ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 高橋優 2013全国ホールツアー [BREAK OUR SILENCE] 8月17日渋谷公会堂

行ってきました。初参戦。高橋優くん。ホールツアーの渋谷公会堂です。
優くんのライブは初心者マークでたいして知らないくせに長いです。
書いているうちに興奮が蘇って、さらにいろいろ追加していくうちに、どんどん長くなっちゃいました。
これもある意味ひとつの邂逅だったかもなぁ?と思い始めてます。
そういえば、先日友達とLINEで語り合ってて、「邂逅」という言葉を覚えたのは中学の教科書だった…という話から、光村の中2の国語の教科書に載ってたある一節のことを思い出しました。
この文章の著者が何をもって「邂逅」と言ったかというと確か「ハワイのカハラヒルトンホテルのコップの氷片を浮かべた水に当たる朝日」だったように記憶しているのですが、あれ?考えてみれば、そもそもそれがなんという文章で、誰の手なる文章だったかまったく思い出せません。
それでいろいろググってみたら、かなり苦労して、この文章の著者が川端康成氏だということがわかりました。
「朝の光の中で」という随筆で、どうも教科書のための書き下ろしなのかな。
「邂逅」そして「一期一会」という言葉はわたし、川端氏の随筆の中でで覚えました。
この年になって突然教科書の一節を思い出す。不思議だけど記憶ってヤツは気まぐれで、でも意外と思い出し始めると鮮明です。
同世代の方がいらしたら、ひょっとして覚えてらっしゃる方がいるかしら。大好きだったなぁ、あの文章。
さて。
もう脱線してる(笑)
というわけで、続きを読むからがライブについての感想です。
まだ開場前でしたが、会場周辺まで行くともうすでにたくさんのファンが集まっていました。
優くんファンとしてはだいぶ先輩の友人がグッズを買うというので、グッズ売り場の前まで行ってみると、たくさんの人がすでにTシャツやタオルを手に歩いていました。
Tシャツの背中のところにセミの絵がついていてかわゆいので、ちょっとほしいと思いましたが、今回はちょっとガマンです(笑)
席についてみると、わたしたちの周りはわりとおとなしそうな大学生くらいの男子や女子が多かったですが、お父さんと10代くらいの娘さんっていうふたり組も、同世代の女性ふたり組もいて、わりとファン層はいろいろかも?と思いました。
前の日記でも触れましたが、わりとおとなし目の客層です。
音楽的にはどの世代でも全然アリな感じだけど、途中のあの下ネタトーク、親子で来てたお父さんはどんな顔して聞いてたんだろうな〜なんて(笑)
渋谷公会堂は今年2度目で、前回は安全地帯だったのですが、今回1階の後方部分だったにも関らず、このホールは前から後ろまで一段一段ちゃんと段差があるので、やっぱりとても見やすいです。
そして一体感を感じやすい作りな気がします。2階でもかなり見やすいんじゃないかな。
「ここでつよしさんもやらないかなぁ」と友人に言ったら「ここじゃ小さいよ!チケット取れない!」と言われてしまった(笑)
それはもちろんなにより大事な問題だけれども。
客席は超満員で、ライブが始まり1曲目の曲目がなにかわかるやいなや、男子の期待に満ちた野太い叫び声が(笑)
キャーっ!!という女子の声ももちろんあったけど、それより男子の声が多いのがとっても新鮮でした。
まだまだ優くん初心者なので曲目が全然わからなかったのですが、ツイッターで拾ったところによると最初の3曲は「スペアキー」「陽はまた昇る」「駱駝」だった模様です。
ファンの皆様にとってはものすごくど真ん中の3曲だったみたいで、とっても盛り上がってました。
わたしはニューアルバムで最初に心を鷲掴みされた曲が「陽はまた昇る」だったので、この曲が生で聴けてうれしかったです。
これは8分の6拍子のテンポがいい曲ですが、最初は暗くちょっと絶望的な感じに始まるって、サビで視界がぱーっと開ける感じがとても好き。
優くんの曲はこういうのが多いかも!?サビは総じてとても美しく印象的ですが、そこへ行くまではさまざまな魑魅魍魎と出会わなくてはいけない感じ。
いえいえ本当に出会うんじゃなくて、雰囲気ですよ、雰囲気(笑)
特にこの曲では「たとえ明日を見失っても 明けぬ夜はないさ」で締めくくられてるのがとても好き。うわ〜んそうかしら。ほんとうに?!(息子のような20代に確認するおばちゃんがここに、えへへ。)
今回のセットリストはわりとニューアルバムからの曲が多かったので、知っている曲がほとんどでとても見やすかったです。
高橋優くんの声の力強さ、音楽に対する潔さ、表現の潔さっていう側面もあるかな。
そしてとんでもなく説得力のあるその歌声は圧倒的で…全編通して一環して流れているロックな感じ。
MCで優くんが畳みかけるように言葉を浴びせかけて最後に「これは渋谷の集会だ!」と言ってましたが、ほんとにそんな感じ。
渋谷公会堂の結構大きな空間がひとつになって、音楽を仲立ちにファンと優くんの心と心が一見荒っぽく、でもその実、とてもやさしく触れ合っているのを感じました。
優くんというアーチストは常に全力投球で、大声で歌っても、MCでどれだけ力強く叫んでも、無尽蔵に大きくて説得力のある声が次から次から出てくるように見えて、その若さとパワーにも圧倒されました(笑)
考えてみたらわたしが普段好きなアーチストは圧倒的に繊細な人が多くて、ぎゅーっと包み込んであげたくなる系の人が多いのですが、優くんはわたしが今好きだと思うアーチストさんたちの中では圧倒的に年下な方だけど、初めて出会った「あっちから抱きしめてくれる系」?(笑)のアーチストかも。
さらに、客席に「一緒に歌おう!!」と煽ってくれる場面がたくさんあって、周りにいたおとなしそうな男子たちが、ライブが進むにつれどんどん大声を張り上げ、優くんと一緒にガンガン歌い、手を振り上げて盛り上がっていくのが手に取るようにわかってジーンとしました。
ある意味現代っ子だなぁと感じていた草食系男子たちの中に、本当はちゃんとある熱いパッションが、目にキラキラと光が宿っていく過程が…手に取るように感じられました。ステキだなあ。
セットリストを全部載せてるサイトは見つけられなかったのですが、わたしが個人的にすごく印象に残った曲たちは
「ボーリング」「福笑い」「泣く子はいねが」「涙の温度」「陽はまた昇る」「CANDY」「空気」「同じ空の下」
このあたりを挙げておこう。
特に「ボーリング」と「泣く子はいねが」は目の付けどころというか、歌にしどころが独特でオリジナリティーにあふれてて、ものすごく心に残りました。
「ボーリング」はこんな曲です。
意外と思われるかもですが(笑)わたしは「この1曲を聴くためにこのライブに呼ばれたかも?」とさえ思いました(笑)
ええ?これですか?なぜカッコ笑い?ってびっくりされるかもですが、よかったら聴いてみて。
多分わたくしレインのイメージとはちょっと遠いと思われるかもですが、実はそうでもないんだな(笑)ストレスがたまりきっていたのでしょうか?(笑)聴いていくうちにものすごくすっきりしたし、ものすごく癒されました(笑)

この曲は印象的な「めんどくせぇ!!」という歌詞が連呼されます。
そこを会場にも振ってくれて「一緒に歌おう!」と煽られるのですが、ここを歌うのも超気持ちよかったです。
「今日だけ職場が消滅しちゃえばいいのに」とか「生きていくのがめんどくせぇ」とまで言っちゃうのですが、聴いててほんとに癒されました。わたし、相当病んでるかも(笑)
若い男子に混ざって野太い声に負けないように「めんどくせぇ!」と歌うのは、ものすごくストレス解消だったし、何もかも手放しちゃえ的爽快感があったし、逆説的に「まだまだいける!」という気持ちにさせられました(笑)いろんな意味で衝撃だったなぁ(笑)これからは、本気で追い込まれたってこの曲があるからもう大丈夫。うちの子らに中2病と言われようが構わない!!(笑)
一方「泣く子はいねが」は秋田出身の優くんには小さい頃からお馴染みの「なまはげ」のことを歌にしたもの。
なまはげを見て怖くてワーワー泣いている子ども時代を思い出しながら、こんな世の中「泣いてる場合か?!!」となまはげに言われているような気がしたと優くん。
これも「なーくーこーはいねがっ!!」とリズムに乗って大声で歌える系で、すっごく楽しかったです。
いえいえ楽しいだけじゃなくて、中身はかなりワイルドだし、そしてメッセージはとても強いです。

手っこ取り合えば道は拓ぐ
僕らの未来に光射す
明日にゃ明日の風が吹く そう秋田にゃ秋田の風が吹く

このあたり、ものすごく好きでした。
ああ、こんな風に「しっかりしろ〜っ!!」って渇を入れられたかったんだなぁ、わたし。
だからこの場に呼ばれたんだ…ここでもやっぱりそう思いました(笑)
「CANDY」はいじめをテーマに真正面から書いた歌。
帰ってきてからどこかで「実はこの曲は優くんの実体験だった」というエピソードを見て、だからこそのものすごい説得力だし、突き刺さり感は半端なかったんだと実感しました。

憎しみの色に染まらないように
馬鹿な大人にならないように
あの人たちが何をしても やり返すことはしなかった

中略

それでも世界は回り続けてた
どんなことも「昨日」になった

中略

強かに生きて行こうと誓った
これは繰り返さぬための歌
追い詰め奪うための正義なら 僕は世界でも敵に回そう

それから「涙の温度」はこの間の「僕らの音楽」で大竹しのぶさんと優くんがデュエットした曲なのですが、美しい曲だったなぁ。しのぶさんの歌は母性っていうか、ものすごく包容力を感じたのですがまだ若い優くんはどうだろう?なんて思ったのですが、生歌は強くてどこまでも広がって、とてもいい気持ちになりました。
そして最後の最後、大好きな「福笑い」が生で聴けてしあわせでした。ありがとう。優くん。
こちらの方が多分有名だし、みなさんご存じですよね。

MCが生徒会長みたいな口調になったり、かと思うと下ネタでぐいぐい押してきたり、とっても上手で、畳みかけるように次々話が転がっていって、とてもおもしろかったです。
それから…彼はちょっとせっかち気味な人なのかしら?(笑)
食い気味に次の話次の話に振って行くところとか、歌の終わりのシメもちょっと先を急ぐ感じ。意外とあっさり目なのが、正直ものすごく新鮮で気持ちいいと思った自分もせっかちなわたしなのでした(笑)
わたしは本来こっちタイプです。
そして、アンコールを経ての、ライブの〆方がまた素晴らしかったです。
最後、ごあいさつのあと、バンドのみなさんもはけてしまってから、自分の曲が流れているのをバックに、上手で深々とお辞儀そして、下手にも歩いて行って、やっぱり深々とお辞儀という一連の流れのあと…
センターに戻ってきた優くんは、バックで鳴っている音源に合わせて、マイクの前に進み出てワンコーラス歌ってくれました。
それはそれはお客さんも大喜びです。
その後、彼がまたお辞儀をしてさよならを言ってステージを去った後もまだまだ曲は続いていて…歌声は客席へと引き継がれて続きます。
最後まで手拍子と共に客席の歌声が大きく鳴り響き…曲が終わってからも、いつまでも鳴り響く拍手の音。
そこにふたたび本人が出て来ることはなかったけど、きっと裏で聴いて喜んでいるだろうなぁというのが容易に想像できる感じで、客席も優くんから引き継いでみんなで歌った最後の一曲の充実っぷりを肌で感じていて、とっても満足しきった充実した顔をしていて…客電がついてもまだまだ余韻は続いてました。
彼の歌の中には「ファンも一緒に歌おうよ!!」という曲がいっぱいあるので、次回ライブに行くまでには歌えるようにしていきたいものだ!
あれ?また行くの?やっぱり?(笑)
どうやら次も行きたいらしいです(笑)
ただし、花火のシーズンは避けると思うけど(笑)
ああ、どんどん好きな人が増えてゆく。うれしいことではあるのだけれど…やっぱり予定は重ならないに越したことはないし、うまいことタイミングが合えば、またぜひぜひそのライブを体感したいと思いました。
ありがとう!