月曜はピアノが休みのはずが、1時間レッスンの振替がふたつも入ってしまい、とても忙しい・・・
と思っていたら、二人目の生徒、例の(笑)幼稚園の先生の子が久々に予定をすっかり忘れ、来なかったのです(沈!)
相変わらずたまにこういうことがあります。ここのところ調子よかったんだけどな〜(涙)
とはいえ、故意じゃないのはよくわかってるし、どうも彼女は極端に「時間」の概念だけが弱いのは、発達障害系?のなにかが隠れている気もして・・・
キレない(わたしがです!笑)叱るけど怒らない(笑)とっとと別の日につなぐ・・・と少し前に覚悟を決めたので。
言いたいことだけ言って、次のレッスン日を決めて。
「しゃーない!」「しゃーない!」と気持ちを切り替えてテレビをつけたら・・・
偶然なのですが「これを見るための今日」だったかもという出会いがありました。
それはオトートが大好きでよく録画までして見ている「しくじり先生」で。
オリラジの中田氏が読書の楽しみを教えてくれるコーナー「今だから読みたい名作文学」のコーナーが始まったところで、テーマがたまたま「銀河鉄道の夜」だったのです。
前回の「星の王子様」の時もとてもおもしろかったので、途中から見始めたら、オットもオトートも一緒に見始めて、3人でたいそう夢中になって、最後まで見てしまいました。
オトートが、あっちゃんが現国の先生だったらもっと国語が好きだったに違いない!と言ってましたが、実にそう!!
わたしも同じことを思いました。
あっちゃんは実に魅力的に、物語の核の部分を語ってくれました。
わたしは、宮沢賢治という人には、とても興味を持ちつつも、そこまで詳しいわけではありませんが「銀河鉄道の夜」のほかには「注文の多い料理店」とか、「風の又三郎」は読んだことがあります。
この「銀河鉄道の夜」は確か教科書でも勉強した気がするのですが、あまり深くは掘り下げずに終わってしまい・・・
それは多分、この物語の中に、得たいの知れない怖さと、なんだかよくわからないけれど、とても心惹かれる気持ちの両方があって。
あまり深く知るのが怖いような気持ちがどこかにあったような気もするし。もしかしたらオンタイムではいろいろと考えたけど、忘れてしまったのかもしれません。
(いいかげん、笑)
でも、いつかちゃんとオトナの心で味わいたいなぁ〜と思っていた物語です。
今回あっちゃんがどんな話をしていたかはこのブログの方がとても詳しく書かれているので、リンクを張らせていただきました。
番組の流れがとてもよくわかります。
あくまでもあっちゃんの目を通した感想であり、本の紹介ですが、考察がとても客観的だし、押しつけがましいところもなく。
とても惹きつけらたし、もう一度、自分なりの視点で、ちゃんと「銀河鉄道の夜」の本を読んでみようという気にさせてもらいました。
わたしがあっちゃんの話の中で心に残ったところはいくつもあれど・・・
そうだったのか!の一番大きな部分はここ。
この「銀河鉄道の夜」における「銀河鉄道の旅」は銀河鉄道999のように宇宙を飛んでいるわけではなくて、列車は地面を走っている・・・というのを知っていましたか?というあたりのお話でした。
銀河鉄道の車窓から見える景色は、銀河の景色で、もちろん賢治の空想上のものですが、たとえば物語に出てくるはくちょう座も、天の川も賢治の住んでいた岩手の原風景になぞらえてあるのですって。
実際に天の川を通っている場面では、この天の川の描写は「北上川」の周りの景色とリンクしていて、鉄道の脇に咲いているりんどうやすすきの穂の景色も、星になぞらえ、星の配置通りに配してある三角塔も、岩手に実際にあって、岩手の人がなじみ深い景色になっているのですって。
で、ありながら・・・読み進めていくと、銀河鉄道の向かう先は、この世ではないところなのでは?とだんだんにわかってきます。
タイタニック号沈没の船の中にいた人たちが乗車してきたり、いつの間にかいなくなったりしていくことからも、読者も薄々この列車の向かう先を理解しつつ物語は進んでいくわけですが・・・
ということは、この銀河鉄道の周りの景色はこの世とあの世の境い目の景色でもあるわけで。
この物語は、今自分が住んでいる岩手の景色の先に天国が続いている・・・的な世界観でもあるのですって。
以前読んだときは、そんな深いところまで考えが及びませんでした。そうだったのか!!ととてもびっくりします。
そして、この物語の主人公、ジョバンニと一緒に旅している仲良しのカンパネルラとも、最後に別れの時がきて。
物語の最後の最後、カンパネルラは実際、川に落ちた友人を助けようとして、もう亡くなってしまっていることをジョバンニは知ることになるわけです。
最初の方で「おかあさまは僕のことを許してくださるだろうか?」と謎の一言を言ったカンパネルラの台詞の意味がわかります。
「おかあさまは『友達のために命をなげうってしまった』僕を許してくださるだろうか?」という風に補ってみるとわかりやすいですね!とあっちゃん。
で、この辺りが「雨ニモマケズ」の一節と通じるのではないかとあっちゃんが言っていて、ああ、そうか!と気づかされます。
かの詩には
有名な最初の方だけをみると、単に辛抱強くあれ!みたいな話かなぁ?と思うけれど、実はそれだけじゃなくて、あっちゃんは、後半の方に目を向けてみて!と言いました。
東ニ病気ノコドモアレバ行ッテ看病シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ行ッテソノ稲ノ束ヲ負ヒ
南ニ死ニサウナ人アレバ行ッテコハガラナクテモヨイゝトイヒ
という部分あたりです。
この詩を要約して、一文にまとめるなら
「雨ニモマケズ ダレカノタメニ」
なんじゃないかと言ってました。
なるほど〜。
この「誰かのために自分が今、できることをする」というのがふたつの作品に共通するテーマだけれど。
賢治は実はこの一見教訓めいた作品を自ら世に出したわけではないのですって。
彼が亡くなった時点では、これらは未発表だったのだそうです。
ということは・・・
晩年病床にいた賢治は、自分のためだけに「銀河鉄道の夜」を書き、自分のためだけに「雨ニモマケズ」の詩のメモを持っていたということで。
病床で「死」というものの足音が近づいてきたのを感じながら、これを書いたのだとしたら、ものすごい精神力だなぁと思います。
死の床にあって尚「ダレカノタメニ」を心に掲げていられるなんて、なんと清らかで強い心を持った人であったことか!!
自分で自分に言い聞かせるようにこの文章を書き、この文章で自分自身を奮い立たせていたのかもしれません。
そしてこれらが世に出たのは、完全に賢治の死後。
その部分がなんとも刺さってなりませんでした。
スゴイ人だ。
そして、宮沢賢治は本当に岩手に根ざした一生を送っていて、岩手の方々にも「賢治」と下の名前で呼ばれ、今でもとても親しまれているのですって。
いずれにしても、年を重ねてから読むと、さらにずっしりくる本だと思ったので、近々図書館に行ってみようという気持ちになりました。
ついでに・・・
番組の中で紹介されていた「銀河鉄道の夜」のイメージを映像化した作品はこちらなのですが・・・
銀河鉄道の夜 オリジナル ハイレゾリューション版(Blu-ray Disc)
- アーティスト: KAGAYA
- 出版社/メーカー: アスク
- 発売日: 2015/07/23
- メディア: Blu-ray
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あっという間に売り切れになったのだそうで・・・購入はできませんが、とりあえずは参考資料的に掲げておこうと思います。
多分どこか、動画サイトで番組そのものが見られると思うのですが、ちょこっとだけ流れたこの映像の美しかったこと。
毎晩でも見たくなるような美しさでありました!!
さらに・・・
いろいろ検索していたら、旅ぐるなびというページが出てきて、こちらもとても気になりました。
いつか旅してみたいです。
ついでに。
たまたま今読んでいる本のテーマや舞台がちょっとだけシンクロしているのです。
こんな風に素敵なシンクロがある時って、本に呼ばれているような気持ちになります。
きっとどちらも出会うべきタイミングだったのかも。
- 作者: 佐藤初女
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2016/03/04
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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本の内容説明のところには、こんな風に書かれています。
<ほんとうに偉大な存在は、人に気づきを強いない。――吉本ばななさん>
“東北のマザー"が、生涯をかけて伝えたいことのすべて。
森のイスキア・佐藤初女さん、最期のメッセージ+フォトブック。
――今、この場所でいのち尽きるまで――私は「今」を生きています。【内容】
多様なものが
多様なまま響きあい
ともに生きる。
それがいのちの摂理です。(「響きあう」より)「食はいのち」と、悩み、疲れ、重荷を背負って訪れる人々に
手作りの食事をふるまい、ただ寄り添う――
青森県弘前市。岩木山のふもとに佇む小さな建物
〈森のイスキア〉での活動を中心に、いのちの大切さを伝える講演会や
おむすび講習会などで世界中から求められてきた佐藤初女さん。「いのちをいただく」「揺れてもいい」「動の祈り」「もっとも尊いこと」
「ちょっとお休み」「ことばを超えて」「愛する」「透明になる」「今を生きる」……去る2月1日、天に召された初女さんが、人生を通じて伝え続けていらしたこと、
多くの人々の救いとなってきたお心を66の短いメッセージとし、
20年来の交流がある写真家・岸圭子さんの美しいカラー写真とともにまとめました。四季折々、自然豊かな〈森のイスキア〉でだけでなく、
ご自宅や全国の講演先でなど、常に人のために動き働いてこられた
“東北のマザー"の真実の姿と、尊い活動の軌跡を伝えるメッセージ+フォトブックです。(目次)
春 いのち受け容れるとき
夏 いのち生い立つとき
秋 いのち響きあうとき
冬 いのち透きとおるとき
あとがき~神のはからいは限りなく、生涯私はその中に生きる
佐藤初女さんのあゆみ【著者プロフィール】
佐藤初女(さとう・はつめ) 1921年青森市生まれ。小学校教員、弘前染色工房主宰を経て83年、自宅を改装し〈弘前イスキア〉を、92年、岩木山麓に〈森のイスキア〉を開設。迷い、疲れ、救いを求めて訪れる人に食事を供し、寄り添うことで、多くの人々の再生のきっかけとなってきた。その活動は、ダライ・ラマ法王らとともに出演した映画『地球交響曲(ガイアシンフォニー)第二番』(95年/龍村仁監督)で広く知られるようになる。『おむすびの祈り』『初女さんのお料理』『いのちの森の台所』等著書多数。
2016年2月1日逝去。
こちらもまだ途中ですけど、しみじみと味わい深い本です。
さて。
今日は7時半から、幼稚園の先生のKちゃんのリベンジレッスンです。
とてもとても寒いですが、ちゃんと来るかなぁ。来ますように!!