ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

久々の生徒話 オーディションの秋

いつの間にか秋も深まり、博多座のEndless SHOCKも千穐楽に向けて、ラストスパート中ですね。
そして京都で小喜利も始まり、わたしはいろんなレポに夢中になって、昨晩あやうく鍋を焦がしそうになりました(笑)

いつも日記をあげるたびに、たくさんの反響をいただき、ありがとうございます。

拍手コメントをくださった、y.s.さま。いつもていねいに読んでくださってありがとうございます。
別途メールさせていただこうと思いますが、とりあえずお礼まで。

ゆきはなせんせ、トレーディングカードアルフィーではもう20年も前から始まってるのね〜スゴイことだ!と大興奮でございます。
KinKiはふたりっきりのチームだからちょっとむずかしい気がするけど、ふたりのさまざまなコスプレは見てみたい!と思ってしまった!(笑)
高見沢さんのルーズソックス姿!!それはすごいです。むふふ。

教えていただいた動画も見てみますね!いつもありがとう♡そろそろお会いしなければ!ですね。いっぱいお話したいです。

そして、ケリー中毒さん。いつもふぇるまーたを愛し、支えてくださって本当に感謝です。
「fair」と言ってくださったこと。宝物のように嚙みしめました。
かくありたいといつも思っているのですが、なかなかむずかしいとも思っていて、もちろん十分ではないのですが、そこを汲み取っていただけたことが何よりうれしくありがたいと思いました。あんなつたない文章でも、楽しんでくださる方がいるんだなぁって実感できると、何よりももうちょっとがんばろう!という原動力になるのです。ほんとうに、いつも近くにいてくださってありがとう!と心よりの感謝を伝えさせてくださいね。

さて。

このエントリーは久々のお仕事のこぼれ話です。
これが好きと言ってくださる方もいらっしゃるので、もっと書きたいのですが、最近どうもイレギュラーなボランティアのちょこっとレッスンがたくさん入ってきて、忙殺されておりました(笑)

長いですので、お時間があるときにでもどうぞ!

先週はなぜか「こんにちは」と入ってくる瞬間に泣いている子がふたりもいるという珍しい週でした。

もちろんピアノに来たくなくて泣いているのではなくて、かたっぽの一年生は、来る前におとうさんに叱られたのだそうだし、もう片方の4歳児は、おかあさんに送られてくる途中で、親子喧嘩になったのですって(笑)

どちらも45分レッスンの子たちだったのですが(うちの初級クラスには30分レッスンの子と45分レッスンの子がいます。小さいうちはご両親に選んでもらいます。)その最悪のご機嫌から笑顔にして、さらに楽しくピアノを弾こう!というモードに持っていくのがどれだけ大変か!!

や〜め〜て〜く〜だ〜さ〜い!!

と思ったことを記しておきます(笑)

特に4歳児の方は号泣という感じで泣きじゃくっていて「おいで」と言ったら大きく手を広げてすがるような瞳でこっちを見るではありませんか。

ええーーっ!?抱っこですか?むふふふふ。

仕方ないので、ピアノバックごとおかあさんから抱っこで受け取りましたけど(笑)
久々に求められてちびっこを抱っこしたら、すっごくいい気持ちでした。うっとり(笑)たとえ泣きじゃくってても。

一方の一年生はもちろんもう「先生、抱っこして!」とは言いません(笑)
でも大好きなおとうさんに叱られて、よほど悔しかったんだなぁという感じ。

彼女、ことちゃんのことはちらっと前の日記でも触れているけれど、子ども同士になるとほとんど誰とも口を利くことができないという、ちょっとむずかしい性質の子。

でも相手が心を開いた大人だと、かなりいろいろとお話してくれます。

わたしともここ数ヶ月のお付き合いで、すっかり打ち解けて、最初のレッスンでは歌ってと言っても弾いてみようかと言っても無反応だったのがウソみたいに、大声で歌い、イヤなものは口でちゃんとイヤだと主張し(笑)楽しんでピアノを弾いてます。

かといって彼女、同世代の子どもが苦手なのではないみたい。

子ども同士で遊んでいる輪にもちゃんと加わっているし、その時に他の子たちが言ったことや、会話の流れもちゃんと覚えていて、誰がなんて言ったとか、その時自分がどう思ったとか、自分から「聞いて!聞いて!」とていねいに話をしてくれます。

なのに、まさしくそのエピソードが起きている瞬間だけは、彼女自身は貝のように口を閉ざしているらしく。

はじめて会った子は一様にびっくりするけれど、馴れてさえくれば、周りの子たちからも「この子はみんなと遊ぶのは好きだけど、誰ともおしゃべりはしない子」と認識されているみたいです。

なんとなくいろんな事情が入ってくるのは、同じ保育園出身の一年生はほかにふたりいて、同じ日のエピソードを別の同い年の子達からも聞くことがあるからです。

ことちゃんがこんな風に感じ、こんな風におもしろがり、こんなことを言いたかった・・・それがそのまんま言えていたら、ことちゃんだけじゃなく、まわりのみんなももっと楽しかっただろうなぁと思うと、ちょっとせつなくなったりもするのですが、しゃべらなくても今のところ問題なくことちゃんは受け入れられているし、ことちゃん自身もこうして心を開ける大人が何人かいて、話をする場もいくつかあるから・・・

ほんとうによかったなぁと思うのです。

そしてわたしはいつもことちゃん以外の他のふたりの一年生に「せんせーすごいね!ことちゃんとしゃべれるんだ!」と羨望のまなざしで見られていて、ちょっとだけ鼻高々です(笑)

もちろんちびっこたちはどう思っているかは知りませんが、ことちゃんがわたしとしゃべるのは、仲良しだからというよりは、単にわたしが大人だからなのですが、そこは言わずに「えへへ、いいでしょう!」と大いばりでいる、おとなげない先生がここに(笑)


さらにことちゃんのママは本当にがんばり屋さんで、ちょっとむずかしいことちゃんを、とても辛抱強く見守り、すご〜くおおらかに受け止めてらっしゃって。

ピアノのレッスンノートにも、お願いしたわけでもないのに、自主的に必ずノート一ページ、びっしりと今週のことちゃんのピアノのこと、宿題のことを、必ずレポートしてくださいます。

今までここまでていねいにお子さんのピアノを見守ってくださるおかあさんと出会ったのははじめてで。
レッスンノートに書かれた言葉を読んでいると、時々鼻の奥がつーんとします。

ことちゃんはもちろんのこと、まだうら若い、ことちゃんのママごとぎゅーっと抱きしめてあげたくなります。

そんなご両親の愛情をいっぱいに受けて、レッスンの場ではやりたい放題、言いたい放題になってきたことちゃんを見ていると、お友だち同志の場で、強引に話をするように仕向けなくても、しばらくは焦らずそのまんまのことちゃんでいいのかもしれない・・・と愛おしく思います。

この日、しばらく声を殺して泣いていたことちゃんでしたが、途中からは笑顔になって、最後は「ちょっとだまってて!」とわたしに言われるくらいハイテンションでありました(笑)

こんなことがいくつかあったせいか、とうとううちの裏で工事をしていたおじさんに、「大変ですね〜家で託児所やってらっしゃるんですか?」と聞かれてしまいました(笑)

いやいやいや。
いつだって、ちびっこのひとりひとりを取り巻く町の応援団の一人ではいたいですけどね。

さて。

先々週の水曜日。突然うちの3年生の生徒、モカちゃんがレッスンの日でもないのに、ピンポーンとやってきました。

たまたまちょうど筋トレから帰ってきたところで、時間も30分空いていたので、なにごと?と出て行ったら、すご〜く思いつめた顔をして、クリアファイルを持って立っていて。

地元の小学校では年に一度、毎年11月に音楽会が開かれるのですが、このたび、3年生もピアノ伴奏のための初オーディションがあるそうなのです。

5〜6年生くらいになると、伴奏をやりたい子の顔ぶれもかなり絞られて、上手な子、選ばれる子もだいたい決まってくるのですが、3年生くらいだと、ピアノを習っている子もとんでもなく多いし、誰がどのくらいの実力なのかもお互いに全然わかりません。

オーディションにチャンレンジしてくる子もとんでもなくいっぱいいて、クラスだけで10人以上。
まずはクラスオーディションがあって、その後から今度は学年のオーディションになるそうです。

曲目は「おかしのすきな魔法使い」と「エーデルワイス」の2曲なので、最終的に選ばれる子は学年でふたりだけ。

かなりの難関ではありませんか!!

しかもモカちゃんのクラスの立候補者の中にはピアノの先生の子どもがいて「わたしはきっと一番に決まると思うからあとひとりだね!」なんて豪語したそうで(笑)

そんなこんなでモカちゃんは、ものすご〜く切羽詰った顔でやってきました。

うちの教室の子で、かつて伴奏の常連だった子も何人もいますが、一方で実力は十分なのに、どんなに練習しても選ばれないという不憫な子もいて、こればっかりはその年にどのくらい実力がある子が揃っているかとか、とんでもなく才能がある子がいるかどうかとか・・・まあいろんな事情があるので、本人が上手いかどうかとは必ずしもイコールではないわけです。

モカちゃんにとってはいっとう最初のオーディションなので、ものすご〜く気合が入ったところに出鼻をくじかれて、なんだか傷心。
そんなときに「わたしには先生がいる!」って思ってくれたみたいで、これは本当にうれしいこと。

とりあえず家に呼び入れて、練習の仕方と注意する点、オーディションの日が決まったらすぐに教えてね!
オーディションの日が近いなら、電話さえ入れてくれれば、何回来てもいいから、とりあえず通っておいで。
その日によって、5分とか10分しか見てあげられないかもしれないけど、ちょっとずつでも頻繁にレッスンしましょう!なんて話をしました。

神妙な顔で話を聞くモカちゃん。
家に帰したあとは、続々生徒が来たので忘れてたのですが、夜になっておかあさんから電話がかかってきて、「すみませ〜ん、まだわたしにもおばあちゃんにも何も話さないうちに、勝手に先生のところにいきなり行ってしまったみたいで・・・ほんとすみません。失礼しました。」とおっしゃるではありませんか。

それだけモカちゃんがわたしを頼ってくれたということだから、うれしかったです。

幸いにもオーディションは11月に入ってからというので、じゃ、とりあえず次のレッスンまで自主練習をしてもらって・・・なんて話してたら、翌々日にはいきなり先生が「来週クラスオーディションをします!」と言ってきたとかで、あわただしくやってきて、結局三日続けてちょいちょいレッスンをしたのですが、最後の日にきたモカちゃん、「今日ね『おかしのすきな魔法使い』のオーディションが突然始まって終わっちゃったの!」と言うのです。

ええーーーっ!?

あまりにも急だったので、最後まで弾けた子がたった2人しかいなくて、モカちゃんともうひとりだけ。
で、もう一人の子がクラスの代表になったのだそうでした(涙)

「おかしの好きな魔法使い、やりたかったなぁ・・・」と涙ぐむもかちゃん。

「でね、エーデルワイスもやっぱり明日オーディションにしようっと!って先生が言い出したんだよ!!」というではありませんか。

どういうことじゃ!!

なんで先生ってば、そんなにころころ日にちを変更するかね(怒!!)

というわけで、振り回されて振り回せれてあたふたするモカちゃんとわたし。

とはいうものの、俄然負けず嫌いを発揮して、練習しまくったそうで「エーデルワイス」の方のクラス代表の座はゲットしたそうで。

学年代表を決めるオーディションは、クラス代表がしばらく練習を重ねたあとにちゃんと決めるとのこと。

ああよかった!とそこまで聞いて、彼女は那須へ、わたしは奈良へ、週末お互い旅行に出かけていたわけです。

そうしたらそうしたら・・・

いきなり月曜日またまた先生が「明日、学年のオーデションをすることにしたから!」と気まぐれを発揮したそうで・・・

ことごとく日にちを前倒していく先生にまたもや振り回されたモカちゃんは、月曜日、真っ暗になってから、おばあちゃんに送られてやってきました。

旅行中も紙鍵盤を持って行って練習したというモカちゃん!
まるで、戦火の中、紙鍵盤で練習して稀代のピアニストになったダンタイソンさながらです。

この日はあとに来る子がいなかったので、ついつい熱が入っちゃって、1時間くらい一緒に特訓をしていたわけですが、気がつけば指の上げ下ろしとか、強弱のタイミングとか、どんどんわたしに似てきていることを発見してしまい、めっちゃドキドキ。

大丈夫かなぁ?
急に責任の重さがぎゅーっとのしかかってきて、不安になるわたし(笑)

まっいっか。いつかわたしをらくらく超えてって!なんて思いつつ。

そして昨日の夕方、モカちゃんから電話がかかってきましたよ。

無事、学年の代表になったそうで!!

小学校に入って初のオーディションは、幸先のよいスタートが切れて本当によかったです。

月曜日のラスト。あがり症だという彼女に両手をぎゅっとして「ぜーったいあがらないおまじない」「はい!もう効きました!!」と言って別れたのですが、それがよかったみたい!ってご本人がわざわざ伝えてきて、なんてかわいいコなんだとさらにせんせー、メロメロでございます。

いやいや、自分の力で勝ち取った代表だよ!って言ったら、ふふふって笑ってた。

そしてその電話を受けて、やっとひと息・・・と思っていたら、30分と経たないうちに、今度は6年生がオーディションの楽譜を持ってきました。

なんだかこの秋はオーディションの秋だなぁ。

今度オーディションを受けるあいこちゃんは、まだピアノを習い始めて日が浅くて、いろんな意味で不利なのですが、とにかく言われなくても淡々とたくさん練習する子なのです。

何を考えているのか、いまいち表情がわかりにくいのですが、最近わかってきた感じでは、中では沸々とたぎっているみたい。
ものすご〜くむずかしい楽譜なのに、ちょっとリズムとかを間違えつつも、もうほぼ弾けているではありませんか!!
初見で見たわたしの方が、イマイチ手本にならないへたくそで、洒落にならない感じだったので、明日までに練習しておくからまたおいで!と言って帰しました。
ひょえーーーっ!!
わたしにも宿題が!

折りしも学校ではサッカー大会の練習もまっさかりで、彼女はスポーツでもいつも代表に選ばれるので、両立も心配だし、そもそも通って来れるのか?
先月の陸上大会のときは、連絡がうまくいかず、遅れたり来れなくなったり、やきもきしながら見守ったのもまだ記憶に新しいところです。

でもやりたい・・・と言ったきり、黙り込んで上目遣いにじっと伺っている彼女を見ていたら、こっちが弱気じゃいけない気がしてきましたよ(笑)

オーディションをきっかけに、まずは彼女との心の距離を縮めたい・・・縮められたらいいなぁと思います。