ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

京都に行く前の話。

11日の朝、京都にでかけて13日の午後帰ってきました。
平安神宮ライブには、今年初めて11日、12日と参加してきましたよ。

次の日記からしばらくは、京都の旅やライブ参加の感想を書きたいと思っています。

でも今日の日記は行く前の話です。

そもそも、いつ行くかとか、あちらでお逢いできる方がいればぜひ!とか、いろいろちゃんと書いて出かけたいと思っていて。
拍手コメントでも実際に「いつ参加ですか?」といただいていたのですが、まったく触れられなかったのにはちょっとわけがあって。

出かける前日にとんでもないことが起こりました。

大雨により、地元の駅(最寄り駅はふたつあって、その片方です。)が冠水してしまったのです。

第一報は朝6時過ぎ、ツイッターの「市のツイート」でしたが、この時点では「ぽつん」とその一文があっただけで、まだ半信半疑。
いやいやいや、まさかでしょ!今までそんなことなかったし。

7時前、ちゃんと支度をして、お弁当も持ったオトートが、会社に行く気満々でこの日最初に出かけました。
冠水した駅ではなく、ひとつ先、東京寄りのもうひとつの最寄駅です。
もしやあの駅だけの話なら・・・なんて話していたわけですが、そんなわけもなく(涙)

ほどなく「ただいま〜っ!!」と帰ってきました。

人身事故など不測の事態で止まっても、1時間や2時間なら文句も言わず平気で待てる、かなり気が長いオトートなのです。
そんな彼が「これはダメだな!」「ずいぶんかかる気がする」と言って戻ってきているくらいだから、よほどだね!?と判断したオットとわたし。

アネも起こさなければ!と上がって行ったら、すでにあちこちの路線アラートが鳴りっ放しで、目を覚ましてました。

ツイッターで最寄り駅を検索すると、見たこともないような洪水の画像がとんでもなくリツイートされている!

そのうちテレビの情報番組でも地元のことをやり出して、見慣れた光景の中にテレビでよく見ているアナウンサーさんやレポーターさんがいて、口々に「大変だ!」「大変だ!」と言っておられるではありませんか!!

さもありなん。

テレビで見ている限り、駅の階段は数段目までかなり冠水している模様だし、我が家からみると駅の反対側がロータリーから駅の入り口まで最大80センチも水がきてしまったというではありませんか!!

ジーンズで川のようになった駅前を横切るお兄ちゃん。

ミニスカートでふとももまで水に浸かってなんとか駅の階段にたどり着いた女の子。
合羽がまったく役に立っていないおばちゃん。
スーツで駅を遠巻きにしつつ途方に暮れるサラリーマン。

こりゃただごとじゃないぞ!という感じ。

それに対して駅のこっち側は被害が少ないですが、それでもやっぱり水は出ていて、たくさんの車が立ち往生しているようでした。

そして改札階は2階なので、そこまではなんとかたどり着けた人がたくさんいるものの、線路も冠水しているので当然電車は完全に止まってます。

大きな川があるというほどでもなく、普段はわりとおだやかな駅前なのですが、それなのにこんなに水がきているということがすでにしてすご〜く異常な感じです。

そういえば、前日9時半くらいにこの駅に戻ってきたアネが、駐輪場代の100円玉を機械に入れようとしたら、地面に落としてしまったそうで。
その十円が水の中にぽちゃんと落ちたとたん見えなくなって、とうとう見つからなかった!と言っていたことを思い出しました。

「だって、くるぶしまで水がきてたんだよ?まっくらの中、お金が水の中に沈んでいったし、見つかるわけないでしょ」

多分その時点でもう洪水は始まっていたのかもしれない・・・と今となっては思います。
ごめん、アネ!話を盛ってたのかと思ってました(笑)

そして朝までにさらにたくさん雨が降って、とうとう小さな川が決壊してしまったのだろうと思われます。


幸いなことに、倒壊するような被害が出たところはなかったようですが、駅の向こう側では、駅の向いのコンビニの中にも水が入ってしまったようだし、いつも行く本屋さんの商品が全部水に浸かったとか、マンションの入り口が水に浸かって出入り不能とか、車がまったく動けなくなってひとまずその場に置いてきた・・・なんて話はたくさん聞きました。

我が家的には・・・両方の最寄り駅と、今後の雨の進路にもなっているさらに東、栃木方面へ向かう下り列車はすべて止まってしまったので、全員都内まで通勤している我が家では、家族誰も会社に行けません。

3つ先までなんとか辿りつければそこから折り返し運転しているようですが、普段は車で15分もあれば行ける距離が2時間以上もかかるらしく。
もしくは別ルートでJRの駅まで送った人は7時に出かけて送り届けて帰ってきたら昼だったとのこと。


なんとか走っている駅にたどり着いたところで、いつもなら5分間隔くらいで走っている電車が1時間数本程度になっているし、都心まで直通運転しているはずの便利な路線はすべて直通をやめていて、これぞ八方塞がり(涙)

というわけで、わたし的には京都に行く前の日なのに、家族全員不可抗力で家にいて、そんなことはまったくの想定外で。

会社へ行けない家族たちはもうあきらめて、のんびりムード。
一方のわたしはというと・・・

まだまだ激しい雨は降り続いていて、1週間ずっと家中に干された洗濯物をなんとか片付けて出かけたいのに、なかなかうまく乾いてくれないし。
しかも朝から待っている生協の宅配は3時間経っても4時間経っても全く来ず。
(生協のおにいさんは、出勤に3時間、荷物を倉庫に取りに行くのに2時間もかかったそうで、5時間遅れでやっときました。お気の毒でした、涙)

なんとか冷凍ごはんを駆使して昼ごはんを捻出し、やることは山ほどあるので、バタバタ走り回っているうちに、あっという間に生徒がくる時間だし!!

駅からほんの歩いて10分の距離ですが、うちの周りまでくればありがたいことに冠水もなく、地盤は緩んでいるけれど、普通に生活できるので、あえてこちらからは仕事のキャンセルの相談はしませんでしたし、生徒のおうちからも特に何も問い合わせはなく。
いつも通りの普通の木曜日です。


通りすがりにわざわざ「なんかおかあさん機嫌悪くない?」と言ってくる家族(笑)
どうやらイライラが伝わったらしいです。
家の中の人口密度が高すぎだし、明日から出かけさせてもらうわけで、なるべくできることはやっちゃいたいし。
ちょっとひけめがあるので、ここで爆発するわけにもいかないし(笑)

というわけで、不機嫌を指摘されてさらに不機嫌になるわたし(笑)

「怖い!怖い!」と茶化しつつも、その割りに「おなかすいた」だの「暇」だの「ちょっと天候のせいでBSが映らないので見て!」だの・・・

しょっちゅう誰かがなにか言ってくるので、どんどんイライラは増すばかり(笑)

学校もちゃんとやっていたみたいで、午後からはあちらこちらから子ども声がし始めて。
遠くから通ってくる先生だけは出勤できない状況もあったみたいですが、学校はいつもどおりやっていて。

そうなるとさらにちびっこたちは放課後になってもみんな体力がありあまっていて、いつもよりパワフルにやってきて(笑)

傘も挿さずに荷物だけビニールにくるんで自転車で来ちゃう子やら。
来る途中でわざと水溜りにはまって遊んじゃった子やら。
雨の中しりもちをついてしまった子やら(笑)

まぁ〜っ!!とてもにぎやかです。

そしてそんな生徒たちを迎える我が家は、雑巾が何枚あっても足りません(涙)

結局夕方近くになってもやっぱり電車は動かずで、一時は旅行会社にキャンセルの場合は??なんて縁起でもない連絡を取ったり、京都には行けなくても仕方ない・・・と覚悟を決めるほどでした。

6時ごろについにやっと動き出したのですが、ほんと、そこまでが長かったです。

さらに、テレビをつけると茨城や千葉ではもっと大きな被害がたくさん出ていて、あらためて自然の猛威の前になんて人は無力なんだ・・・と思い知らされることになりました。

被災されたみなさまには、本当に心からお見舞い申し上げます。

夜になるにつれ、地元駅周辺はダイヤもだんだんに元に戻り、翌朝にはほぼ水もひいていて、まったくの予定通りに出かけることができたので文句を言ったらバチがあたりますけれども。

そしてうちの近所には被害はなかったので、たとえば家が冠水した駅周辺の方々と比べれば、本当になんてことはなかったわけですけれども。

それでもこれがこの日で、一日ずれてたら京都には不可抗力にて行けなかったと思うと、ほんとにほんとに神さまありがとうという気持ちになりました。

ちなみにこの前日、土砂降りの中買いに行ったビーチサンダルも、わざわざ台風対策で用意した合羽も、京都では一切使う機会もなく、この日、地元でのみ使いました(笑)

あちらが3日とも晴天だったことは、本当に喜ばしいことでしたが、一方でたくさんの地域が水に浸かり、命からがらに身一つで逃げた方々、行方不明になられた方々のことを思うと、とても他人事とは思えず、旅の途中でも、どんなに笑ったり感動したり、楽しんだりしていても、常に心の隅っこには大雨のことがあって、なんだか落ち着かない気持ちもありました。

それにしても・・・

今まで25年くらいこの地に住んでいますが、本当に住みやすいところで「ここに住むことに決めて本当によかった。」といつも思っていたのですが、今回ばかりはびっくり。
自然の猛威に心底驚かされました。

埼玉は海もなく、我が家のそばには山もないしで、わりと安心しているところがあったのですが、今後はもっといろいろなことに備えなければと思い知らされました。

本当はこの話はあえて触れないつもりでしたが、やっぱり大事な経験のひとつなので、ちゃんと振り返っておきたいと思いました。

この経験があったからこそ、京都での3日間が色鮮やかにとても楽しいものになったし、ライブが本当に素晴らしくて心を打たれたし、つよしさんが歌や演奏やMCの中で言わんとしていた今の日本が尋常ならない感じになってきたことが実感的に伝わったし・・・

たくさんの友人たちとの再会が、本当に奇跡的でしあわせなことに思えたし。

家族もまた、金曜日は普通に会社に行くことができて、思い思いに充実の週末を送ったみたい。
そんなことにも感謝したい気持ちになりました。

大切な経験をしました。
こういうことも起こりうるんだなぁとしっかりと肝に銘じておきたいです。

さて。

次からは京都編です。