ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 ミラノコレクション ふたたび <追記あり>

(一部の文章に誤りがあり、次の日記であらためてその部分の考察をやり直しました。

本当はこのエントリーの、その部分だけを書き替えようかとも思いましたが・・・

もうたくさんの人に読んでいただいているし。

どういう道筋で考えたか、その流れを残した方がいいと思うに至ったので

あえて「ここは間違いでした!」と注釈だけ入れてそのままにさせてください。

ということで、この日記は次の日記と併せてごらんいただけたらと思います。

大変失礼いたしました。)

ここからがオリジナルの本文です。

とってもご無沙汰してました。

何をしていたかというと、ひたすらピアノ。

明けても暮れてもピアノのレッスンでありました!!

こんなに休みなく働いたのは久々ですが、一方でとても充実してました。

その話も書きたいし、タイムボカン話なども書きたいですが、とりあえず忙しい間もずっとちょこちょこ温めていたこの日記から書きます。

中身はATSUSHI NAKASHIMA氏のミラノコレクションの映像に関しての「音楽から紐解く」考察なのですが・・・

当たっているのか、とんでもなくずれているのかさっぱりわからず。

もしかしたらNAKASHIMA氏がひっくり返っちゃうくらい、的外れだったらどうしよう?!…という感じです。

でも、精いっぱい真面目に考えてみたので、とりあえずアップしようと思います。

そんなこんなで「個人の感想」ということを念頭に置いて、それでもいいという方は、長いですが続きを読むから「GO!」です。


今年のミラノコレクションの話題が最初に流れてきたとき、最初に話題になったのは、最後のところで、中島篤さんが登場してご挨拶されるときの音楽が「ENDLICHERI☆ENDLICHERI」なんですって!!というような論調でした。

「スゴイ!!」

であふれるツイッターのTL。

E☆Eファンであるならば。

ソロのドウモトツヨシのファンであるならば・・・

この曲にいかに思い入れがあるかは言うまでもありません。


まだまだE☆E初期の頃、横浜のtankで100公演を行った時に、ライブのいっとう最初の序曲のような1曲です。

まだご本人は登場しませんが、この曲が始まった瞬間の高揚感は今でもあまりにも鮮明で。

だんだんに客席が温められていく。

期待に胸がふくらむ。

ドキドキわくわくする。

そんな中、スクリーンに現れる古代魚ENDLICHERIが乱舞する映像込みで大好きな曲だし。


今年、本来であれば15周年でさらに進化した姿が見られるはずだった「ENDRECHERI」ともリンクする何かだったことでありましょう!!


そんなことがいろいろと想像できたからこそ。

そしてこの音楽が日本から遠く離れたミラノで流れたという意味に心震えていたわけですが。


やがてこの日記のトップに置いたミラノコレクションのATSUSHI NAKASHIMA氏のyoutube映像、ショーの部分がフルで見れるようになると、ポイントはここだけじゃなく。


もっともっとたくさん食いつきどころがあることに気がつきました。


むしろE☆Eはレスラーがリングに上がる時の登場曲のようなもので(映像では最後の部分だけど、笑)


ほんとの「核」は本編の中にある。


(いやいや、当然だけれども。)


最後まで読んでいただくとわかるのですが、やっぱりENDLICHERI☆ENDLICHERIにも思いを馳せる展開にもなるんですけどね。


そんなこんな小出しにしつつ、とりあえず先へどうぞ!!


さて。

この日記を書くにあたり、ふぇるまーたで以前触れたミラノコレクションについて検索したら、この日記が出てきました。


この時と今回ではだいぶ趣が変わっていて。

この時の映像を見てから今回のを見てみると、進化しているなぁと思います。

NAKASHIMA氏が回数を重ねて、より自信を持ってミラノに作品を送り出していることがわかるし、作品にもさらなる進化が伺えます。


ファッション系の記事によれば、初回はあえて「和」を前面に出していたのが、今回はあえて和を強調することもなく。

「デザイナーが日本人ならでは」な要素は格段に減っています。


ショーの音楽もイタリア人の歌手の方がイタリア語で歌ってらっしゃる場面があったり。

つよしさんのインストも、ことさらに「和」が強調されている部分を使っているでもなく。

ずいぶん趣が変わりました。


このことにもきっと大きな意味があるのだろうと思いました。


インタビューでは今回使われた音楽について、このように書かれています。

ショーは、前回に引き続き堂本剛さんの楽曲を使用。今回は彼の過去の楽曲をリミックスし、イタリア人ポップス歌手のアリーザ(Arisa)が即興で歌をのせる演出に。面白くなると思います。


Arisaさん?

きっと誰もがそう思ったと思うのですが、イタリアの方なので、なかなか情報が入って来ず。

これはどうしたものか?と思っていたら…


ヨーロッパ在住でイタリア人の旦那さんがいらっしゃる友人が、いろいろとレクチャーしてくれました。


Arisa(アリーザ)さんは、日本で言えばAIさん(あいさん)のような著名なアーチストの方なんですって。


この日記のトップに置いたミラノコレクションの映像では、彼女が出てくるのは6分半の映像のほぼ半ばばあたり。


その前にBGMとして使われたインスト曲は、ラカチノトヒのアルバムの初回盤に入っていた「Instrumental CD」「Instrumental DVD」の中の曲たちです。


今回、せっかくなのでラカチノトヒのアルバムを引っ張り出しました。


最初に見つけたのが、たまたま初回盤の映像付きの方のDVDだったので、映像付きで見たのですが…

今回のショーで使われたのは、多分「儀式」と「決意」。


まずは儀式の一部分、やや後半の部分が出てきます。


途中でイタリア人の歌手のArisaさんが現れてこの「儀式」のインストに合わせて歌詞を載せて歌い。

それから「決意」のインストに即興的に歌詞をつけたと言われた部分があって。


そして、最後にまた「儀式」の曲が戻ってきて、終了…

という感じかな?


わたしはイタリア語は、音楽用語とイタリア歌曲を歌ったことなどで、多少馴染みがある程度。


動画の中で「Controvento」という言葉と「meglio che ti liberi, meglio che ti guardi dentro」という発音は聴きとれたものの…


意味はちっともわからなくてとても残念!と思っていたら・・・


これまたさっきの友人が、いろいろ教えてくれました。


そして、聴き取れたけど意味がわからなかった言葉たちの意味も教えてもらいました。

「Controvento」は向かい風。


meglio che ti liberi, meglio che ti guardi dentro」の方は「あなた自身を解放して、心の内側を見つめなさい」というような意味なんですって。


さらに友人が、Arisaさんが「決意」を元歌として、自分でイタリア語の歌詞をつけて歌っているバージョンがyoutubeにもあるよ!!と教えてくれました。


ええ??

ちょっと待って!ちょっと待って!


それってつよしさんとイタリア人の歌手のArisaさんのコラボレーションが、公式に形になっているということではありませんか!!


動画に飛ぶと「OFFICIAL」の文字。


これがオフィシャルに掲げられているというのは、もしやすごいことではあるまいか???

いやいや、スゴイでしょ!!

そもそもなんでこれ、あんまりニュースになってないんだろう?とびっくり。


ということで、大興奮のテンションのまま、教えていただいたサイトに飛びました。

その動画がこちら↓です。

タイトルはまんま「Controvento」。


よかったらまずご覧になってみて!

コラボレーション云々は置いておいて。

Arisaさん、なんて魅力的な歌手なんだ!!

いい声だなぁ!

すごい表現力だなぁ!

(ついでに彼女の他の曲にも飛んでみました!いろんなタイプの曲を歌える方で、どの曲もとても魅力的でした!)


で、さっそくこの「Controvento」と、つよしさんのインストの「決意」のDVDの映像や音と聴き比べてみると…


ほんとだ!確かに曲調やコード進行、動画から受ける雰囲気の中にちゃんと「決意」の片鱗があります。

イントロから前半あたりで比べてみるとわかりやすいです。


うわぁ!スゴイ!!

心が震えます。


ミラノコレクションの動画でも「Controvento」と発声するあたりは、とても印象的に歌わてました。

そりゃそっか!!そもそもミラノコレクションがこの曲が生まれるきっかけだからね!


というか、ショーだけで終わりじゃなくて、Arisaさんもこんなにちゃんとカタチにしてくださったんだなぁという感動!!


歌の中身はざっくりいうと「たとえ世界を敵に回しても、私はあなたと一緒に行くわ、向かい風の中を・・・」というようなイメージだそう。


英語訳のページも一緒に教えてもらったので、そちらもリンクを張らせていただきます。

こちらです。

英語訳のタイトルは「Against the Wind」

ああ、英語にすると、さらに「つよしさんっぽく」もあるな。


それから、つよしさんのインストの方を、音を聴きながらふたたびじっくりと見てみます。

曲調はなんとなく不安定な感じ。

短調で悲しげ。儚げ。女性の表情も曇りがち。


もちろんメロディーはつよしさんのインストとArisaさんの歌が完全に一致しているわけではありませんが、雰囲気はそっくりで。

国籍も違い、性別すら違うふたりが同じテーマに向かい、歌っているというおもしろさ!!


何度も聴くほどに「決意」にインスパイヤーされて「Controvento」が生まれたのはほぼ間違いないと思いました。


いずれにしてもArisaさんは、このDVDの映像と共につよしさんの曲に触れたんじゃないかな?


イタリア語の歌詞から受けるイメージを友人にも聞いたら、同じようなことを言ってました。

友人とわたしが話しながら一緒に想像した歌詞からうける印象はこんな感じです。

この歌詞の女性が好きになってしまった男性は、敵が多そうだし、問題が多そうな人で。

周囲がこの恋にもろ手を挙げて賛成してくれそうな感じでもない。

でも彼女は自分の心の声を聞いて「誰がどう思おうと、わたしはあなたと行く。向かい風の中を」と決意を新たにしている・・・って感じ?

いずれにしても歌の主人公の女性は、自分の中ですでに答えが出ていて、まっすぐに未来を見つめている。


ほらっ!つよしさんの「決意」の映像の中身ともリンクしてるでしょ!?


つよしさんの映像ではおなかが大きな女性が係留しているボートの縄を解き放って川へと漕ぎだすシーンとか。

(レインの妄想:子どもの命を守るためにわたしはたったひとりきりでも、がんばって逃げます…的な感じなのかな?)


家族の写真を見て涙ぐむシーンとか。

(レインの妄想:親不孝でごめんなさい、おとうさん、おかあさん・・・みたいな理由があるのかな?

たとえば道ならぬ恋で、シングルマザーになる道を選ぶとか?)


荒涼としたすすきの林を逃げるように歩いて、よろよろとダムへ向かうシーンとか。

それはそれは暗い暗いシーンが連続するのですが・・・


最後は大きなおなかを大事そうに抱えてしあわせそうな笑顔のシーンで終了です。


つよしさんバージョンではなんだかわかったようなわからないような感じだったのが…


Arisaさんの歌と併せて聴き込んでいたら、あれれ?なんだかわかったような気持ちになってきましたよ。


まさしくインストの主人公の女性は、一度、まっすぐに「meglio che ti liberi, meglio che ti guardi dentro」したんだな。

一言で言うと『内観』とでもいう感じかしら?

まっすぐに自分と向き合ったのではないかしら。


そして自分に正直になったら迷いもなくなった。

心はすっかりと凪いで、自分の行く道がはっきりとイメージできた・・・

という感じ?


ラカチノトヒ発売から何年だ?ものすご〜くロングパスでひとつ謎が解けかけているかも?


Arisaさんの曲もつよしさんのインストも等しく状況的には「ドロドロ」してそうだけど・・・


Arisaさんのバージョンでは、最後の「晴れやかさ」みたいな感じがより際立って伝わってきます。


それはArisaさんが元歌を作ったつよしさんと違って女性だから、女性の心を表現するのが上手だからかもしれないし。


現実的な話をすれば、つよしさんの「決意」の元々の曲に付け足された転調後の長調の部分の表現がとても晴れやかだからかもしれません。


総じてArisaバージョンはより聴き手に親切にアレンジされているとでもいう感じ。


一方のつよしさんの方は、映像と音から受ける印象を、あえて聴き手に委ねている部分が大きいような。


後記:Arisaさんの曲「Controvento」は、2014年にすでにリリースされていた曲でした。

この部分、わたしが友人の言葉を早合点して誤解してました。おわびして訂正させてください。
すみませんでした。
この部分の考察は、再度友達にいただいた新情報を入れつつ、次の日記でやり直してあります。

あえて消しての修正にしていない理由などもそちらに書いてあります。

こちらからご覧になった方は、次の日記と併せて読んでいただけるとありがたいです。



と、一旦わかったような気になったところで…


そもそもなぜ、この決意を中島氏もつよしさんもBGMに選んだのだろう?

しかもどうみても、核になる1曲として・・・


と疑問に思っていたことに思いを馳せてみました。


あらためて何度もふたつの映像とつよしさんのオリジナルの「決意」を聴き比べたり、見たりして気がついたのが

『自分に正直に』

ということかな?と思いました。

自分をしっかりと見つめ、そして迷わず我が道を行くこと。


これがNAKASHIMA氏もArisaもつよしさんも。

みんなが共通して作品に込めた思いかもしれないと思いました。


たとえどんなに険しい道でも、自分の行く道は自分で決める。


大多数にウケルものである必要も感じないし、すべての人に理解してもらおうとも思わない!!

もうちょっと想像込みで、NAKASHIMA氏の心に近付くべく想いをふくらませるなら…


最初「和」にこだわって、日本人であることを前に出していたクリエーションだったけれども。

もうあえての日本らしさの強調も必要ない!

国籍もうわべだけのシンパシーも越えて・・・

もっと自由に、もっと自分らしい表現を前面に出して行け!!


みたいな感じなんだろうか?

そんなことを思いました。


それが静かなインストの中に沸々と沸いていて。

つよしさんはNAKASHIMA氏に寄り添い、Arisaさんはさらに強く彩を添えていて。

それぞれの相乗効果でさらにとてもドラマチックな効果を生んでいるような気がします。


だとしたら、もう1曲。


挟み込むように使われている「儀式」は?

こちらもまた、再度つよしさんのラカチノトヒの動画に戻って、じっくりと見直してみました。


実はこの映像のことは、ずっと前にふぇるまーたでも触れているのです。

天川の洞川温泉にある雑貨のお店「空」さんのオーナーさんが、音作りに協力されているし、映像にも天川の水の映像なども使われているのです。

この「儀式」という曲の映像には、森羅万象や地球の営みと言ったようなものがダイナミックに映し出されていて。

縁を結いての「水一滴が〜♪」からの一節のような大きなイメージもあります。

ひとしずくが 海へと走ったら
天へクレッシェンドしてゆく
地へとスパイラルで
身体に舞い戻るボレロの詞はLOVE・・・

太古から続く、地球の営みへの畏怖。


人が自然を勝手に壊したり、征服したりするのではなくて。

人が自然に逆らわず、自然に合わせることで、そこに居させてもらっているような感覚。


そういう感覚でいたら、自然に湧き上がってくる感性に身を委ねること。

創りこんだものではなくて、自然と生まれるものを大切にすること。


NAKASHIMA氏は、ファッション系のインタビューの中で

「洋服を作るとき、身体の造形や自然な立体感に必要な切り替え線や機能から作っていく」とおっしゃっていました。

「意味を持たないデザイン」はしないというのも若かりし頃に師匠だったゴルチェから学んだそうで。

身体の造形や自然な立体感に必要な切り替え線や機能から作っていくと、いわゆる“デザイン”をしなくても、シルエットが美しくなる

という話はとてもこのインストとも繋がる??

自然のままが一番美しいし、自然に逆らったり、元々(身体や生地)の特性に逆らわず、生かしたものこそが美しい・・・

だったりして?

考えすぎかもしれないけど…


そして。

そうやって、ふたたび中島氏の洋服たちをじっくり見てみると、確かに無知なわたしの『イメージの中の』「モードな服」とはどこか違っているようにも思えて。


彼のデザインした服には「これは見た目はカッコイイ、あるいは斬新かもしれないけど、服としてどうなの?」というのは、見ないようにも思えてきて。


そういえばつよしさんが衣装としてこれまで音楽祭や平安神宮ライブなどで着ていた中島氏の服も、美しいけれど、決して着づらそうな感じではなかったなぁとか。

ファッション音痴はファッション音痴なりに(笑)気づくことがありました!!


話を音楽に戻して…


Arisaさんがこの「儀式」の曲の途中で。

そして「決意」のイントロで、鳴っている音楽に合わせて発したアドリヴ、「Ah〜♪」で歌っているあの部分。

フェイク?スキャット

う〜ん、言葉がちょっと違う・・・

ヴォーカリーズ・・・かな。

(ヴォーカリーズの定義はこちらから。)


この部分のなんとも芸術的なこと!!

理屈抜きで心をさらわれます。

「Ah〜♪」だけで、どれだけ心を掴むのだ!!

心臓を鷲掴みされて、どこかに連れていかれる感じ。


表現するのがとてもむずかしいけれども、とてもとても芸術的だなぁと思います。


「わかるわからない」で判断するような類のものではなくて、「FEEL」まさしく「感じるんだ!!」という感じ(笑)


ミラノコレクションの動画の、この辺りを聴きながらNAKASHIMA氏のクリエーションを見ていると、つよしさんとArisaさんの芸術性が、お互いに刺激し合い、ぶつかり合い、高められ、さらに新しいものを生みつつ、中島氏の世界観がより鮮明になる感じ。


その過程を見せられたようでもあって、とてもとても興味深いです。


イタリア人の芸術家の感性と日本の芸術家の感性がぶつかり合ってもちっとも喧嘩せず。

むしろ新しい個性が生まれる感じもとてもおもしろいです。


ミラノコレクションのヴォーカリーズの辺りを何度も聴いていたら、つよしさんの歌声とArisaさんの歌声が絡むのも聴いてみたくてたまらなくなりました。

そしてArisaさんにもつよしさんのあの魅惑の美声の方も聴いてもらいたい!!

なんなら普通にデュエットして欲しい!!

きっとお互いがさらに刺激し合って、スゴイものになるんだろうな。


それにしても、この国際的な、奇跡のコラボレーションがあまりにもさらっとしていて。

あまり宣伝もされていないことが、残念でもあるけれども、だからこそ、かえってスゴイことのようにも感じていて。

間に過剰な宣伝とか、プロモーション的なにおいがしない分、作品の純度としてはとても高いのではないか?なんてことも思ったり。

逆にヘンにぶち上げられたり、スポーツ誌などの持ち上げ記事にすらなっていないから、こんなスゴイことも、かえって自由にやれたのかもしれないと思ったり。


そう思って動画全体を眺めていると、最後のENDLICHERI☆ENDLICHERIが、傍目にもとても誇らしく聴こえてくるから不思議です。

中島氏自身はとても謙虚な方で、ランウェイを歩いてくるその姿も、お辞儀をみても、とても恥ずかしそうに、ペコっと頭を下げて早々に引き上げて行かれるのですが。

もはやそんな姿に騙されたりはしません。

ファッションの最前線で、確固たるご自分らしさを主張し、数々の作品たちを送り出したあとで、堂々とご自分もランウェイでスポットライトを浴びる。

その瞬間に流れる曲がこの曲だというのが、つよしファンとしてはなんとも言えない誇らしい気持ちになるし、いろいろなことを象徴的に感じます。

いろいろと心を持っていかれたので、想像?妄想?という文章かもしれないですが、感じたままをアップしておきたいと思います。


蛇足ですが…


中島氏と剛さんのこれまでの歩みには共通点があるように思えてならず。


この辺のインタビュー記事をじっくりと読み込んでみました。

一つ目はあえて少し前のもの。

2013-2014年のインタビューです。こちら


そして、今回のショーについてのインタビュー記事がこちらです。

両方読んでみるととても興味深いです。


中島氏がデザイナーを目指し始めて、最初に就職した先は、縫製会社だったそうで。

ファッションショーでも店頭で並ぶものも、洋服であってファッション画ではないので。

思い描いたイメージを自ら形にできるようになるために

服を縫製する工程をきちんと学びたいと思ったのだそうです。



実際この時勉強したことが、現在、縫製もパターンも出来るという強みになっているそうだし


後にフランスのかのゴルチェ氏の元で正社員として働くことになった時も、縫製もできるということをとても買われたそうです。


この辺りの話は、自分でも一から音楽を創り、セルフプロデュースもしているつよしさんとも共通するイメージが多々あって。


つよしさんが作家さんに提供してもらった曲を表現するときにも『自分が作品の創り手でもあること』がとても強みになっていると言っていた話と似ていると思いました。


「紙の上だけでデザインする人」にはなりたくなかった中島氏と、「与えられた曲を表現する人」では終わりたくなかったつよしさん。




さらに、中島氏がフランスで、たくさんのことをかのゴルチェ氏から学んだという話の中で。


まだ一人前になる前、若かりし頃に一流の方から、デザイン的な部分、服の作り方・考え方を徹底的に学ぶことができたという話。


さらに、フランスは古き良き文化を大事にしていて、ゴルチェ氏は、古いクラシックなもの、例えばジャケットやライダースとか定番のトレンチなど、クラシックなものをアレンジして、素材だったり、切替だったり、プリントだったりで新しいものにするのが得意な方で。

つまりは『故きを温め新しきを知る』というゴルチェ氏の精神は、ゴルチェ氏から若き中島氏へと引き継がれ、今も息づいているという話。


この辺りは、つよしさんが拓郎さんや達郎さん、ラブラブオールスターズの職人気質の先人たちの腕を近くで見て考え、いいところをたくさん勉強させてもらいながら成長した過程ともどこか似ています。


さらに、いよいよ自身のブランド立ち上げようと言うときに、まずはファッションの歴史を辿り、過去の文献や資料をとことん読み込んだそうで。


言うなれば、NAKASHIMA氏のインタビュー記事の中にも『戻ることが未来』的な要素が多々あって。


過去から今への道筋を十分に時間をかけて学びつつ、自分にしかできない新しいものを生み出して行くという発想とか、つよしさんの考え方と元々リンクする点がたくさんあるのだということに気がつきました。

これらのインタビューを読み込んでみると、つよしさんの音楽が中島さんの目に止まったのもわかるような気がします。

きっと考え方も近いし、お互いのクリエーターとしての感覚を刺激し合える、とてもいい関係性ができつつあるのだろうと思いました。

そういう話は別としても。

回数を重ねるにつれて、ミラノコレクションをずっと見ている方々、取材している方々にとっても、ATSUSHI NAKASHIMAの洋服たちを印象付けるアイテムの一つとして、つよしさんのインストもその存在が欠かせないものになっていたとしたら。

ほんとにスゴイではありませんか!!

わたしはファッションにはとても疎いので、そこに焦点を当てて作品を語ることができないのがとても残念なのですが、一方で音楽は大好きなので。


何度も音を聴きながら、音楽に誘われるように、中島篤氏の世界に触れ、順番は違いましたけど、ファッションのすばらしさも味わうことができたのは、しあわせなことでした。


このご縁がなければ、ミラノコレクションの映像をこんなに何度も見ることはなかったかもしれません。


そういう意味でも、今後の展開ともとても楽しみです。


で、書きながらどうしても思い出してしまうのが堂本剛『ベルリン』で。

堂本剛 ベルリン

堂本剛 ベルリン


この本のラストにものすご〜い言霊が入っていたのを覚えてらっしゃいますか?


そう長い文章ではないので、引用させてもらうと・・・

言霊


ぼくは世界にいきます。

世界で仕事をします。

世界で愛を考えます。

世界で命を全うします。

日本人として。

堂本剛として。

2010-0410


ついこの間だと思っていたのに、実はもう7年も前のことでした!!


すでに着々と叶えてるね、つよしさん。


どうぞこの一つ一つの積み重ねが明日の彼の糧となり。


いつか「こっそり」ではなくて。


彼の作品たちが、もっともっと堂々と、自由に世界に羽ばたく日が来ますように。

(Special Thanks Bさん with LOVE♡)