ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 見えないものを見ようとして〜♪ その4

真ん中あたりに挟まった曲(多分これも新曲じゃないかな?)では歌はなく、銅鑼を持ったスティーヴさんが前に出てきて素敵なセッションが繰り広げられました。
銅鑼の音が重要なキーになっている、ちょっと不思議なインストだったのですが、曲の素敵さもさることながら、時に水をはじいたり、水の中で叩いたりするようなスティーヴさんのパフォーマンスに目を奪われました。
まるで水を味方につけて、自在に操っているみたい。
暗かったし、見えている範囲がなんせ少ないので、あんまりよくわからなかったのですが、水音も一緒に演奏に混ぜ込まれていたかも?と後になっていろいろと想像しました。
もっと近くにいらしたバックのみなさんや、キーボードを弾いていたらしい(まったく見えてないので、この時つよしさんが何をしていたかも実は知らなかったのです、笑)つよしさんもこのスティーヴさんのパフォーマンスを目で追い、感じながら演奏していたでしょうから、その音にも多分「水」のインスピレーションがかなり混ぜ込まれていたのだと思われます。

途中でオリヴィアさんと平岡恵子さんの声がまるで吟唱?声明(は当たりませんかね?声明というと仏教音楽だけを指すのかしら。でもなんとなく敬虔な?宗教的な…という感覚で書きたいからむしろ音楽用語のreligiosoみたいな感じ?)のような趣になって、なんてこの場の雰囲気に合っているのだろうと思いました。
「銅鑼」の響きもそうですが、日本的であるような、外から見た(ジャニさん的?)日本観でもあるような?
そういえば、最初の頃「関西人が多いバンドだ」と言っていたつよしさんが率いるバンドが、どんどん多彩に、そして多国籍にもなっていることに気がつきました。素敵なことだなあ。だからこそ、こんなに広がりがある自由度が高い音楽なんだ…と思いましたのことよ。

この曲は今までのどのインストともちょっと違うテイストで、パーカッションがセンターで音楽を牽引していることも含め、すっごくおもしろいアイディアだし、今までにない素敵なグルーヴだったように感じました。

インストと言えば、最後の「I gotta take you shamanippon」の途中で、いつもの「TUKU FUNK」のようなバンドメンバーひとりひとりのソロを含むコーナーが入っていたのですが、この流れもとっても好きでした。
月を眺めながらしっとりと終わるのもいいけれども、この曲のようになんとなく気持ちが高揚するようなインストもいいな。
意外にとっても平安神宮の雰囲気とマッチしていました。

この曲だったかで、SWING-Oさんがご自分のソロのところで、ボイスチェンジャーを使って「ヘイアン・ジングー♪」と何度も繰り返し、それがここに舞い降りた宇宙人の声みたいでもあり(笑)なのに音楽の中にめっちゃ溶け込んでいて、とってもおもしろかったのですが、どこかで見たレポによれば、つよしさんがそれに合わせて舞のように両手を上げて左右にヒラヒラしてたんですって。
そこ、ちょっと見たかったなぁ。でも見なくてもわかる。全然想像できる〜なんて思いながらくすくす笑い。
…とここまで書いて思い出しました。わたしのところからはこの時のつよしさんは見えなかったのですが、平岡さんとオリヴィアさんが手を左右に振るのをやっていて、みんなで真似してました。
あれはつよしさんが始めたのが広まっていったのだったのですね!!
平岡さんたちのは舞いと言うよりもよくいろんな人のライブで見る、左右に大きく手を振るヤツだったので、やっていくうちに変化して行ったのかも?
ひとつ謎が解けました(笑)

ボイスチェンジャーだけじゃなくて、この前後だったかどうだったか忘れたのですが、SWING-Oさんのソロが今回はいつもと一味違って、ちょっと十川さんが鳴らすような、わたしのようなクラシック好きが大好きなテイストの美しいメロディーで「うわぁ〜」と目を見張っていたら、そこから続くみなさまがどんどんアダルトな音を鳴らし始め、音楽の流れがそこから大きく変わったのがとってもおもしろかったです。

当たり前ですが、即興の流れでは、前の人のソロを受けて次の人が音を鳴らすから、音楽の流れもどんどん人から人へと受け継がれていくうちに変化していくのですよね。
その日たまたま誰かが鳴らした音が、そのあとの流れを作っていく。それがみんなの心に大きく響けばいつか新しい曲のモチーフになる。
そういうことを実感できた時間でもありました。

そうそう。昨年音が東西南北から、ぐる〜っと回るように聴こえた気がすると書いた覚えがあるのですが、今回確信を深めました。
やっぱりあえて音が四方から聴こえてくるようにしてあるのだと思いました。
これを体感するたびに、わたしはなぜか、平城宮跡大極殿の中にある、都を守る東西南北を守る青竜・朱雀・白虎・玄武の像を思い出します。
四方にいらっしゃる音の神さまが結界となり、この場所を守っているような感覚。
音が結界の中をぐるぐると自由自在に巡り、飛びまわっているような感覚。
こういう想像に身をゆだねながらそこで奏でられる音楽に耳を澄ます時間はとってもhappyでした。