ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 飛翔

 タイトルはシューマンピアノ曲。幻想小曲集の中の1曲です。
 今、3度目にこの曲を練習しています。1回目が多分高校生くらいのときで、2回目が学生時代。確かこの時は試験で弾いたのでした。そして、今です。
 どうしてこれをまた引っ張り出してきたのかというと、ひとつはこの幻想小曲集を通して全部弾いてみたいと思ったからです。以前は順番もばらばらに、あっちを弾いたりこっちを弾いたりして終わりました。
 この曲集はとてもバラエティーに富んでいて、すごく美しいなだらかな曲も、激しいテクニックを要する曲もいろいろと入っているのです。
 また、過去2回ともどうしても納得がいく演奏ができないままに終わっていることもあって、生徒に教えるのにもう一度ちゃんと習っておきたいと思ったのもあります。
 クラシックの曲は限りなくたくさんあるのですから、なにも弾いたことがある曲を再度習いにいかなくてもやるべきものはいくらでもあるわけですが、今の先生はひと味違う教え方や、曲の捉え方をされる方なので、先生がどんな風に解釈してどんな風に教えてくださるのか、とても楽しみにしています。
 また、今の先生はまったく出し惜しみせずに、どんどん弾いてくださる方なので、単純に大好きなこの曲を先生の演奏で、贅沢にコンサートホールじゃなくてレッスン室という目の前で(笑)聞いてみたいという気持ちもあります。
 それにしても、譜読みし直してみて、学生時代とまったく違うところで深く感じ入るのはなぜでしょう。
 学生時代とはまったく違う感じ方をしているし、弾き方も多分前とは変わっているのだろうなあと思います。不思議です。
 ここに先生の手が入って更にどんな風に変わるのか、今度はちゃんと納得がいくように仕上がるのか、やっぱり挫折して終わるのか・・・課題は山積みですが楽しみでもあって、時間が足りない〜弾けない〜とキリキリしつつも、ちょっとわくわくしつつ練習しています。
 前曲「夕べに」はとても美しいゆったりした曲ですが、この曲も断然今年になって弾いたときの方が心にぐっと響いて、ことさらいい曲に聞こえました。学生時代はさらっと弾いておしまいだったのですが、穏やかな夕方の情景が浮かんで、一気に飛躍して平和のありがたさまでも思ってしまったりしました(笑)
 月日を経て変わったのは技術や先生の教え方だけじゃなくて、わたし自身の心の中なのかもしれません。そう考えると、何度でも何度でもチャレンジしてみる意義はあるのかも!?とはいえ、やっぱり意外でもなんでもなくて、以前弾けなかったところは、やっぱり今も弾けなかったりするんですけどね(笑)