら、バロンとオトートが散歩しているみたいな自由気ままな旅でした。
(どっちがバロンでどっちがオトートかは想像にお任せするとして、笑)
かと思うと、お酒を飲んで思い出したようにいっぱい語ってみたり、翌日にはたいして覚えてなかったり(笑)
好きに黙り込んでそれぞれ自分の世界に入りこんだり、好きなタイミングで寝たり、好きに起きたり。
わたしは持って行った本2冊を両方とも読んじゃったし(どっちもすごく面白かったです。)オットは早朝から起きて自分が持ってきた資料と、実際に見てきたものを比べたり、予習復習にも余念がなかったみたい。

そんなこんなで、少しずつ旅の記録も書いていけたらと思ってますが、とりあえずプロローグ的に、旅のことを書いておきます。