ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 オトナのピアノ

 今日は年内最終の自分のレッスンでした。
 ここのところ、目を三角にして練習時間の確保に努めていたのは、うちの生徒たちがものすごくがんばるようになったからで、特に大人の生徒さんたちがやる気満々で、ある50代の方など一日必ず2時間以上は練習してます!なんておっしゃっていて、負けてはいられない!!と思ったからです。
 わたしがずっと取り組んでいるのはショパンの幻想即興曲とドビッシーで、特にショパンの幻想即興曲ををレッスンに持って行くのは3回目です。一度目は多分高校生。2度目は学生時代に試験で弾いて、そして今。
 これほど有名な曲なので、誰もが知っているわけですが、目標は「年輪を重ねた今だからこそ弾けるピアノを弾く。今までとはひと味違った音を出して、一番満足がいく演奏をする」だったのですが、これが案外簡単ではありません。結局もう1回はレッスンに持って行こうと思っています。手ごたえはちょっとずつ出てきたけれども(笑)
 まずは練習量を増やしたら、肘を痛めかけました。テニス肘みたいな症状が出てびっくり。昔は何時間練習したって絶対にどこかを痛めることなんてなかったのに〜。やっぱり年かしら〜とがっかり。
 次は左手の薬指が痛くなってこれはまさしく腱鞘炎の症状で、ヤバイヤバイ。大人のピアノはやみくもに弾けばいいってもんじゃないということを実感いたしました(笑)がんばりやさんの年上の生徒さんがやりすぎて指を壊さないように、もっともっと配慮しなくてはなりません。
 こりゃあもしかして自分自身をサンプルとして、大人の練習のあり方の勉強ができるんじゃないかと思い立ったので、だましだまし、それはそれはいろいろな本を読んだり資料を集めたりして様々なことを試したりもしました。
 要は学生時代みたいな弾き方じゃダメだし、無茶はできないけれど、たとえばテンポをバカみたいに上げなくてももっと技術的なことでカバーするには?とか、指から鍵盤への力の伝え方、抜き方をとことん試してみて、省エネルギーでしかもよい音が出せるようにするとか…今までにない興味が次々と沸いて、とてもとても考えて練習をしていた気がします。
 それでもやっぱりイマイチうまくいかないところはやっぱりうまくいかず、胃が痛い思いでドキドキしながらレッスンに行ったわけですが、大人になってから「うまくできるだろうか〜!?」と深刻にドキドキしたり、まるで審判を受けるかのようなイヤ〜な緊張をする機会がどんどん減っているので、自分に言うのもなんですが、ちょっとはいいクスリかも!?と思いました(笑)
 明らかに緊張してきて、全然弾けない生徒に「そりゃあ十分に練習してないからそんなに緊張するのよ!」なんてことを言ったり、「練習する時間なんてどうやったって取ろうと思えば取れるでしょ!」なんて言ってた若い頃。今思えばなんと無責任だったことか。ああ、愚かだ(笑)
 自分で本気になってやってみると、どんなにやる気満々だって、やみくもにやったってできないときはできないですから(笑)
 というわけで、生徒の身になって考えられるようになれれば、それだけでもレッスンに行く価値があるんじゃないかと思うこのごろです。
 それにしてもわたしの先生のピアノの美しい音色ときたら…なんて美しいのでしょう@@
 まっいっか。理想だけは高くもってこれからもがんばっていきたいです。習う方はもちろん、教える方もね!!