ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 い・いそがしい…

 なんでこんなに忙しいんだろう!?と思っていたのですが、考えてみたら現在生徒は19人ですが、その中に1週間に2回来ている生徒が3人いるんです。
ひとりは高校一年生ですが、もう音大進学を決めている子。ひとりはうぜーよ姫のおねえちゃんのNちゃんで、4月から保育士になる勉強がスタートします。
そしてもうひとり、新しい子が入ってきました。この子Mちゃんは18歳。Nちゃんと同じく保育士志望で、4月から保育専門学校に入学が決まったそうで、以前うちに来ていたRちゃんの紹介でやってきました。
びっくりしたのは彼女、ピアノに触ったことすらないという初心者です。
「そういう学校に行くのなら、普通ピアノが弾けなきゃヤバいんじゃない!?」と言われて始めてピアノをしなきゃならないの?と気がついたのだそうです。近所のピアノの先生のところに相談に行ったら、「今からうまくしてあげる自信がありません。」と断られたんですって。それで以前にうちに来ていたRちゃんが「絶対に断らないし、どんなにひどくても見捨てない、そこだけは自信を持って奨められる先生」としてわたしを紹介してくれたらしいです(それって自慢していいところなんだかは別として、笑)
確かにイエスマンだけどさ。ぶちぶち。確かにRちゃんには散々悩まされたけどさっ!ぶちぶち。
でもそんなRちゃんもとっても上手になってうちから卒業していったのだし、3年も前にやめちゃったのに「信頼できる先生」としてわたしを推してくれたことが何よりうれしかったし…ということでいろいろ問題は山積みでしたが引き受けることにしました。
当然ながら楽器も持っていないので、とりあえずお友達に借りたという3オクターブのキーボードで、楽器を工面しなくてはいけないということで、なるべく楽譜代とかは節約しようということで、うちにある楽譜やRちゃんが以前に使っていた楽譜を借りまくって前途多難にレッスンがスタートしました。
どう考えても4月の入学までに急にピアノがバンバン弾けるようになるとは思えませんが、とりあえずちょっとでも進めておこうという話になって、半分ボランティアで週に2回面倒をみることになりました。
ところがうれしい誤算があって、この子はとってもピアノに向いているらしいことがわかりました。小さいキーボードではありますが、初心者にしてはものすごいスピードで練習が進んでいるし、手のフォームも一度でしっかり理想的な形が作れたし、手首も指先もまったくぐらぐらせず動かすことができます。
破格なスピードで2週目にして簡単な伴奏なら両手で弾けるようになりました。スバラシイ!!
ただ…この子はすっごいおっとりしたかわゆい女の子なのに、典型的なギャルメイクで超腰パン。素足にド派手なキティーちゃんのサンダル履き(笑)今日ピアノの椅子に座ろうとして上着を脱いだらおしりの割れ目が半分以上バッチリ見えちゃいました。ひゃーっ!!目のやり場に困る〜@@@@
そんなしどけない恰好で「メリーさんの羊」とか「ぶんぶんぶん」とか、ものすご〜く熱心に弾いているのを不思議な気持ちで見入っちゃいました。
「先生にあって〜ピアノ、こんなの弾いちゃって〜すっご〜く〜うれしいんですぅ!」な〜んて盛ってるまつ毛バシバシで、にこにこしながらおっとりと言うのでまっいっか。
黙って眉間にしわを寄せてるとちょっと怖いけど(笑)笑うと50%増しで超かわいい彼女に、こっちも笑顔になりつつただ今奮闘中。
 一方のうぜーよ姫のおねえちゃんのNちゃんは、前にも触れましたがなかなか上手になれずに2度ほどやめたのですが、いずれも自分でまた弾きたいと言って戻ってきてくれたものすご〜く骨がある子です。
ちょっとうまく行かないとすぐに泣いてしまったり、怒り出したりしちゃってなかなかレッスンが進まないこともしばしばですが、今回は保育士への道が拓けかけたこともあっておかあさんと「絶対に投げ出さない」と約束して戻ってきました。
彼女は脊柱側湾症とか弱視とか、いろいろと重たい荷物を背負っていますが、共働きでいつも忙しい両親に代わって9つも年下の妹(うぜーよ姫)のめんどうを見たり近所の小さい子たちを遊んであげるのもとても上手です。
飼っている犬の散歩は夜9時に帰って来たってちゃんと欠かさず行くし、犬を洗うのも小屋のお掃除もいやがらず全部ひとりでできるすごい女の子で、とにかく面倒見がいいのです。こんなに保育士に向いてる子はいないとすら思ってます。
多分彼女が部活が忙しくて練習できない間に、妹がどんどんピアノがうまくなっちゃったのも自信がなくなっちゃった原因のひとつだと思うのですが、なんとか大学入学を前に彼女に自信をつけてもらいたくて、あえて週2回のレッスンを溜めておいて、ボランティアも含め、先々週から日曜日を挟んで9連続レッスンというのをやりました。毎日毎日30分、わたしがあいてる時間に来てもらって、徹底的にふたりで練習したのです。
途中で「本当にこれでうまくなるのかなぁ?」と迷ったこともありましたが、とりあえず信頼関係は今までのどの時よりも築けたと思ったし、金曜日あたりからちょっとずつ彼女のピアノが変わり始めて、とうとう今日、かなりむずかしい半音階のフレーズが片手ならほぼ完ぺきにばっちり弾けるようになりました。
大学から与えられた宿題はバイエル106番なのですが、現在彼女がやっているのはバイエル73番。
本来ならここからまだまだ1年かかってやっとたどり着くくらいの曲ですが、なんとか超スローに練習を重ね、両手でも短いフレーズならちゃんと合わせられるようになりました。
手に手を取り合って「よかったね〜」と言ったら「わたしだけ大変なんだと思ってたけど、先生も実は苦しかったんだね〜なんだかそんな気がした!」と彼女がぽつんと言いました。なぜそう思ったのかわからないですが、今までことピアノに関しては、自分だけで精いっぱいだった彼女が、そんなことを言ってくれたのがとてもうれしかったです。そういえば、ここ1カ月、アンタ一度も泣いてないじゃない!?と言ったら、そういやそうだったと本人もびっくり(笑)
あとは今月分のレッスンをあと8回して(今日までのは2月分です)来月の最初に大学に入ります。
これからも前途多難が去ったわけではないですが、ちょっとだけ光が見えた気がするので、困難な事態になっても、一歩一歩前へ進んでいけたらいいなあと思っています。
 もうひとりの高校一年生に関しては現在は落ち着いてますが、この子は全国大会クラスの吹奏楽部に所属しているので、レッスン時間がいつも8時とか8時半スタート、土日になってしまうのが大変なところなのですが、こういうことがいくつもいくつもたまたま重なったので、なんだか忙しかったんだなぁと、今日初めて気がつきました。そのくらい必死だったのかも(笑)
ちょっと光が見えてきたので、ほっと一息の今日なのでした。
 そういえば今日うぜーよ姫が「先生、この曲歌いたい」と言った曲は「気球に乗ってどこまでも」でした。
この曲は昭和49年のNHK全国合唱コンクール、小学校の部の課題曲でした。この曲が平吉毅州氏が作曲された曲だたというのは、今日初めて知りました。当時小学6年生だったわたしは県大会で歌った思い出の曲だったのです。びっくりです。
当時のわたしはとってもとってもピアノの伴奏がしたかったのですが、学年にずっとピアノが上手い子がいて、オーディションに落ちてアルトを歌うことになりました。
ところがどっこい、今日歌詞とコードだけの楽譜を見たら、ほぼ完ぺきにピアノの伴奏を覚えていて弾ける自分に気がついてびっくり。多分当時選ばれなかったのが悔しくて悔しくて一生懸命練習したんだろうなぁと思われます(笑)
そんなわたしが30年以上経って自分の子よりもずっと小さな生徒の伴奏をしながら、ふたりで二部合唱をしているなんて誰が想像したでしょう(笑)
うぜーよちゃんは「キレイにハモってる」ということがただただうれしくて、目をきらきらさせて歌ってました(笑)
そこへまさしく次のレッスンのために入ってきたNちゃんも、おうちでうぜーよ姫とこの曲を歌ってたとかで、目で合図したら自然と歌に入ってきてくれて、姉妹の生徒と3人で歌える至福の時を堪能させていただきました。
そのあとにさっきのエピソードがあって、Nちゃんが二段くらいの壁を乗り越えてジャンプアップしたという…終わってみればとてもいい日でした。
こういう素敵なことがあるから、混沌とした日々もなんとか乗り越えられるのだと思いました。相変わらずしばらくはスケジュールがキツいですけれども(笑)とりあえず新大学生たちふたりの学校が始まるまでは、行ける所まで行くぞーという覚悟です(笑)