ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 最近のレッスン室話 

先日うちの教室の6年生、あーちゃんのレッスンが終わって「じゃあまた来週ね」と玄関のドアを開けたらなんと雨が降っていました。来た時は晴れだったのに!!
通りがびっくりするほどびしょ濡れで、多分相当降ったなぁという感じ。
うちのレッスン室は防音室で、家の扉の中にまた扉があるので、一旦入ってしまうと雷が鳴ろうが大雨が降ろうがまったく気がつきません。
もちろん傘は持っていなかったので、近所なので、相合傘で送ってあげました。
あーちゃんは1年生になってすぐの5月からうちの教室にきています。
あとふたり、おねえちゃんとおにいちゃんがいて、末っ子に珍しくとってもおとなしい女の子。
もう何年もうちに来ているのに、ほとんど自分から話をすることがありません。
もちろん聞かれたことにはちゃんと答えるし、あんまりご機嫌の上下もなく、いつもおだやかにやってきて、淡々とピアノを弾き、おだやかに帰っていきます。
時として彼女のピアノはとても雄弁に語りますが、なんにせよ言葉では語らないので、彼女とのレッスンはとても静かな時間が過ぎて行きます。これはこれで全然アリだし、彼女との30分はわたしにとっても憩いの時間です。
そんな彼女が傘の中から外を指さして「先生見て!虹!!」と彼女にしてはとっても大きな声で言ったので、とてもびっくりしました。6年目ですが、あんな興奮した声、初めて聞いたかも。
虹はかなり遠くながら、地面の近くから空高く続いているように見えていて、「少し前にレッスンでやった『Over the Rainbow〜虹の彼方へ』を思い出すね!」と言ったらにっこり。
そして、さらにはじめてじゃないかな。続けて新しい担任の先生がイマイチだという話を自分からしてくれました(笑)
おとなしいからと言って特に問題があったわけじゃないし、「うちのピアノの先生は、レッスン中黙ってても平気だし、無理やり話をさせようとしないから好き!」と言ってるという話もおかあさんから聞いていたので、それもありかなぁと思っていたのですが、やっぱりなんやかんや自分から話してくれるってうれしいものなだなぁと思いました。
わたしの仕事はこんな風に何年がかり…という側面もいっぱいあるのですが、何より近いところで、じっくりと成長が見れたり、一緒にその成長を喜んだりという楽しみもあるわけで、すごくhappyな気持ちになりました。

というわけで、このエントリーは、続きも延々レッスンエピソードです。
読みづらそうなので、あえて箇条書きにしました。
長いです。
・ママにんぎょう
前にもこの曲の話をしたことがあるかもしれませんが、これはオルガンピアノという本の2巻にある1曲です。
実はわたしも自分の記憶があって、幼稚園の頃に通っていた某Y音楽教室の教材でした。
お人形の歌で「かわいいな」で始まっているのになぜかイ短調だし、うらさびしくてもの悲しい曲です。「わたしのおひざでねんねんよ」という歌詞なのになぜこんなにさびしいのか。よくわかりません(笑)
あっ!そんなことないな。そういえば子守歌は「ねんねんころりよおころりよ」や「五木の子守歌」も短調だ。というよりわらべうた音階というか、和の陰旋法だったり陽旋法だったりするのかしら。
そういえば「ひなまつり」とかも短調だなぁとか…今書きながら、ちょっといろいろ考えが飛び始めました(笑)
そんな話はこの日記の核ではないので置いておいて…(笑)

この曲「ままにんぎょう」にはあまりにも不思議なインパクトがあるので、わたしも自分の4歳くらいの時にやった時のことをものすごく覚えているし、たいがいこの教材を使ったレッスンはちびっこの心をも動かします。

今回も2年生になったばかりのモカちゃんにこの曲を宿題に出したら、ppですご〜くさびしげに弾いてきて、心を鷲掴みにされました。
どうしてこんな風に弾こうと思ったの?と聞いたら、おかあさんはね、もっと大きな音で、もうちょっと子どもらしく弾けば?って言ったんですって。
でもどうしてもppで弾きたかったの!とモカちゃん。いいよ、いいよ。すっごくいいよ!ほかの誰とも違っていて、すっごくよかった。感動したよ!とわたし。
ppながらも繊細で頼りない感じだけじゃなくて、鍵盤の底までちゃ〜んと押さえられていたし、その音色にちょっと芯の強さを感じたのです。そして最後少しだけrit.ゆるやかに止まったその音楽は眠ってしまったママにんぎょうを起こさないように気をつけているかのようでした。

モカちゃんはその後もじーっと考えて「先生、どうして気持ちってひとつじゃないんだろう?」と言いました。
この子はママにんぎょうを抱っこしてうれしいはずなのに、なんでこんなに歌はさびしいの?
挿絵のおにんぎょうもなんだか今にも泣きそうだよ!とか。でもぎゅーっと抱っこしてるからやっぱり好きなんだよね?とか。ほんと挿絵の隅々までよく見てるモカちゃん。
わたしも小さい頃、このうらさびしいママにんぎょうの曲に夢中になった想い出があるので、その「気になる」という気持ちがすごくわかって、しばし「どういう気持ち?」トークがはずみました。
うれしいのに悲しいとか、ちょっとさびしいとか、悔しい気もするけど、ほんとはそんなでもないとか、なんだか怒ってるけど笑っちゃうとか…どうしてそういう気持ちはあるんだろう?って。
「公園にいて夕方になってお空がだんだん暗くなってくると、楽しく遊んでてもさびしいよね。」とか。「ナツ(彼女のうちの大型犬、ピレニーズ)が学校に行くときにぱたぱた尻尾を振って見送ってくれるんだけど、バイバイのあとの背中がすごくさびしくて泣きそうになる」とか。
わたしは陳腐にならないように気を付けながら(笑)そういう口に出して言えないようないろんな気持ちってね、ピアノだと言いやすいの」…的なことを言ったのですが、納得したみたいで、うんうんって何度も頷いてました。
短いレッスンの中で、ここまで深い話ができることってあまりないので、とっても有意義な時間が流れた気がしました。
おかげで歌を歌う時間がなくなっちゃって「運動会の歌」を半分歌ったところでおかあさんがお迎えに来て「あ〜あ、まだ来なければよかった!」とか言ってるし。
おかあさん、すみません(笑)


・ちょっと変な話
音大生のYちゃんは、2月にレッスンの約束をキャンセルしてからしばらく音信普通でした。
最後の電話がとってもヘンで、というのが「最近金縛りにあって全然眠れないの。先生、今日も具合が悪くて行けません。」と言うのです。
とっさにどう答えたらいいのかさっぱりわからず、「お大事にね。元気になったらまた連絡ちょうだい」と言って電話を切ったのですが、その後こんなに長く音信不通になるとは思ってもみませんでした。
試験の前にどうしても見て欲しいと言っていたはずなのにおかしいなぁと思ってました。

そもそも彼女、前はうちの近所に住んでいたのですが、今は大学のそばに引っ越してしまったので、2時間近くかけてわざわざうちに通ってきてたので、そろそろ見限られたかもしれない?通うのが面倒になった?他の先生が見つかったのかも?とも思ってました。
「金縛り」っていうのが実は言い訳だとしたら…これはなかなかに新しいぞ!なんて思っているわたしもいて(笑)
それはわたしも言い訳大王だったからで…長く習い事をしている人なら、休みたくなる時だって絶対にあって、多分そのうち何度かは言い訳で切り抜けることも普通にあるんじゃないかと思っているわたしなので(笑)たとえウソかも?と思ったとしても、筋が通っていれば余程じゃない限り大目に見ます(笑)
でも、さすがに音沙汰なしのまま2か月経ったのでメールしてみたのが4月の終わり。
それでも返信ひとつ来ないので、こりゃ本気で見限られたかも?と思っていたわけです。

そうしたら、唐突にきのうの夕方約束もしてないのに「先生、こんばんは〜」と現れて、パリのおみやげを渡されました。
わたしが前にいつか行ってみたいのよね〜と言ったことがある場所のクッキーでした。覚えてくれてたんだ!
聞けば、連日の金縛りは本当で、熱が出たり、急におかしなことが起きたりするので、この春引っ越したんですって。
プラス、どうもよくないことが多いので、おかあさんと二人で心機一転と言うことで、ヨーロッパに旅行に行ってたんです!と言うではありませんか!!
事実は小説よりも奇なり(笑)

「きのう帰ってきて初めてメール見たんです。連絡できず失礼しました。」
ええ〜!?そんな話があるんだなぁ〜びっくりです。
でもYちゃんは明らかに清々しい顔をしているし、またあらためてレッスンに来ます!教職用のピアノが結構ハードル高くて。先生、見捨てないでね!わたし、先生がいないと多分教職取れない…とにこやかに(それもどーなの?笑)帰って行きました。ひっじょーにびっくりした話でした(笑)



・O型
これはうぜーよ姫。ご存じのとおり、爆弾娘だった保育園児時代からはや10年以上。ず〜っと週1回のお付き合いが途切れることなく続いているわけですが、彼女ったら、わたしがO型だと思い込んでいたんですって。
「わたしはAB型よ!」って言ったらめっちゃ傷ついた顔をして、「ええ〜っ!?わたしと同じO型だと思ってうれしかったのに〜」って(笑)
なんでそう思ったんだろう?ちなみに彼女の家は全員がO型なんですって。
とはいうものの、彼女と姉のNちゃんは全然性格が違うし、洋菓子店をやってらっしゃるおかあさんとおとうさんもよく知ってるけど、やっぱり正反対と言っていいくらい違うかも。
そんなうぜーよちゃんは中学3年生の年ですが、小中高一貫教育の学校に通っていて、このたびひと足先に8年生で卒業を迎え、9年目は中学からの子たちと合流して、新しいクールがスタートしました。
いろいろとストレスが増えた!と言いながらもちゃんと通ってきてくれてます。
嵐の松本くんの話とか、ドラマの話とか、学校の先生やクラスメートの話から、Z会模試の話、将来のこと、苦手な幾何の話、読んだ本についての大人びていて、ちょっとシニカルな感想など、なんでも話してくれます。
この子とは本当にいろんなことを話して来たので、たいがいのことは知っているし、共通の想い出もどれだけあるかと考えると笑っちゃうくらいです。
中間テストいつ?と聞いたら「忘れちゃったからあとで先生、メールするね!」と言い、ふと彼女が幼稚園の昔、毎週のように折り紙で作ったお手紙をくれていたことを思い出しました。あの頃は激しかったなぁ。今では「うぜーよ!」とはもちろん言いません。敬語がちゃんと使えて思慮深い、とっても聡明な子に成長しています。
バッハは苦手。ツェルニーはたいして練習しなくてもまあまあいつも無難に弾けてて、ソナタ系が大好き。でも詰めが甘くて、めんどくさくなると急にスイッチが切れて「今切れたな!」とはっきりわかります(笑)急にミスタッチが増える。止まりがちになる。強弱がなくなる…あーあという感じ(笑)

だーっとしゃべり出すと止まらず、興奮してくると大声になります。
「ほら、内弁慶なくせに黙ってられないタイプだしさ、面倒ごとに自分から飛び込んじゃうタイプだし(笑)なんていうの?人見知りだけど一回リミッターがはずれると止まらないみたいな…そういうところ、先生とそっくりだと思ってたんだけどなぁ〜」って。
彼女の目にわたしはそんな風に映っていたのかと思うとちょっとおもしろいです(笑)

どうも生徒によってわたしのイメージが全然違うみたいなのは、わたしがカメレオン的AB型だからなのかしら?(笑)
自分ではまったく意識してないのですが、相手によって全然違う面が出るみたいです。アネに言わせると、だからおかあさんは全然信用できない…のですって。むふふ。かもね〜



・就職
そのうぜーよちゃんのおねえちゃん、Nちゃんは無事卒業試験に(追試ではありましたが)ちゃんと受かり、それから遅ればせながら就活をしていたのですが、この度みんなからちょっと遅れて無事就職が決まったそうです。ばんざ〜いです!!
わたしはそもそも生徒を泣かすタイプでは絶対にないと思うのですが、この子は本当によくレッスン中に泣きました(笑)
愛の逃避行をして涙のお説教大会になったり(笑)あまりに弾けないので毎日レッスンに呼んだり、あまりにわかり合えなくて、なんとかせにゃと便箋5枚くらいのお手紙が何往復もしたり、おかあさんに「先生になら話すと思うので、本音を聞いてください。」とか「学習障害だと思いませんか?絶対ヘンです、うちの子」と相談されたり、泣きつかれたり…おかあさんと何度も面談したり…それはそれは手がかかる子でした。
そしていっぱい勉強させてもらいました。
どうやったらできるようにさせてあげられるのか。どうやったら彼女に理解できるように説明できるのか。誰にでもできるはず…なんて先入観がいかに邪魔か。そんなにまでしてがんばらなくっちゃならないことってあるのか。本当にそれが彼女にとっていいことなのか…
本当にいろいろと考えさせられましたが、それでも弱音を吐かず通い続け、学校の先生方にかなり厳しいことを言われて泣きながらやってきても、帰る頃にはけろっとして。
大学もちゃんと卒業して、就職もできたわけで、ほんとによかったです。

先日、犬の散歩をしていたら、同じように散歩中のNちゃんが遠くから「先生!!」と笑顔で呼んでくれました。
ああ、この屈託のない笑顔が大好きだったのです。もう毎週は逢えないんだなぁ。
どんなに叱られても、恥ずかしい思いをしても、気持ちの切り替えが早くて絶対に引きずらないし「できない」ことが多くても、決して卑屈にはならない強さがありました。
年の離れた妹のうぜーよちゃんのことを、小さい頃からおかあさんよりも細やかにお世話していたし、飼い犬のお散歩から通院から小屋の掃除まで、全部当然のように引き受けて、決して不公平だとか、なんで自分だけが?とか思わない、決して手を抜かないところは本当に美徳です。
そんなところが本当に大好きだったので、これからは来ないんだねぇと本気をこめてさびしいと言ったら「でも妹はレッスンに行ってるんだし、これからだってご縁は切れないと思うよ。わたし
悩みがあったらおかあさんより先生だし!」とか言われちゃった(笑)

この子は来週から知的障がい者の施設に就職します。考えたら彼女にぴったりな職場だなぁと思います。
誰かのお世話をするのがとても好きだし、決してあきらめない強さがあるし、弱い立場の人や動物に対してとことん愛情深いところがある子なので。
実際問題として不器用だし、なかなか打てば響くタイプではないので、これからもいろんな壁にぶち当たって苦労するかもしれないけど、途中何度もあきらめそうになったピアノだって、ちゃんと卒業試験に通るくらいには弾けるようになったのだから、これからの人生にも希望を持って歩いていってほしいです。

ある意味、ここまで心のドアを開けっ放しにして全身まるごとぶつかってきた生徒はいなかったですが、彼女のとの日々を振り返ると今はしあわせな時間だったなぁと思います。
彼女のこれからの人生に幸多かれと願います。


・運動会の歌
生徒たちが毎年この時期になると「運動会の歌」を歌わせて!と言ってくるのですが、歌本には歌詞しか書いてなくて、ずっと謎の曲としてわたしの中にありました。
「じゃあ、アカペラで歌ってごらんよ」と言って歌ってもらうと、みんな音程も歌詞も違うような気がするのは気のせいなんだろうか?
一応ソルフェージュがちゃんとできる子に歌わせてもなんだか要領を得ません。さっきの子と全然違う気がする。おかしいなぁ。
こりゃよほど音程がむずかしいのか?それとも先生の教え方?テンポは一緒だけど、メロディーがなんで人により違うの?と思っていたら…今年になって急に謎が解けました。
実は昨年度の3年生の音楽の教科書に載っていたのです。

Aちゃんが使い終わった教科書を貸してくれて、無事楽譜をゲットしました。

ゲットしてみてわかったのですが、紅組と白組の歌は全然違う歌でした(笑)
メロディーも歌詞も違います。
でも、違うメロディーだけど、多分コード進行が一緒なのかな?紅組の歌と白組の歌は同時にも歌えるように作られているんですって。
運動会では最初に赤が赤の歌を歌い、次に白が白の歌を歌い、そして全員で力いっぱい同時に赤と白の歌を歌うのだとか!!
そんなこととはつゆ知らず(笑)一種類の歌だとばかり思ってたから、よけいに混乱してたのでした。そりゃ混乱もするはずだ!(笑)
早く言ってよ!!
というわけで、来る子来る子が、紅組白組と歌う今日この頃。どうしてみんな漏れなくこの歌が好きなのか?(笑)
もちろん教科書にはメロディーしか載ってないので、伴奏は超テキトーですが、メロディーがわかってほんとによかったです。
謎がひとつ解けた!(笑)


・怖い話
これも前にも話したことがあるかもですが、うちからすぐ近くの「とまれ」の看板に血塗りの手形がある事件の話です。
別の子が「呪いのとまれの看板」とか言ってたのは約ひと月くらい前(笑)
「あのね、とまれの字の横見てみて!血染めの子どもの手形があるんだよ。これ、怨念だから。」
あそこでよく事故が起きてね、前に事故に合った子の恨みが地縛霊となって…
いやいやいや(笑)
もう20年以上ここに住んでますけど、小さな事故は確かにちょいちょい起きてるけど。
大きな怪我をしたというような事故は今のところひとつも起きてませんから(笑)

そうしたら、先週レッスンにきたAちゃんが
「あれね、あたしなの。転んでひざから血が出たとき、ティッシュを持ってなかったから、手についた血を看板で拭いたの」という衝撃の告白をするではありませんか!!(笑)
びっくりするやら呆れるやら(笑)

このちびっこは常日頃から本当にユニークで、血塗りの手形の噂の真相を知って思わずニヤニヤしてしまいました。
「家がすぐなんだから看板になすりつけたりしないで、ちゃんと帰って洗って来なよ〜汚いし、看板も汚しちゃダメでしょ。」と言ったらへらへらしながら「初めてじゃないし〜」だって。前にも看板で手を拭いたことがあるらしい(笑)なぜに看板なの?ハンカチは?ティッシュは?(笑)

この4年生、顔だけ見たら芦田愛菜ちゃんを数段グレードアップさせたくらいにかわいいんだけど(笑)やることが時々とんでもなくて、おかあさんは常にひやひやしているとか。
いえいえ。わたし、こういう子好きですけどね。むふふ。



・癖
ちょっと前にわたしが五十肩になった時(まだ40代だったけど)右手をおもいっきり伸ばして生徒の向こう側から右手でピアノを弾いてあげるのがものすご〜く辛くて、左手でピアノの蓋のところを持ってこちらに体重をかけ、バランスを取って右手を伸ばしてました。
実際にそんな弾き方をしていた時期は多分一番ひどかった時、たった数か月だと思うのですが…
先日Cちゃんに「音が間違ってるから右手だけ弾いてごらん」と言ったら、まさしく五十肩の頃のわたしスタイルで、左手でピアノの蓋を押さえて右手を弾き始めるではありませんか!!
うわぁ、あの頃のわたしの弾き方をまねてる!!(笑)と愕然としました。
生徒は右手だけ弾くのに左手を上に上げる必要はまったくないのですが、わたしが前にしていた変な姿勢を完全にマネしちゃってて、それが癖になってしまったのです。
わたしの五十肩は今では完全に治り、左手で蓋をおさえておかなくても右手を伸ばせるようになったので、もうそんなヘンな弾き方はしません。
でも、生徒にだけその癖が残っちゃってるというへんてこなことに。
生徒はわたしの弾くところを思ったよりもずっとよく見ていて、すぐにマネするから気をつけなければなりません(笑)
というわけで、当分は片手弾きの時の彼女の左手、要チェックです(笑)


・勇気100%
今朝6時過ぎに幼稚園の先生をしているKちゃんからメールがきました。お互い早起きなのは知っているので、特に珍しい話でもないのですが…
「先生、勇気100%やっぱりダメ!特訓お願いできませんか?」というメールです。
彼女、鼓笛隊の指導を任されていて、今、この曲と格闘中です。
Kちゃんと言えば、あまりに時間にルーズで、レッスンに遅れたり、すっぽかされたりが何度もあって、何度か本気で怒ったこともあるし、そのことはここにも書いたことがあります。
すごくいい子で、練習もとってもよくしてあるし、打てば響くところがあって、彼女を教えるのはとても楽しいし、成果が目に見えるので彼女もきっと楽しいと思います。
でも、時間だけはほんとにルーズ、守ろうとしても全然ダメみたいで…これは多分もうずいぶん筋金入り、家族も時間にルーズみたいで、それが当たり前になっちゃってるところがあって、そう簡単なことではないのです。

以前はご家庭のしつけにかかわることやピアノ以外のことまでは、余程じゃないと口を出さないことにしていたのですが、最近では家の常識があまりにもそれぞれだし、おかあさん世代がすでにわたしたちとは感覚がかけ離れていることも多いので、どうにも我慢の限界と感じることがあると、おかあさんを通さずに直接本人に言うことにしています。
この「時間にルーズ」もそうで、とにかく前後の子や家事や、いろんなことに支障をきたすので、困ることは困る!どうして困るのか、わたしがそのせいでどういうことになるのか、そのたびはっきり言わせてもらうことにしました。
かなりこっぴどく叱られてもめげずに通ってくるし、ごめんなさい…と神妙な顔で言ったあとはケロッとしていて(笑)これはわたしも実は楽。
どんな感情にしても引きずるのがイヤで、怒ってもそのあとは普通にレッスンしたいなたちなので、助かってる部分もあり。
今は幼稚園で歌う歌の伴奏や弾き歌いの練習や、レパートリー作りのお手伝い、そして鼓笛隊関係の予習が半分、ソナタなど普通のピアノのレッスンの部分が半分くらいの割でやっています。
彼女はまだレッスンに来始めて一年とちょっとですが、レッスンの前後には仕事やプライベートのいろんなことを包み隠さず話してくれて、どんなことに悩み、どんなことがうれしいのか、だんだんにわかってきたので、もうファミリーのような感覚にもなっています。
この「勇気100%」では彼女は鼓笛隊を組織しつつ、自分もピアノを弾くのだそうです。
そもそもピアノ譜がなくてコードだけなので、伴奏づけから自分でやらなくてはならず、自分のパートだけじゃなくて、いろんな楽器の指導もしなくてはならず、本当にテンパっているみたいで、それで早朝のメールになったというわけです。
もちろんそうやって頼られることはとてもうれしいし、無理があってもやっぱりできる限りのことはしてあげたいと思うので、明日の夜8時から、仕事の帰りに寄ってもらい、見てあげることにしました。
こうやって一緒にいろんな山を乗り越えることを許してもらえる場所に立っていられるのは、本当にうれしいことだと思います。
こうやって人とかかわって、その人の人生を一緒に体験したり、その人の喜びを自分の喜びとできるような、そんな仕事が好きなんだなぁと思います。
ちなみに前にも書いたと思うけど、この勇気100%はわたしの子育て時代の応援歌の一つでもあります。
幼児ふたりの子育て真っ盛りのころ、よく泣きたくなるようなことに遭遇すると、この歌を口ずさんでいました(笑)
だから今でもこの歌が大好きだし、この歌を作り上げるお手伝いができることはとても幸せです。


と書いていたら、異様に長くなってしまった(笑)
本当はもっと深刻な話も、ちょっと現代特有の悩みかなぁ?と思う話もあるのですが、とりあえず今日のところはこの辺で。