ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 KAZUYOSHI SAITO LIVE TOUR 2015-2016 “風の果てまで” 5月21日 日本武道館

今日は朝一で、まだ10時本屋開店まで待てずにTVガイドを買いに行ってきました。
期待通り・・・いやいや、期待をはるかに超えるレベルだったことを報告しておきたいと思いますが、このエントリーはその話ではありません。

もうそろそろ大きな波に呑まれることと思われますので(本望じゃ!笑)その前に書いておきたいことを整理しておこうと思います。

先週末のライブ参加の記録です。


うわ〜ん!楽しい♡
無条件に楽しすぎる!!

行ってきました。
斉藤和義さんの武道館ライブ。

bonyarihitsuji嬢に誘っていただきました。

いつもライブでなぜかばったり会う友人たちがどうやら参加しているらしくって、探したのですが、今回は会えませんでした!残念。

グッズはタオルを買ったのですが、トラックやアルバムのデザインと一緒、ロバを引く斉藤さんのタオル、これ、すでにして超お気に入りです。
筋トレにもっていこ〜♪

人気と実力を兼ね備え、第一線を突っ走るミュージシャンのお一人なので、なかなかチケットが取れませんが、ほぼ同世代ということもあるし、いつも目の端っこで追いかけている大好きな方のお一人です。

好きな曲もたくさんあって、わたしのウォークマンにもたくさん入ってます。

ライブでは、音楽だけじゃなく、あの独特のゆるくて脱力系のトークもまた彼のライブの特徴で、大好きなのですが、そんな表向きに騙されてはいけません。

一旦ギターを弾き始めると、そして歌い始めると、ものすご〜く熱いパッションがビシバシと伝わってきます。ワイルドで激しい一面もあるし、やけどしそうなほど熱いです(笑)

世の中に対して言いたいこと、歌いたいことがはっきりあって、見た目のゆるさとはうらはらに、心の中は意外と沸々としていて。

そんなところもとても好き。

「信頼できる同世代のオトナ」の一人・・・という観点からも応援しています。

今回久々に彼のライブに参加したのですが、ほんと楽しくって、一緒になって「Yeah〜♪」ってなったり、かと思うとぎゅっと心を掴まれてせつなくなったりもして、3時間、たっぷりとさまざまに翻弄されました。

最新のアルバムからの曲が多いだろうことは事前に容易に想像がつきましたが、例によって泥縄なわたし・・・

参加1週間前くらいになってやっとアルバムを手に入れて、そろそろと聴き始め、前々日くらいからずっと流しっ放しにして参加したのですが、帰ってきてから「もっともっと聴いていけばよかった!」とひたすら後悔するのもいつものこと(笑)

ちなみにもう発売からずいぶん経ってますが、そのアルバムはこちら。

「風の果てまで」です。

まだ全然買えたので、かなりお得なDVDが付いた初回盤を購入しました。

全曲ダイジェストの動画があったので、リンクを貼ります。
よかったら聴いてみてくださいね。


むしろ帰ってきてからの方が熱心に聴いてます。
あっ!それが普通か???(笑)

もちろんCDもすばらしいですが、生は格別でした。

それにしても武道館、最近行くたび言っている気がしますが、音がよくなったのか、音響機材がよくなったのか、音のストレスがほとんどなくて、いい音で気持ちよく楽しめました。

若い頃、武道館と言えば「音がイマイチ」「なんでこんな音?」・・・と、文句を繰り返していたのがウソみたいです。

わたしたちの席は、2階スタンドの真ん中あたりでしたが、肉眼で全然追えたし、なんと大きなモニターもあって(おどろき〜っ!!)表情とかギターを持つ手の動きもばっちり見ることができました。

ライブツアーが始まってすでに60本目だそうなので、いい意味でとてもこなれていて、バンドのチームワークも抜群だし、厚みがある音に痺れたし、まったく危なげないのはもちろんのこと、見ていて、聴いていて、とても楽しいライブでした。

斉藤さんと言えば、歌がいいのはもちろん、ギターテクニックも凄いですが、バンドの一員としてガンガン、グイングイン鳴らすところはもちろんのこと、途中で挟まったギター一本の弾き語りのコーナーのギターの音色が素晴らしくって、もっともっと聴いていたかったです。

長髪お髭にカッコイイハットを被っていて、一見ワイルドでカッコイイ感じなのですが、一旦歌が終わると、胸のあたりでぴらぴらと脱力系な感じで手を振ったり、ゆる〜く「Yeah〜♪」な〜んて酔っ払い?くらいのテンションで言ってみたり(笑)

相変わらずギャップの激しい、愛らしいお方でありました(笑)

で、意外とファン層は男性が多いです。

実際掛け声も男性が多くて、野太い声で「カッコイイ!!」「愛してるよ!」とか、言われてました(笑)

で、斉藤さん、ちょっとわざとがっかり顔を作って「20代女子はいないの?」・・・と振って、反響を見て「意外といるんじゃん!」とか喜んでみたり(笑)

「みんなノーブラでしょ?」

「ノーブラだと想像して楽しませていただきます!」だったっけな?

そんなことも言ってました(げらげら)

そうなのです。「ちょっとえっち」なトークっていうのも斉藤さんのライブの風物詩!

キライじゃない!むしろ好きかも〜えへへ。

最後の方でバンドを紹介するとき「チ○○」を連発してて「小学生か!」って場面もあったけど(げらげら)

ああ、大好き、お茶目〜!

猛烈に心に残った曲の1曲目は、アルバムでもめちゃくちゃ気になった「時が経てば」。

これはビルの屋上から、まさしく今、飛び降りようとしている男と、それを取り巻く野次馬やメディアの実況中継みたいな歌なのですが、強烈に刺さる曲で、まるでドラマを見ているように、歌を聴いているだけで苦しくなりつつ、でも強烈に心をさらわれます。

男の切羽詰った感じと対照的な、外野の他人事、無関心。

今そこで一人の男が死ぬかもしれないのに、なんなんだ、この世の中!

どうなることかと思っていると、歌の中の話ではありますが、最後、男は飛び降りるのをやめて、胸を撫で下ろす聴き手たち。

最後の方で斉藤さんはこんな風に歌います。

がんばれ 負けるな がんばれ もうちょっとの辛抱だよ
がんばれ がんばれ Uh−
時が経てば笑っちゃうことだってあるんだから
時が経てば忘れちゃうことだってあるかもよ

この曲で斉藤さんはボブ・ディランをやろうと思ったと語ってらっしゃいましたが、なるほど〜です。
ここまでの歌の緊張感とあいまって、ほっとしながら斉藤さんの強い「がんばれ!」に胸を鷲づかみされます。

この部分でわたしたちは、斉藤さんに「飛び降りようとした男の目の前まで連れていかれる感じ。

他人事じゃないぞ。
オマエもだぞ!
そしてここからの「がんばれ」は、彼へのエールでありながら、わたしたちへのエールでもあり、そして斉藤さん自身が多分自分をも励ましている。

最初アルバムで聴いたとき、斉藤さんと「がんばれ」はとっても遠いボキャブラリーのようにも感じたのですが、アルバムの解説を読んだら、やっぱりこの言葉を使うのは初めてだったそうです。

「自然に出てきた言葉だから、そのまんま使った。
「人に対して言っているようで、実は自分に言ってるんでしょうね!」

というようなことをおっしゃってましたが、ああ、わかる。とってもわかると思いました。

ほんとにもう、なんてひどい世の中なんだ!いろいろなことがやるせない。

世の中に絶望しているのは彼であり僕でありわたしたちでもあるわけで。

でもでもでも。
一緒にがんばろうよ!
あなたもボクも・・・

時が経てば笑っちゃうことだってあるんだから。

そんな風に男にもわたしたちにも自分にも・・・いい聞かせているようなテンションに聴こえました。

そして、ライブで聴いてみたらさらに、ああ、彼が歌うからこそ、この歌には芯が感じられるのだ!とも思いました。

「Yeah〜♪」なんてひらひら言っているからといって、騙されてはいけません(笑)

彼には堅い堅い、しっかりとした芯があって、生まれて約50年という年月を重ねた者だからこそ歌える歌でもあるわけです。

そもそも今の時代「がんばれ」はとっても悪者扱いですが、この年になると「そうはいってもがんばるしかない」という状況がいくつも出てきて、たとえば自分だけなら「がんばらなくったっていいじゃない?」と言えるけれど、家族だったり、子ども達だったり、仕事相手だったり部下だったり・・・

オトナになればなるほどに、守らなくてはならないものが増えるほどに、今あきらめるわけにはいかない、命がけで「がんばらなきゃならないとき」っていうのも人生にはあるんだと悟ります。

曲の中の男性は、今まさしく人生をあきらめようとしているわけで、そんな人に「いいよ、いいよ、もう十分がんばったよ!」とうわべだけのやさしい言葉を掛けるわけにはいかないわけで。

歌の中の歌詞とはいえ、自分にもものすご〜く突き刺さるひと言でありました。

そこまで重たい意味じゃなくても、「がんばれ」という言霊が現在の90%からあと残りの10%を引き出すこともあるのなら、時と相手の状況をよ〜く見ながらなのはもちろんのこと、使ってもいいんじゃないかと思います。

心が弱っている人にむやみに投げるべきではないのはもちろんのこと・・・

でもやるっきゃないときもやっぱりある・・・みたいなことをいっぱい考えさせられながら、結果的にとっても勇気をもらえた曲でした。


それから「Player」という曲も、アルバムを聴いているときから大好きで、とっても心に残る名曲ですが、これは夏木マリさんに提供した曲のセルフカバーなんですって。

この曲は詩もメロディーもとっても美しくて、そして凛としていて・・・心を鷲づかみされました。

「I'm looking for Beautiful〜♪」からの流れが好き過ぎて、聴くたび目を閉じてため息(笑)

詩だけでもとっても刺さります。こんなのです。
もちろん詩とメロディーが合わさってこその名曲なんですけどね。

これは何度聴いてもうっとりする歌なのでありました。ライブで聴けてよかったです。

ちなみに夏木マリさんバージョンの方は動画がありました。
ちょっと斉藤さんのセルフカバーとは歌詞もメロディーも違ったりしますが、こちらもまたとっても素敵なので貼っちゃお!

このお年になられた夏木さんが歌っておられることに、とっても意味があると思えるような曲に仕上がってます。
勇気が欲しいなぁと思う時に、この動画を見ようと思わされたので、おすそ分けです。

(ついでにこっそり言っちゃうと、わたしが愛してやまない、やっぱりとびきりのPlayerだと思っている某お方にも捧げたい1曲だと思いました。思いっきり蛇足でごめんなさい。言わずにいられなかった〜笑)

他にも「ウサギとカメ」とか「あこがれ」もよかったし。

確か埼玉スーパーアリーナのコンサートの時に聴いて大好きと思った「君の顔が好きだ」がまた聴けたのもうれしかったです。

「攻めていこーぜ」「やさしくなりたい」「歩いて帰ろう」「ずっと好きだった」など、ノリがよくて一緒に身体を揺らしているだけでhappyな曲もたくさんたくさん。

最後の「ベリー ベリー ストロング」とかアルバムを聴いているときに、無条件で楽しくて気になっていた曲「アバリヤーリア」とか、一緒にフリをしながら歌える曲もあって、すご〜く楽しかったです。

そういえば「アバリヤーリア」って何?ってアルバムを聴いてずっと思っていたのですが、意味はないのだそうで(笑)
自然に口をついて出てきた言葉なのだそうですが、そもそもが中東の夕陽とか魔法のランプとか、イメージしつつ、新しく買ったドラムマシーンで遊んでいるうちにできた歌なんですって。

つよしさんで言うならば「Tu」っぽい感じ。
客席は、一緒に左右に手をゆらゆら頭の上で揺らしながら聴くのですが、これもほんと楽しかったです。
途中でいつの間にか歌詞が変わっててたとえ、「チクビハイヤ〜♪」と歌っていても(笑)
せっちゃんったら!!

こういうのとか「歩いて帰ろう」みたいに一緒に歌ったり乗っていて楽しいと思う曲と、世相を反映したような突き刺さる歌と、ガガガーっとひたすらにかっこよく攻める曲、そして真摯なラブソングと・・・

そしてゆるゆるで超マイペースなご本人。

この雑多で変幻自在なのに、なぜか調和の取れた世界観はほんと癖になります。

まだまだ心に残った曲はたくさんあって、ほんとは1曲ずつ語りたいくらいなのですが、素人な感想はこの辺にしておきます(笑)

最後に拾い物ですが、セットリストを貼っておきます。

また機会があったら、ライブにも足を運びたいです。

ほんと楽しかったなぁ。

bonyarihitusjiさん、誘ってくださって、本当にありがとう!行けてよかったです。

<セットリスト>

1. あこがれ
2. ワンダーランド
3. 君の顔が好きだ
4. 攻めていこーぜ
5. ウサギとカメ
6. 夢の果てまで
7. Player
8. tokyo blues
9. 恋
10. シンデレラ
11. 青い光
12. Summer Days
13. アバリヤーリヤ
14. さよならキャディラック
15. 傷口
16. やさしくなりたい
17. 歩いて帰ろう
18. 何処へ行こう
19. 時が経てば
20. Endless
21. マディウォーター
22. ずっと好きだった
23. ベリー ベリー ストロング