ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 最近のレッスン事情 その2

ちなみに今日の日記はこれで3つ目です。
暇だなあとお思いの皆さま方、まごうことなくそうなんです。超ヒマ人(笑)明日はレッスンがあるのですが、今日はおやすみなので、外へ出るのは多分夕方のカーブスくらいの予定です。
・Sさん
担任を持ってらっしゃる、ものすごく忙しい中学の数学の先生ですが、いつも少ない自由時間を一生懸命やりくりして、最大限の努力をしてピアノに来られる素敵な方。努力が服を着て歩いてらっしゃる。そして目の下に大きなクマ。昨年よりは楽っておっしゃってますが、クラス替えを経て新学年の担任1週目はほんとに大変そうです。せんせ、がんばって〜っ!!
初めてうちに来られた頃は、彼女が弾くピアノもまるで数学的アプローチ。上手だけど、杓子定規過ぎて機械みたい・・・と思ったのですが、最近ものすごく緻密さの中に温かみが加わって、聴いていて楽しいピアノになってきました。
「先生の影響よ!」っておっしゃるけど違うと思う(笑)ご自分の努力です。
ただ今、インベンションの手前のプレインベンションに夢中。
テーレマンにはまってらして、バロックがものすごく楽しいんですって。
ずっと先に進めてきたソナタより好きだそう。
彼女を喜ばせたくって、バッハの素敵な小品を探しているところです。いいの、あるといいな。


・Yちゃん
音大2年生になるYちゃん。副科と教職用のピアノ、スケール(全部の調での音階)がダメダメ過ぎて呆れました。怒るというより笑っちゃうレベル。よく大学受かったなぁ。(あの、高校時代楽典で苦労したあの子です、笑)
「雑!とにかく雑過ぎる!」と言ったら、ホルンの先生にも声楽の先生にも、室内楽関係の先生にもそこら中でそう言われているらしいです(笑)ダメじゃん。
ものすごく音楽性があって、中2からピアノを始めて音楽大学に受かり、ここまで来た子なのだから、相当潜在能力も高いと思うのですが「ていねいさ」とか「計画性」って言葉が彼女の辞書から落っこちてる(笑)
言ってたそばから今週は「せんせーっ!寝過ごして今○○。これから上りに乗り換えだから30分遅れます〜っ!!」とメール。
月謝袋なんてもう3度も失くしてる猛者・・・まあお金を入れる前だからいいようなものだけど・・・小学生じゃないんだから・・・(笑)
「だ〜か〜ら。忙しいのはわかるけど、もうちょっとしっかりしなさい!!」と思わずママみたいになっちゃった(笑)
ものすご〜く心を打つ、心を捉える演奏をしてくることも多い子ですが、この雑さ、なんとかして〜っ!(笑)
でも、この無計画にとにかく突っ走る、細かいことは気にしない・・・という性質のおかげで、あの前半の方でも書いた超ハードな吹奏楽部にいながら、全国大会にも出ながらも、ピアノも決して休まず通ってきていたのですよね〜
と考えるとこの子のこういうところも美徳のひとつかも。そして大きく分けるなら、わたしも絶対この子に近いタイプなので、類友とも言えるかも(笑)
でも、そんなわたしの来し方にも、後悔していることがいっぱいあるので、何回でも言おう。
「雑だってば!!!」
もうちょっといろいろ、丁寧にできないものかね。(わたしもだけどさ、笑)



・うぜーよ姫
かつて「うぜーよ」を連発していた保育園児もはや中2です。この話をすると、ふぇるまーたを長く見てくださるみなさまは一様にびっくりされます(笑)そんなにオトナに?って(笑)
この頃ちょっと変わったかも!?
マシンガントークで、学校であった事、家での出来事、心の中にしまいこんだ本音をいっぱい話してくれるようになりました。
ちょっと前までむずかしいお年頃で、全然よけいなおしゃべりしなかったのに、びっくりです。
相変わらずのぞきこむように人の心を読もうとするし、試すようなことを言ったりもするのでいい加減なことは言えません。
自然とわたしも一生懸命考えて、オトナ相手のようなつもりで話さないと信用を失ってしまいそう。
でも、ちゃんとホンネで思っていることを話すと、もものすごく興味を持ってキラキラした目でちゃんと聞いてくれます。
そして的を射た感想を述べるからわたしもおもしろい。ちょっと怖いけど(笑)
ピアノは意外とベタなクラシックが好きみたい。そして短い時間で本質を捉えるのがとっても上手。
相変わらず嵐の松本くんが大好き。北川景子ちゃんも好き。テレビ依存症とか言ってるけど、なかなかにお勉強もがんばってる青春真っ盛りです。


・先生ということ
ピアノの先生をしていると言うと「ほんとはピアニストになりたかったんでしょ?」と聞かれることがよくあるけど、わたしはピアニストになりたいと思ったことは正直一度もないです。
そもそも学校の先生に「学者になるのをあきらめたのはいつ?」なんて聞く人がいないように、ピアノだって誰もがピアニストを目指しているわけじゃないと思います。
わたしは一番最初にプロになりたいかも?と思った瞬間から「先生になって教えたい」と思った記憶しかなくて、いつもごっこ的イメージの中で人におしえてました(笑)
まあ手も小さかったし、どの道演奏家という道はなかったかもですが、2番目に習った先生が持っていた音大のボールペンがかっこよくて、いつかあの大学へ行ってあれを買ったら先生になれるかな?(なれませんけど、笑)・・・と思ったのが先生になろうと思った始まりです。
そして、十数年後、半分偶然の成り行きもあって、そのボールペンの学校に入学することになったのです。不思議。
つよしさんのラジオを聞いていると、時々「どうやったらつよしくんみたいにギターが上手になれますか?」みたいな葉書を読んでいることがあって、それに対する彼の答えていることを聞いていると、彼はあんまり人に教えるのが上手そうじゃないなぁ〜と大変失礼ながらそう思います(笑)
そもそも天才は勘が良くて、物事の本質にまっすぐに到達する力を持っているから、だいたいにおいて上手な指導者にはなりにくい・・・という説がありますが、多分彼もそのクチだな。やっぱり彼は指導者でも作家でもなく、自作にしろ他作にしろ表現者でしょ。
わたしは残念ながら天才とはほど遠いですが、たとえば生徒が袋小路に入りこんでしまった時、どこを直せば絶対によくなるはずとか、どう弾いたらいいかっていうのをどう説明すれば「なるほど〜」と思ってもらえるか・・・という手数(てかず)はいっぱい持っている気がします。
それは飲み込みがわるかったのが幸いしているのかもしれないし(笑)単純に教えるのが好きだから自然と工夫するのが好きになったということでもあるような。
手首が低過ぎるとか、高すぎるとか、肘を張りすぎとか手を伸ばしすぎとか、使ってもいないのに親指に力が入ってるとか・・・
楽譜上に書いてある指使いを全然守らない子に守りたいと思わせる言い方とか、テヌートが上手にできるようになる技とか。
人にわかるような伝え方を常に工夫するのが好きだし、ピアノとの出会いによって変わっていく姿を見ていられるのがとても楽しいです。
最近みんな大きくなってきて、生徒はずっと減少傾向ですが、ひとりでも生徒がいるうちは見てあげられたらといいなぁ。
と言いつつ、履歴書を買ってきました。
雇ってくれるところがあるかどうかはわかりませんが、アルバイトに出ることも考え始めました。
うまくバイトが決まりそちらの比率が増えていけば、ピアノは趣味に戻るかもしれないですが、それはそれで一生ピアノのそばにいられたらいいなぁと思い始めています。
なんたってピアノ曲の楽譜は数限りなくあるし、やってみたい曲もいっぱい、やったことがあるものだってまだまだ未完成の曲だらけ。
そしてわたしは一体いくつまでピアノを弾くんだろう。
これからも生活の中にピアノのある生活が続けられますように。なんだか最近わけもなく、そんなことを切に願っています。