ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 うれしい贈り物&more

先週うちに来て、まもなく1年になる、6歳になったばかりのMちゃんが大事そうに紙袋を抱えてやってきて、はい!と手渡してくれました。
家族で千葉に旅行に行ったのだそうで、紙袋にはマザー牧場のおみやげのクッキーが入っていて、それと一緒にお手紙を渡してくれました。
ごはんを早めに切り上げて、わざわざお手紙をつけてくれたのです。

封筒に「クッキーがあるよ!」とにこにこマークと共にでかでか書いてあり。

中を開けたら

ピアノ、おしえてくれてありがとう。
どんどんたのしくなったよ。
きょうもがんばるよ


と書いてあって、笑顔のMちゃんの顔がていねいに書いてあります。

彼女はおためしレッスンのときに「今週、4つピアノ教室のおためしレッスンを受けてきていて、あと2つ行くことになっているんだよ!」と言って、わたしをびっくりさせた子です(笑)

この日のことは、なかなかに衝撃だったので、日記に詳しく書きました。

彼女は意外と人見知りで、よく話はしてくれるけど、距離はなかなか縮まらずゆっくりで。
レッスン中はとても楽しそうなのに、おかあさんが迎えに来たとたん、おかあさんの後ろに隠れて、出て来なくなっちゃうような子で。

一家の団結がとっても固くて。
ひとりっこで家では子ども一人の彼女を喜ばせるためだけに、わざわざおじいちゃん、おばあちゃんを呼んで、ドンジャラ大会を催しちゃうくらい、とてもとても大切に育てられている箱入り娘でもあり。

表面上仲良くはなっていても、本当の意味で心を開いてくれるまでに結構時間を要した気がしているのですが、今ではピアノの上達っぷりと比例して、すっかり仲良しです。

こんなに心のこもった素敵なお手紙がもらえるくらい仲良しになったのだなぁととっても感慨深いものがありました。

たとえばお手紙、たとえば折り紙で作った小物やミサンガなど、時々ちびっこにちょっとしたサプライズのプレゼントをもらうことがあるのですが、しあわせだなぁとかみしめています。

そうそう。
プレゼントついでに。

こちらはモカちゃんからもらったプレゼント。

これ、折り紙の結婚指輪ですって。

時々鉢合わせするオットの分も作ってくれようとしたそうですが「意外とむずかしくて一個で力尽きちゃった。先生ごめんね!」とモカちゃん。
まぁ、なんてやさしい子でしょ。わたしならずともオットのことまで思い出してくれたの?と感動しちゃいました。

話は戻って、Mちゃん話。

ながいこと一人っ子だったMちゃんには、近々妹が生まれることになったのだそうです。
妹の名前はすでに家族で決めたのだそうで、実はママには内緒ね!とこっそり教えてもらいました(笑)

ことピアノに関しても、どこがむずかしいとか、どれが好きとか、ここ数ヶ月でずいぶん自分から言ってきてくれるようになり、コミュニケーションがずっと楽になりました。
それと同時に両手でいろいろ弾けるようになってきて、本人的にもピアノが楽しくなってきたところ。

「本人の小学校入学、赤ちゃん誕生、おかあさんの産休と、いろいろ環境の変化があるので、先生にご迷惑をかけることがあるかもしれませんが」…とおかあさん。

もちろん準備は万端です。Mちゃんの地域のサポータの一人として、何か役に立てることがあれば、全面的に協力させていただきたいです。

それは義務感とか使命感とかじゃなくて、純粋に彼女自身がかわいくてならないから。
手を貸さずにはいられないくらいいつも愛らしくて一生懸命だから。
こういうのって、多分本能的なことなんじゃないかと思うのですが、本能に従って(笑)これからも彼女との時間をめいっぱい楽しんでいきたいです。


もうひとり、同時期に入った保育園仲間だったKちゃんのほうも、今年に入ってから、おかあさまの3人目のお子さんの産休が明け、てんやわんやなのが漏れ伝わってきてました。

万全の準備で仕事復帰の日を迎えたはずなのに、一番下の赤ちゃんを保育園に預けた途端、いきなりインフルエンザになったのだそうで(涙)
それだけでも十分にくじけるだろうと思うわけですが、そこからなんと、家族全員にインフルエンザが移り…
復帰したばかりの会社はいきなり1週間も休むことになるし、同僚には迷惑をかけるし…とお話してくださったおかあさんは涙目でした。
ああ、なんて気の毒!

普段はこのおかあさん、本当にほがらかで、先日も郵便局でたまたま会ったら「せんせー大好きで〜す!わたしが!!」って大声で(わたしが?なの?そんなことを言われたのは初めてだ!わははは!)

そういえば、若いおかあさんからすると、彼女たちにとってもわたしって、おかあさんくらいの感じなんだろうか?(泣笑)

それにしても本当に本当に大変そうで、しばらくKちゃん本人もすご〜く上手に書いていた字がしばし乱れたり、急にはしゃいだかと思うと黙り込んだりしてました。
最近はずいぶん落ち着いてきて、こちらもまた「やっと小学校に入学するというほうに目が向いてきた」とおかあさんが言ってました。

彼女は元来とっても明るくて楽天的な3人姉弟の長女で、面倒見もとってもいい子なので、心配はしてませんが、子ども心にもいろいろ思うところがあるんだろうなぁという感じ。

そんな彼女ですが、昨日のレッスンが終わったあとに、妹の1歳になったばかりの「すみれちゃん」ができるようになった「バイバイ!」を何度もわたしに向かって見せてくれました。

そのあと「けいたいすきなひと!」とおもむろにKちゃんが言うと「はーい!」となんと元気よく手を挙げるすみれちゃん。
「おぉ!!」
びっくりするわたし(笑)

「おねえちゃん、おにいちゃんの真似をして、へんなことばっかりおぼえちゃって!」とおかあさん。

すごいなぁ!!今の子だ!!1歳になりたてで、すでにしておかあさんの携帯(今はいじるわけじゃないから、電話をするまねとか、そういうくらいだけど)が大好きなんですって。

おかあさんの携帯が外出先などで、姉弟3人でとりっこになることもしばしばって言ってました。時代が変わったなぁと思います。


さて。

一昨日の金曜日、モカちゃんの親友のSちゃんがおためしレッスンにやってきました。
こんな風に、うちの生徒たちは、しばしば仲良しさんを自主的に勧誘してくれて、とてもありがたいことだと思ってます。

勧めてくれるっていうことは、そこそこ満足していてくれるのだろうし、ご本人からの紹介のお友達とは、たいがいすぐにレッスンがうまくいくパターンが多いです。

今回、おためしレッスンの前の日にレッスンに来たモカちゃんが
「『うちの先生はね、すっごくやさしくて、最高にわかりやすいレッスンをしてくれるいい先生だから』って言っといたよ!」
とめいっぱいハードルを上げてきたので、急に緊張してしまいました。
やーめーてーーー!!(笑)

そんなこんなで、いつになく緊張したこともあって、その日は朝からレッスン室の大掃除(なんでやねん、そんなことするなら予習しろ!予習を!笑)をして迎えたわけです。

やってきたSちゃんは、2年生にして完璧に謙譲語と尊敬語を使い分け、かといって子どもらしいところもちゃんと持っている、とってもほがらかで元気な女の子でした。

国語と体育と音楽が大好きなんですって。わかる!わかる!

そして今まで学校の音楽でしか鍵盤に触ったことはないと言ってましたが、モカちゃんリサーチで、最近学校でピアニカでやったらしき曲をやってみる?と振ったら、ちゃんと音符を見て弾けていたし、歌うことも弾くこともとっても楽しんでいたし、すでにして仲良くなれそうな予感がびんびんしました。

昨日には「まず楽器を買いたいと思います。」「5月くらいからになるかもしれませんが、よろしくお願いします。」とメールがあって、ひと安心。
これが、Sちゃんとわたし、お互いにとっていい出会いとなりますように。

ただし…

ものすご〜くびっくりしたことがあって、これは別に悪いことじゃないのですが…

おためしレッスンの後、迎えにやって来られたのがおとうさんで、「レッスン室をご覧になりますか?」と聞いたら「もちろん!」と入って来られて、5分くらい見ていただくつもりが、おとうさんから次々、レッスンのこと、ピアノのこと、娘のこと、いろいろと質問されて、そこからさらに30分も話し続けることになってしまったのでした。

ここ2年くらい、ものすご〜く感じているのですが、今の子育て世代は、おとうさんとおかあさんが、同じくらいの熱さで子育てに関わってらっしゃる方が圧倒的に増えたなぁと思います。

少なくとも数年前までは、おとうさんが「うちの子のピアノどうですか?」と聞いて来られることは皆無でした。

うちのオットも子育てに冷たい方ではなかったですが、ここまで熱心に子どもたちの習い事の中身までは把握してなかったと思うし、ましてや先生に進捗状況を聞いてくれるなんてことはなかったなぁと思います。


さっき話題に出したMちゃんやKちゃんのおとうさんにしても
「左手の和音、ドミソはスムーズにおさえられても、シファソやドファラはかなりぎこちない気がしますが、大丈夫ですか?」
なんて質問が普通におとうさんから出るのはしばしばびっくりさせられます。素敵です!!

「たとえ5分でも反復するとうまくなるもんですね〜Kを見ていて感心しました!」なんて言ってこられたおとうさんもいらして、わたしこそ感心しましたのことよ!(笑)

てなわけで、レッスン室事情もいろいろと変わりつつあるんだなぁと思います。

世の中の動きに合わせて子どもたち事情も変わっていく。

でも、総じて思うのは、子育て世代のおとうさんとおかあさんは、本当にいつも疲弊していて、ぎりぎりの中でなんとかやっているということ。
時々子どもは元気でも、連れてくるご両親の方が熱を出したり倒れたりして、お休みになることもあります。
朝のレッスンの子どもさんが、本人じゃなくてご両親の寝坊で慌てて電話がかかって来たりするなんてことも増えました。

少子化対策少子化対策!と声高に言われてずいぶん経ちますが、おとうさん、おかあさんのがんばり頼みでは、絶対にうまくいかないと思います。

もうちょっとがんばっている人たちが楽になる政策って絶対に必要だと思います。
それじゃなくても、家事に子育てに、下の子の妊娠出産。それらをこなしながら、必要に迫られて働かざるを得ず、仕事も120%がんばって当然と思われる…

その上さらに、子どものことはすべて自己責任、周りはとても冷たい…では、あまりにも報われないと思うのですよ。

せめてご縁あってお子さんに関わるようになった身としては、小さくでも手を貸してあげたい…と最近切実にそう思います。

実を言うと、やっぱり生徒が年を重ねていき、ちょうど世代交代の時期でもあって、今は両手にちょっと余るくらいの生徒さんで、ほんとは切実にもっともっと生徒を増やしたいところなのですが、正直に言うと、このくらいがちょうどいい気もしていて。

今は大人の生徒さんから5歳児まで、ほぼ彼女たちが何を考えていて、どんなことに悩んでいて、どんなことを楽しんでいるのか一通り把握できている気がするし、ひとりひとりとコミュニケーションが取れていると、不思議とピアノもちゃんと上手くしてあげられる気がするのです。

今のところ、あとふたりお試しレッスンの予定がありますが、一方で、次は6年生でこの先どうかしら?という子もいるし、介護や仕事が忙しくてしばしお休みという生徒さんもいて…

どう転んでいくかはまだこの時点では不透明です。

とはいえ、生徒を増やすことだけに躍起になるんじゃなくて、お互いにとっていい出会いとなるような、そんな生徒にめぐり合いたいという気持ちも強くなっているこのごろです。

たとえば…うぜーよ姫との出会いのように。

というわけで、うぜーよちゃんのことに触れたいと思っていたのですが、いい加減長くなったので、それは次のエントリーに回します。