ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 「やっほーしんかんせ〜ん♪」

今朝は午前中、9時から生徒が次々やってきて、最後の生徒が11時からのミナミちゃんでした。
この子は3年生ですが、それはそれはピアノが大好きで、ちょっと前におばあちゃんのうちから40年もののピアノをもらってからというもの、ますますピアノの前に座っている時間が増えたのだとか。
「この子はとっても落ち着きがなくて、学校の先生の話が右から左へ抜けて行っちゃうんです!」とおかあさん。なのに、ご近所さんに聞いたところではとっても成績がいいんですって。
確かに常にいろいろなことに心を奪われて、こんな子どこかで知ってる…と思ったら「窓際のトットちゃん」子ども時代の徹子さんちっくなのだと気がつきました。
またこの子はすっごく面白い感性をしていて、ドレミファを書かせると「ドレミファソらしド」と書いたり(どうも書きやすい方を書くらしいです)指番号を書かせると漢字と数字が混ざったりもします。多分右脳型なのかしら?と思ったり。
そのミナミちゃんに曲のことで口でくどくどと説明すると、途中であきらかに「聞いてないなぁ」という感じになるので、「ちょっと聞いて」とどいてもらって、とりあえずお手本を弾いてあげることにしています。時には「これがミナミちゃんの弾き方」「こっちが先生ならこうするよっていうバージョン」とか言いながら弾いてあげます。
ピアノを弾き始めた途端にあら不思議。ものすご〜くガン見状態になって、次に弾かせてみるとちゃーんとこちらの言いたいことを汲み取った演奏をするのです。
観察力が優れているのがひとつ。そして多分わたしとの音楽的な相性もいいのでは?と思っています。
その次の瞬間には「この挿絵のクマの顔がヘ〜ン」と笑いだしたり、ピアノの椅子の高さを何度もぐるぐる変えたりして、ちっとも落ち着かないのですけれども(笑)
彼女が奇跡的に、何時間でも座ってられるのがピアノを弾いている時なんですって。ピアノの先生冥利につきます。
そのミナミちゃん、いつも前後に生徒がいるので、今日は夏休みタイムで「うしろに生徒がいない」ということがよほどうれしかったらしく「もうちょっと長くなってもいい?」「あと少しやってもいい?」と何度も何度も聞いてきて、わたしも別に大丈夫だったので、なんだかんだと1時間くらいサービスレッスンしちゃいました。
ミナミちゃんが最近猛烈にはまっている曲が「やっほー新幹線」でこの曲は連弾曲なのですが、2か月近く前に終わった曲なのに、毎週レッスンの最後になるとおずおずと楽譜を取り出して「先生?やれる?」と聞くのがお約束になっています。時間があればイエスだし、次の子が待ってるとノーになるわけですが、ノーというと明らかにがっくりするので、今日はそりゃあもうチャンスだったというわけです。
とっくにあがった曲を何度も何度も弾くので、どこかで披露したいくらい上手になってるし、毎度毎度やればやるほど息もぴったりになってきて、だからよけいに楽しいのですよね。
今日やってみたらよほど気持ちよかったのか「ねえ、あともう一回いい?」「あと一回だけ。」と言いながら3回も弾きました。
おかげさまで、「やっほー新幹線。やっほー新幹線」がエンドレスで脳内再生されて困っています(笑)この間奈良往復の新幹線の中でもやっぱり脳内再生が止まらなくなったのですが(笑)この曲のパワーは手ごわいです(笑)
レッスンが終わって満足したとたん「午後は家の前でビニールプールに入るんだよ」と言いながらぴゅーっ!!と風のように消えていきました(笑)
なにかと行動が激しいので、しょっちゅう擦り傷切り傷が絶えないミナミちゃんですが、ご褒美シールは必ず3こゲットして妹と分けっこするやさしい子でもあります。この子の成長をそばて見守れるしあわせ…ただし、さすがにもうちょっと話聞こうよ…と思うこともあるのですけれども(笑)