ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 見えないものを見ようとして〜♪ その3

さて。
しゃりしゃりと砂利を踏みながら自分の席に着くころには、日がとっぷりと暮れてきました。
開演十分前に宮司さんのお祓いがあり…だんだんに気分が高まっていきます。
会場にはお琴や三味線のような和の打ち込み系の音がずっと流れてました(SWING-Oさんっぽい?)。

まずはセットリストを挙げておきます。

HEIAN FUNK
Ginger
Clap You Mind
赤い鼓動のハート(新曲)

空が泣くから
インスト
FUNKAFULL FUNKAFULL
愛 get 暴動 世界
Say Anything
I gotta take you shamanippon

今回は流れに沿った感想は書きませんが、いつもの平安神宮ライブと比べると、曲数も多くて、いっぱい歌ったなぁというのが一番最初に思ったことでした。
曲もファンクあり、バラードあり、インストありでとってもバラエティーに富んでいて、一時間半という短い時間のわりにはとっても聴きごたえがあって短いとはあまり感じませんでしたよ。

そしてファンクナンバーも含め、歌声の魅力がこれでもかと発揮できる曲満載。
ツアー中ということもあって、つよしさんの声にとってもツヤがあって、ロングトーンの伸びも素晴らしくて、つくづくとこの声が大好きと思う場面がたくさんありました。

それにしてもつよしさん、ついこの間までドラマに専念していたはずなのに、なんというバイタリティーでしょう。
いつの間にか新曲が何曲も完成しているし、わざわざ歌詞を変えてきた「街」のような曲もあるし、二つのライブの企画構成、演出にも関わっているだろうし、リハもあれば新番組の準備とかラジオとか、わたしたちには知る由もないお仕事も含め、やることはいくらでもあるだろうに、そのあふれんばかりの創造力とパワーはどこから来ているんだろうと、本当に驚かされました。

別に今までの曲だけでだって十分にライブはできるし、特に平安神宮でのライブの方は、目新しいことをしなくても全然成り立ってしまうと思うのに、あえてここに、誰も考え付かないようなものをさらに仕掛け、放り込んでくるそのエネルギーと情熱はどこから来るのでしょう。

きっと集中力がすごいんだろうなあとは容易に想像できますが、それにしても時間はいくらあっても足りないはず。
なのに、全然カリカリしている感じじゃなくて、MCなどを聞いていると、どこかのんびりした空気をまとい、ちゃんと日々心が動いているのがよくわかるし、何より自然体でいられるのが本当にスゴイなあと思います。
尊敬です。


バンドは、ギターが竹内くんとタイジさん。ベースが森多聞くん
ドラムがDUTTCHさん。キーボードがSWING-Oさん
パーカッションがスティーヴさん。
ホーンはSASUKEさん、ルイスさん、かわ島さん
コーラスは平岡恵子さんとオリヴィアさん
ダンサーさんとして、エリカさん、しょうこさん。


わたしはこの夏、別々の場所で、今回は3度目につよしさんのバンドの音に出会ったのですが、全く同じメンバーは一度もありませんでした。
常に違う組み合わせなのに、まったく混乱もなく、音は組み合わせにより常に全然違うのに、誰と誰が入れ替わっても違和感がまったくありません。
みんなツアーの始めからいつもそこにいたような顔をしているように見えるし(笑)常にリラックスして楽しそうにプレイしてらして、それが伝わるからこっちも楽しいのだと思います。

日頃からべったりではなくてもちゃんとコミュニケーションが取れていて、ライブの中身についても、つよしさんが細かいところまできちきちに決めずにゆとりを残しているのも大きいのではないかと思います。

これはひとえにつよしさんが、バンドのメンバーさんたちをとっても信頼して任せている証だと思われますが、それにより音楽がどんどん自由度を増しているのを感じます。

たとえば決め事が多いと、それを守ることに神経がいって、頭を使って考えなくてはならないけれど、自由度が高ければよけいなことを考えなくていいから、その日そこで感じたことがずっとストレートに出て来るのだと思うのです。

そうやって誰かがたまたま投げたボールにインスピレーションを受けて、みんなの球筋がどんどん変わっていく。
その日だけのグルーヴが生まれる。
そしてライブは今まで貯めてきたエネルギーを放出する機会でありながら、その場でまたあらたな作品への足掛かりが生まれている…かもしれないわけで。

そうやって実際生まれたものが1曲目の「HEIAN FUNK」でもあるわけで…つくづくとスゴイなぁとひたすらうわごとのように心の中で繰り返しながら楽しんでおりました。


一日目のレポを読んだ時、真っ先に「ダンサーさん!」と書かれているのを見て、ええ〜っ!?っとなって、翌朝のスポーツ誌を開けてさらに驚いたのですが、この方たちがまた、とっても素敵な存在感でした。

今年の平安神宮ライブが、例年と一番違っていたのは、何と言っても見せる要素がいっぱい加わっていたことじゃないかと思います。

きらびやかな花魁さんのお衣装のダンサーさんお二人を従えて舞う…なんていうことはまったく想定外でした。

わたしは席がイマイチだったので、所々隙間から、どちらかの方を垣間見る程度だったのですが、古都の雅な雰囲気とかわいらしさ、そこで行われているFUNKミュージックとの異質さがかえってとてもおもしろくて、とってもわくわくしました。
DVDが出たら、まずは真っ先にこのシーンが見れると思うととても楽しみです。

1曲目の「HEIAN FUNK」からこのダンサーさんたちは艶やかなお着物で登場してステージに花が咲いたようでしたが、「Ginger」ではこの方たちがガンガン踊ってらっしゃいました。
つよしさんともきっと絡んでいるのだと思うのですが、3人そろって見ることも、誰にせよ、頭の先から足の先まで見えることがなかったので、そこのあたりはDVDを見る時のお楽しみです。


それから「水」。
わたしが参加したのは今回三日目だったので、この日雨は降りませんでしたが、昨年の土砂降りと言い、今年の二日目と言い、セット、演出の一部であるように雨が降ったり。
今年で言えば、ステージに「水」が張られているところがあって、それが単なるセットじゃなくて、音楽やパフォーマンスに大きくかかわってくるシーンがいくつかあって、美しいのはもちろんのこと、その斬新さに目を見張りました。

わたしのところからは悲しいかなまったく見えてませんが、つよしさんは素足で時に水の中で歌ったりもしていたのだとか。スティーヴさんを挟んで水と戯れたり、足で蹴って水が跳ねるのを見つめたりもしていたそうで…

DVDで確認したいところがすでにしていっぱい!!

水と言えば…今回の平安神宮ライブは平和がテーマというのは「詩謡歌私乱」の名古屋でも聞いていましたが、「水」もキーワードの一つだと思いました。

空が泣くから」はもちろんのこと、「Say Anything」も「Love is like a river」とか「Flow slow into the sea」なんて水が絡んだ歌詞が出てきます。

例年になくたくさん雨が降り、被害もたくさん出て、否応なしに水のことについて考えさせられた夏でもあるし、世界的には水不足が深刻さを増している今日この頃、このライブを体感しながら、地球にとってとてもとても大切な「水」について、いろいろと考えさせられるきっかけをもらった気がします。

そして、毎年平安神宮でのライブと言えば、欠かせないのが「月」
今回十五夜の直前の晴天だったこともあり、月があまりに煌々と美しくて、それだけでも参加した価値があったかも?と思うほどでした。
まさしくひと足早いお月見をした気分だったし、それが大好きな歌声と、極上の音楽と、悠久の時の流れを超えてそこに建つ平安神宮とのコラボレーションなら尚のこと。

「見えないものを見ようとして〜♪」なライブでもありましたが、思い返せば「見えたこと」「感じられたこと」もたくさんたくさんありました。


月だけじゃなくて、一瞬照明が薄くなると、星々も浮かびあがって、とても綺麗でした。
ひとつやふたつじゃなく、たくさんの星が瞬いていて、そんな景色は埼玉では滅多に見られません。
さらに音が薄くなると、かすかに聴こえる虫の声。
昨年の豪雨もなかなかにスリリングでしたが、今年のわたしが参加した日は、とても穏やかな晴天だったので、余裕をもっていろんなことを楽しめた気がします。
多分つよしさんがとてもよく見える場所だったら、こんなにも月や星の美しさに気付けなかったかもだし。
結果良ければすべてよし…ということにしておこう。むふふ。