ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

shamanipponーラカチノトヒー tsuyoshi domoto 6月8日 その3

たくさんの拍手や拍手コメントありがとうございます。
「今回参加はできませんが、読んでいるだけで楽しかった」とおっしゃって下さった方「息をするのも忘れて読みました。」なんておっしゃって下さった方、身に余るほめ言葉です。どう見てもほめ過ぎ。恐縮です。でもうれしいです。ありがとうございました。
「とんぼの目が欲しいですよね。」とおっしゃってくださった方。ほんとに、ほんとに。
それと関連して、その方ではないですが「目はひとつかないから」につっこんで下さった方(笑)
本人ですら見落としたポイントに気がついてくださってうれしかったです!あんな長ったらしい文章をよく細部まで見てくださいました〜(笑)ありがとうございます。
ひとつ目小僧じゃないんだから(笑)
本文の間違いはおもしろいのであえて棒線で見えるように残して、でもちゃんと正しておきました(笑)
ついでに小さく書いたメモをもう一度隅々まで見ていたら、今頃ひとつ解読したことがあって…
芋づる式に出てきた記憶を「ボレロ」についての加筆と共に足しておきました。感想「その2」の「ラカチノトヒ」のところです。
よかったらチェックなさってくださいね。
さて、続きです。
『未来への忘れもの』
全体の中ではクールダウンな感じの1曲。
抑えめの声で(イメージとしては、パワー全開の時の6割くらいな感じ)おだやかに。実際にCDよりもいくらかBPMが遅めだったかも?
声が珍しく若干ハスキーだったので一瞬あれ?と思ったけど、他の曲はクリアーな歌声。
あえてふわっとした声の音色を選んだんだろうなぁと思いました。
メロディーラインだけを追って聴いていると、この曲だけなんだか枕元で歌ってもらっているような、子守唄のような心地よさ(笑)
ライブではじめて聴いたとしたら、穏やかないい曲としてさらっと流れてしまうかもしれませんが、この曲ができた経緯はアルバムイベントでも語られましたし、MCでも。
あの昨年の大震災の後の日本中が暗く沈んだ日々の中で作られたからこそ、この曲にはたくさんの想いがこもっていて、それを聞く側にも共通の体験があって…さらに心に響くのだと思います。
これからかなり時が経ったとしても、やっぱりこの曲を聴くたびにあの日、あの時のことを思い出すんだろうと思います。それはきっととてもとても大事なこと。
つぶやくように、会場のひとりひとりに歌詞を言い聞かせるように。おだやかだけど、説得力と意思のある声でした。

優しい日だまりを辿って歩こう楽器を持ち寄って

鳴らそう…
鳴らそう…
なくしてしまった…ぼくらのいまを

何げない日常の大切さがぎゅーっと心に沁みてきます。
つよしさんがふと客席の隅々に目をやるその目線がやさしくてびっくり。
彼はよく「本当に苦しい時ファンの人に助けられた」とか「ファンのために」と語っていますが、あの表情を見ていたらその言葉の本気度がわかります。
「バックスクリーンに立ち上る玉?魂?」とわたしメモ。ひゅるるる〜っと立ち昇っていくイメージだったのは覚えているのですが、細部は忘れてしまいました。だから早く書かないと〜


『人からなにかへと』
「これは、レゲエアレンジです。」と始まる前のMCで紹介されました。
帰ってきてから、あちこち調べたりしました。
うんチャッ!うんチャッ!なリズムがレゲエの特徴かな?と漠然と思っていたら、やっぱりギターは偶数拍にアクセント、そこで刻みだそうで。
でもドラムは3拍目にアクセントとメモっていて、拍手はここに合わせてみんな手を叩いていたのですが、わたし的には…うまく言えないのですが、あまりBPMが速くないので、すごくゆったりした重たい拍手になって、間が持たないというか、手をこすりたくなって演歌調?みたいな違和感(笑)いえいえ、もちろんこれは奏者の問題じゃなくて、こっち側の乗り方の話。
なんだかもうちょっと(こちら側の)やりようがあったようなモヤモヤが自分の中で残ったのかノリと書いてクエスチョンマークを書いてました(笑)
そういえばKinKiさんのフラワーもレゲエですよね。
せっかくの機会を得たから、もうちょっとレゲエをちゃんと知りたいです。
ついでにどうでもいい情報ですが、今朝ふたたびレゲエについて検索していたら、「本人がレゲエだと言えばそれがレゲエです。」という超面白い一文を見つけて爆笑。なんというアバウトな!じゃあ今日からわたしもショパンはレゲエ調で弾きます!…と宣言すればそれはレゲエだと言うことですか?せんせー。(んなわけない、笑)
クラシックの時からのクセで、ついついちゃんと知りたい病を発してしまいますが、いろんなジャンルは互いに影響を与えたり受けたりするんだから、そんなに明確な定義付けを求めるのは意味がないんじゃないの?とオット。そりゃあそうだけど。
それでもやっぱりなんでもちゃんと知りたい「おさるのジョージもどき」のわたし(笑)
とはいえこだわりすぎても仕方ないので、レゲエはちょっと置いておいて…この歌のことを。
この曲は、間奏でつよしさんが繰り出すフェイクが色っぽくてとってもステキでした。
ワウワウ言うギターのメロディーがとても素敵なアクセント。ふとギターとフェイクが会話してるように感じておもしろいなぁと実感。
アルバムで大すきになっていた「ラソミレドレミ ラソミレドレミ」という印象的なフレーズが生で聴けたのがとてもうれしかったです。この音も今回ワウワウしてました。
最近こういう何かの楽器のお決まりのフレーズが歌と同じくらい気になります。好きになります。期待してしまいます。
音はライブ全体として色濃く和な感じで、震災の後に書かれた曲が多いし、更につよしさんの書く音楽はどこか現実的で、どんな曲も底のところに深い悲しみをたたえているようにも思えるのだけれども、一方でKenKenとルイス氏が鳴らす音はとても陽性で、どこか希望の匂いがして、そのあたりのバランスが素晴らしいと思いました。
現実と希望。理想と現実。月と太陽。光と影。
この曲に限らず、ライブのあちこちの場面で、相(あい)対しているように見えても実はどちらも同じだよ…というつよしさんの発言がなぜか思い出されました。
ルイスやKenKenの心の中にも闇の部分はあるのだろうし、つよしさんの中にも太陽のように明るい心の領域もきっとあるに違いないです。
お互いの隠れた部分が出てきたり、触発されて表に出てきたり…そういう化学反応があるからライブってヤツは楽しいのだと思います。
「傷の色はひとつだよ」と並んで「相反するものは実はどちらも同じ」はわたしにとっては今回のアルバムの中に入っている重要なキーワードのような気がしていて、まだまだじっくりと考えてみたい気持ちでいます。


『Mind Light Blues』
この曲はなにかと「溺愛ロジック」と重ねて語られることが多いです。
わたし自身もこの曲を聴くと必ず溺愛ロジックを思い出すのですが、今回ライブで聴いてみて、あの頃と比べるとずっとつよしさんがシンガーとして成長しているのを感じました。
何より余裕があるのがスゴイです。小憎らしいくらいです(笑)
勢いはあるけれども突っ走っているわけではなく、思いきりはいいけど細部まできちんと計算されていて、その表現はとっても洗練されてました。
わたしの音楽観の根っこには、やっぱりクラシックがあるせいか、基本どんな音楽も好きだし、身体ごとぶつかってくるような臨場感も好きですが、やっぱりどこか芯のところにちゃんと冷静さを持ち合わせた表現が好き。
(これはそうあるべきと言っているのではなくて、多分40有余年培われた超個人的感覚です、念のため。)
それにしても余裕しゃくしゃくでわたしたちを惑わすそのパフォーマンス。反則です。
つよしさん自身がとってもとっても楽しそう。
そしてあっという間に興奮のるつぼ。彼の思い通りに感情を身体を操られ、動かされているみたい。
本望です。
途中期待したCDの圧巻のロングトーンからグリッサンドというシーンがなくてちょっとさびしかったのですが、あとで別の曲の中で聴けて満足しました(笑)
バンドのみなさんもものすご〜く楽しそうで、なんだかとってもhappyな気持ちになります。
つよしさんがもっともっと年を取ってから歌うこの曲も聞いてみたいです。
そういえば、土曜のラジオでこの曲と光と影の話をしてました。
「心に灯りをともす」だったかなぁ。グっときました。なるほろ〜


『一鼓動』
この曲もまた究極の呪文系です。歌詞の機関銃度が最も高い曲。よく舌が回るなぁ。そしてほんとに声のピッチが確かです。どんなに早口になってもブレスをはしょったり音をはずしたりしないです。集中力がスゴイんだろうなぁ。何よりかっこよくてドキドキ。
そして歌声だけじゃなくて視覚的にもとても訴えるものがたくさんある1曲でした。
ストロボのような光の中で、途切れ途切れにコマ送り風に彼のダンスが浮かび上がります。
この曲のダンスは、ラカチノトヒのそれよりももっとずっと早くてアグレッシブ。
このストロボがあるからこそ、動きがコマ送りみたいに見えてとってもかっこよくもあるわけですが、一方でストロボを止めて全部の動きを舐めるように眺めつくしたいような(怖いから、笑)そんなジレンマに襲われました(笑)
こんなにキレキレのスピード感あふれるダンスを見せてくれたのは久しぶりなんじゃないかな。ラカチノトヒよりも更に本気を出してきた感じ。
つよしさんの天性のリズム感の良さとか、踊りのセンスとか、運動神経の良さ、表現力の巧みさが余すところなく見ることができました(笑)
これらつよしさんのダンスについては、いろいろと思うところがあっていずれ掘り下げて書きたいと思うのですが、この話題は読み手を若干選ぶ話なので、別途エントリーを分けてじっくりと書きたいです。
そういえば、この曲にもブルーベリーみたいなジャンプ系、リズムの遊びが挟み込まれています。ブレイクするたびに、あちこちでカッコイイ、楽しい、素敵、痺れる…いろんな種類の悲鳴やら嬌声?やら(笑)が上がってました。



『メンバー紹介』
このあたりで、あまりに楽し過ぎてとうとう完全にメモることを放棄してしまいました。
ひたすら音楽を楽しみ、浸ってしまったので、今となっては詳しく書けないのが残念です。
メンバー紹介は「ひとさま」が行います。気の抜けたような声は、どこかあのサンカクくんを彷彿、というより激似ですが、きっと別人なのでしょう(笑)
始まる前のアナウンスの時も思いましたが、この「ひとさま」癒し系で脱力系です(笑)何か言いだすとふははは!とあっという間に緊張がほどけます。今どきのちょっとしょっぱい世の中で意外と大事な使命を担っているのかも!?
つよしさんはこのコーナーではほんとに自由人。
「アナタが主役のライブ中だってこと、忘れませんか?」というくらい素の顔で、ひとりひとりの演奏にじっと見入ったり、目を輝かせたり…
とはいってもそのこと(気を抜いてる顔を見せていること)にどうか気がつかないで…というくらい、素のつよしさんにも夢中なわたしたち。
ギターのみなさんがソロを弾く時は目の前まで行って目をキラキラさせて見ていたし、シロクマさんのソロの時は一段高くなったところに寝転んで、足で拍子を取りつつノリノリ。つよしさんってば、シロクマさんに相当気を許してるなぁと思いました(笑)
ルイスが顔を真っ赤にして高音を攻めまくっていた時は自分も息を詰めて見守り、スティーブさんのパフォーマンスからは身を乗り出して興奮してみてましたよ(笑)
スティーヴさんから後はどんどんみなさん、前の人の演奏に刺激を受けてさらにハードルを上げていくから、つよしさんもわたしたちもただただため息をつきながら見守ります。
つよしさんの姿をちらちらと目で追いながら、バンドのみなさんの極上の音の競演に舌鼓。
客席もここまででずいぶんと耳が肥えてきているから、あちこちで期待に満ちた顔、顔、顔。珠玉の音を聴いてほ〜っ!!とため息。キャーっと歓声。
そういう会場の熱い反応のひとつひとつがまた演奏者のテンションを上げて更に素晴らしいものが生まれている気がしました。
中でもわたしが強烈に印象に残ったシーンはスティーブさん。
彼のソロの番になったら、スティック2本だけ持ってステージを降りて来られたのでびっくりしました。
何をするのかな?と思ったら6列目の椅子をAブロックの方から順番に叩きながら移動していきます。
木の椅子はたちまち太鼓になって、その軽快な響きがどんどんこちらに向かって近づいてきます。慌ててメモ帳と脱ぎ捨てた上着をどけてスタンバイOK!!
そうなのです。まさしく6列目に座っていたショコラ嬢とわたしは、自分たちの椅子を叩くスティーヴさんを間近で拝見いたしました。
その華麗なバチさばきを数十センチの距離から見ることができ、その響きを耳から、振動を肌でも感じることができました。おなかに響く軽快なリズム。バチだけで世界中と会話ができそうです。
もちろん会場中は一瞬にして興奮のるつぼです。
椅子はひとつひとつ微妙に鳴る音が違って、乾いた音、くぐもった音。はじけた音、テヌート気味に置かれた音。
とってもとっても様々で、そんなところもすごく面白かったです。
スティーヴさんとお話できる機会と間近で彼の音楽に触れる機会。どっちかひとつだとしたらどっち?と聞かれたら絶対に音を聴く派だと思うわたしなので、この絶好のチャンスが巡ってきたこと、神さまありがとうという気持ちになりましたのことよ。もちろんスティーヴさんにもありがとう!!(笑)
あとで聞いたところによると、最近ではつよしさんもこの6列目と7列目の間の通路をギターを弾きながら歩いたりするそうです。
先週あたりにこの席のチケットを持っていたら気絶してたかも(笑)残念なような…そんな醜態を見せずに済んでホッとしたような(笑)
そこはさておき…
どなたのレポを読んでも、ファンが進路を邪魔したりせず、そっと見守っているらしきことが書かれていて、この日のスティーブさんやホーン隊のみなさまに対する会場の反応もそうだったことを思い出しました。
つよしさんが、みなさんが大好きで、その場で鳴り響く音楽に大興奮はしても、演者には迷惑を掛けない。
どんなに近くを通っても、近くで鳴る音に接しても、決して触ったり進路を邪魔したりしない。
そんなところがお互いの信頼関係で、ドウモトツヨシという人の知名度からすると、絶対的にハコが小さいわけですが、それでもこのライブが成り立つのは、ファンの側の意識もしっかりしているからなんじゃないかな?なんてまあ自分も混ざった話ですけれども(笑)ちょっと誇らしく思っておこうという話でした(笑)
話は戻って、このスティーブさんのソロからは、更に演奏者のみなさんのテンションがどんどん上がってゆき、次から次へと大技が繰り出されてそれはそれは楽しい時間でした。
バンマスの鳴らすスペーシーで宇宙人ちっくな音も、コーラスのおふたりの美声や会場との掛け合いも、とてもとても楽しかったことをちゃんと日記に書いておきます。