ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 天上の舞 飛天の美展

ゆびさき〜赤い糸〜♪
昨日ランダムに再生したら、これが真っ先に出てきて「ばきゅーん!」っと撃たれましたバタっ!!(笑)
確か、ご本人も最近ではもうあんまり聴きたくないと言ってた美我空アルバムですが、わたしは時々このアルバムがどうしても聴きたい!ただただ聴きたい!心が必要としている!と感じることがあります。なので時々聴きます。
今回はランダムに出てきたのがたまたま「歴史」でしたが、歴史は格別に大好きです。魅惑のファルセット。まっすぐな歌声。
あの頃はまだ今よりたどたどしかったピアノの音も、なぜか心を捉えて放さなくって。
他にもNIPPONとかRaindrop FunkyとかFUNKAFULL FUNKAFULLとか、Purple Stageとか…(他にも挙げたいけど、全部になっちゃうからね、笑)意外と好きでたまらない曲が多いです。
さて。
昨日は前からどうしても行きたいと思っていた天井の舞 飛天の美展に行ってきました。サントリー美術館です。
来週の月曜までなので、大急ぎで行ってきたのですが、もうあと数日しか残っていないせいもあってか、大盛況でした。
飛天とは「空を飛び、舞い踊る天人」と書かれています。wikipediaでは「仏教で諸仏の周囲を飛行遊泳し、礼賛する天人。仏像の周囲(側壁や天蓋)に描写されることが多い。」とも書いてあります。
今回の展覧会では、飛天がインドからシルクロードを通って日本にどう伝播されてきたか?から始まって、日本各地にある飛天の描かれた彫刻や絵画、水煙や仏像の光背など、いろいろなものが展示されていました。
最初の方のインドや西域の飛天にはおおむね翼が生えていて、わたしたちのイメージの中では天使に近いような感じ。キリスト教の絵画にもよく描かれているような宗教画に近いものが多かったです。
一方で日本の飛天は、美しい衣のすそや羽衣をたなびかせて雲の上に立ってらっしゃいます。天女さまのイメージかなぁ。
その羽衣のすそやたなびく雲が、そこで吹いているであろう風を感じさせてくれたり、飛天がどっちからどっちへ飛んでいるかとか、その飛天さまの瞳に映っているであろう景色とか、いろいろなものを想像させてくれて、とてもおもしろいです。
ちょっと孫悟空も思い出したのは、多分雲に乗っていたからかも。
その方々が、おだやかなお顔で、たとえば琵琶や笙やお琴、横笛のようなものを吹いてらっしゃる、あるいは舞を舞っていらっしゃるお姿はとても美しくて、見ているだけでとってもしあわせな気持ちになります。
わたしも楽器を弾いたり吹いたり歌ったりするのが大好きなので、たなびく雲の上で髪をなびかせ、しかも神さまのおそば近くで風に吹かれながら楽器を奏でる、あるいは舞う、鳴っている音の中のひとりになる…なんて、想像しただけで至福過ぎる光景です。
いえいえ、自分も奏でたいなんて言わないから(笑)たとえ夢でもいいから…そんな光景を見たり体験したりしてみたいなぁ。
飛天たちの舞う空を体育座りで見上げながら、その音に舞に酔いしれてみたいです。
そういえば、あるところで立ち止って美しい水煙を見ていたら、あれ?絶対これ、どっかで見た!というのがあって、文章をよく見たら薬師寺の東塔の水煙だったという…
やっぱりね〜と顔を見合わせてにっこりしたショコラ嬢とわたし。
もちろん何度も薬師寺には行っているものの、水煙ははるかかなた屋根の上だから、見えるはずもなく、多分これは上野の博物館の薬師寺展の時に見たに違いないわけですが(笑)
さらにもうひとつ、以前奈良まほろば館で、琵琶を弾く仏さまの写真が表紙になっているメモ帳を買ったことがあって。
その仏像の表情、琵琶を抱く姿の中に勝手につよしさんの面影を見て(笑)購入したことがありました。
もう数年前のことですけど。
多分、あんまり素敵だったので大切などなたかへの贈り物にしちゃって、今はわたしの手元にはないのですが、その表紙になってた仏さまもこの展覧会に来ていて、初めて質感のある立体として見ることができたというしあわせ。
どんなのかというと、こちらです。
ショコラ嬢が先に気がついて、レインさん!レインさん!これ見て〜♪これ、確かレインさんが大好きな仏さまじゃない?と教えてくださいました。
ぴんぽーん!!
うわぁ、このお方も飛天さまだったのね。すっごくうれしい出会いでした。
中でも一番の見どころは、平等院鳳凰堂からの展示物で、たくさんの雲中菩薩像の美しかったことと言ったら…ため息ものでした。
これらの神々しさ、美しさには本当に息をするのも忘れるほどでした。
そして、メインエベント?雲中供養菩薩像に触れるーほとけとの結縁(けちえん)ーというのがあって、仏さまの模刻像に手を触れることができるコーナーが作られてました。
平等院の方のページに行ってみたら、この「結縁」のことが書かれてました。

仏像に触れることは=仏と縁を結ぶ(結縁)、とても尊い行為です。皆さんが結縁した模刻像は、本展終了後、鳳凰堂に懸架され、今後百年千年と参拝者を見守りつづけます。
結縁した証は平等院の歴史の1ページを刻み、結縁者はその証人として後世まで記憶されることでしょう。

この結縁も、いつもならご本家の平等院で行われているということなのかな。そして、今回特別に東京でもそれが体験できたということだったのだと思います。
30分以上行列に並び、ガラス越しですがひとりずつ仏様と対峙できます。
手が入るくらいの穴が開いていて、そこから手を入れて、菩薩さまのお顔や手や、身体を静かにゆっくりと触らせていただいてきました。
素材は他の飛天と同じく木でできていて、なめらかなそのボディーには他の素材では出せないであろうぬくもりがあって、なんだかとてもやさしい感覚です。
まわりにものすごくたくさんの人がいるのに、その瞬間だけはまわりの世界の景色や音が一瞬すべてかすんだかのような不思議な感覚。
すごく静かで心休まるひと時でした。
実は、平等院鳳凰堂には一度も行ったことがないのですが、いつかたとえば平安神宮ライブの前後とかに訪れてみたいです。