ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

2018 6月の奈良旅の記録 その1 玉置神社さん

去年の秋、家族で奈良を旅したのですが、あまりにも忙しくて日記にしなかったことをとても後悔したので、今回はがんばって、ちょこちょこ書こうと思います。

旅行に行ったのは、6月22日から24日です。

出掛ける少し前に、大阪で大きな地震がありました。

こんな時に関西方面へ出かけてご迷惑にならないだろうか?とか、余震は大丈夫か?とか、前後に日本のあちこちが揺れていたので、留守中、関東地方は大丈夫だろうか?とかいろんな不安がありました。

とはいえ、二日分の宿に直接問い合わせたところ、十津川村天川村では被害もなく、落ち着いているとのこと。

不安になり始めたらキリがないと覚悟を決めて、行ってきました。

前後は結構な大雨だったのですが、この日はピッカピカの晴天。

30度を軽く越えた、結構暑い日でした。

神さまに感謝しつつ、今回も山三昧な旅に向かいます。 

 今回は、まずは京都から近鉄でいつものように大和八木まで行って、そこからレンタカーでひたすら南下。

初日は十津川村泊なので、十津川を指して行きます。

十津川村はいつも行く天川村よりもさらに南にあって。

山の中を通って、国道168号線をひた走っていくのです。

十津川村には、玉置神社というところがあって、以前からとても行ってみたいと思っていました。

さらに、天川ともまた趣が違うから、ぜひぜひ行ってみるといいですよ~と勧められたこともあり、もう去年のうちから、次に行くなら十津川も!と決めていました。

天川に向かう時は、川の存在感が大きくて、道中も、常にせせらぎが聞こえているのですが、今回通る道は、いつもと少し景色が違います。

ねえ、すごい水の景色広がってない?川なの?湖?とオット。

う~ん、ちと違う。

こういうの、なんて言うんだっけ?と考えて「あれだ!」と思うものの、ど忘れしてその「言葉」が出てきません。思わず口をついて出た言葉が「ポンド(POND)」でオットが爆笑しました。

なんでそこだけ英語?池ってこと?

そうだそれだ!巨大なため池です。

そしてダムもあちこちにあるようだったし、水力の発電所もありました。

そっか、高い山が多くて雨もたくさん降るから、水害にならないように、水を溜める貯水池があちこちにあるのだと気がつきました。

確かにこの日は晴天なのに、山側の崖の思わぬところから、道路に向かって、水がザーザーと流れて小さな滝のように流れていたり。

水量が増しているかも?と思える川があったりもしました。

山道を走っていたら、大きなお猿さんが車道のへりまで降りてきていて、仰天しました。出てきた看板に「猿谷ダム」と書いてあって、まさしく猿谷!!と頷き合うわたしたち夫婦。

あちこちに落石注意とか、崖崩れ防止の網などが張られていて、まだ地震のニュースが記憶に新しいところだし、何かあったらきっと大変なことになるんだろうなぁなんて、一抹の不安をおぼえつつ、通り過ぎてゆきます。

 

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この地図で見ていただくとわかるのですが、上の方にある京都からどんどん下へ下へと走りました。

赤丸がついているところが、たまたま休憩することになって入った喫茶店

「デコイ」さんです。

onsenjapan.jp

 

その時はぐったりしていたので、写真も撮らず、店の名前も覚えていなくて、あれはどこだったのだろう?と帰ってきてから途方にくれました(笑)

で、オットがグーグルマップで走った道をずっと辿って行ってここだとわかりました。

そもそもが、この時すでに15時を過ぎていて、とにかくコーヒーが飲みたい!とカレーで有名なお店だということも知らずに入ったのですが、後でそんなにおいしいインドカレーなら、食べてみたかったね~と後悔しました。

無類のエスニック好きなのに、惜しいことをしたかも(笑)

また行くことがあったらぜひぜひリベンジ、ちゃんとランチタイムに寄りたいです。

ここでコーヒーを飲みながら、わたしたちはお店の方に、とても大事な情報をいただきました。

「どこ行くの?」と気さくに声を掛けてくださったので、今日は十津川泊で、明日玉置神社に行くつもり・・・と話したら。

「いやいや。絶対に今日にしなさい!」「今日行くべき!」とおっしゃるのです。

晴天なのは今日までの予報だし、晴れじゃないと行くのが本当に大変だから。

何より、お天気の日に行った方が景色もいいし、綺麗よ~とのことでした。

なんとなくイメージとして、夕方に神社に行くよりは、午前とかの方がいいのかな?と思って、翌日にするつもりだったのですが・・・

今日の方が断然条件がいいし、ここから30分くらいで行けるし、やっぱり今日にしたらどう?と何度も勧めていただき。

さらに雨続きの後の晴天の日は、実はがけ崩れが起こりやすいとか、明日はきっと豪雨になるだろう。そうなると国道も通行止めになる可能性もあるし、土砂崩れが起こらないとも限らないから、なるべく早めに天川に移動した方がいい・・・とか。

怖いけれども大切な情報をいくつも教えていただいて、とてもありがたかったです。

今、これを書いている時点では、先日の未曽有の西日本の豪雨があって、その怖さが本当に実感的にわかっていますが、その時はまだそこまで雨の怖さも理解していませんでした。

なので、このアドバイスをいただいたことが本当に貴重で、玉置神社に行く道中のみならず、旅のあちこちでこのアドバイスを思い出し、無茶をすることなく、安全な旅ができたと思っています。

「デコイ」のお店の方には本当に感謝です。

その時のことを書いたツイートがこれ。

まさしく、まさしくでありました。

「玉置神社はこちら」という看板を通り過ぎてから、ひたすら車で山を登るのですが、狭い道のあちこちに、結構大きな石が落ちていて、落石の多さが伺えました。

こういう道を行くことも想定して、ここのところいつも軽自動車を借りるのですが、今回も大正解。何台か対向車と行き違うのが断然楽でした。 

 それにしても遠いんだなぁと思いながら走って行くと、参道口の手前の大きな駐車場に出ます。

前にも後ろにも車は見かけなかったので、こんな時間に行こうとするのはわたしたちだけかしら?なんて思っていたら、結構たくさん車が止まっていました。

駐車場からはとても美しい山の景色が見えます。

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遠くまで山、山、山です。

そして空がとても綺麗でした。

ちなみに海抜1000mだそうですよん。

ひとつ前のツイートの画像の鳥居をくぐって。

ここからウワサによれば徒歩15分ということでしたが、絶対にもうちょっとあったと思います。イメージとしては30分近く?

結構な山道だし雨が降ったら滑りそうだしで、後から思えば翌日、土砂降りの中でここに来ようと思ったら、ムリだったかもしれません。

しばらく歩くとウワサに聞きし樹齢3000年の大木が見えてきて、もうちょっとで到着です。

 

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f:id:rainfall:20180622152339j:plain1300年の伝統を持つ世界遺産なのだそうです。

玉置神社|聖地・熊野三山の奥の宮

詳しくは上記、ホームページをご覧ください。

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注意書きがしてあって、お作法に従って何度か大きな茅の輪をくぐって、まずは本社にお参りしました。

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狛犬さんたちもたいそう年季が入ってます。

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苔むしていて、とても風情がありますが、ひっそりしています。

続いて、三社神社をお参りして。

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 この後、先ほど別の角度から見た御神木を正面から見て・・・

 

社務所に向かいます。

社務所でやっと人の気配がして、祝詞を上げてもらっている方たちもいるようです。

社務所もまた1804年に建立されたそうで、建築物としても価値が高そうだなぁと思っていたら、国指定有形重要文化財なのだそうです。

500円の見学料を払って中に入れていただいたら、神職の方が案内してくださって、杉の襖に描かれた約70枚の花鳥図について、詳しくお話を伺うことができました。

この絵はこちらのページを下へ下へスクロールしていくと、見ることができます。

境内のご案内|玉置神社

板戸及び板壁60枚ほどで仕切られた社務所のすべての襖に幕末の狩野派の絵師の

法橋橘保春らの筆によるそうで。

松・牡丹・孔雀・鸚鵡・鶴などを 題材とした豪華な花鳥図が描かれていました。
手前の部屋で暖をとるために火を焚いていたので、煤で汚れて黒っぽくなってしまったとか。

奥へ行くほど彩色が綺麗に残っているという話とか。

元々は京都のお寺にあったものがここに持って来られたこととか。

山深いところで、あまり人が来ないので、このように素晴らしいものが長いことそのままに保たれているとか、興味深いお話をたくさん伺うことができました。

襖絵のみならず、神社に関する様々なエピソードもどれも興味深いものばかりで、ここは見過ごしてしまいがちですが、玉置神社に行かれた際はぜひぜひご覧になられるといいと思います。

そしてこの社務所近くにこれらがあってこのツイート↓

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とても立派な梵鐘がありました。

そしてまたてくてくと山を下り、駐車場まで来たところで、買い物を。

お酒とかおみやげも売ってましたよ。

そして。帰り道のこのツイートへ。

キジがキジだとわかったのは、直前に見た襖絵によるところが大きかったです(笑)

オットと、さっき見たアレだよね?すごくない?と言い合いながらご機嫌に山を下りました。

 一緒に撮った景色は一瞬だけ車を停めて、オットが車窓ごしに撮ってくれたものです。

なんだかとても神々しかったです。

そしてやっぱりあちこちに落石があって、怖いね!とも言い合いつつ。

単にいい景色ね~素敵ね~で終わらなかったのがこの旅のとても重要なポイントで。

自然に対する「畏れ」という気持ちも実はとても大事だと実感した旅になりました。

この後も、終始このテーマについて、考えさせられることになります。