ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 駆け足で奈良旅を振り返る その2

この日記は、天川弁財天に行った話です。
今回は11月7日の午後と8日の早朝と2度に渡って訪れることができました。
わたしは天川神社そのものも大すきですが、この神社のそばまで行くと、山あいのその景色が小さい頃に育った山口の田舎を思い出させてくれるので、たまらなくなつかしい気持ちになります。
たとえば、遠くに見える銀杏の木の美しい黄色。

天川さんの裏、駐車場の方から見た景色です。
この辺りで写真を撮っていたら、人なつっこい猫がいて、そっと近づいて手を伸ばしたら、身体をぴったりと寄せてきて、ごろごろ言いながらじっと目を細めてしばし動かず。
わたしも猫を飼っているから、距離の詰め方は知っているつもりですが、ここまで人をまったく怖がらず、あちらからフレンドリーに寄ってきて、しかも見知らぬ相手にゴロゴロいってるなんて…
平和だなぁ、しあわせだなぁとしばし満喫しました。

どこまでも続く空に連なる山や木々の静謐なさまに、心までしんとなります。

そして、時間が十分にあったので、お参りする前に、いそいそといつもの大銀杏の木にご挨拶にいきます。
弘法大師御手植えと言われている、歴史のある来迎院の大銀杏です。


まずはちょっと遠目からの一枚。
こういうのどかでちゃんと生活の匂いがする景色が大好きです。

そして近くまで寄ってみました。
銀杏の葉が紅葉して見事です。

そして、中側から撮ってみた一枚がこちらです。
幻想的で吸い込まれそうな、あるいは木に包まれているような不思議な気持ちになります。
穏やかな秋の一日を満喫です。


そして…
あらためて表側から、天川弁財天の鳥居をくぐります。

これはオットが撮っていた画像です。上の方に見えるのが、本殿です。

本殿側から撮った屋根。この丸みを帯びた形がすごくいいね!と話しながらパチリ。
金色のところが日の光に反射して光っていて、とても美しかったです。

そしてこれは、以前にも撮ったことがあると思うのですが、鹿の絵の彫ってある灯篭です。


ここが能舞台です。
夕陽に照らされてピカピカしてました。
「縁を結いて」のレコーディングをしたところとしても有名ですし、以前テレビでつよしさんがここでインタビューを受けている映像が流れていたこともありますよね。

そして…今回初めてご祈祷をお願いしたので、初めて五十鈴のあるところより奥にある階段を上り、この画像の椅子が置いてあるところ、ここに座らせていただきました。


ご祈祷は3時からだったので、ちょっと日差しが傾いてきたところだったし、寒いかなぁと思っていたら、電気ストーブが置いてあり、全然大丈夫でした。

そこに宮司さんがいらして、祝詞をあげていただきます。
初めての経験だったので、祝詞の中に、家族全員の名前や住所などが入っているのをなんだかとても不思議な気持ちで聞きました。
祝詞や太鼓は、聞いていてとても心地よくて、自然と背筋が伸びる感じ。
いい声だなぁとなんだかうっとりと聞いていたら、あっという間の時間でした。

そして、終わったあと降りて来られた宮司さんが
「埼玉から何度もいらしてるんですね。ここは山深いところですし、来たいと思って来れる場所ではないと言われているところなのですよ。にも関わらず、何度もいらしているということは、きっとご縁が深いということなのでしょう。」とおっしゃってくださって、とてもうれしく思いました。

ついでに…五十鈴部分のアップ!
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ここへくるたびに、この五十鈴を上手に鳴らしたいと切実に思うのですが、なぜかちゃんといい音が鳴ったことがありません。
気合だけでは上手に鳴らせないらしいです(笑)
なんだかとても残念な気持ちでいると…隣でオットが涼しい顔をして鳴らしているではありませんか!!
いいなぁと横目で見つつ、次回こそ!と思いました(笑)

この日は、わたしたちの前にもうひと組、お宮参りのご家族がいらしたのですが、そのご家族はどうも地元の方みたいで、神社の方たちと談笑しながら準備しているところをちらっと見たのですが、とても素敵な光景だと思いました。

宮司さんや巫女さんたちもご家族のことをよくご存じで、4歳くらいの上のおねえちゃんに親しく声を掛けてあげたり、赤ちゃんのご家族と楽しそうに談笑されてました。

こんな風に地元の神社だったりお寺だったりに、足しげく通い、お互い顔がわかるくらい親しいお付き合いをするということが、昔はどこでもあった気がするけど、今の社会では結構むずかしいことのような気がします。

そんな光景を見て、ちょっとうらやましいような気持ちになりました。

赤ちゃんを抱っこしたおかあさんの背中にたくさんのお札が貼られて、しずしずと本殿の方へ歩いて行く景色はとてもなつかしい気がしました。
さらに、その周りを取り囲むようにご家族や親族。
そして、おねえちゃんがうれしそうに赤ちゃんとママの間を走りまわり、巫女さんがにこにこしながら見守ってらっしゃいました。

とてもとても素敵な光景で、とても心に残りました。

翌朝はいつもの通り、早起きして、6時過ぎから始まる朝のお勤めに参加させていただいたのですが、これはその時間に行きさえすれば、誰でも参加することができます。

朝のピリっとした空気の中で、祝詞を聞き、太鼓やほら貝の音が響き渡るのを聞きます。
山の中なので、小鳥のさえずりなども普通に聞こえ、空気がとてもおいしく感じられます。

この日はとてもお天気もよく、神さまを感じ、平和に感謝しつつ祈る時間は、とても気持ちのよいものでした。