ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 悲喜こもごも。

昨日は夕方からご近所の仲良しさんたちと新年会でした。
徒歩3分のワインバーへ。
近いのでとっても便利です。

住宅地、それも中学校のとなりにできたこのワインバーは、ちょっと普段イメージしているイタリアンとは違う、わりと素材の味を生かした軽めのおつまみとバラエティーに富んだおいしいワインで、いつも大盛況です。
そんなにおなかいっぱいにはならないので、超大食漢一家のトモはちょっと不満そうでしたけど(笑)あんまり食べ過ぎたくないわたしにはぴったりの素敵なお店です。

お店を営んでいるご夫婦は、そんなに口数は多くないけど、ワインについて聞くとめっちゃしゃべってくださる旦那さんと、化粧っ気のない、とっても洗練されたシャツ姿の40代くらいのやっぱりわりと寡黙な奥さん。

アルバイトの女の子は、アフリカ人の父と日本人の母を持つハーフのとっても賢そうな高校3年生の女の子で、8時になるとそろそろ宿題をやらないとね!お帰りなさい。と帰されます。

夕べは店に入った途端、いきなり「○○さ〜ん!」と苗字で呼ばれて超びっくり。
「あれ〜!?どうしたの?だんなさんは?」だって。
どうも夫婦セットで記憶されているようでした(笑)
顔を覚えられているとはまったく思わなかったのでびっくり。あれ?名まえ言ったっけ?(笑)

一緒に行った友人たちとは、25年くらい前にほぼ同時に家を買って引っ越してきて、それ以来ずっと仲良くしている方々で。
しかもこの3人だと、わたしが一番年下で、末っ子モードでいられるのでとっても楽ちん(笑)

会話の内容は世界情勢から政治から経済から、教育問題、それぞれの夫や子ども達の健康や仕事について・・・と多岐にわたり、とっても楽しい夜でした。

彼女たち、特におとなりのトモとは、考え方も性格もまったく違い、正反対と言ってもいいくらいなのですが、不思議とずっと仲良しで。
いつも「そういう考え方もあるのか!」とびっくりさせられます。
女同士の友情はまずは共通点や共感からって言いますが、そうでもないなと思います。

考えもしない新しい扉を開いてもらったり、ものすごく気にしていることを「どうでもいい!」と一言で終わりにされたり。
逆にわたしの方が「それはいくらなんでもずぼらすぎ!」「もうちょっと考えたほうがいいよ!」と言うこともあるけど(笑)

もうひとりの友人は、10年くらい前からわたしのピアノの生徒でもある方で、中学校の数学の先生。
学年主任をしてらっしゃることもあり、しっかりしてるし、聡明だし。
子どもたちのこと、保護者のこと、学校関係の新しいルール、先生方のこと、今の教育の問題点・・・
興味があることをいろいろ話してくださいます。

めったに3人で顔を合わせることはない今日この頃ですが、なにか災害があってそれが昼間だったら、どの家も家族はみんな都内だから、きっと帰って来れないかも?
そうなっても、わたしたちはみんな市内にいるはずだし「いざってときは協力し合おうね〜」なんていう話まで。

よく飲んでよくしゃべったけれど、なんせ徒歩3分だから。
オットが仕事から帰宅する前には家に帰ってお風呂からも出ていたし、地元ってほんとに楽ちんです(笑)

さて。

先週後半のレッスン話。

結果的に言うと、前のレッスン日記に書いた、ことちゃんとのレッスンは、ものすご〜く意気込んで、ものすご〜く準備万端にして臨んだにも関わらず、まったく想定外の事態が起こり、いろいろ徒労に終わりました。ちゃんちゃん!(泣笑)

なんでそんなことになったかと言うと、彼女がまたしても大号泣したままやってきたからです(笑)

これで二度目です(涙)
彼女のおとうさんが来る直前に「稽古をつけてやる!」とことちゃんの練習に口を出して、けちょんけちょんに言って泣かしてしまったという・・・
毎度同じパターン(笑)
やーめーてーっ!!おとうさん!!

この方、とってもいいパパなのですが、ご自分もピアノ販売業のお仕事をなさっていて、多分音楽に思い入れがありすぎるのだと思われます。
娘と練習するとすぐに泣かしてしまうのだそうで・・・

お願いだから、レッスン前に大泣きさせるのはやめてください!!

そこをなだめて、泣き止んでもらって、そこから御機嫌を取り戻してレッスンの本筋に乗せるまで、どれだけかかると思っているのじゃ!

そもそもいつも早めにくることちゃんが、時間ぎりぎりになっても現れず、あれれ?と思っていたら、外で「ねえ、わたしがピンポンしていい?」という声。
あれ?あの声は妹のゆうちゃん・・・と思っていたら、インターホン越しに聞こえてくるギャン泣きの声。

えええええーーーーっ!?ですよ。

ただし。どんなに泣いていても、泣きながら靴を脱ぎ、レッスン室に入る足取りにはまったく迷いがなくて。
ああ、えらいな。いい子だな。かわいいな。

ぺこぺこと頭を下げまくるおかあさんからバックを受け取って、防音室に入ってからもずっと号泣のまま。
とうとう膝に乗っけて、まずは歌でも歌ってみるか・・・これにする?あれにする?と水を向けるも「それはいや!」と歌いたくない曲、そこだけは主張することちゃん(笑)

そして「それならいい」の「世界中の子どもたちが」のイントロを弾き、わたしが歌い出しても、やっぱり号泣していてまったく歌えないことちゃん。

ほとんどわたしがひとりで、彼女を膝に乗っけたまま歌って・・・歌えない子と歌おうとしたのは失敗だったかも?とピアノを弾く方に移ろうとしたら「今度は『語り合おう』も歌いたい」・・・と涙声で主張することちゃん(笑)

そっか、口は動いてなくても心の中では歌ってたんだ!「歌った」と思っているわけね!(笑)

で、2曲目は泣きながらもところどころ歌って・・・曲が終わってから、ぽつぽつとしゃくりあげつつしゃべり出すことちゃん。
「パパがね、怒ってね」・・・から始まって気がつけば、「学童行きたくない」「怖いお兄ちゃんがいるの」になって。
ああ、心にしまっておいたさまざまな哀しいことが、一気に噴出しちゃったなという感じ。

結果、レッスン時間の半分は、ほとんどわたしの膝の上(笑)泣きながら話をするのを聞いて終わってしまったという・・・あ〜あ(涙)(笑)

さらにやっと宿題曲に入ってみたら、そっか、ちょっと進路がゆっくりな子にありがちのパターン。

どのポジションに指を置いてはじめればいいのか、どのタイミングで左手を打てばいいのか、すっかり忘れてしまったらしく。

おうちで久しぶりに練習したとき、まったく思い出せず、途方に暮れたんだな。きっと。

結果、パパに叱られて、ますます途方に暮れてしまったという・・・そんな風に推理しました。

でも、忘れたとはいえ、一回は覚えたことなんだから、思い出せばいいわけで。
ちょっと復習したら、すぐに宿題もちゃんと弾けました。

帰るときは笑顔になったからよかったですが、本当にもう、おとうさんったら、レッスン前に泣かすのだけはやめて!と思いましたのことよ(笑)

そんなこんな、よろよろしながらレッスンが終了したのでありました。

学童の怖い子については、3年生のみさきちゃんに聞いてみよ。同い年の妹がいる学童仲間なので、頼んでおけば、きっと何かにつけて守ってくれることと思われます。

そうそう。その前日に、すっごくかわいいエピソードもありました。

4歳児、りーちゃんのレッスン終わりに、お迎えにいらしたおかあさんと妹のまーちゃん。

りーちゃんが「せんせーにぷれぜんともらったよ〜っ!!」と駆け出しておかあさんに見せに行ったのと入れ違いに、なぜかうちの玄関のステップをえっちらおっちら上がってきた1歳児のまーちゃん。

彼女とは毎回、お迎えの時に顔を合わせてはおりますが、まだまだ赤ちゃんなので、いつもは抱っこされていることが多いです。
そんな子が・・・とことこと歩いて、もっともらしい顔でわたしの横にきて、手を引っ張って、急いで玄関から入ろうとするではありませんか!!

そして、おかあさんに「ばいば〜い!!」と手を振り、「いこっ!」とわたしの顔を見上げて靴を脱ごうとするしぐさ。

ええ?ええ?と顔を見合わせるおかあさんとわたし。

どうやら、おねえちゃんのあと、次は自分のレッスンの番だと思ったみたい(笑)
ピアノ部屋に入る気満々です。

きゃーーーっ!!かわゆい。なんてかわいいんだ!

「あんたはまだ。せめて4歳になるまで待って!」とおかあさん。

ますますわたしにぴとっとくっついて、おかあさんに抱き取られまいとするまーちゃん。

爆笑するおかあさん。
必死なまーちゃん。

結局わたしが抱っこして、レッスン室をぐるっと見せてあげて、戻ってきて靴を履いてもらいました。

こういう時、わりと年の近いおねえちゃんは「まーちゃんは教室に入っちゃダメ!」とか「わたしのせんせーなんだから!」とか怒ったりしがちで、そんなもんだろうとも思っているのですが、ふと視線をやると、まだ4歳のりーちゃんは、そのやりとりをにこにこと見守ってて、わぁやさしくって、すっごくいいおねえちゃんだなあと思いました。

折りしも4歳のりーちゃんは生意気盛りで、なんでも自分でやりたいし、言われたとおりにやらないし。

時々あまりに生意気で「せんせーはだまってて!」「せんせーは弾いちゃダメ!」なんて言い出して「はぁ?なんやとごら〜っ!」なときもありますが(笑)
こういう一面を見るとまたかわいさが増すってものです。

姉妹っていいものだなぁ。


そしてそして。

最後は、今日レッスンに来た「けいちゃん」の話です。

彼女のことも何度も日記に書いているけれど、幼稚園の先生になって3年目の女子。
すごくいい子なのですが、来た当初、とんでもなく時間にルーズで、本当に手を焼いた子でした。

よくそれで幼稚園の先生が勤まるわね?と思うくらい、本当に時間の概念がヘンなのです。

忙しい社会人なので、レッスン日は何曜日何時という決め方はせずに、不定期で。
レッスンに来た日に次のレッスン日を決めて、3回来たところでお月謝をいただくというスタイルなのですが。

レッスン日をふたりで決めても、決めてすぐに手帳に書いてもらっても、すぐに忘れるし。
時間通りには来ないし、すっぽかされたあとに、いつなら来れるの?とメールをしても1週間くらい平気でほったらかしにされるし。

ワーカーホリックで、幼稚園に残って残業しているうちに、時間を忘れてしまい、気がつけば10時だったとか言うことも多々あるそうで。
わざわざ残業したあとでも来れるように、夜の9時くらいからのレッスンに設定しても、やっぱり忘れてしまったり。
絶対に休みの日にすれば大丈夫かと思いきや、夕方まで目が覚めなくてやっぱりダメだったり。

ただ・・・叱られても叱られてもめげずにまたやって来るし、来さえすればものすご〜く熱心だし。
何よりとてもわたしと相性がよくて、ちょっとここはこうしたら?と言ってあげただけで、目に見えて成長する子で。
お遊戯会、卒園式、鼓笛指導と、ピアノを弾かなくてはならない仕事があるたびに「助けて〜っ!!」とやってきて、とっても上手になって帰ってゆく。

ここまで打てば響くタイプの生徒に出会ったのははじめてかも?と思うくらいで。
「また忘れたの!?」と怒った翌週にすご〜くいいレッスンができたり。

ああ、これなら大丈夫そうだと思っていたら、また崖から突き落とされたり(笑)

そんなことを1年半繰り返した後のある日、寝坊して3時間遅刻して、わたしに猛烈に怒られたのをきっかけに、音沙汰なしで、来なくなってしまった数ヶ月間がありました。

さすがにこりゃあもうダメかな?と思ったものの、「やめてもらいます。」とも言えず。気にはなっていたけれど、こちらからは連絡をせずにほったらかしておいたら・・・

昨年の夏のある日、ばったりと最寄り駅で会ったのです。

けいちゃんは、遠くからわたしを見つけた途端速攻走ってきて「先生ごめんなさい。またレッスンしてください。もう決して忘れたりしないし、連絡は必ず入れますから。」って。

あとから聞いた話では、ずっと気になっていたのですって。最寄り駅で会ったのは最後のチャンスだと思ったそう(笑)
どうやってあやまろうとずっと脳内シミュレーションはしていたものの、電話やメールをする勇気が出なくて・・・だって(笑)

「そうなの?じゃ、おいでよ。いつ来れる?」
その場で手帳を開いて日にちを決めて「待ってるよ〜」とは言ったものの、その時はさほど信用しておらず(笑)
また騙されるかもしれないなぁ・・・と半分くらいは思っていたわけですが(笑)

その覚悟のほどは今度ばかりは本当に本当に本気で・・・

気がついたらあれから半年、一度も連絡を絶やしたことはなく。

仕事が長引いて来れない日はちゃんと時間前に連絡が来るようになったし、次の約束をするのに手帳を忘れたり、旅行に行ったりしても、出先からであれ、幼稚園からであれ、しっかりと連絡をよこすようになりました。

ああ、人って変わろうと思えば変われるんだなぁということを、彼女を通して教えてもらいました。

今日のレッスンもやっぱり寝坊したんだそうで(笑)15分遅刻したのですが、目が覚めた瞬間にまず遅刻の連絡がやってきて。
以前と比べたら格段の進歩です。

そしてわたしが文房具のお年賀をあげたら、わたしにも京都旅行のおみやげの匂い袋を手渡してくれました。
平等院鳳凰堂で音楽する神さまたちに会ってきたんですって。

旅先でまで思い出しておみやげを買ってきてくれるまでになったんだなぁとすっごくうれしかったです。