ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 楽譜大ブームほか。

ゆきはなせんせーっ!!
わたしも「Ave verm corpus」大好きです。拍手コメントありがとうございます!

そうだ!この曲もあった!と膝を打ちました。

同じく挙げてくださった「無伴奏チェロ組曲第1番ト長調BWV.1007」は、高校の頃に自作した「絶対にあがってはいけない日の直前に聴く曲集」の中に入ってました(笑)

あちこちに貯めていたテープを編集して作ったんですけど、他にはパッヘルベルのカノンや、アルビノーニアダージョG線上のアリア
そして、なぜかoff courseも入れてたなぁと思い出しました。

ピアノの発表会の前、文化祭の前、歌のテストの前。
ずいぶんお世話になった記憶がよみがえりました(笑)

今チェロの音を聴いたら、きっとカルテットの「すずめちゃん」を思い出して泣いてしまいそうです。
ついでにすずめちゃんをこっそり想っている不憫な家森さんも、そしてそれぞれに片思いなカルテットのメンバー全員を思い出してきっと泣いてしまうかも(笑)

(言ってることが「いつ恋」に寄ってきた!笑。いつ恋とは少し前の月9「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」で、カルテットと同じ脚本家坂元さんの、やっぱりとても良質なドラマでした!)

ブランデンブルク協奏曲はホテルのラウンジでBGMで流れてるイメージかなぁ。
もしくは試験勉強の時に、ながらで聴いても邪魔にならない音楽。微妙にヒドイけど、もちろん大好きです。むふふ。

座長に会いに行く日は、今週ではなくて来週のはじめでした。進化してるんですね〜!!見るのがとても楽しみです。

今日は久しぶりの友人たちに逢いました。

その話も含め、ここのところのお出かけ話も書きたいのですが、まずは途中まで下書きをしてあったこれから。

レッスン日記です。


今年の年度末は、レッスン時間が大移動の予定で、ここ3週間くらいこの子はあっちなら入るかな?こっちへ移動かな?ここならなんとかなる?と、いろいろ画策してました。

巷では保育園が足りない問題がどんどん深刻化していますが、保育園だけではなく、学童保育も全然足りていないようで、うちの教室にも、普通ならまだ学童に入れるはずの新3年生で、学童を落ちた子がふたりいます。

となると、家に早く帰ってきて、一人でご両親が帰ってくるまで留守番することになるので、ピアノの時間を増やしてくださいとか、時間帯を早くしてくださいという話があったり。

中学に上がる予定の子が二人いて、ふたりとも続けてくれるそうでとてもうれしいのですが、入る部活によって下校時間も違うし、これまた直前まで時間変更ができないけれども絶対に変えなくてはならないことは決定で。

さらに大ショックなことがあって。
最も小さい生徒が、夏にお引っ越しをすることになってしまい・・・それはおかあさまから聞く前に本人から聞いてしまったので、その一気、なんだか失恋をしたようなショック状態に陥りました。

4歳からうちに来て、とてもとても苦労して苦労して、やっと仲良くなって、これからがとても楽しみになったところでのお引っ越し。
この春から小学校なのですが、ひと足先に、三つ先の駅の学校に入学することになって、しばらくはおかあさまが車で送り迎えをなさるのだとか。

ということは、3月までかなぁ?せっかくここまで汗をかいて育てたのにと・・・心底ショックを受けつつ、おそるおそるおかあさまに聞いたら、「実はピアノは今まで通り、いけるところはではここに通わせたいと思ってるんです。」とおかあさま。

「一見誰とでもすぐ仲良くなるし、何事もなかったようにふるまうことができる子なのですが、実はとても人見知りで神経質だから、せめてピアノだけでも慣れた先生と週に一度顔を合わせることが、この子にとって癒やしになるんじゃないかと思って。」

なんて言っていただいたので「かなりムリがありそうですが、大丈夫ですか?」と聞かれたとき、即答で「精一杯やらせていただきます!」とお返事しました。

結構ぷんぷんしたり、ヤダーっ!とひっくり返ったり、かと思うとぎゅーっと甘えてきたり。
すごいときは、わたしが弾いている手を、上から力一杯げんこつで叩いてきたり(笑)

これは相当に激しい子だと思っていたら、いいのか悪いのか、そんな姿を見せるのはわたしだけだったんですって。

そんなりーちゃんの声は家の外まで聞こえたみたいで(笑)「妹が生まれてからというもの、親にもいい格好をしようとして、ちっとも甘えないし、なんでも言うことをきくので、そこが心配だったんですが、ここ(うちの教室)では、そんなにわがまま言ってたんですね〜。びっくりしましたけど、受け止めてくださって本当にありがたいです!」と言われた時は正直ちょっとフクザツでしたが(笑)

おかあさまがそう思ってくださってるんならまっいっかと思っているうちに、どんどん仲良しになって、今では毎週弾く気満々でやってきて、一緒に連弾をすると、びっくりするほど息が合うということに気がついてしまいました。

たとえ6歳児でも、こんなに音楽的に相性がいい相手っているんだなぁと、ものすご〜い発見をしたところだったのです。

とりあえず、しばらくは首がつながりました。

とはいえ、しばらくは越境通学しながらの綱渡りが続くことは決定しているし、これまたどうなることやら・・・なわけですが・・・

そうそう。

教室的に最大のトピックスは、とうとう、うちの名物生徒のひとり、うぜーよ姫が高校三年生になって、ピアノ教室を卒業することになりました。

ふぇるまーたでは、数限りなく彼女とのエピソードを書いてきたので、ご存じの方も多いことと思いますが・・・
保育園児で4歳直前くらいからずっと来ているので、なんだか半分我が子のような気持ちでいて(みんな結局そうなるんですけどね、笑)とてもさびしい反面、最近本当に勉強が楽しくなって来たと言っていて、実際、こんなに楽しそうに勉強に励んでいる子も滅多にいないというくらい、勉強が好きな子に成長したので、応援したいと思います。

そんなこんなで、大移動&不安定要素が多分にある春なので、新規募集もしたものだか、もうちょっと待つべきなのかとても迷っています。
休める日も変わるかもしれないし、もしかしたら毎日生徒が来ることになる可能性もありそうです。

一方、レッスンそのものでは・・・

総じてうちの生徒たちは、少し前から「楽譜」がブームです。

そのお引っ越しをすることになった一番小さい生徒、りーちゃんが半年くらい前に、階名をたくさん書き散らしてきたのが最初でした。

その曲は幼稚園で習ったという「気球に乗ってどこまでも」で、普通小学校に入ってから習うような歌ですが、幼稚園で習うやいなや1曲まるまる、びっしりとスケッチブックに階名を書いてきて、これの指使いを教えて欲しいと言ってきたので仰天しました。

そのりーちゃんが書き散らしてきたドレミのスケッチブックを、その週の間、わたしはこれみよがしにピアノの横に置いておきました(笑)

そうしたら、やっぱり来る子、来る子がこれ何?と言ってその紙を取り上げ・・・

空前の階名ブームがやってきたというわけです。

大きい子は急に触発されたのか、自分で耳でコピーした曲を楽譜に書き始め、まだちゃんと楽譜が書けない子たちは、りーちゃんと同じように、ノートにびっしりとドレミを書き始めたのです。

みんなが自分の耳を使って自由に書き始めたのは素晴らしいのですが、このブームはやがて行き詰まります。

なぜならドレミをノートに書き連ねたものはとても読みづらいからです(笑)

改行もなく「ミミレミミレミミララミレファファミファファミファドシラソミ」と書き連ねられた譜を演奏することを想像してみて?
ほんとにほんとに読みづらいから(笑)

いつも見ている楽譜がいかに読み取るのに楽ちんで、単純明快かということを肌で知るという絶好の機会を得たわけです。

そんなこんなで、今度は誰からともなく「ちゃんと自分で楽譜にしたい!!」という気持ちがふつふつとしてきて。

「楽譜」というものの偉大さがわかり始めた低学年組たちが、一生懸命に自分で楽譜を書こうとし始めたのがとてもおもしろい成り行きでありました。

そうそう。

こうやって必要に迫られて「楽譜を読む」「楽譜を書く」ことに熱心になると、小さい子でもあっという間に楽譜が読めるようになるし、書けるようになるのです。

そうやって5人くらいがいっぺんに楽譜と仲良しになりました。

これはとてもおもしろい経験でした。

もちろんまだ完成形ではありませんが、まずは書きたい気持ちになることが大事だし、読めたら便利、書けたら便利だと思ったことがしめたものです!

一方で、6年生だけど、まだピアノを習い始めて1年というりかちゃんという子がいて。

彼女はある日突然「画用紙に」五線を引いて、きよしこの夜の楽譜を作ってきました。

この子の楽譜で仰天したのは、画用紙だから5線からすべて手で引いてあって、しかも友達の大譜表(右手と左手がちゃんと両方あるもの)の楽譜を全部手書きで写してきたのです。

几帳面に完全に同間隔の線が5本ずつ、規則正しく並んでいるだけで、不器用なわたしからしたら神様の手仕事という感じです。

しかも大譜表だから、とてもとても何本も線を引き、その上に自分で「たま」を書き「ぼう」を引いて、ひとつずつ音符を書いてあるのです。

これを書くのにどれだけ時間がかかったの?というと、6時間くらいかかって、丸二日というのでほんとうにその努力に脱帽しました。

よ〜くみると、ト音記号の始まりが微妙にずれていたり、臨時記号じゃない♯♭が抜けていたり、拍子記号の位置がずれていたり、ちょっとしたミスはあれど、この努力ったら。

当然ながらものすご〜く褒めたたえたら、次はやっぱり友達が持っていたという、まだ彼女が弾くにはちょっとむずかしい星野くんの「恋」の楽譜も写してきて、ほんと心底驚きました。

何ページも何ページもあるし、リズムだってとても複雑です。

その熱意!!

あまりに時間をかけて熱心に書いているので、おかあさんが不憫に思って100均で五線譜を買ってきてくださったのだそうで。

「もう線は自分で引かなくていいんだよ?すごくない?」と言ってました。

「すごいのはりかちゃんだよ!!!」

思わずわたしはそう言いました(笑)

大きくなってから始めた子たちは、とっとと進めるために、バイエルを使うことが多いのですが、りかちゃんは習い始めて1年でただいまバイエル80番あたり。

その子がこれだけの楽譜を書いてきたのだと思うと本当にびっくりでした。

そんな子たちの成長っぷりに喜びつつ。

最後にオチ的なまったく違う笑える話を!!

某ちびっこが書いてきたこの紙は、この空前の楽譜ブームの中で、唯一楽譜でも階名でもなく、歌詞でした(笑)

でもまだまだ小さい、2年生の子がこれだけびっしり字を書いてきたということがそもそもスゴイなぁと思って、やっぱり褒めたたえました。

ちゃんと漢字を習ったところは漢字にしてあるし、カタカナもちゃんと使ってます。

低学年のちびっこたちを見ていて、とても尊敬してしまうのは、とても丁寧に習った漢字はすべて使おうという姿勢です。

そしてちょっとでもへんてこになると、たとえ落書き的な書き文字でも、ちゃんと消しゴムを出して書き直します。

多少時間がかかってもはしょらず、ちゃ〜んと書くのがいつもスゴイなぁと思うのです。
(わたしも見習って少しでも漢字で書こうと思い始めました、笑)

で、これを書いた子はわたしの顔を見るなりこの紙を渡し、「せんせー、この曲弾きたい!!」「これ、楽譜にして〜」と言うではありませんか。

「え?これ何?なんの曲?」

当然わたしはそう聞きました。

そうしたら彼女が「それは自分で考えてください!!ノーヒントです!来週までに楽譜にすること!!」

逆宿題を出されてしまったというわけです(笑)

おもしろいので、一生懸命解読に努めたら、意外とヒントがあってすぐにわかりました。

今やっているポケモンアローラのテーマ曲でした。

リズムがとてもフクザツで、子どもがやるにはとてもむずかしくて、これを楽譜にするのはかなり骨だったのですが、約束だからね・・・(笑)

とりあえず、楽譜にして、わたしも約束を守ったんだから、練習しなさいね?と言ったら、メロディーだけですけど、一生懸命取り組んでました。

ブラボー!!

「楽譜を読むのはむずかしいですか?」と聞かれることはよくありますが、むずかしくはないです。

ルールはそんなに多くないし、他の音から類推することもできるし。

あいうえおよりもずっと簡単だと思います。

にも関わらず、読めない人が意外と多いのは、やっぱり必要に迫られることが少ないからなんじゃないかと思います。

どうしても読まなきゃならない場面って、多分楽器などを習っていなければ、そんなにたくさんはありません。

時々楽譜はまったく読めないけど、音楽性は優れています!的なことが美談と言われることもありますが・・・

これにはわたしは懐疑的です。

『あいうえおなんて読めなくても、作家にはなれます!』・・・と豪語しても「それはすばらしい!」とは言われないと思うのです。

一方で本当に読みたいとさえ思えば、1日あれば小さい子でも読めるようになるのが楽譜です。
そんなにむずかしいものじゃないんだし、とりあえず、読もうとしてみたらいいのになぁと思います。

でも、読みなさい!!と言ってやらせるのはなんだか違うと思っていて。
時間がかかる子もいますが、納得して読めるようになって欲しいと思うのです。

こんな風におもしろいブームが巻き起こると、瞬時にしてみんなこぞって、いつの間にかしっかりと読み始める。

楽譜が読めた方が楽だとわかって、楽譜があればこそ、こんなに簡単に今、弾きたいものがどういうのだか、作曲者がどう弾いて欲しいのかがわかるわけで。

世界のどこの人が書いた楽譜であっても、言葉は通じなくても楽譜ならほぼ万国共通だし。

今回はわたしがそう仕向けたのではなくて、本当に「たまたま」そうなっただけですけど・・・

とてもおもしろい経験をしました。

生徒たちにヒントをもらったような気がしたので、書き残しておこうと思いました。