ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 風とロックと高橋優くんとちょっとだけつよしさん

ショコラ嬢に誘っていただいて、29日、箭内道彦さんの風とロック展行ってきました。
そもそもわたしたちは、だいぶ以前から松屋銀座ムーミン展に行く約束をしていたのですが、なかなかお互い予定が合わず。
たまたまふたりとも行ける日がこのタイミングだったというのもありますが、29日なら空いてるよ〜と言ったら…
「せっかくこの日に行けるのなら、ぜひぜひ表参道の『風とロック展』に行きませんか?一日がかりになりますけど、29日ならとってもいいイベントをやってますよ!」とのこと。
そのイベントは夕方6時スタートの「公開取材『<生>風とロック」です。そしてこの日、この時間のゲストは高橋優くん…とくれば、行くでしょ!もちろんでしょ♪
いつも仲良くしていただいているショコラ嬢やbonyarihitsuji嬢がひと足先に優くんのファンになっていて、わたしは昨年あのKinKiさんご出演の花火大会と重なっちゃったあの日のライブが初優くんライブでした。
わたし的初ライブはものすごくインパクトがあって、いっぺんでとても惹きつけられたので、あれ以来いろいろとさかのぼって、今では彼の音楽もわたしのウォークマンの中で大きく幅をきかせるようになっています(笑)
ひとことでいうと優くんの歌声の「強さ」が好き。
今までわたしが好きになるアーチストさんは、みな歌がずば抜けて巧いという共通点はあるにせよ、そのうえで、たいがいどちらかと言うと隅々まで神経の行き届いた『繊細な』感覚だったり技術だったり、音色だったりする人に心惹かれることが多かった気がします。
でも、初めてちゃんと聴いた優くんの歌声は、ちょっとイメージが違っていて、たとえどん底に陥ったとしても「負けない芯の強さ」がある気がして。
その特徴的な「よく通る大きな声」もとても新鮮だし、おしゃべりも緩くはなくてちょっと強めな感じ。
歌っている時丹田にしっかり力が入っていて、地にちゃんと足がついているようなイメージです。
たとえるなら大地にどっしりと根を張った感じ。東北の方特有の実直さと誠実さ。そして負けない感じ。歌声を聴いていると、とても勇気づけられます。
社会に対しても人に対しても、常に真正面に立ってまっすぐに目を見て歌う感じがとても好きなので、もっともっと彼のことも知ってみたいと思っていました。
さて。
この日は11時からその公開取材に入るための整理券が配られるということでしたが、わたしは前日マッキーのライブだったし、早起きして子どもたちの夕ご飯を作ってから家を出たので、表参道に到着したのが10時20分ごろになってしまいました。
整理券が配られる場所あたりまで行くと、すでにあちこちに行列ができています。この行列?はたまたあの行列?紛らわしい行列がいくつか(笑)
よく見たらチョコレート屋さんの行列、ポップコーン屋さんの行列。祝日の朝も早くから、みなさまほんとにご苦労様です(笑)
それらの行列を通り過ぎてやっと「これ?」という行列を見つけたと思ったら、11時を待たずしてすでに整理券を配っているところで、元々100枚分用意された着席券の整理券は最後の一枚が配られるところでした。ガーン!!
でも、係員の方が「きっと時間ごろに来ていただければ着席はできなくても、ちゃんと入れるしちゃんと見れますよ」とおっしゃっていたので、それを信じて「しゃーない!しゃーない!」と切り替えて方向転換です。
また電車に乗り、銀座にてムーミン展を見て、また表参道付近に戻ってきました。
ここもまああり得ない混雑っぷりだったわけですが、その話はまた別途。

表参道では「全然違うなんやかんや」にうつつをぬかし(この辺りもまた別途、笑)また風とロックのスペースに戻ってきたのはもう6時ちょっと過ぎになってしまったわたしたち。
ありえない緩さです(笑)
とてもとても充実してたけど。
しかもちょっとお茶を飲み過ぎてしまい(このくだり、「表参道」「お茶」というキーワードでどこへ行っていたか、想像がつく方もいらっしゃるかと!!まさしくです、笑)先にトイレにも行きたくて、ちょっと遅れて15分くらいにイベントスペースへ。
どうよそれ!!
でもそんなわたしたちでも、ご本人たちから5メートルもない場所、たくさん並ぶ表紙の顔パネルの横っちょから、ちゃんと箭内さんと優くんを見れて、お話もちゃんと聞くことができました。
びっくりするほど至近距離です。すぐそこに優くんが!!
そんな近距離から見た第一印象は箭内さんも優くんも「背が高い」ということだったわたし(笑)
「スターってそばで見るとみんな小さいものかと思ってた!」と言ったら、ショコラ嬢にゲラゲラ笑われました。
「そりゃ、小さい人ばかり見慣れているからでしょ」って。むふふ。まさにその通りです(笑)
その大きい箭内さんと大きい優くんですが、箭内さんは「これでもか!!」と優くんをいじってました(笑)かわいい弟?もしくは子犬?をからかってるみたい(笑)
そして、箭内さんが何か言うたびに「はぁ?」とか「何?」とか、一瞬身構えつつも、果敢にかかっていく(違いますから、笑)優くんがこれまたほんとに子犬みたい。でっかいけど。
すっごくかわいげのある人だなぁと思いました(笑)
30歳の男の人にかわいいっていうのは失礼かもですが、ほんとにそう思ったのです。

どんな話がされたかというと…
たとえば「福笑い」がCMソングに選ばれたことを知らなかった優くんが、テレビで初めて流れた瞬間は箭内さんにどっきりを仕掛けられていて、一緒に真夜中にテレビを見て初めて知るように仕組まれていた話とか。
他にももう一つくらいドッキリを仕掛けられた話はしてたような。
風とロック」に載った時の映像がスライドで流れるのを見ながら、その時のシチュエーションを話してくれたり。
福島でのライブの話や、あのライブを経て優くんが自他ともに認める形でずいぶん成長したという話とか。
同じ事務所の佐藤健くんやPerfumeさんとのエピソードとか。
Perfumeさん3人の中で、結婚したい人、恋人にしたい人、友達にするなら…なんて話も箭内さんに振られて、無理やり答えさせられておりました(笑)

途中までもったいぶった感じに発表されて、この日は全貌が知れなかった風とロックの主題歌については、後日ここで発表になっていて、見てびっくり。

風とロックの主題歌」は、プロデュースを亀田誠治、作詞を宮藤官九郎、作曲を斉藤和義が手がけ、演奏を上原子友康(G / 怒髪天)、亀田誠治(B)、RONZI(Dr / BRAHMAN)、池田貴史(Hammond Organ / レキシ)による“風とロックバンド”が担当。ここにボーカルとして、これまで「風とロック」の表紙に登場した浅野忠信忌野清志郎宇多丸RHYMESTER)、オダギリジョー樹木希林甲本ヒロトザ・クロマニヨンズ)、TOSHI-LOWBRAHMAN)、長澤まさみ中納良恵(EGO-WRAPPIN')、成海璃子山田将司THE BACK HORN)、RYO-ZRIP SLYME)、リリー・フランキーら38人が参加している。

なんて豪華なメンバー!!そしてもちろん優くんもこの歌に参加していて、かなり歌声のかなめになっている的な話がされていましたよ。

他にも印象的なエピソードがたくさんありましたが、そのやりとりを聞いていると、プロデューサー箭内氏は、優くんの発想や発言にわざと切り込んで切り込んで、より深い話、発想を引き出そうとしているような感じが見えて面白かったです。
なんだか名プロデューサーのお仕事っぷりの片鱗が垣間見れた感じです。
そっか、だから公開取材なんだ!!当然の事実に気がつきました。このタイトルはだてじゃない!!今更ながらに当たり前のことに気付くわたし(笑)

その手腕は、E☆Eでつよしさんに対していた時のそれとはまったく違うアプローチでした。
当たり前だけど、そのアーチストの素敵さを引き出すテクニックはみんなそれぞれ違うのでしょうし、箭内さんは、いろんな方々となにげなく会話しているようで、的確に切り込んで相手の素敵さを引き出すのがとても上手です。

途中まであんまり意識していなかったのが残念。
まさしく取材ってこんな風に行われるんだなぁというのを生で見せてもらってるんだなぁっていうのを強烈に意識しました。

さて。

ここからがこの日のハイライト。
ファンからの質問コーナーや、今主題歌になっているドラマの話をしたりしたあとで、あとちょっと時間があるとなった時に、「歌って〜」という声が飛びます。
そりゃあもちろん歌って欲しいにきまってる!
でもきっとムリなんだろうなぁ〜というのはジャニーズの人のファンをやってるわたしたちの『思い癖』(笑)でした。
なんと本当に歌ってくれることになったのです。
いえいえ。箭内さんも若干驚いてらしたような。
しかも優くん、この日は自分のギターも持っていなかったのですよ。びっくりです。よくOKしたなぁという感じ。自分もやっぱり歌いたかったのかもしれません。だって歌手ですもの。

「ギターないしなぁ〜」なんて言っている優くんに、奥から取って来られた箭内さんのギターが差し出されます。
ほんとにハプニング的に降って湧いた話なのがわかるのは、その場にいたスタッフも箭内さんもみんなが急にバタバタと動き始めたからです。

渡されたギターをちょろっと触ってみたら、チューニングがむちゃくちゃだったみたいで、曇った顔を箭内さんに向けて訴える優くん(笑)
この辺りでもまだ、本当には歌わないんじゃないの?という感じがありました。
だってチューナーもストラップもないというのです。
そもそもこれじゃ音合わせもできないしなぁ…ということになって、しばし考え込む優くん。周りは大慌て。
お客さんからこれは?と差し出されたのは、携帯のチューニングアプリでしたが、これはイマイチだったみたい(笑)そりゃそうでしょうとも。
さらに別のお客さん?(よく見えなかったのです)からチューナーが差し出され、その場で公開チューニング。
ギターの弦をひとつずつつまびきながら、音を合わせていきます。
プロのこんな姿、なかなか見れるものではありません。
ドキドキしながら見守るスタッフや観客。すごい場面に立ち会っているという高揚感。

「結構時間かかるなぁ」なんてつぶやく箭内さん。だってあなたのギターの音が狂ってるから…(笑)

そして、やっぱりストラップがないと弾きにくい…どうしよう…という話になって、右往左往していたら、これまたどこからか、全然別ルートでストラップが差し出されました。
そうやって寄せ集めのいろいろで急きょセットアップして、優くんはスタンバイ。

もちろんマイクはありません。
さらに会場も後ろの方が見えないからということで、今まで普通に立って見ていた前の方のみなさんが、みんな中腰になって見守ります。
水を打ったように静かになる会場。

「ちゃんと後ろまで聞こえるように、できるだけ大きな声で歌いますから!!」と優くん。
ちゃんとメジャーデビューしている名だたる歌手の方が、マイクを通さない生声、生ギターで1曲、歌ってくださる機会に遭遇できるなんて、そうあることじゃありません。

そんな中、優くんはこんなにたくさんの人が見ている中、すっと歌の世界の中へ入っていき…ギターを鳴らし、最新ドラマの主題歌にもなっている新曲をワンコーラス歌ってくれました。

マイクがなくてもちゃんと隅々まで届く声。やっぱり声量がすごいんだなぁと思いました。
むしろギターの音の方がアンプを通さないと、さびしいんだなぁと思ったくらいでした。

会場は静かな感動に包まれていましたが、もちろんせっかくの生歌を邪魔しちゃいけないので、本当に静まり返っていて、歌が終わってイベント終了が告げられても、しばらくはぼーっと、夢から覚めた人みたいな顔した人たちの群れ(笑)
ああ、素敵な体験をしました。

ずっと前から思っていることですが、こんな風に惜しみなく、自然に歌ってくれる人が好きなんですよね〜
歌声が本当に素晴らしい方は、ほぼ100%出し惜しみせずに、ほんのちょっとの鼻歌でも、意外と気軽に歌ってくれる方が多い気がします。
そして、どんなにさらっと歌っても、アカペラでも鼻歌でも、やっぱりその才能は隠せない。
ひと節で心を捕まえちゃって放さない。
歌わずにいられないような人がわたしは好きです。

ショコラ嬢とわたしは、このイベントの後、やっと会場中に貼られたたくさんのパネルを見て回りました。
個性的で男臭い、名だたるミュージシャンたちの素顔。
女優さんたちの自然でエレガントな美しさ。
捉えられた素の瞬間。
どのパネルの方たちも、ほかの媒体で見た写真とはちょっと趣を異にして、テレビや他の雑誌では見れない顔がたくさん撮られていて、とてもおもしろくて見ごたえがありました。

特に心を惹きつけられたのは、オダギリジョー氏とか、カエラちゃんとか、長澤まさみちゃんも素敵でした。
キヨシローさんもいらして、パネルの中ではありますが、今でも確かな存在感を放ってらっしゃいました。

そんな中、歩いて歩いてややしばらく…
見つけましたよ〜!!つよしさん。

最初に優くんのこのイベントを見に行こうという話になった段階では、このスペースにE☆Eのパネルもあることは知りませんでした。

あとになって情報がでてきてびっくり。

というわけで、見てきました!我らがつよしさん。

もちろんこの「風とロック」に載った時のフリーペーパーは持っているし、どんな表情だったかも知っているわけですが、そうそうたるメンバーのパネルを見たあとで、つよしさんのパネルを見たら、お髭でどちらかと言うとワイルドなはずですが、やっぱりこのメンバーの中に入るとやっぱり、絶対的にアイドルでした。
なんていうのかな。
その瞳に惹きつけられる感じが半端なかったです。
「人たらし」とでも言うのかなぁ。一瞬にして心を掴む、そういうオーラが出てました。
特にちょっと奥まったところにある一枚の、ちょっと控えめな上目づかいのその瞳にやられました。
彼のもうひとつの属性を否応なしに見せつけられた感じです。
こういうのって理屈じゃないんだなぁというのを思い知らされたような気もしましたよ。
もちろんファンのひいき目もあったと思いますが(笑)

そして、直前に体験した、この日の優くんの突発的な歌声や、サービス精神や、それが許される環境を目の前で見た興奮と共につよしさんの置かれている状況についてもいろいろと考えさせられました。

本当は彼もこんな風に、たとえばフリーのスペースであっても、本当は流れのままに自由に歌ったり表現したりしたいのだろうなあと。
彼もまた、そういう突発的な現場でファンと触れ合ったり、見たり聞いたり感じたりしたことがそのまんま詞になりメロディーになって生み出していく人だから。
そして本当はあふれんばかりの表現衝動と常に向き合っている人だと思うから。

そのミュージシャンにより、恵まれてる部分と、かなわない部分がどの人にも絶対にあるのだと思うけれども、同じようにすごい才能に恵まれながらも、ある人には簡単なことがある人にはとてもむずかしかったり。

意図した通りにやりたいと思っても、ある人には金銭的な壁があったり、ある人にはルールの壁があったり、ある人には才能はあっても知名度の壁があったり…
誰かとやりたいと思っても事務所の壁があったり、許される環境になかったり。
きっとみんな、事情はいろいろなんだろうなぁと思います。

そもそもアーチストという種類の人たちにとって、いくら自由な発想をしたとしても、それがカタチにならなければ、発想事態がなかったも同然なことになってしまうわけで…

そんなことをいろいろと考えたら、なんだかちょっとせつなくなりました。

豊かな才能に恵まれた人たちが、みんなちゃんとその才能を発揮できる場に恵まれますように…と本気で願いたい気持ちになりましたよ。

1曲、ワンコーラスだけという歌声を聞いたら、また優くんのライブも切実に見たくなりました。
そんな機会があったらいいなぁと思っています。
そしてついでに、いろんな好きなミュージシャンの方のライブが重なりませんように…
ここは非常に大事なところです(笑)どうぞ神さま、どうせなら、昨年のようなことは起こりませんように(笑)