ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 ヘタはヘタなりに〜(笑)

 ピアノを習いに行ってきました。
お正月明けてからどうもさぼり癖がついてしまったので、この2週間ほどは寝ても覚めても「練習しなきゃ!練習しなきゃ!」という強迫観念に捉われていたのですが、やっと解放されました(笑)しばらくは、ゆっくりと夜を過ごそう…な〜んて思っているとまた2週間後くらいに目を三角にしなきゃならなくなるので、そうならないように毎日ちょっとずつ弾けば…ごほごほごほ。これぞわたしがいつも生徒に言っていることです。口だけではダメだというお手本になってしまいました。
 今日持っていった曲たちはこの間から3か月がかりで復習していたショパンの「幻想即興曲」と新しくドビッシーの「雪は踊っている」を。
 ショパンは粘りに粘っただけのことはあって、やっとなんとか生徒の前で弾いても恥ずかしくないくらいにはまとまったらしいので(最初は『ホントにこれ、前にやったの?』というくらいひどくて、『どこから言おうかしらね!?』と言われるくらいだったのです、笑)今日でおしまいです。
 ドビッシーの方は繊細で粒の揃った細やかな音が要求される曲で、学生時代の親友の18番だった曲です。当時、彼女は繊細な素早い動きの曲を得意としていて、それはそれは上手で、いつも先生に褒められたり拍手喝采を浴びるのを横目で見ていたし、この手の曲は自分で弾くより彼女の音を聞いている方が気持ちよかったし(笑)絶対に手を出そうとは思いませんでした(笑)
 当時のわたしは、どちらかといえば大地に根ざした暗くて重たい曲が得意だというのが自他ともに認めるところだったし、この曲は彼女より上手に弾けるはずがないと最初から敬遠していたのです。
 ところが今の先生に教わるようになってから、「そりゃああなたの弾き方が悪かっただけ。そんなに重たい曲ばかり弾く必要なんてないし、それしか弾けないなんてはずはないわ。思いこんでるだけよ。指なんて動かし方次第でどういうタイプの曲だって弾けるようにできてるんだから」との持論を展開されて、半信半疑ながらやっているうちに、そんなに「あれはダメ」「これはやめておこう」というのはなくなりました。
 うまく弾けたかどうかはともかく、今回この曲を練習してみたらことのほか楽しかったです。
 音もなくあとからあとから降りしきる雪のイメージに魅せられて、ふわふわと漂うような音楽に夢中になったひと月でした。結果、まあ大得意という程でもないにせよ(笑)苦手というほどでもなかったなぁというのが実感できて、根強い苦手意識を払拭できただけでも価値があったかなぁという感じです。
 ここのところずっと教え方を習いたいという気持ちがあって、「子供の領分」というわりと弾きやすいけれど音楽表現はむずかしい曲集をおさらいしていたのですが、本当に楽しかったです。
 この本とわたしが出会ったのは多分中学に入りたてくらいの時だったと思うのですが、最初に買った全音の楽譜に黄色い中級を示す帯がついていて、早く上級の青い帯がついたものを弾きたくて仕方がない時期だったので、楽しむなんてことはあんまり考えておらず、「上がり」にしてもらうことばかりを考えていたので、ちっとも楽しくなかったのです。もったいないことをしました(笑)
 それをうん十年たってから本気で楽しめるようになるなんて、中学生のわたしには想像もつかなかったに違いないです(笑)
 特に「ゴリウォークのケーク・ウォーク」という曲があって、これはわりと新しいジャズっぽいテイストが入った楽しい曲で、全然うまく乗れずに終了したままだったのですが、ここのところいろいろなリズムの入ったジャズやらロックやらファンクやら聴くようになってから、このクラシックとは違うアクセントの曲に非常に親しみを感じるようになりました。みなとみらいあたりから、生バンドの生きたリズムに散々身体を合わせる楽しさを覚えたことと多分無関係ではないような気もします。
 うちの先生は例え方が上手で、ここは金管のうわっ!!という音の出し方をイメージして…とか、ここは左手をパーカッションみたいに打鍵して…とかおっしゃるのでイメージの中で遊ぶのがとても楽しかったです。
 この曲を練習しながらひとつ発見したのは、クラシックのアクセントを関東弁とすると、ジャズロックのテイストは関西弁みたいかも!?ということ(笑)
 で、理屈でわかっているだけじゃ、なかなかそれっぽく弾けないのです。よくドラマなんかで、関東の人がセリフはちゃんと関西弁でしゃべっているはずなのに、「ネイティブ大阪〜ん」(造語で失礼!)が聞くとどうもそれっぽく聞こえない。何かが違〜う!!というのと似ている気がします。多分わたしが弾くジャズテイストの曲は、それなんだなあと思ったのです(笑)
 そんなわたしが、今回久しぶりに少々リズムが逆のこの曲に出会って少しだけ手ごたえがあったのは、きっとその手のリズムに心底惹かれ、ネイティブリズマー(これも造語!念のため。)にちょっとでも近づきたいという気持ちが形になったのかも!?と思います。
 ただ熱心にやりすぎると、今度はクラシックの古典モノを弾いていて、あれっ!?強拍と弱拍が逆ですけど!?という悪影響も生まれてしまって、関西弁と関東弁が混ざり合って変な言葉をしゃべる外人みたいなことになったりもしましたが(笑)
 そんな試行錯誤をいろいろと繰り返しながら、月1度のレッスンで必ずドビッシーを持って行っていたら、やるほどにどんどん楽しくなってきたので、続けて今度はもう一段上の曲集「ピアノのために」を片っ端からレッスンに持っていこうかなぁと思います。
 ショパンも続いてまた、即興曲。今度はop29を。(何がうれしいって2冊とも楽譜が薄くて軽いのですよね〜、笑)レッスンに行く時はいっぱい歩くので、重たいとそれだけで滅入ってしまうのです(笑)
 これも高校生の時にちょろ〜っとやってすぐに終わりにしてしまった曲なので、今度こそ時間をかけてゆっくり取り組みたいです。
 先生は次回の演奏会に向けてもう動き出されているのですが、尊敬なのはいつお会いしてもまったくピリピリしていないということで、芸術家にありがちな気むずかしい感じとは無縁なのがすごいです。
 さ〜てわたしもこれからレッスンです。
 先生を見習ってニコニコとおだやかにレッスンをしたいです。