ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 どうでもいいことですが。

 今朝のズームイン朝で、ピアノを前にした小学生の女の子が、手を交差させて、右手で左手の楽譜を弾き、左手で右手の楽譜を弾くという特技を披露してました。両手別々に違う曲を弾いたり、ピアノに背を向けて後ろ向きにバッハを弾いたりもやってましたっけ。
 その他にも、かなり高度な絶対音感の持ち主で、ドライヤーの音を和音で言い当てたりもしてました。こういう子って時々います。わたしは彼女の手の形と指の運びがしなやかで美しくて、「ああいう形、理想的だわ」なんて思いつつ見てました。
 その時は、ふ〜ん?!なんて笑って見ていたのに、見たらやってみたくなるのが人情(笑)ちなみに、他のはすでに試したことがありますが、後ろ向きで弾くというのが果たしてできるのかどうか…うずうずして、やっぱりやって見ずにはいられませんでした(笑)結果はというと、思ったよりはできるものでしたが、ちょっとした練習は必要かも(な〜んて、早速、どこかで披露する気だな!)午前の生徒が来たのですが、彼女も番組をみていて、やっぱりやってみたそうです(笑)この先生にして、この生徒あり。
 話は変わって、朝ドラで毎朝知っているピアノ曲をさくらこちゃんが弾くので、なんとなくうれしいわたしです。今朝はバッハのインベンションがいっぱい聞こえてきて、好きな曲ばかりだったので、とてもうれしかったです。
 今は亡き受験時代から学生の頃お世話になった恩師の先生は、等々力に住んでいらして、通ってゆくといつもインベンションを弾いていらした時期がありました。演奏会ではプロコフィエフショパンソナタをガンガン弾かれる方なのに、どうしてインベンション、しかも2声の一番やさしい曲たちをこんなに熱心に何回も弾いているんだろう?と疑問に思い聞いてみたら、「この曲集なら全曲続けて弾けるレベルだし、実は一見易しい曲のようで、とても深いのよ。この年になると、こういう単純明快だけれど、心にまっすぐに入って来るものを好むようになるのかしら」なんて笑っていらっしゃったのが目の裏に焼きついています。
 この先生は、この話の数年後、45歳を待たずして卵巣がんでお亡くなりになってしまったのですが、多感な少女時代にどっぷりお世話になったせいか、代々の先生たちの言葉の中で、一番たくさん思い出すし、誰よりも近づきたいと願う理想の先生像です。
 気がつけばあと数年で彼女の年を超えてしまいます。久しぶりに感慨深く思い出しつつ、わたしもインベンションの2声の全曲通して…って奴をやってみようかなと思い始めているこの頃です。