ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 最近読んだ本たち。 その1 植物図鑑

うちの娘はずっと前から有川浩さんの本をいっぱい買っては読んでいて「おかあさんもいつでも読んでみなね!」と言ってくれてました。
とはいえ、積ん読があまりにも多いわたしには、常に読みかけの本があって、彼女の本棚にまで手を出す機会がなくて、有川作品ではせいぜい「図書館戦争」シリーズくらいしか読んだことがなかったのですが、ここのところ急にたくさん本を読みたくなったし。たまたまドラマ「空飛ぶ広報官」がとっても楽しかったし・・・ということで、一冊借りてみたらどんどん楽しくなって、片っ端から読んでいます。現在のところ4冊目。順々に感想を書きたいですが…
まずは最初に読んだこれから…暑すぎる夏、何も考えたくないこの時期に楽しく読むのにぴったりのやさしいお話です。

植物図鑑

植物図鑑

内容(「BOOK」データベースより)
ある日、道ばたに落ちていた彼。「お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか?咬みません。躾のできたよい子です」「―あらやだ。けっこういい男」楽しくて美味しい道草が、やがて二人の恋になる―。書き下ろし番外編に加え、イツキ特製“道草料理レシピ”も掲載。

「男の子の前に女の子が落ちてくるなら、女の子の前に男の子が落ちてきてもいいじゃない」と書いてあったのはあとがきだったっけ?
ここだけ見ると超少女漫画テイストなほわんとした感じですが、タイトルが「植物図鑑」というだけあって、毎章ごとにいろいろな道端の草が出てきて、「恋愛どころじゃないわい!」という人でも楽しめます(笑)「そういや我が家の植物図鑑はどこ行った?」と読みながら、思わず本棚を探しました。
昨日のココロ見を見て、つよしさんにとって「女性」と「植物」は意外にも類義語なんじゃないかと思いました(笑)
おもしろい人だなぁ。そしてもちろん大好き(はあと)。
ちなみにわたしにとっての植物はもうちょっと一緒に暮らしているルナ(ネコ)やバロン(犬)に近いもの。
いっぱい話しを聞いてくれて、時として答えをくれるもの。やさしくそこに寄り添ってくれるもの。けなげさにぎゅっと掴まれるもの。その強い生命力に励まされるもの…道端で出会う植物たちにはことさらそれを感じます。
だからと言ってつよしさん説を「いやいやいや」とか思っているわけでもなくて、彼のそういう独特な捉え方をしているところが好きなのです。
それが自分の思うそれと同じか違うかはわたしにとってはたいした問題ではなくて、確かにそういう側面もあると思うし〜植物はその「したたかさ」を含め、人間を助け、いざという時に賢く力を貸してくれる存在だとわたしは思っています。あくまでもわたしは…ですけれども。
さて。
話がまた逸れちゃった。まっすぐ行けない曲がりくねったわたしの脳みそ(笑)
主人公のさやかに拾われ?(笑)転がり込んだ男子は清く正しくお行儀よく同居人としてそこにいるばかりか、掃除洗濯、炊事などの家事を全部引き受けてくれて、さらにお弁当まで作ってOLの彼女を送り出してくれます。
さらに・・・彼は草花にとても詳しくて、お休みのたび「狩り」と称したお散歩に連れていってくれ、さまざまな食べられる草を持ち帰り、豊富な知識を披露しながら料じて食べさせてくれます。
一章ごとに出てくるその季節の植物の話、彼と彼女のやさしい日常の会話、うきうきするお散歩エピソード。おいしそうなお料理風景。お約束な感じの彼「イツキ」の謎(笑)もちろん出てくる胸キュンな展開(笑)
お話そのものは肩が凝らなくて読みやすいけど、植物についてのうんちくはとっても楽しいし、旬のものを食べるということや、とってきたものをどんな風に味付けするのかにはなるほど〜と思わされるし、彼女と彼の日常はとっても微笑ましくて、ただただ日々暑さに耐える真夏に読むのにぴったりな物語です。
ちなみに料じた植物の中で最もおいしそうだったのが「イタドリ」かな。そしてすぐにでもやってみたくなったのはジャム。
「イツキ」君が作ってくれるお料理がいつもとってもヘルシーで、素材の味を生かした薄味で、お金はかかってないけどちゃんと賢く手がかかっていて、そんなところにもすごく好感を持ちました。
さらに彼の作る料理を食べているだけで自然と体重が減って行ったり、居酒屋のお料理が濃すぎると感じるようになる…なんてシーンもとってもステキ。
なんだかほんわか、とってもしあわせの匂いのする本でした。
そうそう、この本を読んでから、物語の中のイツキご推奨の「馬路村のゆずポン酢」を本格的に使い始めました。

これです。
本文にも書いてあったとおり、ちょっと普通のポン酢しょうゆよりは高めですが、サラダでもさしみでもお豆腐でも、何にでもかけられてとてもおいしいです。
(ちなみにわたしは、普通にうちの近所のカルディーで買いました。)
そして表紙の裏に載っていた「アカツメクサ」は天川を歩いていた時にオットと見て「珍しいね〜」と言い合ったのだった!!と思わぬところで思い出の扉が開きました。
恋愛の胸キュンも味わいつつ、図鑑を見たくなったりお料理がんばろうと思ったり、何重にもお得な本でありました。ごちそうさまでした〜♪
さて、次に感想を書こうと思っている本は、田辺聖子さんの最新エッセーです。
これについてもメモってあるので、近いうちに文章にまとめたいと思います。