ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

奈良気分で谷根千へ! その2

前の日記からの続きです。

不忍通りに出たわたしたちは、信号を渡って、次の目的地、根津神社へと向かいます。

根津神社の鳥居を撮ったら、今度はすご〜くめでたい感じに画像が撮れました。

娘に言ったら「おかあさん、撮り方がへたくそだからへんてこな光が入っちゃうんだよ〜」と笑われたのですが、どうあれ、空に向かって、あるいは空から地面の方へ射し込む一筋の清らかな光。よ〜く見るとこの光が虹色なの。まるで「希望」の象徴?とでも言えそうな画像が撮れたような気がして、これ、実は今、ショコラ嬢とわたしの、待ちうけになってます(笑)
はい。気持ちの問題です!

でも科学的根拠は別として(笑)すっごくめでたい感じでしょ?
そしてなぜかこの画像を見ていると背筋がぴーんと伸びるんです。
心がしんとして、澄み渡った空のように清らかになる気がして、とってもhappyなのです。
気は心ということでみなさまにもおすそ分け(笑)

さて。

敷地の中には、とてもたくさんのツツジが植わっていて、ツツジの頃が美しい神社として有名らしいです。

門をくぐる前に鯉や亀がいる池があって、その鯉の大きく丸々としていることに驚くわたしたち。いっぱいえさをもらってるんだろうなぁ(笑)
近づいていくだけで、向こうからたくさん寄ってきます。
猿沢池を思い出すねぇ〜なんてまたもや、奈良の思い出話になるわたしたち。
ショコラ嬢とわたしは奈良友なので、ついつい二人とも何かを見るたび奈良基準で語ってしまうのですよね。
そして、みなまで言わなくてもさまざまな記憶を共有しているから、お互いにちょろっと単語を発しただけで「ああ、あのことだな!」とすぐにわかるしあわせ♪


最初に出てくる楼門はこんな感じです。

ここをくぐって歩いていくと、狛犬さん。
両方の狛犬さんが、ちゃんと門に向かってまっすぐににらみをきかせていて、以前に奈良の東大寺に行ったときに、いいお寺や神社では、たとえば仁王さまだったり狛犬さんたちが、ちゃんと門から入って来ようとする邪悪なものに睨みをきかせているとおっしゃっていたことを思い出しました。
まさしく根津神社狛犬さんたちは、お役目を果たされているようでした。

お手水の前に行くと、見慣れたそれとはちょっと違っていました。

なんだかとっても清々しくて、東京の神社なのにお水がびっくりするほど澄んでました。
竹が水にはっきりくっきり映ってますが、まるで水の中に浮かんでいるみたい。よほど水がキレイだってことだね…なんて囁き合いつつ。
ちょっと感動するくらい気持ちのいいお手水だったので、思わずパチリ!
後ろの景色も都内とは思えないくらい緑が濃くて、素敵です。


もっと下のほうまで写したのがこれ。
立て看板があって「この水盤は300年ほど前に真鶴産本小松石の一枚岩から切り出して造られたものです。」と書いてありました。
300年の歴史があるとは思えません。きっと日々ていねいにお掃除され、磨かれているのだろうなぁという感じ。
さらに「澄んだ水が青く見えるほど深く掘られた水壷は石質ともに今では珍しく貴重なお手水です。」ともありました。

そして、ずんずん歩いていくと、左手に乙女稲荷のたくさんの鳥居が見えてきますが、ここは後で行くことにして、まずはまっすぐに本殿のほうへ向かいます。

そしてこれが次の唐門越しに撮った本殿です。
もっと本殿をちゃんと撮りたかったのですが、平日昼間にもかかわらず、人がとにかく多くて、まったく無人になるタイミングがなくてあきらめました。

本殿を見上げながら歩いていると、鳥が3羽綺麗に並んで羽ばたいて通り過ぎたり、雲ひとつない青空が目に沁みたり、こんなに美しくて澄んだ空気は久しぶりだねなんて言い合いながら、ふたりとも言葉を惜しんで佇んでは進みます。

本当に素敵なところでした。

多分いろんなことを感じ取れる敏感な方がいらしたら「なんて気がいいところ」と言われるんじゃないかな?

わたし自身はまったくもって見えないし感じ取れない体質ですが、なぜか回りには普通な人にはわからないいろんなことを感じ取れる方が、知ってるだけでも5人くらいはいて、あれ?感じないわたしのほうがレア?と思う時があるくらいなのです。むふふ。

彼女たちはみんなとっても信頼のおける友人だから…自分では感じ取れなくても、きっと目に見えない世界もあるんじゃないかと思ってます。

たとえ感じ取れなくったって、ただただいるだけで心地よくて、本当に清々しい空間なんですもん。
とってもいい気持ちになりましたよ。しあわせだ。

で、あえてドアップにして、装飾の美しさを撮ってみたのがこれ。

お参りを済ませたあとも、立ち去りがたくてずいぶん長いこと、社殿の周りにいたわたしたちは、やっと重い腰をあげて乙女稲荷方面へ。
乙女稲荷って、かわいい名前だなぁと興味を持ったのが最初ですが、ここは根津神社の敷地の中にあるのです。
北から南に通り抜けると邪気が祓われるんですって。
この文章は帰ってから読みました。さて、わたしたちは、どっちからどっちへ通り抜けたんだろう????
こういうのは、行く前に読まないと!

ここは、京都の伏見稲荷ほどではないですが(と言っても伏見稲荷も行ったことはないですけど!いつかつれてって!京都のお友達のみなさま方!笑)たくさんの鳥居が並んでいます。


幻想的で美しいところで、息をするのがもったないないような気持ちで、ふわふわと歩いていき、お参りしてきました。

そのあともしばし根津神社の中でのんびりしていたのですが、まだまだ先があるということで、出発です。

根津神社の近くにある「根津のたいやき」のお店に行きたくて、わたしたちはお昼をかなりセーブしていたのです(笑)
半分こする?それとも一匹?なんて話しながら不忍通りに戻り、お店の前までいくとなにやら閑散としています?
え?なんで?と思っていたら、なんと売り切れでした(涙)残念!!
取らぬ狸の皮算用でした(笑)

今度行くときは絶対に食べる!午前中真っ先に行こう!たいやき屋から出発だ!!とぽつぽつ二人で言い合いながら、不忍通りを歩いていたわけですが、次に行きたいところが西日暮里方面で、途中わたしたちは完全にどっちの方向に歩いているのだかわからなくなって、同じ道を何度か往復しました(笑)

バスが通るたびに「早稲田行き?」はぁ?どっち?
「上野行き」が通ってるってことはこっちじゃない?なんて言いながら歩くのですが、ちょっとくたびれちゃってたのもあって、全然ピンと来ないの(笑)

で、わかってしまえば全然なんてことない道なのですが、寒さも手伝って、かなり苦戦しつつ、やっと方向を定めて千駄木方面に歩きます。

次の目的地は、近くに行ってからがむずかしいようなのに、こんなに大通りで苦戦していては、どうなることやらと思っていたのですが、西日暮里はこちら!の看板を見つけて曲がってからは、スーパーミラクルに曲がり角がビンゴで、やっと最終目的地に到着しました。

それは珈琲がおいしいお店「花歩(かぽ)」さんという、一軒家の喫茶店です。
どうしても来たかったお店第二段!!
きっとつよしさんも好き!絶対好きに決まってる♡なんて言いながら、ふたりでお店の入り口へ。

お店の前は普通に路地で、小学生くらいの女の子たちが、何人かでにぎやかに遊んでました。
この景色がまたなんだかとってもなつかしい感じ。
ちょっと通りに出れば都会のど真ん中なのになぁ。


入り口はこんな感じです。
本当に普通のおうちのお玄関という感じ。
この日は月曜日だったのですが、月火水曜日しか開いていないお店なので、どうしても来たかったのです。

がらがら〜っと引き戸を開けると、長いことこのお店を仕切っていらっしゃるであろうお店の方が出て来られて、「お相席でもいいですか?」と聞かれました。
中が見えなくて、どういうことなのか、最初いまひとつわからなかったので、「席があくまで待ってもいいですか?」と聞いたら、「どなたかが待っていらっしゃると、中にいらっしゃる方が早く帰らなきゃって思ったら申し訳ないので、お待ちになっていただくことはお断りしているんです。」とのこと。

そういうことなのね!そんなことにまで気を配ってくださるなんて、いいお店だなぁと思ったので「じゃ、相席でお願いします。」と言って中に案内していただきます。

靴を脱いで入ってみたら、大きなテーブルがあって、相席と言っても窮屈な感じではありません。
ぬくもりがある古い木のテーブルです。

ショコラ嬢が「ここは昔住んでいた家を思い出すんですよね。」としきりに言ってて、それはわたしも同じでした。
小学校の頃に住んでいた山口県在住の頃の借り上げ社宅にそっくりでした。

窓枠とか木で、摺りガラスになってます。

昔は普通にどこのうちも、こんな風になってましたよね。

そしてまた勝手に口をついて出てくる「うつろなめのいろ とかしたミルク〜♪」「わずかなすきから あきのかぜ〜♪」
「ちいさい秋見つけた」がどうして今日はこんなに出てくるんだろう。
平成の時代になっても、こんなに心を寄せられる歌詞を書いたサトウハチロー氏はやっぱり天才に違いない!と思ったり。

そしてこの画像の中の木の小鳥さんに夢中になって、しばしガン見してました。

こんな風にあちこちに小さな植物が置いてあったり、生けてあったり。

お茶の道具が端っこの方にさりげなく飾ってあったり。

すごく表情のある猫の小物もありました。

スケッチのような仏画がさりげなく飾ってあったりもしました。

もっともっと画像を撮りたかったのですが、なんだか遠慮したくなるようないい雰囲気だったので、たまたま近くにあったものだけをパチリ。

寒い日でしたが、近いところにこれがあって、しゅんしゅん言ってて、喉にもやさしいし、とても暖かでした。

そして、ケーキセットを注文したら、りんごのケーキと珈琲がやってきました。

りんごのケーキは昔なつかし、おかあさんが作ってくれたおやつ風味の素朴なもの。
甘さとすっぱさのバランスがよくて、おなかにもやさしい感じ。

上に乗っているクリームは甘くないので、すご〜く食べやすいです。

「珈琲と一緒にクッキーを一枚お皿に乗せるんですが、ケーキも甘いから、おせんべいと交換もできますけど、どうしますか?」と店主さんがおっしゃってくださったり、とっても細やかに配慮してくださいます。

そういえば、テーブルの上にキスチョコも置いてあって、これは「待ってる間にどうぞ!」ということだそうです。
一杯一杯、豆から挽いてらっしゃるのだそうで、待ち時間があるから…とどこかのサイトで後になって読みました。

さりげなく飾られたパンジーが可憐でしびれました。

かわゆいでしょ?

そして影がどんどん長くなっていく冬の夕暮れの贅沢な時間を、ショコラ嬢と二人、暖かなお部屋で、言葉少なめに、すご〜くしあわせな気持ちですごしました。

気がつけば一人でいらして本を読んでらした相席の方も帰られて、テーブルはふたりきりになったので、急に奈良の思い出話に花が咲いたり、かと思うと、昨年の名古屋の旅の話になったり。
あのライブのつよしさんの歌声は一生忘れられないだろうね〜…なんて話になったり『このお店、つよしさんにも教えてあげたい!』なんてあんた誰?親戚か?!な会話になったり(笑)

話は自由自在に行ったり来たりし、存分に語ったり、かと思うとふたりとも黙り込んでぼんやりと浸ったり…
存分にしゃべってても、存分に黙ってても平気な友人って、貴重だなぁと思ったり(笑)


そしてそして、思ったのです。

この日のお散歩で辿った町並みは、どこか奈良に似ているということに…

奈良が恋しくなったわたしたちですが、逆に言えば、ここにくればいつでも奈良旅気分が味わえて「奈良」に会えるような気もするね…なんて話したり。

というわけで、やっと表題になるのです。

奈良気分で谷根千へ。

この後、会計を済ませてお店を出る時も、出口のところまでお店の方が送りに出てくださって「またいらしてね」と送り出してくださいます。
この辺りの応対の丁寧さ、真摯さも、どこか奈良で出会った方々を思い出すよね!とショコラ嬢と話しました。

一人で行っても全然大丈夫な雰囲気もとても気に入りました。また行けたらいいな。


そして、この日のコースは、関東近郊の方々にオススメのお散歩のひとつだと思いました。

これからで言えば、東博鳥獣戯画展を見に行った際に、ちょろっと谷根千方面にまで足を伸ばしてはいかがでしょ?
バスもあるし、電車を乗り継いでもいいし、歩いてもそんなに距離はありません。
実際あちこち迷って歩きまくっても(笑)この日の歩数は1万5千くらいでした。
ちゃんとまっすぐ行けたらそこまでじゃなかったと思います(笑)

今回は、あんまりたくさん回れなかったのですが、谷中の商店街の方とか徳川家のお墓もある墓地近辺とか、七福神のお寺とか、見て回りたいところはたくさんあります。

このサイトなどを見ると、ほんとに見所がいっぱいあります。

とっても行きあたりばったりだったので、次回はもうちょっとちゃんと調べて、もっとあちこち歩きたいねと話しました。
わたしたちにとっては、東京の東部にあって、家からも近く、わりと行きやすい場所なので、暖かい季節になって、やっぱり東京東部に住んでらっしゃる、冬が苦手な某友人(笑)も誘って行けたらいいね〜なんて話している今日この頃です。