ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

「もうすこ」

振替三昧の春休みが終わり、やっと落ち着きを取り戻しました。
とはいえ、しばらくは新学年のスケジュールとの摺り合わせで混乱するかもしれないけど。

それと共に、家の前にまた張り紙をしました。新しい生徒の募集です。
どうぞ出会うべくいい出会いがありますように。

ここのところ、小さい生徒たちもやっと落ち着いてきて、春休みはとてもいい感じにレッスンができるようになってきたので、次の子たちを迎えても大丈夫そうかな?と思うようになったのです。

春休みは普通宿題もほとんどないし、どこかに遊びに行ったりすることも多いから、練習していない子が続出するのが常なのですが、今年はいい意味で裏切られました。

どの子もなぜかやる気満々で、びっくりするよどよく練習してきます。

6年生になったばかりのあいこちゃんは、身長が130センチちょっとしかないちびっこさんで、手が小さいのと広げようとして力が入ってしまい、どうしても抜けないというのが悩みの種だったのが、突然コツを掴んで、うまく力を抜いて弾けるようになり、弾けると楽しくてたまらないらしく、急に○の山を築き始めました。

他にも無駄に力が入る子がしばしば出てくるので、参考までに「どうやってできるようになったの?」と聞いてみたのですが、本人にもわからないんですって(笑)

「強いて言えば先生がやってるっぽく弾いてみただけだよ!」というのですが、それは一体どんなんだ???(笑)

うぜーよ姫は、ただ今モーツァルトソナタを弾いているのですが、初見がきいて、リズム感はものすごくいいのに、練習をするのがあまり好きじゃなくて、どうにも指が転んでしまって、本人が不満足だったのが、ちょっと転ばなくなったとご機嫌さん。

彼女は高2になりました。今年から理系クラスになるそうで、お勉強も忙しくなるだろうし、いつまでピアノが続くかはわかりませんが、彼女とのレッスンは楽しくて彼女自身も「ピアノを弾いたり、先生とちょこっと話をするのがわたしにとって、とっておきの憩いのひと時になってるの!」といつも言ってくれるので、少しでも長く続くといいなぁと思いつつ。

5歳になったりーちゃんと、2年生になる3人組は、ちょっとやさしい初歩の本を、初見で間違えずに全曲弾くという1回限り、サドンデスのゲーム的なことを毎回やっていたのですが・・・

なぜかこれがものすご〜くはまって、間違えると悔しくて、一回のレッスンで挑戦できるのは一回きりだからね!と言っても「もう一回!」と泣きの一回を追加したりしているうちに、読譜力が格段に上がりました。

これ、なんだか忘れたけど、レッスン法の指南書みたいなものを楽器店で立ち読みしたときに書いてあったのをまねしてみたのですが、恐るべし!ものすごく子どもを惹きつけます。

さらに、ことちゃんのレッスンのおもしろエピソード。

彼女は実は負けず嫌いで、褒められるのが大好きなのですが、誰よりも自分は覚えが悪いと勝手に思い込んでいて、いつも自信なさげでした。
そんなある日、「三月三日の餅つきに!」という手遊び歌を学童保育で覚えてきて、先生知ってる?と得意げに言ってきました。

わたしはまったく知らなかったので、どうやるの?と聞いたら、得意になって教えてきたのですが、これがわたしがなかなか覚えられず(笑)

その時は1回こっきりで、先生ダメだなぁ!で終わったのですが、次回もまた教えてくれます。

しかも一年生の説明で習うので、遅々として進まないわけですが、ことちゃんは来るたびに、辛抱強くわたしに何度でも教えてくれ。

3回目くらいで気がついたのですが、もしかして、この「先生に教える」「先生も全然覚えられない」という状況を、うそいつわりなく彼女に見せるっていうのは、彼女のレッスンにとっていいことなんじゃないか?と思い立って、恒例にすることにしたのです。

他にも一応知っているけど、わたしはちびっこほど早くはできない「アルプス一万尺」の手遊びとか、カキ氷の手遊びとか・・・

毎回そこだけは先生と生徒の役を交代してやっていくうち、気がつけば自信なさげだったピアノが変わってきたことに気がつきました。
間違えようが、わからなかろうが、変に身構えることがなくなった気がするのです。

「先生まだ覚えられないの?」なんて言いつつも、本当に辛抱強く手遊びを教えてくれることちゃん。

わたしも同じように、なかなか彼女が攻略できない、右手と左手が違う動きをするもの。
片方が休んだり、音符の長さが違っていて、なかなか覚えられない両手の楽譜を何度も何度もやらせても、いやがらなくなりました。

前はちょっとやってできないと「もう一度やってみよう!」と言うだけで警戒心をあらわにしていたのがウソみたい。

できないのはお互いさま!
何度だってわからなきゃ聞けばいいんだな!

そんな風に思ってくれたのかもしれません(笑)

そして彼女の努力も実を結び、わたしも無事に「三月三日のもちつきに〜♪」で始まる手遊びを覚える頃には、気がつけば両手でするすると弾いているではありませんか!!

これは大発見でした。

た〜のしい〜♪

こうなると初見の方もするすると合格して、なんだか一山越えたな!という感じ。
先日は妹が保育園に行っている間にママと2人で浅草に行ったとかで、スパイシーカレー味の雷おこしをおみやげに買ってきてくれました。

他にもなぜかいろんな子が、この春休みはお出かけ先で、小さなおみやげを買ってきてくれました。

キッザニアのチョコレート菓子でしょ?
ディズニーランドのクッキーでしょ?
那須御用邸チーズケーキでしょ?

「わたしが選んだのよ?」って言ってくれるのもとてもうれしいことでした。
わたしの頃はお出かけのついでにピアノの先生におみやげなんて考えたこともなかったなぁ。
しあわせなことだなぁ。
なによりお出かけ先でまで思い出してもらえるって、なんてしあわせなことなんだ!!

いろいろとhappyな春休み。

さて。

表題は、なんだそれ?だと思いますが・・・

これは一年生(今度2年生になりました!)のまーこちゃんとのレッスンでのひとコマでの難題です(笑)

たまたま5週目がお休みで珍しく練習がさぼりがちになったまーこちゃん。
いつもはこんなことはないので、ちょっとだけ喝を入れようと思って、彼女がワークブックをやっている間にレッスンノートにひとこと注意書きを書いていました。

「もうすこ」まで書いたところで、のぞきこんできたまーこちゃんが、「せんせい!書かないで!『もうすこしれんしゅうしましょう!』」って書く気でしょ?と鋭い一言を(笑)(笑)(笑)

『もうすこしれんしゅうしましょう!』って書いてあると、ママの機嫌が悪くなるから書かないで!というのです(笑)

そうは言っても途中まで書いちゃったしなぁ。ボールペンで消えないし!
自分でもやっていない自覚があるから「もうすこ」でなんて書かれるかわかったわけでしょ?

そんなことを言ったら「おねがい!一回だけ!」「次は絶対にちゃんとやってくるから!」手を合わせてお願いしてくるので・・・

「じゃ、これ、どうすればいいとおもう?」と振ったら、「もうすこ」で始まる違う言葉にすればいい・・・的なことを言い出して、ふたりで一生懸命「もうすこ」作文をする羽目に(笑)

ちっとも思い浮かばず、ま−こちゃん、自分で考えてよ!と言ったら、言ってきたひとことが・・・

『もうすご』くやる気満々です。
でいいよ!というのでげらげら。

今回に限って言えば、どうみても真逆なんですけど(笑)(笑)(笑)

いーい?この文に見合う態度を見せてよね?

だいたい、文章おかしいから。先生がへんてこな日本語を書いたと思われたくない!とちくちくといたぶりつつも(笑)わたしもなんだか楽しくなっちゃって、知らん顔して、「もうすごくやる気満々です。」に書き換えたまま、レッスンノートは家に持ち帰られました(笑)

次のレッスンは明日ですが、どうなってやってくるんだろう?

「やる気満々」と書いたからにはきっとがんばってくるはず!と帰り際にプレッシャーをかけておいたので(笑)明日がちょっと楽しみです。

っていうか、そんなにたいそうなことでもないのですが、思わずちびっこで遊んでしまいました(笑)
でも、ちょっとしたイベントになったので??
さらに、なぜかまーこちゃんも帰り際、若干わくわくしていて「先生、見ててよ〜♪来週お楽しみに〜」なんて拳を固めて帰ったので(笑)

これもまた1つのエピソードとして書いておこうと思います。

これが「まったくやってこなかった」とかいう話だったら、それはそれでおもしろいけど(笑)

蛇足ですが・・・

ちびっこが次々と弱点の克服をしていくので、わたしも負けじと取り組み始めたことが合って・・・

それは小さい頃にどうしてもかっこよく弾けなかった初級の頃のものをもう一度さらうこと。

たとえば「乙女の祈り」でしょ?
クシコスポスト」でしょ?
愛の夢」でしょ?

あっ「トルコ行進曲」の最後の方もかつかつだったなぁ(笑)

ツェルニー30番の15番でしょ。
ツェルニー40番の26番でしょ。

合唱の伴奏の「大地讃頌」もやったけど、満足な出来ではなかったなあとあらためて。

いまだにですが、小さい頃から指が小さくて、オクターブの連続とか、指の幅が広いもの。アルペジオで遠くまで行ったり来たりするものがとても苦手でした。

クシコスポストは楽譜が涙で滲んだのをよく覚えています。
先生は発表会で弾かせようと思っていたみたいですが、とんでもなく(笑)
確かその時は「花の歌」かなんかに変更したのを覚えています。自分があまりに不甲斐なくて今でもそのことが忘れられない思い出です(笑)

そういう曲は必要がなければあえて通らず、生徒に弾かせるにしても、見本を弾かずに終わったものもありますが、それってどうなの?

とはいえ、小学校の頃のトラウマだし、今なら劇的に上手く弾けるはず?と思って久々に取り出して弾いてみたら、あれ?あれれ?
最初は、お世辞にもさすが!とはいかず、かっこよくも弾けず・・・がっかりしたのでした(笑)

なので、片っ端から昔苦手だった初級の曲たちをまずは引っ張り出してきて、かっこよく弾けるまでさらっています。

この年になって思うのは、初級のものであってもまだまだ弾いたことがない曲もいっぱいあって、レパートリーをもっともっと広げたいなぁと思います。

中級くらいのものは比較的いっぱい弾く機会がありますが、初級のレパートリーを広げるというのはあまりしてきてなかったので、新しい目標ができたかも。

とりあえず、生徒達の前でお手本を弾くのは圧倒的に初級の曲が多いのだし、やさしい曲でも「わぁ先生上手〜♪」と思われたい(笑)
たった8小節の小さな楽譜でも、うまくいったなぁと思うと、それなりの反響があるものだということも最近とても実感しています。
生徒達に「こうなりたい」と思わせるピアノを弾かないと!

生徒達も、なぜか年の割りに手が小さい子が多いので、何か攻略のヒントが見つかるかも?と自分を実験台にして考えている・・・ように見せつつも、実は遊んでいるのかも(笑)

ピアノを弾く時間はいくつになっても、たとえ十分に満足がいくように弾けなくても・・・とてもとても楽しいです。