ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 堂本剛LIVE【FUNK詩謡夏私乱】2014.8.12 渋谷公会堂 その4

ライブの日は9時ちょっと過ぎには乾杯していたので、結構満足度の高い打ち上げができました。
音を出せる時間に限りがあるせいか、奈良の時より短めなんじゃないか?と両方参加された方がおっしゃってましたが、短いなあとは思いませんでした。
ぎゅーっとおいしいところを絞ったような濃厚で充実のライブ、大満足だったので、すっきりさわやかに打ち上げへ。

わたしは事前に入念に終電の時間を調べてあって(笑)終電よりは3本くらい前の電車に乗れたのですが、それでも家に着いたら日付を越えて45分くらい経ってました。
興奮し過ぎて眠れないかなぁと思いきや…あまりに全力投球し過ぎてくたびれていたのか、ふとんに入るやいなやぐっすり!
こういう風に寝てしまうとよくあることで、5時半に起きた時にはまだアタマの中でライブの音が鳴っていて、とてもしあわせな朝でした。
ちなみに何が鳴っていたかというと「shamaspice」。
音の洪水がひゅんひゅんと猛スピードであたまの中を走り、夢の中でも、想像の中でもやっぱり「しゃましゃましゃましゃま…」はちゃんと言えてなくて、つよしさんはちゃんと言えてて、半笑いで目覚めた朝(笑)

自分比では…ですけど、テキパキと動いていたら、起きてきたオトートに「ずいぶんと早くから全開だね。」と言われました。

「ほら、ここは『(オトナの)夜遊びの翌日のお手本』を見せとかなきゃと思ってさ。ほら。何事もなかったみたいでしょ?」とやせ我慢しつつ自慢したら…

「いや、おかあさん、めっちゃ不自然にハイテンション。まだ引きずってるのまるわかり!」と冷たく言われてしまった(笑)

しかもやっぱりやせ我慢で、そのあときのうくらいまで、寝ても寝ても眠いという事態が発生してしまったのですけどね。ああ『疲れを知らない子どものように〜♪』(シクラメンのかほり〜笑)なりたいです。

さて。続きです。
始まったバラードコーナー。通しで言うと7曲目…は懐かしの『Say Anything』でした。

確かこの曲と次の曲は、芸者さんは上に引っ込んでいた気がします。

で、代わりに現れたのが和紙でできてるっぽくも見える、大きな白い球体です。
これに光が当たるとミラーボールのようにカラフルに光ったり、色を抑えると和な感じで、しっとりとオトナな雰囲気にも見えたりします。
普通にミラーボールでも全然いいところですが、あえてこの凝ったカタチにして、そこに和のテイストを入れたのがつよしさん流のひと手間であり、他の誰もマネできないものなっていてすごく素敵だとうっとり。
彼のこういう感性も含め、好きなのですよね〜

ここで最初に触れた縦長の円柱のような、水槽のようなオブジェに光が当たり、ポコポコと泡が立ち上ります。

わたしの記憶では『Say Anything』の時は透明の泡。まさしく水のイメージだった気がします。

久々来ました!244ENDLI-xの頃の歌。
この曲はBONNY PINKさんが英語に訳してくださった曲で、全編これ英語。
当時もこの詞が言わんとすることについてものすごく考えた記憶があるのですが…
この曲では「あなた」への愛を歌いつつ、もっともっと普遍的な大きな愛を歌う歌でもあって。
「愛はただもらうものじゃなくて差し出すもの。川に愛を放とう。その愛は川を流れやがて海へと出て、きっと誰かに届くだろう。誰かに救い上げてもらえるだろう。」
というようなことを歌ったのだと、石舞台のライブの後のラジオで言っていた話を思い出します。
あの寒さに震えながら聴いたこの曲からはや4年。時の流れが本当に速くてびっくりしてしまいます。

今回久しぶりにライブで聴きましたが、当時よりずっといい意味で肩の力が抜けていて、余裕をもって歌っているように聞こえました。
歌声は数段色っぽくなっていて、しっとりと濡れたような歌声。
当時と比べて格段に安定したのがファルセット。
とてもなめらかにいい声で歌ってました。

「キーワードは水」も「テーマ」もちっとも色あせておらず、むしろ今の時代にもものすご〜くマッチしていて、彼はつくづくと先見の明があるなぁと思います。
しかも意外と冷静に曲に対峙しているようなイメージも持ちました。
マイクを持っていない方の手にものすごい表情があって、耳は音楽に、目はその手にくぎ付けでした(笑)
拍子を取るように動かしたり、裾のあたりに置いた手を、ふと、身体に沿ってひらひらとなぞったり。
腹筋のあたりに置いて、おなかから声を出すことをすごく意識しているのかな?と思う瞬間もあったし、誘うようにふわっと動くその手にドキっとしたりもしました。
ものすご〜く手が語る人です。
全然関係ないですが「冷静と情熱のあいだ」っていう本があったなぁと思い出していました。同じタイトルで女性視点と男性視点と、両方から書かれた2冊の同タイトルの物語。
まさしく今のつよしさんは冷静と情熱のあいだを行ったり来たりしていて、まるで両性具有のように見える時がある…なんてぼんやり思ってました(笑)
この一瞬にして空気を変えちゃう感がスゴかったです。恐るべし!




曲が終わり、次に始まったのは8曲目。これまたものすご〜くなつかしいLove is the keyです。
イントロにコーラスパート。
ハーモニーの重なり方がちょっとポリフォニーっぽいと思った記憶が…
妖しくゆらゆらと篝火が炊かれていたのは、確かこの曲じゃなかったかな?(すでに記憶が怪しいです)
異界への入り口みたい(笑)

この曲は確かtankの頃に、ひとつのコード、Am(ラドミ)だけで作られた曲と記憶していたのですが、この記録を書くにあたり、ふぇるまーたで「Love is the key」とキーワードを入れて検索したら、出てくる出てくる!これまでのライブの感想の数々(笑)
わたし、こんなに行ってたのね!とちょっとびっくり。貢いでるなぁ(笑)

いろんなライブで歌われていて、たとえば「水声」たとえば「I AND 愛」のライブ、お台場のハイヤーイベント、たとえば石舞台…いっぱい出てきました。
中でも一番最初にこの曲に触れたのはいつだろうと思ったら、なんと2007年です!!

この日の日記で、できたてほやほやの曲として、この曲のことに触れてました。
最近ファンになられた方とか、ご存じない方もたくさんいらっしゃるかもと思ったので、一応貼っておきますね。よかったらご覧になってみてください。

最近記憶がほんとに怪しくて、自分の日記が完全に備忘録になってます。おばーちゃん(笑)

そして検索してみて気がついたことがあるのですが、ここの2曲は過去でも、セイエニは「水泡」この曲は篝火がセットで使われていることが多いです。
これはこれらの曲について、つよしさんが持っているイメージなのだろうと思います。
もちろんそのたび、セットも違えば雰囲気も曲のアレンジも違っていて、それもまたおもしろさの一つなのですけどね。


うわっ!感想の前の前置きが長過ぎ!

実を言うと、わたくし、今まで数々聴いてきた中で、今回の『Love is the key』が一番好きでした。
今回も原曲よりテンポがスローでしたが、流れがあってすごく何もかもが程よい感じ。
KenKenのベースの底の方でうごめく感じがすっごく好きでした。
プラス、彼が弾くとものすご〜くpeacefulな音になる気がするのです。
短調だけど愛にあふれてる。
この音とつよしさんの色っぽい声の化学反応が素晴らしかった気がします。
何度も聴いてきた曲なのに、久々に聴いたらとっても新鮮!!

つよしさんが何度も同じ歌詞で歌う『Love is the key』のひとつひとつに異なる魅力的な表情があって、しかもどれもとっても色っぽくて。
他の曲よりも、他の機会に聴いた時よりも、ベースを除く楽器の音がちょっと薄めな感じで、それだけ声が前に出てきて、すごくすごくよかったです。

前の曲ではあえて透明な感じだった照明が、この曲ではカラフルになり、印象的だったのは、赤い照明でした。
水のぷくぷくにも赤い照明が当たって、まるで「血管」?
血の通った…鼓動を感じる?歌声?
最後に残るのは愛?
当時よりもさらに、この曲が実感的に感じられる世の中になっている気がする…など、いろんな連想をしながら聴きました。



そして濃厚な2曲が終わり…一瞬我に返るような沈黙があって…



気がつけばホーン隊のみなさんが目の前に!!

わたしの真ん前はSASUKEさんで、ひゃーっ!!大好き!カッコイイ!!素敵!!これから彼の音を目の前で聴けるのね!!と目がハートになるわたくし。

SASUKEさんのソロから始まり、小澤さん、かわしまさんへとソロが受け渡されて行くのですが、ここ、すっごく素敵でした。
どの方のラッパも本当によく鳴っていて、おなかにビンビン来ましたよ。

SASUKEさんの音はパッションがあって、でも一方でアスリートみたいなストイックな感じもして、いつも心にぐいぐい迫ってきます。
またこの方とつよしさんが一対一で絡むのも見たいなぁ。

小澤さんとかわしまさんの音はちょっとジャズっぽくもあり、オトナなムード全開。

実を言うと、わたしの隣は抱っこベルトのママと赤ちゃん。そしてそのとなりにパパでした。

始まるまではわりとぐずっていて、大丈夫かなぁ?と思っていたのですが、ライブが始まると同時にものすご〜くおとなしくなって、とりわけつよしさんの声にめっちゃ反応してご機嫌さん。
しまいにはFUNK全開の音の洪水の中で、すやすやと寝てしまいました。
多分おなかの中にいる時から、ずっとつよしさんの音楽を聴いていたのだろうなぁ、これもある意味胎教?なんて思いながらちらちら目の端っこに入っていたのですが…

一瞬だけ泣いてしまったところがあって、それはホーンの音が一斉に鳴り響いたここでした(笑)
ステージの音がにぎやかに鳴っていたので、そんなに気になりはしなかったけれども。

そのあともつよしさんが歌いだした途端に泣き止む奇跡!

うら若いパパとママはまわりに気を使いつつ、とってもライブを楽しんでいたようだったので、もしかしたらつよしさんがご縁で結婚されたのかもしれないなぁなんてことを思いつつ。

(このくだりは文章のまま、それ以上でも以下でもなく、主旨のみの視点で読んでくださいね。万が一にも個人にご迷惑、及び悲しい思いをさせるのは本意ではないです。どうぞよろしく、くれぐれもよろしくです。)


気がつけば芸者さんがまた降りてきていて、モニターの中に映像で描かれた瞳の表情が笑ってたり、澄ましてたり、いろいろに変わったのはこの曲だったかな?
そして始まった曲が9曲目『White Dragon』です。

これだ!とわかった瞬間に、さざ波のように客席が大きく動き始めます。
一気にノリノリ!!

この曲は昨年ドリフェスで聴いた時に「ギャーーーッ!!」となった1曲です。会場中のファンが一瞬にして猛烈に沸きました。
ギターやベースがカッコイイ曲というと真っ先にこの曲が浮かびます。
早口で畳みかけるようなボーカルは健在で、プラスずいぶんと洗練された気がします。
最初にこの曲を聴いた頃よりもFUNKミュージックに耳が馴れたということもあると思いますが、以前よりもずっと好きです。
この曲はアルバム「Neo Africa Rainbow Ax」に入っているのですが、わたしは勝手に「Coward」に入ってるのだと思ってました。ほんとにあてにならない記憶ってば(笑)
歌詞カードを見ながら再度聴いてみると、この曲も深いなぁ。
「今の世の中を見渡して作った曲です!」と言われても納得できる感じ。でも7年前のアルバムの曲なのですよね〜


途中竹内くんと向かい合って弾くところがあって、身体をぎゅーっと逸らして全身で弾いていて、ふたりとも超カッコイイ!!
さらにclapだけになるところのつよしさんの歌声がすごく好きで、聴きながら期待に胸が高まっていて、いよいよここだ!キターーーっ!と思った時、tankの頃のつよしさんとか、自分のそのころのこととか、一気にいろいろがよみがえってきて、心が震えました。
そうそう、マイクに向かってちゅっ!ひゃーっ。これもありましたよね!?
この曲はまたいろんなところで聴きたいなぁ。


そして続いて、これまたなつかしいイントロ。10曲目は『愛 get 暴動 世界』です。
これまたなつかしいナンバー!!「I and 愛」からの1曲です。
この曲にも手を胸の前で交差させる振り付けがついていた気がしますが、わたしはパス!
なんだか今回は、忙しいフリをしながら聴くのはもったいないと感じてしまいました(笑)
周りではやっている人もいたし、やっていない人もいたという感じですが、総じてみんな動く、動く!
おとなりさんと同じ方向に動いてぶつかって、小さくごめんなさい!と言ってみたり(笑)


芸者さんモニター(瞳のところ)がニセ週刊誌みたいな見出しと写真を映し出していました。
つよしさんっぽいシルエット。
珍しく、あれ?相方?っていうネタもあってちょっとほっこり。

つよしさんのFUNKはものすご〜くノリがよくて、わざと符丁っぽく作ってあったりもして、あんまり細かいところを意識して聴いてなかったりもするのだけれど、家に帰ってもう一度歌詞カードを見てびっくり。

「情けも死んだ 愛も死んだな」
このような台詞は葬って過ごしたい

人類よ動け!

とかね

集中したいくつもの感情が
ひとをゼロまで追い込み 飽きたら眠る

ひとを守りたい この手で

とかね。

芸術家よすべての細胞を怖がるな
愛で限界まで弓を引け

とかね。

ものすご〜く刺さる、頷ける言葉がいっぱい。何度も言いますが、こういうつよしさんの嗅覚ってほんとにスゴイです。
世の中をうまく言い得ていると思うし、勇気が湧いてくる言葉の数々!

そういうのをわかりやすく前面に出すんじゃなくて、強く思っていることも「楽しさ」「遊び心」の中にさりげなく入れ込んでくるのがFUNKらしさなのかな?

もともとブラックミュージックの流れを汲む音楽だし。
生きづらさ、日々鬱屈する気持ち、社会に対する不満や絶望を持て余したりやり過ごしたりしつつ、必死にその日をがんばっている人たちのソウルを刺激する音楽で。
時にどうにもできない気持ちをあえて単純無敵なこのグルーヴにみんなで乗っかることで楽しく発散したり。
時にうまくオブラートにくるみつつ、実はものすご〜く切実で本質的なテーマに触れていたり。
究極は愛だったり。
敵を作らない、一番を作らないスタイルだったり。


なんとなくFUNKの尻尾がちょっとだけのぞいているような気がして、一生懸命追いかけようとするわたしがいました。
掴めそうで掴めない。

それとは別のアプローチ。
たとえばバックビートだったり、リズム隊はもちろんホーンも、ギターやキーボードも…どの楽器もせーので一斉に刻む16個の刻みだったり。
なんとなくおぼろげながらわかったような気がしてきているFUNKらしい音。

もちろんもちろん、探究はまだまだ途上。簡単には全部つかめないからこそおもしろい…とも思っています。

名古屋ではもうちょっと音の細部を聴いてきたいです。今回は雰囲気を楽しんだりモニターを見たりすることに終始してしまいました。
歌詞は重い部分もありますが、すごくノリがいい曲なので、すごく気持ちよく通り過ぎてしまいました。


さて。

次は2回目のMCに入ります。

そして、まだまだ続きます。

この感想、終わるのかしらん(笑)