ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 レッスン日記

今回、GWに特に出かける予定もなかったので、連休中に、振替できるよ〜とアピールしたら、ちょこちょこぽつぽつ生徒が来ていて。

がちがちに詰まっているわけではないので、ちょっと長めにレッスンしたり、世間話をしていったり。

一緒に我が家のめだかの鉢を長々のぞいたり。

そんなイレギュラーな感じもよかったです。

結構わたしも楽しみながら、ちょっといつもと違うピアノレッスンができました。

なんといってもトピックスは、1年生になったばかりのりーちゃんの本音トークも聞けたことで。

後が詰まっている普段だったら、きっとこんな展開にはならなかったと思います。

時間に余裕があるいい時に来てもらえました。


彼女の家は、今、新築中なので、ひと足先に転居先の地元の新しい学校に入学して、おかあさんが今のおうちから、数駅離れた学校まで送り迎えをされているのですが・・・

おかあさんの話では、入学と同時だったから、わりとすんなり溶け込んで、うちの子ずぼらだわぁと笑っちゃいました!と聞いてました。


いやいや。わりと神経質だし。

そうかなぁ?そんなはずない気もするなぁ?と思っていて。

わたしの都合で5月の後半にちょっと振替をお願いしたい日があったので。

思いきって、学校がなくて余裕がある、5月4日にレッスンに来てもらいました。

当日、前半はにこやかにレッスンをしていたのですが・・・

やっぱりすんなり環境に馴染んだわけでもなかったみたいで・・・


「ほんとは引っ越しなんかしたくない!!」

「今のおうちの友達の方がいいんだもん!」

「幼稚園のときの友達と一緒の学校に行きたかったよ!!」と突然スイッチが入ったかのように言い出して、涙になっちゃった!!


そうだよね〜

そりゃそうだよ。

ずっとここに住んでたんだもんね〜

我慢して、大泣きにならないように我慢しながらも泣いているのがなんだかとってもせつなくなっちゃって。

「ヤダ!って言ったっていいんだよ?それほんとうの気持ちなんだから。」

と言ったら「そんなこと言っていいの?」とりーちゃん。

その口調があまりにもおそるおそるで。

ああ、小さいなりに本当に気を遣っているんだなぁと思いました。


そういえば学校の先生や家族の前では、いつだって妹をいつもかばうしっかりしたコだと思われてるんだったということを思い出しました。

「おねえちゃん」でいなきゃって気持ち、わたしもそうだったから、すご〜くわかるよ!うんわかる。


そういえば、学校が始まってひと月、今まですっごく練習熱心だったのが、ここのところ、練習できてないことが増えました。

学校は幼稚園よりも早く帰れるくらいなのに、なんで練習しないんでしょう?とおかあさんが言ってたけど。

きっと小さなストレスの積み重ねでそれどころじゃないんだろうなぁという感じ。


なんとなくいろいろ見てとれたので、弾く方は早々に切り上げて、リズムゲームや、大声で歌える歌を歌ったり、ハンドベルカルタみたいなことをして遊んだり。

ギャーギャー言いながら、真剣に競争したり、ゲラゲラ笑ったり、ガンガンffで連弾できる曲を初見で弾いたり。

大騒ぎのレッスンをしたら、やっと笑顔が出てきて、バシっ!!と思いっきり腕を叩く叩く!痛いってば(笑)

少しはストレス解消になったかしらん。


来週もまたゲームやる!!ffで歌う!ピアノもちょっと弾く!(笑)と意気込んで帰っていきましたよ。


しばらくは進度を気にするより、精神衛生上よさそうなレッスンにしたいです。


で。ふと思い出したのです。

あっ!!わたしもだった。

すっかり忘れてたのですが、わたしも幼稚園までの友達と別れて、全然違う学区の小学校へ入学したのでした。

そういやすっごくイヤだったわ!

途中まで元の友達の方がよかったってずっと思ってたわ!

でも、おねえちゃんがしっかりしてて助かるわ〜とか持ち上げられて(笑)

なんだか言えなかったこともいっぱいあったなぁと思い出したのです。

そういえば、あの頃わたしがやってたピアノの本と彼女が今やってる本まで一緒だ!!

いろんな思い出が急に押し寄せてきてびっくりしました。


そして思ったのです。

りーちゃんは近々、お引っ越し先の地元のピアノの先生に習う日が来るんじゃないかと、とても悲しく思っていたのが。

それでも彼女が今、ここに来ていることに意味があるんじゃないか?と思ったの。


実は彼女とのレッスンの『焦点』はこの数ヶ月にあって。

新しい学校に慣れない彼女と一緒にこの数ヶ月を過ごすために、わたしは彼女のピアノの先生になったかも?

みたいな・・・


いえいえ。きっと偶然なのですが。


こんなに音楽的に気が合う6歳児とはそうそう出会えないと思い始めたところだったし。


2年前、入ってきたばかりの頃は、ほんとにふざけてばかりでレッスンにならなくて。
心もなかなか通い合わせることができなくて。

どうなることかと思ったけど。


2年間で彼女もわたしも?(えへへ)お互いにちょっとずつ成長して、今ではレッスンが本当に楽しくなってきたところだったけど。

今、週1回でも、ピアノのレッスンで気分転換ができたら。

なじみの先生と会うことで彼女が本音を言ったり、発散したりする場所ができるなら。

そして彼女のピアノが彼女を支えるなら。

それでも十分に、この出会いには意味があったかもしれない・・・なんてことも。


なんだか巡り合わせの不思議を感じました。


いつまで彼女の先生でいられるのかはわからないけれど。

できるところまで、楽しくやれたらいいなぁと思います。

もちろん彼女が言った本音はレッスン室だけの秘密で。

ほんとに必要があると感じなければ、おかあさんにも伝えたりはしないと思うけれども。

一回一回、大事にしたいなぁとつくづく思ってます。
いつ終わりになっちゃうかわからないし(涙)


一方で、中1のりかちゃんは、クラスに外国人の子が3人もいる!という話をしてくれました。

たとえばどこの国から来た人がいるでしょう?と聞かれて答えたのですが、全部はずれ!!びっくりです。

答えはナイジェリアの子が一人、サウジアラビアの子が一人、そしてフィリピンの子が一人ですって。

ナイジェリア人の子はスポーツ万能ですでにして、運動部から引っ張りだこ。

サウジアラビアの女の子はチャドル(スカーフ)をしてて、最初怖いかも?と思ったけど、ぜ〜んぜんで、仲良しになったそう。

フィリピンの女子は、小柄ですっごい美貌の持ち主で、ついつい女の子同士なのに見とれちゃうそうです。

で、3人とも最初はみんな遠巻きにしていたそうですが、実は全員日本語がぺらぺらで。

今ではモスリムの子が食べられない給食があって、時々お弁当を持ってくるくらいで、たいした影響も問題もないそうです。

そりゃそうでしょうけれども。

毎日が異文化コミュニケーションだなんて恵まれてるね〜と言ったら、さほどでもないかも?と言ってました。

だってどの子も日本人よりも日本人的なんだもの!なんでも知ってるしさ!とりかちゃん。

そうかも!そうかも。


そんなリカちゃんは陸上部に入ったので、レッスンどうかな?と思いきや、相変わらずやる気満々でやってきます。

陸上部をなめないでよ!体力に自信があるから陸上部に入ったんだからね!
そのあと、ピアノを練習するのも、レッスンに来るなんていうのも、まったく苦なんかじゃないから!!

と頼もしいリカちゃん。

うちの教室では、とても新しいタイプです!!


むしろ一緒に中学生になった、文化部のあいこちゃんの方が明らかにくたびれてて。

いつもあくびばっかり。

彼女はラッキーなことに、レッスン日の金曜日が部活が休みだということがわかったので、やがて慣れてくるかなぁ?という感じ。


中学校の先生の生徒さんは、また中3の担任で、しかも学年主任になって今年一年が正念場とおっしゃってました。

ピアノはムリしないでゆっくりでいいですよ?と言ったら、いえいえ。唯一の気分転換ですから!とおっしゃってました。

ことちゃんたち新3年生組は、それぞれに穏やかに年度を越え、今はわりと落ち着いています。

まだ今のところ新しい生徒はいませんが、そろそろ迎えてもいいかなぁと思っていて。

でもご縁があれば、つながる気がするし、今年は趣味関連でもまだまだ何が待っているかわからないし(ライブとか!ライブとか!笑)

今は比較的ゆったりとした毎日を楽しんでます。


さらにおもしろかった出来事があって。

それは我が家のチャイムが突然鳴って。

ピンポンダッシュされたことに気がついたのですが、それが生徒で。

後日おかあさんが生徒と共にあやまりにいらして。

そんなことは別に全然構わないのですが(笑)

むしろ、せっかく家の前まで来たなら声を掛けてよ〜と言ったくらいなのですが。


聞けば最近我が家のめだかの鉢の前が、うちの生徒たちが遊ぶ時の待ち合わせ場所になっているんですって。

「せんせいのうちのめだかの前で3時ね!!」とかってやってるらしいのです(笑)

思わず笑ってしまいました。




そしてそして。

最後に幼稚園の先生のKちゃんのこと。


彼女、また2度続けて遅刻して、その後盛大にすっぽかして、わたしにこっぴどく叱られました(笑)

まったくどういうことなのじゃ!!


で、さすがに放置はできなくて、また長々と「どう思ってるの!」「やる気あるの?」的お説教メールを送りました。

「そうやって忘れて平気なくらいなら、来なくてもいいんじゃないの?」

「来ない人のために時間を空けて待っている方の気持ちを考えたことある?」

な〜んてことまで書きました。

こんなことは言いたくなかったよ!!(涙)


わたしの性格をご存じの方ならば、さもありなん!と思われることと思いますが、わたしは人に苦言を呈するのがとても苦手です。

できることならなんでもかんでも穏便に済ませたい卑怯体質!!(笑)

自分で被って済むならば、いい人なんじゃなくて『面倒なので』そうしたいタイプなのですが(笑)

さすがに生徒相手に逃げるわけにもいかないし。

オトナの彼女にそこまで踏み込んであげられるのは、一応「先生」という立場ならではかも?とも思うしで。


半年に一回くらいは、彼女にこういうメールをしている気がします。


もしかしたら、どうしても約束が守れないのは、発達障がい系の病気が隠れてる可能性もあるんじゃないか?と思っているのですが。

だからと言ってそこでわたしが我慢して「いいのよ!いいのよ!」にしてしまったところで、彼女がどこかで困ることになるかもしれないし。

それはわたしの怠慢でもあるような気がして。

まったくもって苦言ってやつは、言われる方も相当イヤだと思うけど、発する方もかなりの覚悟がいるしで。

本当に本当に苦手なのですが・・・


ここのところ政治の世界でもよく使われている「寄り添う」って本気でやろうとすると、相当むずかしいことだなぁと思うのです。

同じだけの痛みを感じなければ、きっと寄り添うことなんてできない。

高いところから見てたんじゃ、相手にだって伝わらない。

同じ目線に立たなくては。

猛烈に胃が痛くなりつつ、本気を出して向き合いました。


いつもこういうことを考えると、つよしさんのイノチトボクラの一節が出てきます。

嘘つきだよ ずるいんだよ 愛が恐いんだろ 
そう・・・愛は覚悟だよ

そしてここを歌う時のつよしさんの、声を潜めつつ、鬼気迫る、ものすご〜く緊張感のある表現も。

(たまらなく好きです。ここ!!)


今回もまた、わたしに猛烈に叱られても、彼女は一言も言い返さず。

「先生ごめんなさい。」

「社会人としての自覚が足りませんでした。」

「どうしても、ぎりぎりまで覚えているのに、忘れてしまうんです。」

「仕事に夢中になると予定が入っていてもそのまんま集中して仕事を続けてしまうんです。」


そして

「ごめんなさい。」

「またレッスンしてください。」

「行かなかった分のお月謝を払ってもいいですから」

と言ってきました。


もちろん来なかった分のお月謝はいただかないと決めているし。

「い〜い?今度こそもう忘れないでよ!!」

「だったらまた見てあげるから、絶対に来られる日を連絡してちょーだい!!」

という恒例のやりとりの後、何事もなかったようにレッスンして。

今日がそれから2回目のレッスン日です。

今日のレッスンは19時半から。

果たして彼女はちゃんと来るのでしょうか?

彼女、一方で「仕事の鬼」だから、ほとんど毎日、日曜日も祝日も幼稚園で作業をしているらしいです。

それでもピアノのレッスンに通いたいという気持ちは尊いと思うし、尊重してあげたい気持ちと。

またすっぽかされたら・・・という気持ちで揺れることもありますが。

愛は覚悟だよ!!です(笑)

ファイト!!


追伸:

今、この文章を推敲している間に、「先生、仕事が終わりません!」「明日の7時半からでもいいですか?」とメールが来ました(笑)

やっぱり今日も仕事してたのか!!という驚いた気持ちが半分。

身体は大丈夫なの?という気持ちもあるし。

やっぱり切り上げられないのか・・・とも思ったけど。

時間前にちゃんと連絡が来たし、明日も元々が予備日でレッスンがない日なので、もちろん大丈夫!!と返事をしたところです。

まだまだ道は遠いですが、一歩前進・・・と思いたいです。

お互い懲りないなぁ!!(笑)

ある意味似た者同士かも!?

彼女ともやっぱり逢うべくして逢ったかも。