ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 堂本剛 平安神宮公演 2013 2013.9.15 その1


これ、今年の9月15日のチケットです。
まるで数十年前のチケットですか?という感じですが(笑)いえいえ、ほんの2週間前のもの(笑)
もぎってもらうまで雨の中握りしめていたのと、ビニールを掛けていたのにバックごと全部濡れてしまったので、バックのポケットに大事にしまわれていたにもかかわらず、こんなことに…
これもある意味記念なので、このまんまほぼ日手帳の9月15日のページに貼りました。

開場の時間になり、入口を入ると神社の敷地内はそこここに水たまりができていました。暗がりの中、自分の席に向かうまでに、どうかすると靴の中まで水が入ってびしょびしょになってしまいます。みんな足元に気をつけながら席を探してうろうろ。
わたしはいつだたかの薬師寺ライブの前に買ったスニーカーのような丈の短い長靴を履いていましたが、ここまで降るとどうにもなりません。
最初はよかったのですが、やっぱりライブが終わる頃には靴の中でぷよぷよにふやけた足がちゃぷちゃぷ泳いでました(笑)

期待に満ちて静かなインストに耳を傾けながら椅子に座りライブを待つ…
というのが正しいライブの始まりの待ち方だと思うのですが、この日は最初から持て余すくらいザーザーと雨が降っていたので、みんな直前までごそごそと荷物をしまい、ほぼ全員が合羽を着て傘をさして居並ぶ姿は後ろの方から見ると不思議な光景でした。

開演を待っている時にこの日も「収録あり」のアナウンス。
見間違いでなければ、全日収録が入っていたことになるのだと思いますが、全部の日の映像が入って、ちゃんと形になることを心から願ってます。
また映画館で見たいなぁ。せめてブルーレイになるといいなあ。

雨音でBGMも声もかき消される感じなので、みんな言葉少なに前を見てスタートを待っています。
双眼鏡もムリ、もちろんメモ帳なんて持ってたって意味がありません。
今回は記録はあきらめて、心にだけ焼けつけて帰ろう。
そっか!!

眼に映した何枚(いくつ)もの写真を
記憶出来ない儚さを愛していたい

だ!!
ああ、早々に実践してみる機会を得てしまいました(笑)
いよいよ開演時間近くになって、傘を畳み、下に置こうと思ったけど、地面の小石がびしょびしょですでに水たまりになっているところも多々あって、傘が砂だらけになるのが容易に想像できたので、傘をお店でもらったビニール袋に入れて椅子の下にしまいました。
手もぎりぎりまで合羽のそでの中にしまって、ひたすらビニールに打ち付ける雨音に耳を傾けている不思議な感じ。

というわけで、今回はまったくもって記録にはなりません。いつも以上にいい加減で怪しい文章、単なる感想文になっています。
実は途中であきらめかけたのですが
「多少間違っててもいいから(ダメじゃない!?笑)書きなよ!恒例の『あんたの文章で読む!』をしないとなんだか落ち着かなくって。
感じたままに、とにかくライブを見て思ったことを書けばいいんじゃない?!大丈夫。文章力は全然期待してないから!」(うへへ。ありがとう!気が楽だ!)
やさしい友人に背中を押してもらいました(笑)
もうそこここに素敵レポはいっぱい出てるし、今さら感もあるし…
正確な文章じゃなきゃイヤという方には向きませんので念のため。
いつにも増してまどろっこしいし(自信がないとさらにまどろっこしくなるのだな、笑)そもそもいつだってまどろっこしい文章しか書けないのですが(笑)
イメージ文章(映像じゃないからね)くらいの気持ちでゆる〜く読んでいただければ。
記憶違い、タイミング間違い等、ご指摘は大歓迎です。
みなさまに協力していただいて、より正確なものになっていけば…というくらいの気持ちで書きます。
正直これを公開しちゃいけないだろうという気持ちも半分。いっそ飛ばしてしまおうかと思ったのも本心。
それでも…こんなへたくそな文章をいつも「待ってる」と言ってくださる、心やさしいみなさまに心からの感謝をこめつつ、えいままよ、まな板の上に乗っちゃえ!!という気持ち書き留めておきます。先にあやまっとこ!ごめんなさい。
ライブの始まりを告げるようにライトが消え、雨粒をはじくようないつもと違う拍手の音が響き渡り、バンドのみなさんが入って来られたんだなぁという気配がありました。

☆追記:ステージのみなさんのご登場について、教えていただきました。
Sさん、ありがとうございます。

最初バンメンさんがビニール傘をさして横から一列になって登場。
その後剛さんが和傘をさして中央突破でご登場。
傘はたたまずに床に置いてました。
帰りも広げて床に置いてある傘をさしたので、開閉が大変なのかなーなんて思いました。

最初のところで大極殿の屋根に緑の何かが映し出されて「わぁ〜っ!!」というものすごい歓声が!!

しかし、わたしはそれが最初字だとはわからずに、何かの模様?絵?…果ては梵字かも?とか思ってた覚えが…(笑)
しばしぎゅーっと見つめていたらそれがつよしさんらしいま〜るい筆跡で「瞬」だということがわかり、周りから相当テンポ遅れて「うわぁ。スゴイ!!」と言っていた人が…何を隠そうわたしです(笑)
ああ、御本人の筆跡なんだということだけで胸がぎゅーっとしました。
ステージの上の人も客席の人も、裏方さんたちも整理してくださるみなさまも、関係者の方々もプレスの方々も…まさしくこの瞬間を共有するためにこの雨の中、みんながここに集まり一点を見つめているのだなぁということを強烈に意識しました。

その後も、天魔さん風味の「魂」を感じさせる映像、森羅万象を感じさせる映像(と、わたしの夜行バスの中で書き殴ったメモには書いてあったのですが、もっと具体的だった気がします。正直あまりの雨で覚えてないのです。その後今朝見たオリスタによれば『蓮の花、雲、瞳』と書いてありました。)
そして、最後に見たことがあるなつかしい?(笑)マークがポンと出て、それがshamanipponのマークでした。
ものすごい存在感。そして拍手に混ざって「ひゅーひゅーひゅーっ!!」と囃(はや)すような音。なんだか楽しくなってきました。

曲は「Welcome to shamanipponからスタートです。

席がステージ向かって左寄り後方だったのもありますが、ステージ上が全体にほの暗く、しかも全体にビニールがかかっていて、多分他の日よりも雨の影響でみなさんが後ろに下がってらしたのではないかと思われ、さらにわたしは超近眼なので…
ものすごく正直に言うと、わたしのところからちゃんと見えたバンドメンバーさんは、竹内くんと名越さんくらいでした。
とうとう最後まで姿が見えず、その音だけしかわからなかった方がほとんどというライブ。
今まで一番見えなかったライブは段差がほとんどなかった「石舞台」だったと記憶していますが、今回その記録を塗り替えました(笑)
でも不思議と見えないとか残念とネガティブな感情はまったく沸いておらず…
この雨の中、とにかく開催されたのだから、それだけですでに奇跡!
最後までやってくれたらそれだけで十分。たとえ最後まで行けなかったとしても、それはそれで仕方ない。
今は「現在(いま)」を楽しむのみ。
ここで鳴っている音だけで、ぼんやりと見えるその景色だけで、どこまで人の動きや音楽や気持ちを感じ取れるものなのか…
ある意味すべてが珍しい体験だし。ああそれはそれで楽しみだ♪
という気持ちが心の中に満ちていて、全身を耳に…というか五感を研ぎ澄まして音に集中しておりました。
人も見えなかったということは、演出もほとんど見えてません。
前日読み漁ったレポによれば、しめ縄に風鈴とか、ドームのようなレーザーとかいろいろ見た気がしますが、全然わかりませんでした。
例年ならライブが終わったあと、ステージの方まで近づいて画像を撮ったりしますが、今回はスマホやデジカメを出すのもはばかられるほどの豪雨でしたので。
このあたりもブルーレイが出たらわかるかしら。

はじまりが「Welcome to 〜」だということはネタばれを読んですでに知っていたのですが、この曲にはピコピコ、キューキュー、シューシューというような擬音が似合いそうな人工的な音のイメージ、およびシャープな印象があって、平安神宮のこの歴史ある建物、悠久の景色の中で聴いて違和感を感じたりしないのだろうか?とちょっと思っていたのですが、結果的に言うとそんなことはなかったです。
いろんなものが飛び交う混沌とした感じ。
過去が現在が未来が…ごっちゃになって押し寄せてきて、今日だけの物語が始まるような不思議な感覚に身をゆだねてました。ドラマチック。素敵です。


ちなみにこの日のミュージシャンは、十川さん、スティーヴさん、名越さん、竹内くん、平岡さん、tigerさん。
それから小沢さん、川島さん、sasukeさん、そしてduttchさん、渉さんでした。

後先になっちゃってますが、前に書いたフェスとは異なるメンバーさんが3人。誰が入っても、誰と誰が交代してもノープロブレム。
抜群のチームワークで、きっちりと仕事をしてくださるみなさま…
だからと言って一人一人の個性は殺されることなく、その日のメンバーによってちゃんと違う音と個性が際立つ演奏になるし、その日にしかないグル―ヴが生まれる。
みんなが限りなく自由でありながら、中心に立つつよしさんの求める音を熟知していて、求められるタイミングで求められる以上の音をちゃんと鳴らしてる奇跡。
そんなバンド、なかなかいないと思うのですよ!
まさしくshamanipponの「くに」の精神にのっとってる。音楽を仲立ちに、その世界観がつまびらかにされる。

そして「くにのうた」がスタートして、ああ、つよしさんだ!!いたいた!と気がつきました。

もしかしたらもっと前からいたのかもしれないけど(笑)というくらいのアバウトさでごめんなさい。とにかく雨の中追いかけるのが必死だったので、あれこれ記憶が混濁しています。

意外とよく見えると思ったら、つよしさんのところだけ一段高くなってるの。これは多分平安神宮のライブでは初めてのことで、後方からでも彼だけはすっきりとよく見えたことを記しておきます。

そして見えた瞬間、そのビジュアルを見てキャーっとなり(ドラマの時と変わってませんでしたけど、笑)そしてその出で立ちに目を凝らしました。
赤いパンツは昼間散々「色っぽい」とウワサになっていた、初日と同じピチピチのパンツかな?と期待を込めてそう思ったわけですが、登場の際は上に白い着物を羽織っていて、それが雨と美しい照明の中、とっても美しく浮かびあがってました。よく似合っていて、とても素敵。
白いギターに白い着物に、ちらっとのぞくキラキラのトップスに目が覚めるような赤いぴちぴちパンツ。全部が不思議と調和していて喧嘩してないのがスゴイです。
わたしのところからは見えなかったのですが、前の方で見ていた方によれば、ご登場の時も和傘を挿していたとおっしゃる方もいました。
この和傘はオリスタ65ページに載っているもの。
小さい身体を覆い尽くす大きな和傘。粋でカッコイイと思ったのに、一方で一瞬トトロを思い出した…と言ったら怒られるかしら。でも、どこか人としてのかわいさを常に残しているのがつよしさん…とわたしは思っているのです。

「くにのうた」はどんどん化けていると思います。ファンファーレ部分に、そして続く銅鑼に期待感が半端なくなってわくわくします。
あの奈良の特設ステージで聴いたかっちりした完成度の高い感じもよかったけど、屋外で鳴らされた広がりのある音も素敵。

我らがつよしさんは、大極殿をバックにギターをかき鳴らしています。
そして、わたしのななめ前にいたカップルの男子が始まって以来ものすごくいいノリで身体を左右に揺らしているなぁと思ったら、ここでいきなりオトコマエに合羽のフードを払うように取って、びしょぬれになりながら踊ってる!!
この男子、ほんとに終始楽しそうにノリノリで、目の端っこに彼が入っているだけで、わたしもとっても楽しかったです。
土砂降りの中なのに、その場に参加していることが楽しくて仕方ないという雰囲気が伝わってきます。
おとなりの彼女は小さく左右に揺れてて、この子も楽しそうなのですが、あきらかにファンテンションは彼氏の方が高そうです。
そして時々、曲の変わり目なんかにふたりが顔を見合わせてにっこりするの。いいなぁ〜いいなぁ〜
デートがライブ。好きな人を好きな人と見に行くなんて…土砂降りなんてなんのその!ああ、彼らにとっては台風もまたデートを楽しくするアイテムに違いない。そりゃあきっと楽しいでしょうとも。愛も深まるでしょうとも…(笑)

というわけで、わたしもとなりにいた友人も、終始一列前のカップルをちら見しつつ、シャマサイン。
家で前日、前々日のレポを見ていた時に、初つよしさんライブという方が「なんでみんなくにのうたが始まると、ステージに向けてOKサインを出しているんだろう」と疑問に思ったという文章を読んで吹き出したのですが、そうそう、よ〜く形を見て!「OK」でもなくて「きつね」とも違うんです!(笑)

そういえば、あちこちに男子の姿がありました。
前より自然と混ざっている印象です。もうことさらに強調されることもなく、老若男女、いろいろな人がみんな一様に合羽を着て揺れてました(笑)

続いて始まった「I gotta take your shamanipponは完全参加型なので超楽しい〜♪
そぼふる雨の中、コーラスさんに合わせて「パン パン パパパン」を叩いていると、雨粒も一緒にはじけてとっても綺麗。
音楽にきっちり合わせるのが意外とむずかしくて、ついつい夢中になって音の波乗りをしているようなイメージ。こういうのとっても好き。
音が素晴らしいので耳を澄ませているのが楽しくって仕方ありません。
そういえばあんなに天気が悪かったし野外なのに、音のストレスがほとんどなかったのが不思議です。終始ストレスフリーでした。
そしてこの曲だったかどうだったか忘れてしまいましたが、今回いくつかの曲で、あちらこちらから音が聴こえてきました。
四方八方から音がやってくる感じ。会場を音がぐるぐる回る感じ。
スピーカーがどんな仕掛けになっているのか、それともいくらかは耳の錯覚だったのか?
あの雨の中だったしよくはわからなかったのですが、あの音の感覚はとてもおもしろい経験でした。
この辺り、どなたか詳しくご存じの方がいらしたら、お話を伺ってみたいなぁ。
そんな中、わたしは不意に四神相応の都と言われた平安京の青龍、白虎、朱雀、玄武…を思い出したり、四方を守っている「音楽神」なんてことを妄想したりしながらワクワクしながら聴いていました(笑)
しばし雨を忘れて夢中になって遊んでいたらあっという間に終わってしまったのがとても残念。ああ、巻き戻したいなあ、あの時間(笑)

そして気がつけば、「Clap your mind」へとなだれこんでる。

あれ?羽織を脱いだ瞬間は「I gotta〜」の前だったかしら?それとも「Clap〜」の前?
追記:「Clap〜」の前だと教えていただきました。ありがとうございます!
ライブ後、誰かが「あの羽衣を脱いだ時…」って話してたのですが、まさしく羽衣っぽい!!
「Clap」で後ろを向いて腰をフリフリしてた時、形のいいヒップが、ぴちぴちの赤いパンツがとっても色っぽくゆらゆらしていたのを覚えているのでこの時は絶対にもう羽衣を脱いでいたと思うのですが、どこで脱いだのかすでにして記憶が薄いです。
いずれにせよ、脱いだ瞬間にあまりに期待通りだったので(いひひ)友人とひゃ〜っ!!と叫び、大興奮したことを書いておこう(笑)
オリスタを参照していただけるとわかると思いますが、パンツはぴっちりした赤で、トップスは後ろが黒、前が赤、青、金の入ったキラキラのタンクトップで、その衣装の中、むき出しの二の腕や首や胸のあたりの白さが際立って、たいそうなまめかしい感じになってました(笑)

「Clap〜」はホーンのカッコイイ音に、コーラスのシャープでカッコいいボイスと、つよしさんの色っぽい声となめらかな身体の動き、そこに硬質な感じのバンドの音がうまく絡んで、自然とドキドキが加速していきます。
CDの歌詞カードのこの曲は「Clap your mind…」と「Keep on shamanippon」しか歌詞がないの。
これだけで歌になるんだなあという感動。この二語の中にいろんな思いがこもってる。
時にきっぱりと、時に問いかけるように。時に溜めて。時に色っぽく誘いながら…歌声そのものも変幻自在でカッコイイけど、リズムの刻みやオブリガード、アドリブ…所々、さまざまな楽器が、声が、自由に本流に形を変えて飛び込んでくるところもカッコイイ。
ものすごく満足度の高い曲でした。

そして、ああ「瞬き」のCDを帰ったらもっと聴きこもう…なんて漠然と心に誓っていたら、次に始まったのは大好きな「ラカチノトヒ」ではないですか!!
うわぁすでにしてなつかしい。大好き。聴きたかったの!この曲が!!
昨年の奈良では小さな空間の中、狭いお立ち台の上で、ぎゅっと濃縮されたみたいな音とダンスだと思ったのですが、今年は外なのでまた音がひと味違います。
広がりがあって、歌声が演奏が雨の空に溶けていく感じ。この曲の後半はまさしく神さまに捧げる祈りのような音楽になってゆき、祝詞のようでもあって、なんてこの場にふさわしい曲…と実感的にそう思いました。
自然は人の思い通りにならないというのを痛感しながら「ウソドモリト」の歌詞を聴く。自然に逆らうことなしに「ラカチノトヒ」を信じてみる。
間奏のところのステップも健在でした。雨のせいもあってか、そんなに大きくガンガン踊るという感じではなかったけど、リズムに身体を合わせてステップを踏むつよしさんがひらり、はらりと身体をひるがえすたび、ドキドキワクワクしました。
たとえば身体を傾ける角度とか、たとえば一瞬の指先とか、軽やかな足の動きとか、細部まで神経が行き届いていて本当に綺麗。
特にくるっと後ろを向いて背中だけで何かを語り、魅了するのがとっても上手だなあと思います。
願わくばもうちょっと雨が小降りだったらもっと見る方にも集中できたのに。
この曲の中で鳴っている和音は平安神宮のこのいにしえから今に伝わる景色とあまりにもぴったりだと思いました。
合羽のフード越しに耳をすまし、小さな視界に目を凝らし、見ざる、聴かざるを得なかったのがとっても残念だけど、少し不自由を感じながら存分に味わったラカチノトヒのことは、きっと一生忘れないだろうと思いました。

そして放射状にのびたレーザーの美しいことと言ったら。
いつもは一直線にシャープに伸びているように見えるレーザーが、この日は雨が当たってキラキラしてました。
点線のように見えたり、ドットのように見えたり、儚げに滲んで見えたり…かすみがかかっているように見えたり、とても幻想的な光景でした。
息をのむほど美しい光景なのに、一方で雨がどんどんひどくなって、だんだんに視界が狭くなってきます。
校長先生のお話を聞いている時みたいに、だんだんにうつむきがちになっていく観客席。
だってちょっとでも上を向くと雨が顔に目に入って来ちゃうのです(笑)
その光景があまりに美しいので、途中でとなりの友人の手を取って「見て〜っ!!」と指差す。ここを見ないでどうする。もったいないよ…と笑い合う(笑)
不思議と終始風がありませんでした。
風が出てきたら、即中止だったかもしれません。
ひたすら雨だけ。雨はやむどころかひどくなる一方だったけど、もうこの辺りでは「中止にさえならなければ、どうにでもなれ!」という空気(笑)
ステージの方々はつよしさんをはじめ、ものすごく音楽に集中していて、意識はしているだろうけれど雨に左右されている感じはあまりなかったです。
お客さんのためにも早めに切り上げようとか、客席は大丈夫かなぁ?…なんてことをちらちら思いながら演奏されたらイヤだなぁと、本能的にそんなことを思っていたのですが、心配は無用でした。

そして音が不意に分厚くなって…
篝火の存在に気がついて…ああ、この豪雨の中大丈夫かなぁ?とちらっとよぎりつつ…
次に始まったのが「縁ーgrooving」です。
この日はいつもよりテンポがスローでゆったりと。
ブルージーに奏でられる色っぽい音楽になんだかとっても痺れました。
この曲はshipでも聴いたけど、その進化っぷりがスゴイです。
初めて聴いた時はもっとプリミティブな音楽だったのが、聴くたび進化して、さらに一年を経て完成形を聴いたのはまだCDが発売されて記憶に新しいところのはず。
なのにそこはまだまだゴールじゃなくて、さらに進化を続けてる。
どの曲に対しても、遊び心とより素敵な音の探究はまだまだ続いていくのだなあという感慨。
ホーン隊が自由に暴れまわる感じと、ギターやキーボードの遊び心。そしてつよしさんの歌声のけだるさが不思議な雰囲気を醸し出してる。
ただしここまで雨が激しいと、スローバージョンもいいけど、逆パターン、いつもより速いくらいのテンポでガンガン行ってもよかったかも?
なんてちらっとそんなことも思いました。
これは多分こっちの方の都合なんですけど(笑)正直な気持ちを書いておこう。

そのあと今度はつよしさんがキーボードの前に移動して「時空」。
時空は平安神宮でのライブにこれほど合う曲はないと思うくらいマッチしていると思います。
悠久な時の中で自在に時空を行き来しながらさまざまなことに思いを馳せる…そんなイメージです。
実はこの曲では、シャボン玉の演出の話を聞いていたので、ぜひぜひそれを見たいと思っていたのですが、この豪雨、プラス、わたしの席からはまったく見えずでちょっと残念でした。
でも前の方にいた友人によれば、この日もしゃぼんだまは出てはいたようで。
「生まれてすぐにこわれて消えた〜♪」だったのだそうで(あの唱歌のしゃぼんだまの歌です、笑)あの豪雨では出してもすぐに消えちゃうのは仕方ないですよね。
とはいえ。
この日ならではの自然の演出…のようなものが生まれて別の意味でこの曲を堪能できたので、満足です。
それは何かと言うと、つよしさんやバンドメンバーさんが鳴らす音楽と絡むように、対旋律を奏でる雨音。
時に雨音と音楽が寄りそうように一緒にクレッシェンドやディミヌエンドをしていくかと思えば、次の瞬間にはffとppに分かれていく。
雨音は伴奏ではなくて、時空の音楽と、二声のポリフォニーの音楽を奏でているみたい。
近づいたり離れたり、追いかけたり逃げたり、そのスリリングな距離感が楽しいと感じてました。
あるいは、こんなのは?と思いだしたのは、音楽的にではなくてたとえとして使われる意味(常に底流としてある、考えや主張のたとえ。)においての「通奏低音」…かな?
実際のところ、雨はやむどころか激しさを増し、ここまで長いこと、逃げようもなく雨にぬれ続けるという体験が珍しいせいか、半ばやけくそ気味だったからかもしれません(笑)
でも、こんな経験めったにできるものではありません。
なんだか楽しくなって来ちゃいました。
相変わらず、前のカップルは楽しそうです。
そういえば、帰りに老夫婦?とおぼしき方々も見かけました。あの方たちも最後までご覧になったんだなあと感慨深いものがありました。