ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 7月10日(土) 堂本剛 薬師寺ライブ感想 その3 (追記あり)

やっとゴールが見えてきました。
それにしても簡潔に書けなくてすみません。
・Say Anything
この曲もスタートはキーボードソロでした。十川さんの奏でる水が滴り落ちるような繊細な音色に酔いしれます。
初めて聞くようなフレーズがしばらく続いたあと、いつものイントロが現れました。
この「時空」から「Say Anything」の2曲の並びがすごくよかったです。
なんだか原点に帰らなくちゃいけないような、郷愁を誘われるような不思議な気持ちにいざなわれます。
さっきまでつよしさんの「腰」に夢中になっていたのがウソのように(笑)瞬時にして心が「しん」となります。
とはいえやっぱり声は不思議な色気がある母性を感じさせるようなボイスでした。
この曲もホーンの音がとてもいいアクセントになってました。
歌詞のない部分のファルセットのやわらかいロングトーンのきれいだったこと。
緑のレーザー光線がまっすぐに射していたのがとても印象に残っています。
つよしさんの声の音色は英語詩を歌うとまた違う色気や味が出てきて大好き。
これからも英語の歌をいっぱい歌っていただけたらと思います。

・これだけの日を跨いできたのだから
この曲のスタートは長い長いホーンのユニゾン。まるでグレゴリオ聖歌を思わせるような感じだなあと思っていたら、途中から三つの音がおごそかな感じのハーモニーを奏で始めます。
短調で始まったメロディーが、転調してメジャーコードになっていつもの「これだけの〜」のイントロへとつながりました。
確か、このホーンアレンジは昨年のツアーでも使われたものと似てる?同じ?という気もしましたが、記憶が定かではありません。もうちょっと短かったかもしれないですが、全然違ったかも!?(あいまいですみません。)

この曲はつよしさんにとっても特別な曲だと知っていますが、多分それはファンにとっても同じこと。
なんだか身体をゆすりながらこの曲を聴いていたら、いろいろなつよしさん的、自分的思い出がぐるぐるし始めて、このまま入り込みすぎるとヤバイと慌てて空を見上げてみたり(笑)
みなとみらいの空気を思い出してみたり。

たとえば手拍子が入るタイミング、身体をゆするタイミング、これはもう身体に染みついちゃってて、反射的に身体が動いてしまう自分を、もうひとりの自分が不思議な感じで眺めているような…そんな感じがしてました。

ひとつだけ、コーラスにtamaちゃんの声が入っていたら完璧なのにな〜という思いもあって、この曲はやっぱりコーラスさんにいてほしいような気がしました。特に女性ボイスが似合う曲だと思います。

「あふれた涙を〜 愛へと捧げよう♪」からの一連のフレーズはいつ付け加えられたのでしたっけ?ここもすごく聞けてうれしかったです。
後半のフレーズはいつもと同じように、どんどんいろいろな言葉やメロディーが出てきて、言葉とメロディーのシャワーみたいになって上空から降り注いているかのようでした。
「Nah〜nah〜」の掛け合いもだんだん声が大きくなっていって、

「愛に生きて愛に死ね〜♪」

このフレーズがいかにもつよしさんらしくて何度聞いても大好き。そしてここを聞くと「生きる」ということに対してちょっとだけ背筋が伸びる気がします。


・FUNK Session
この部分は、音ももちろんおもしろかったのですが、大講堂をスクリーンに見立てた映像の投影がものすごく素敵でした。
デイリースポーツによれば、

幅41メートル、高さ17メートルの大講堂に、剛自身が地元・奈良を描いたイラストを映写するという史上初の試みを実施。

だそうです。
つよしさんが描いたイラストだというのは実はあの場ではあまりよくわからなかったのですが、映し出された映像の色合いがカラフルで、モノクロの大講堂が次々と美しい色に染め上げられてとても美しくてずっと目を奪われたまま音を聞いていました。
レーザー光線も昨年にも増して豪華で、天井に向かって長い光の柱が交差するように伸びている様子はなんだか神秘的な感じすら覚えました。
お堂の奥の弥勒三尊像も照明に浮かび上がってピンクに見えたり、やけに存在感を持ってそこにいらっしゃいました。
また正面だけではなくて、舞台と反対側の金堂の屋根にも細かい模様のような映像が次々と形を変えて映し出されたりしていて、あっちを見たりこっちを見たり忙しかったです。
水煙にもレーザー当たっていたと友人に聞いたのですが
一方でアップされた薬師寺日記には、

薬師寺の塔は「凍れる音楽」と称されるように大小の屋根が重なり「三重の塔」を成しています。塔の上層部には「水煙すいえん」があり、ここにも音楽を奏でる笛吹き童子が透かし彫りされています。

と書いてあり、いろいろと想像力の翼が広がりました。
音楽そのものは、最初はわりとゆっくりまったり音の数も少なめに始まって、だんだんに音の厚みが増してゆきました。
途中でいろんな方がソロを取ってゆくのですが、その人が鳴らす音によってどんどん新しい方向へと音楽が方向転換していくさまがおもしろかったです。
そして次第に各人の音が一見混沌としているかのように見えたのですが、よく聞くとちゃんと一定の秩序を持って統一感があるのがすごいと思ったりもしました。
最後の方になるとどんどん音楽がaccelerando(加速)していって、音と光の洪水のようになって、これは収拾がつくのかしら?と思っていたら、とてもとても壮大に気持ちよく終了。
いつものライブと比べると決して時間が長いライブではなかったですが、後味がとてもよくて満足感が大きかったです。

☆印象的だったMC

・バンドメンバー紹介した後、最後に『奈良に流星のごとく現れた、堂本剛です』と言い、自分で言った癖にテレ笑いしてました。

・おとうさん、おかあさん、おじいちゃん、おばあちゃん。祖先がひとり欠けても命は繋がらない。

・愛は求めるだけじゃなくて、こちらからも与えるもの。

・奈良には心の教育がある。

・奈良は何かを求める場所ではなくて、自分で決めて行く場所。

・奈良のテーマというと、空とか宇宙とかが浮かぶ。

・FUNKしたあとで「汗ばむわ〜」とひとこと。
このあとのMCで、「空の移り変わりを感じながら楽しんでください…」とは言ったものの、それどころじゃなかったでしょう…的なことを言っていたと思うのですがまさしくそうでした。

・「話は変わりますけど…」女のひとのハイヒールは本当にマンホールの溝にはまるのか?と聞いてらっしゃいました。
(「しんどい」で山田優ちゃんが溝にはまって、まさしくつよしさんが引っこ抜いてあげたシーンがありましたよね。忘れちゃった?つよしさん、笑)
「それから、ハイヒール履いてきた人」と手を挙げさせて「奈良にハイヒールで…!?」とちょっと大げさに驚いた風に言ってました(笑)


・ 奈良は行きたい場所は自分で決めていくのが一番良い。今日も明日も観光される方多いと思いますが、1日とは言わず、一週間、一ヶ月と滞在してもらえたらなと思います。

・鹿に食べ物をあげないで。紙袋も食べられてしまいます。鹿も海の生き物と一緒で、ビニールを食べて詰まらせて死んでしまうことがあるので、あげるのは鹿せんべいだけでお願いしますと言ってました。


・「ここにいる人たちすべてを愛しています。なぜかというと、愛せない理由がないからです。」ってさらっと。男前〜。


・リハーサルをしている時に、西の空に虹が出ているのを見てとてもびっくりしたのだそうです。
虹というのは漢字で書くと「龍」という意味があるのだそうで、薬師寺といい虹といい龍神さまとのご縁がるというお話だったと思います。
あとでこの辺の話があいまいだったので、ちゃんと調べたいと思いwikipediaで調べたら

「虹」を意味する漢字に虫偏が多く存在する点を見ても解る通り、中国語では、虹を蛇や竜の一種と見なす風習が多い。明確に龍虹と呼ぶ地域(広東省増城市)や、「広東鍋の取っ手の龍」を意味する?耳龍(広東省台山市)と呼ぶ地域もある。このような例は世界各地に存在する。

と書いてありました。

☆感想
・今回は友達たちの中に行きたくてたまらないのにさまざまな事情で行けない人が何人かいて、その方たちに捧げるつもりで感想を書きました。
次回こそ彼女たちも参加できますように。見たいと思う人が全部入れるような場所で、いつかライブが見れますように。たとえば平城宮跡とか平城宮跡とか…。

・並んで待っている時も、会場に入ってからも、たくさんの男子を見ました。男子たちはほとんどが明らかにつよしさんの影響を受けている服装をしていて、アシメトリーな髪形だったり、弥勒ヘアだったり、奇抜な柄 on 柄の服装をしていたり、いろいろな時期のつよしさんを思わせる方々を見ました。
若い男子二人組もたくさんいて、しかもそういう子たちがいることがだんだん普通になってきてるのがすごいと思いました。
完コスの子も結構いて、後ろ姿にドキっとして思わず固まったことも数回。
逆に普通の服装のどこにでもいる男の人が少なくて、ひとりそういう人が通りがかったとき、「見てみて、あの人普通だよ!」と友達に教えてしまったほどレアでした(笑)

・まだ感想が書けていませんが、ここのところ昨年の薬師寺ライブのDVDにあまりにもはまっていたので、昨年のがよかったとか思ったらどうしよう…とか、あれ以降新しいアルバムが出たわけではないから、同じような曲なのかな?とか思ったりもしたのですが、いい意味で裏切られました。
まさかケリー的なもの、FUNKYなものがくるとはあまり思っていなかったのですが、昨年のテイストも残しながら、昨年とはまったく違う要素も加わってよりおもしろいライブになっていてうれしかったです。

・特に今回のわたし的興奮ポイントはホーン隊だったみたいです。
中学の時に吹奏楽をやっていたので、ホーンの音が個人的に大好きだということもあるのですが、やっぱりENDLICHERI☆ENDLICHERI以来の厚みがある音楽が久しぶりに聴けてとてもうれしかったです。
バックの音が厚いと生半可なボーカルだと負けてしまうと思うのですが、つよしさんのボーカルはどんなにバックの音が厚くなっても負けたりせずレーザー光線みたいにまっすぐに届くし、多彩な音のシャワーは音の曼荼羅みたいで意外にもとてもお寺でのライブに合うと思いました。
音が厚いだけに、ご近所は大丈夫なのかしら?という心配はありましたが。

・欲を言えばこれにコーラス隊がいたら完ぺきだったのにな〜…とちょっと思いました。
いないのにTAMAちゃんの声が勝手に脳内再生された部分が何箇所かありましたよ!!

・昨年のDVDの中で刻々と夜に向ってゆく空の様子がとっても素敵な効果を発揮していたので、今年も日暮れの光景を味わうのをとても楽しみにしていたのですが、残念ながらちょうど日暮れの時間帯はFUNKタイムで、飛んだり跳ねたり穴があくほど見つめたり…それどころではありませんでした(笑)
我に返った時は日がとっぷり暮れていてびっくり。なんて残念。でも楽しかったから後悔はありませんよ、もちろんですとも!!

・今回のライブのキーワードのひとつに『二面性』ということがあるような。
正直にまっすぐに愛を伝えストレートに神がかりな声で歌うつよしさんと、FUNKしている時のいたずらっ子顔や色っぽさ全開の愛され顔。
どちらも欠かせないつよしさんのふたつの表情が、ひとつのライブの中でなかよく喧嘩せず同居していた印象を持ちました。
そしてこの方はまだまだわたしたちに見せてない顔や見せていない音楽的引き出しがたくさんありそうな、そんな感じを覚えました。
これからもずっと彼の音楽に触れたいし、どんな風に彼の音楽が進化していくのか、とてもとても楽しみです。

ちなみに、この「二面性」というキーワードはわたし的に、今回の旅全体を彩ったキーワードでもあって、見る角度によって違ってみえる仏さまや二面石など、たまたま行った場所で見たものがいろいろとどんどんその時の気持ちやライブの感想ともリンクしていってとても面白いと思いました。
(その話はまた別途旅の記録で書きたいです。)

追記:感想にぜひぜひ入れたかったことをひとつ思い出しましたので、追記しておきます。
今回のライブでは、つよしさんがまったくイヤモニを気にしたり、音がJAMってるのかしら?コントロールが大変そう?と思う場面がありませんでした。
野外だし、決して音響が完璧とは言えなかったのではないかと思いますが、終始穏やかに彼自身もその場で鳴っている音楽をとても楽しんでいるような感じがあって、それを見ていたわたしもとてもとてもしあわせな気持ちになりました。
この日だけだったのかなぁと思っていたら、前日参加の友人のひとりも同じく「イヤモニとか全然気にしてなかったよね!?」と言っていたので、きっと両日そうだったんだろうなあと思います。
ほとけさまのふところで、心を全部ゆだねて安心して音楽ができたのだとしたら…ほんとによかったなぁと思ったのです。
つよしさんのファンってみんなそうだと思うのですが、どこか「彼のしあわせはわたしのしあわせ」…って思っているところがあると思うのです。
というわけで、そこにいたみんながしあわせになれたライブだったと思う…と締めくくりたかったことを今思い出しました。
また思い出したら追記するかも(笑)