ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 2017年、春の奈良旅日記 その5 坪内散歩

天川村の中央地区に、坪内というところがあります。

天川川合から、温泉街へ行く時は左折して行きますが、天河辨財天がある坪内の方へ行く時は、右折です。


今回二泊目は、いつもの洞川温泉ではなくて、あえて坪内に宿を取りました。

以前ショコラ嬢と旅をした時にもお世話になった、天河辨財天の目の前にあるペンションミルキーウェイさんです。


前回泊まった時も、ご主人にとてもよくしていただいたし、何よりも早朝お参りに行くのにとても便利なので、ここにしました。


さらにもうひとつ、やってみたいことがあって。

それは暗がりの中の星観察。


あちらこちらに提灯があって、宿の灯りもノスタルジックな温泉街は、とても雰囲気がいいところですが、明るすぎて、星を見るのには不向きなので。

坪内の方ならきっともうちょっと灯りが少なくて、星がよく見えるんじゃないかと思ったの。

もちろん宿泊を決めた段階ではお天気は賭けですが、星が見たいなぁ!見れたらいいなぁ!と期待を込めてここを選びました。

実際今回お天気は最高!!

これは期待が持てるぞ!!


ただ・・・


チェックインして部屋に入ってのんびりしている時に気がついたことがあって。

それは、今回は一緒に旅しているのが友だちではないということです。


オットとふたり旅で、このペンションの特徴としてテレビがない!!


そうだった!それをすっかりと忘れていたのでした。


いえいえ。

わたしはまったくテレビはいらない方なのですが、オットがね〜

もうテレビの番人か!!というくらいのテレビ好き。

逆に言えばテレビさえあれば、happyな人なわけです(笑)


それなのに、それなのに、いつも顔を合わせている人とふたりきりの長い夜に、テレビがないとは・・・

わ・わ・話題がない・・・

どうしよう??

これが女友達と一緒なら、いくらでも話題に事欠かないのだけれども。


困ったな!!


(今度ここに行く時は女子会がいいなぁ♡とあらためて思ってます!お友達のみなさま〜ご一緒にいかが?)


若い生徒に習ってワルイ言葉使いで言うならば・・・一言。

「ムリじゃね??」

ではありませんか!!(笑)(笑)(笑)


ひえ〜っ!!と背中を冷たい汗が流れたわけですが。


先に言ってしまうなら・・・

心配は無用だったのでありました!!


動きすぎなわたしたちは、夕ご飯を食べたら、途端にもう眠くて眠くて。

のんびりとした時間を過ごす間もなく、あっという間に寝てしまいましたから(笑)(笑)(笑)


逆に、せっかくこの旅のために、読むのを取っておいた分厚い本を持ってきたのに、2ページめくっただけで寝てしまいました(沈)


さて。


そんなどうでもいい話は置いておいて。


夕方、ごはんを少し遅めにしていただいて、ふら〜っとお散歩がてら、天の川温泉に向かうことにしました。

天の川温泉までは、宿から徒歩で数分くらいで、お散歩しつつ行くのにもってこいです。

そしてこの温泉からは、ダイナミックな山の景色が湯船からも見渡せて、それはそれは気持ちがいいところなのです。


宿を出て、まず向かったのは、天河さんの鳥居の向かい側の、大銀杏のところです。

この銀杏の木については、何度もふぇるまーたに画像と共にあげているので、今回はちょっと違う角度から撮ってみました。


緑がだんだんに美しくなってきた時期だったので、目に鮮やかな緑が飛び込んできて、とても癒やされました。

2年前くらいにぎんなんを拾ってきて植えた我が家の銀杏の、言わばおかあさんの木。

ということで、なんだかとても感慨深いものがありました。



その大きさがなかなか伝わらないのがいつもとても残念なので、ちょっと後ろ姿のオットに立ってもらった画像がこちら(笑)

オットは170ちょいくらいはあるので、そこから換算してみても、この木の大きさがわかるかと!!

まだまだこの画像の辺りは全然下の方です。


もうちょっと上を見上げるとこうなってます。

それでもてっぺんまでは写せない!!


この木の周りでしばし気持ちのよい5月の夕方を楽しんだあとで。


また歩き出して、今度は宿から見える高台への登り口を息を切らしつつ上がってみました。

そこに何があるのか、来るたびにとても気になっていたのですが・・・

行ってみたら、宮司さんのご一家の先祖代々のお墓がありました。

少し空に近いところから、ご先祖さまが見守ってらっしゃるのだなぁ。


そしてちょうど夕陽がいい感じに見えて、そろそろ日の入りも近い感じ。

オットは日暮れまでここで待たない?と言ったのですが、そうしたら真っ暗の中、温泉に行くことになるよ?

ということで、あきらめました(笑)


そしてその、少し高いところから見た、天河辨財天の拝殿がこちら。

森の中からちらっと見えるのが拝殿です。

遠目に見たのは初めてだったので、こんな風に見えるんだ!と思わずパチリ!

木々に守られるようにして、立っているのだなぁと、あらためて知りました。


そして少しだけ静かなひとときを過ごしたあと、天の川温泉へ。


この温泉は、なぜかわからないですが、いつも行くと若い方々によく出逢います。

今回も入り口ですでにたくさんの方々とすれ違いました。

男子だけの二人組。四人組。

20代くらいのカップルが数組。

男女混合の4〜5人組。

そして同世代くらいの方々ももちろん何組かいらっしゃいました。


外側も中もとても綺麗だし、なんと言っても前に書いたとおり、湯船から見える景色の素晴らしさにいつも感動してします。


少し残念なことに、内風呂からは山の景色がよく見えるのに、露天風呂の方に行くと柵が邪魔で見えないの(笑)

かと言って、もちろん柵なしというわけにはいかないのは重々承知しているにしても(笑)

年齢さまざまな女子たちが、やっぱりここに来たからには景色が見たい!!ということで。

隠すのも忘れてみんな立ち上がって柵の向こうに目を凝らすの図(笑)

入ってきた人、入ってきた人、もれなく背伸びして見ていたのがおもしろかったです。

もちろんわたしもやりましたけど(笑)(笑)


とても気持ちのよいお風呂タイムを満喫した後は・・・

またてくてく歩いて宿へ。


宿の夕飯タイムには、食堂に3組の夫婦がいましたが、みんなほぼ同世代な感じでありました!

そして、同じ宿に泊まり、翌朝同じように、朝拝に出てらっしゃいました。

やっぱりここのペンションは、お参りとセットになっている方が多いようでした。



夕食後、30分くらい休憩したら、もう死ぬほど眠くなって、これはヤバイぞ!という雰囲気に。

本当は24時間お参りができるから、深夜に天河さんにお参りに行ってみようよ〜と言っていたのですが、絶対ムリ!!

寝落ちする自分たちがありありと想像できる・・・ということで、8時過ぎの早々とお参りに行きました。


夜の拝殿は、空気がより澄んでいるようにも感じられて、昼間よりもさらにビシっと背筋が伸びました。

灯籠にも灯りが灯っているので、怖い感じはありません。

「祈り」に集中できそうな雰囲気です。

しばし五十鈴の前に立って頭を下げるわたしと、となりで祝詞を唱えるオット。

よく覚えているなぁと思うのですが、今回あちこちで祝詞の一節やら、般若心経やらを唱えてました。

(わたしも覚えてみたいけど、きっとムリな気がします!)



帰り道。



駐車場のところで星を探したのですが、思ったよりもここも明るくて、ちょっと残念。

もっと暗いところはないかと、神社の敷地を出てしばらく歩いてみたのですが、どこも意外と街灯が明るいのです。

これはちょっと誤算でありました。


それでも埼玉と比べたら、びっくりするほどたくさんの星が見えたのですけれども。


しばらく北極星はどれだろう?あれが北斗七星かな?

オリオン座ってあれじゃないの?

とか・・・よくわからない者同士のテキトーな会話を繰り広げていたら、同じ宿に泊まっているご夫婦のご主人もやってきて。


3人でしばし、あれじゃない?あれでしょうかね?そうかも?多分?な会話を繰り広げ(笑)

上を見すぎて首が痛い・・・とわたしたちは退散。

ご主人はこれから瞑想しに行きます!とおっしゃって神社へ。


そういえば以前、夜中の天河辨財天で、ヨガをやってらっしゃる方が瞑想されるとおっしゃってたのを聞いたことがあります。

なるほど〜と思いつつ、わたしたちは邪魔しないように宿へ。


そして部屋に入るやいなや、オットもわたしもおやすみの挨拶もそこそこに、5分で寝てしまったというわけです(笑)

びっくりです!!


まだ9時になるかならないか・・・くらいの時間だったと思います(笑)

家にいたら、まだまだこれから帰ってくる人がいる時間帯だし、ごはんを出して片付けて。
ひと家事しなきゃならないはずですが、この日は何もしなくていいしあわせ。

とてもとても静かだし、誘われるように夢の中へ。


そしてそして、そんな時間に寝てしまったので、朝はめざましが鳴るずいぶん前。

5時にはすっきり目が覚めました。


ここに泊まっていると、6時45分くらいから始まる朝拝に行くのがとにかく楽で。

6時半くらいにゆっくりと出て行けばいいのです。

すっきりと晴れた、とてもとても気持ちのよい朝でした。


朝拝を終えて、わたしたちが朝ご飯を食べているくらいから、行者さんたちが続々とお参りに訪れていて。

今まで何度も天河辨財天を訪れていますが、今回が一番賑わっていたかもしれません。

日曜日だったし、山開きもとっくに済んでいるので、山へ行く方、帰って来られた方のお礼参り。

きっといろいろだったと思われますが・・・

駐車場もどんどん埋まっていってびっくりしました。


ご祈祷を頼まれた方がいるのか、太鼓の音や祝詞がうっすら宿の開いている窓から聞こえてきて。

もしかしたら、うんと神社から近いみなさまは、朝拝の音で目覚めたりされるのかな?とちょっとうらやましく思ったり。

そのくらいとても静かで、うぐいすが静寂を破るくらい。

あとは静かに風が吹き抜けるだけ。


いつもならわたしの朝はまるで戦場のようにバタバタで、とっちらかっていて。

朝ご飯だ!お弁当だ!と動き回っているし。

おまけに時間や天気、その日のニュースを追いかけるためにテレビがついているし。

猫がにゃーにゃー!犬がふんふん言ったりもして(笑)

洗濯機を回したり。

ゴミ捨てに走ったり。

花に水を遣ったり。

それはそれは大騒ぎさ!なわけですが(笑)


ここの静寂の気持ちよさ。

なんにもすることがないしあわせ!!

だからまた来たくなるんだなぁと思いました。


宿代の精算をしつつ、オットが宿のご主人に、数年前の水害について話していただいているのを聞いていました。

その時は、オットと同世代くらいのご主人が、いまだかつて経験したことがない大雨だったのですって。

降っている最中から、これはただ事じゃないぞという感じだったのが。

一旦雨が上がり、やっととても気持ちよく晴れ渡った日。

ほっとしたタイミングで、突然川が突然氾濫して、とんでもない大災害になったのだとか。


この宿もここまで水が来たんですよ〜と教えてくださった場所は、わたしの胸のあたりでした。

前日までの大雨で、お客さんも来られない状況だったのが不幸中の幸いで。

だから、役場の緊急放送により、ご家族みんなで避難することができて、水が来る前に逃げられたそうですが・・・

同じ地区にも、逃げ遅れて亡くなられた方もいらしたそうです。


その頃のことはわたしも実は覚えていて。

確かあの水害の直後くらいに、初めて友達みんなと「天川に行こう!」という話が進んでいたのが。

直前の台風により、道路が通行止めだらけだからとあきらめたことを思い出しました。


その時は、行ったとしてもご迷惑をお掛けするだけだったはずだから、行けなくて正解だったわけですが。

あれからもう何年も経っているのに・・・

その水害の爪痕は、未だに完全に復旧したとは言えないのだとか。


辨財天もかなりの被害を受けたんですよ〜とおっしゃってましたが。

それはわたしも記憶に残っていて。

初めてお参りに行った頃は、まだ借りの通路があったり。お手水のところも壊れていたり。

そんなことも思い出しました。

自然の美しさや、いいところもたくさん知りましたが。


一方でこうやって話を伺うことで、自然の怖さも思い知ります。

そういうことを知ることもとても大事なことだと思うし、人がどうあるべきかを考えるきっかけにもなるし。

今回はとても貴重なお話をたくさん聞かせていただけて、本当にありがたかったです。



宿を出て車に乗ってから・・・ご主人の実直そうなお顔が、どこかの画像で見た役行者がお供に従えていた、前鬼に似てない?とか。

スゴいんだか失礼なんだか?よくわからないことを言ってました(笑)


もちろんここで言う、前鬼・後鬼は、悪者ではありません。

そういえば、前日の午後にお会いしたつよしさんファンの方も「うちは鬼の子孫と言われてて」とおっしゃってたね〜なんて話も聞いたんだっけ。


いずれにしても、この地にご縁が深い方々がとてもうらやましくなりました。


オットもわたしも転勤族の家の子だったので、ふるさとと呼べる場所がはっきりわからないし。

だからこそ、この年になって出逢った「ここ」が心のふるさとのように大事に感じるのかもしれません。


今回の旅でも、また素敵な思い出がたくさん増えました。

また天川村に来たいね〜と言いながら・・・

坪内地区からだと、車で走り出して、あっという間に天川川合に到着して。

そのまま天川村とお別れです(涙)


今回はここが最後じゃないのです。


次はもう一つの我が家的、大きな旅の目的地。
(とはいえ、ちょっと由あって、突然決めたのですけれども、笑)

早々に山を下りて、とっとと向かった先は大神神社です。

一旦山を降りたのに、また山へ。

この山登りは端折るわけにはいかないから、急いで動きました。


この旅日記もあとひとつでおしまいです。