ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 青天の霹靂…という話

あんまり読んでハッピーになる話ではないので、テンション低めな方は回れ右です。
この話を書いたら、いつもどおりの日記を書くので、また少ししてのぞいてくださいね。
たとえば家族、たとえば友人、たとえば生徒。
大切な人が増えれば増えるほど、楽しいこと、うれしいことも倍、倍になっていきますが、逆もまた然り。
自分ごとじゃなくて、いろいろあって、しばらく日記を開く気になれませんでした。

その中で一番大きなできごとは、オトートで…

先日ちらっと、会社員になって初めての試練の話を書いたのですが、その話がちょっと理不尽なくらい大きくなって、3月で契約を切られることになってしまいました。

なんだかわからないけれど、電話を取ったときの対応がまずくて、取引先の相手の方を怒らせてしまったというヤツです。
相手がへそを曲げてしまい、契約が危うくパーになるところだったとか。

近くで新人のオトートが取った電話のやりとりを聞いていた派遣さんは、決して失礼なことは言ってなかった!電話の応対はいつもどおり、こちらに落ち度はありませんでした!と上司に言ってくれたそうですが、上司も含め、話していけば行くほど相手の気持ちがこじれていき、誰かが責任を取らないといけなくなって、結果一番切りやすい人が切られたということなのかなぁ?という感じ。

そもそもが障がい者枠で嘱託扱いなので、契約は1年ごとなのですが、例の事件が起こるまでは、ちらちら来年の話、再来年の話なんかも出ていて、まあまず切られることはないだろうと思っていました。

いろいろ聞いた話では、その経緯にもかなり理不尽なところもあるし、結局その事件以来「オマエは電話は二度と取るな」「仕事は自分で取って来い!」とどんどん直上の風当たりが強くなっていたのだとか。

息子は確かに立て板に水のように話すタイプではないにせよ、家で聞いていても、電話の応対が横柄だとはとても思えないし、何かきっと行き違い、勘違いがあったんだろうなぁと思うのです。

なにより上司が異動が決まった後も、繰り返し繰り返し毎日のように「オマエが異動になったのは俺のせいじゃない」「オマエのせいだからな。」「そもそもオマエが人としてダメなんだ。」「もっと早く創造的な仕事ができるようになれって俺は言ったのに」みたいに念を押してくるのだそうで、百歩譲ってその通りだったとしても、それってどうなの。もう決まったことだし、いまさらねちねち毎日言う必要はあるのでしょうか?
どのみち言い返すことも許されない相手に、なぜ毎日呼び出しては言わなくっちゃならないんだ!

まったく気の滅入る話です。


幸いにも切られることがわかったと同時に、障がい者枠の嘱託社員を長く実績を持って受け入れている本社の部署で拾ってもらえることになったので、4月からも会社員生活は継続できることになってひと安心。

とはいえ、福利厚生や保険は一緒でも、明らかに給与が下がると言われたのだそうで、本人、しばらく荒れに荒れておりました。

もう心を決めたみたいだけど。

そもそも契約上、障がいがある人は、退勤の時間も正社員より30分くらい早いし、その上残業も許されず。
「残業させたら、俺が叱られるんだからな!」が口癖だったそうです。
「すみません、お先に失礼します。」と言うと、「すみませんとか、口先だけで言うな!よけいにカチンとくるだろう!」とか言われていたそうです。
そんな意味でもあるまいに…と思うわたしがヘンなのかしらん???

「障がいがある身で社員になりたいと思ったら、人の何倍も努力して、短い時間の中で成果をあげなきゃダメなんだ!!」といつも言われていたそうで、確かにその通りかもしれないけど、ハンディはひと一倍の努力で挽回できる種類のものと、どんなに求められても無理なことがあるし。

その上、オトートの障がいは一見ではとてもわかりにくいから、時として「ほんとうかなぁ?」と疑われたりもするのです。
そんなことで凹まないように、くじけないようにとは願っているけど、そうは言っても折に触れてそんな目に合ってきたら、やっぱり絶望的な気持ちになることもあるだろうと思うのです。


さらに障がいのあるなしに関わらず「努力次第でどうにでもなるはず」という考え方はある意味とても危険な気もしていて。
いつか人を、どうかすると、そう言っている本人をも苦しめることになりはしないのかな?と思います。
わたしより上の年上の方みたいですが、今までそういうやり方で出世街道を上り詰めてきたんだろうな。

そうそう、怒りまかせの上司が「オマエはいつだって人をなめてて、誰に対しても上から目線で、人を怒らせてばかりで、人間がよじ曲がってて…」みたいに言ってきたという話には心底びっくりしました。

人間性全否定!!

そもそもそんなこと、彼が生まれてこのかた、今まで学校の先生にも友達にも、塾や習い事の先生にも、出会ってきた人たちにも言われたことがありません。

不器用だし、ちょっとおバカだけど(笑)おだやかだし、間違っても人を小バカにしたりはしてないと思うのですよ。
そもそも人を怒らせるほど口も立たない(笑)

ハンディがある上に性格がねじくれてたら、それこそ生きづらいだろうと思ったので、子育てでもそこだけは気をつけてきたつもりだったんだけどなあ。

会社に入ってからも、こう言ったら失礼かな?先輩気を悪くしたかな?と毎日のように心配したり、業務メールのひとつを送るにも、今大丈夫かな?迷惑じゃないかな?と心配しすぎと笑っちゃうくらいの彼のことを、そんな風に上司が見ていたという、その見解の違い過ぎるところにびっくりしました。

異動が決まって1週間くらいは、本当に心身ともにキツそうだったし、会社に行くのが針のむしろみたいだ。今日は何を言われるかと思うと怖い…と言ってみたり、かと思うと一人部屋でぶつぶつ怒りをたぎらせていたり、珍しく物に当たって蹴飛ばしていたり、とっても心配しましたが、やっと気持ちを切り替えつつあるみたい。

もちろんもう23歳の息子のことだから、親があれこれ口を出すことじゃないけれど、それがわたしのことだったとしても、やっぱり理不尽に言い返せない相手から、こてんぱんにやられたら堪えるだろうなぁと思います。
話を聞いただけで、やっぱりとっても気分が悪いですから。


そうは言ってもたとえハンディがあろうが理不尽なことを言われようが、社会人である限り、食べて行かなきゃいけないから、労働条件が過酷になったって、職場が遠くなったって、4月からも行くことは心に決めているみたいだけど、いきなり1年目ですごい洗礼を受けちゃったなという感じ。

幸いにも営業所の中にもいい先輩はたくさんいて、まだまだ全員に異動が知れ渡ったわけではないのですが、その話を聞いて理不尽だと一緒に嘆いてくれたり「厳しいね」と一緒に悲しんでくれたりする先輩もいてくれるみたいで、少しずつ落ち着きを取り戻してきました。

そもそもが社会にどんどん余裕がなくなって、弱肉強食化しているから、弱いものから追い込まれていく、もういい加減十分追い込まれている人を、最後までさらに追い込まないと気がすまない…という図式がとってもイヤだなぁと思います。

会社自体が現在飛ぶ鳥を落とす勢いのところだから、ものすごくイケイケムードなのですが、一方で同期入社一年目の何人かはもう職場から消えたり、急に地方へ飛ばされたりもしているのだそうで。

オトートが異動になると聞いても、意外と驚かない人が多いみたいです。

親の立場から言わせてもらえば、どこの家のお子さんもそうでしょうけれど、ここまで大事に何十年と育くんできて、たった1年くらいしか見てなかった人に人間性を全否定されて、心身ともにぼろぼろにされるなんて冗談じゃない!!…
という気持ちもあって。

本当にこのまま追い込まれ続けつつ何年かこの職場で我慢していくよりは、この辺で給料は下がってもよそに移ることになってよかったのかもしれないと思ったりもしていて。

次の職場が少なくとも、身体はたとえ大変でも、心がもう少し穏やかに、人間まで否定されることなくいられるところだといいなぁと願うばかりです。

幸いにも実家だし、今年一年で貯金もたまってるみたいだし、給料が減っても、しばらくは大丈夫かなという感じって言ってました。

でも貯蓄をいっぱい減らすのもイヤだから、心機一転、4月からは節約のために弁当を持って行ってもいい?おかあさん、大変?な〜んて言ってきました。

同じく仕事が忙しすぎて、昼を買いにさえ行けないアネの分と、自分のも合わせて弁当を日々作るのもいいかなぁ。
まだ子どもたちのために、やれることがあってよかった…と思うようにしようかと(笑)
そうは言ってもそろそろ自立のときでしょうから、こんな風になんやかんや身近で一緒に悩む時間も、もうそうそう長くない気もします。

先日、オトートがあまりに凹んでいて、もっとも苦しそうだった日の夕方、ハーゲンダッツを買って帰りました。
アネの分とふたつ。

わたしがハーゲンダッツを買って帰るなんて、年に一度もないことなので、ふたりともすっごくびっくりしてました(笑)

「どうしたの?何かあった?」と驚きつつ、気持ちはちゃんと伝わったみたいで、アネ「ラッキー」と無邪気に喜び(笑)オトートは寝る間際に「あれ、すっごくおいしかった。おかあさん、ありがとう!」とわざわざ言いに来ました。

アネも事情は知ってますが、なるべく普通にしているみたい。
自分もいろいろあったから、気持ちがきっと痛いほどわかるのかと。そういうのって大事だなぁと思います。

オットは35年の経験から、会社というところは、理不尽なことがいかに多いかという話を折りに触れて話しながら、彼が前向きになれるよう、かなり気を配っているみたい。

わたしはアイスを買っただけだけど。

もう数年のうちには、それぞれ自立して旅立ってくれるといいなぁと思っているのですが、まだ今は一緒に住んでいるのだし、まあいろいろあるけれど、そうやってみんなで痛みを分け合うっていうことが大事なんじゃないかと思う今日この頃です。

ああ、変な話を聞かせちゃってすみませぬ。

とりあえず、書いておしまいにしようと思ったの。

次からはいつもどおりの日記です。