ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 ふたつの「わーい!」

 先日話題にしたおためしレッスンのAちゃんが無事わたしの生徒になってくれることになりました。
 来月からの予定でしたが、本人が「ピアノやりたい!すぐやりたい!」と言ってくれたと言うので、とりあえず4月は半分だけお月謝をいただくことにして、来週早々に来てくれることになりました。うれしいです。
 ゆっくりAちゃんとなかよしになりたいです。そしてAちゃんにもゆっくり末長くピアノとなかよしになってもらえたらと思います。
 さて、もうひとり。Mちゃんの話を。彼女は中学2年生です。幼稚園の年中さんからピアノを始めてピアノ歴は10年目。とても真面目ないい子ですが、とっても不器用でもあって、スローペースながら皆勤賞。いまだに練習シールも必ず毎日貼ってあって、相当な努力家です。
 この子が昨年春あたりから、突然楽譜のヘ音記号の部分にドレミを書きこまないと弾けないと言いだして、びっくりしました。それまでは普通に書かずに読めていたのだし、どう見ても読めないとは思えなかったのです。
 ピアノの先生ならみんなそうだと思いますが、楽譜に指番号を書くことはあっても、音をドレミで書くのは「ダメ!」というのが普通で、わたしも他の子には余程♯や♭やナチュラルでごちゃごちゃしない限り、楽譜にドレミは書き込まないし、書きこませませんが、この子はかたくなにどうしても書かないと弾けないと言うのです。
 いろいろ考えた末、多分これは精神的な問題だな!と思ったので、ここ半年、彼女が書くままにまかせてきました。
 とはいえ、今後彼女がもっとうまくなるためには、なんとしても「楽譜に書きこみしちゃダメ!」というべきなような気もして、何度も「言うべきか言わざるべきか」「ほっとけばそのうち書くことが面倒になるんじゃないかしら?」とか迷いに迷っていたわけなのです。
 一方彼女は、本当に練習熱心なので、一度も忘れることなく(笑)必ずレッスン前に几帳面な字でヘ音記号部分にだけ、毎週毎週必ずドレミを書きこんでレッスンに持ってきてました。
 たまたま書き残した部分を見つけて、この音は?と聞くとちゃんと「レ」とか「ファ♯」とか答えるのに、気がついてしまうと慌てて鉛筆を出して書き足してしまいます。
 いろいろと迷いながらも、とりあえず黙認しつつ半年が過ぎたわけですが、先月末から突然「もう書かなくてもいい」と自分から言い出して、普通に弾いてくるようになりました。もちろん書いていた頃と全然遜色なく、上手に弾いています。
 自分で壁を乗り越えたので、彼女にとっても大きな自信になったのか、ブルグミュラーがトントンと上がるようになりました。今週は自分で持ってきたちょっとむずかしい「星に願いを」にチャレンジしたいと言ってきました。すごいです!!本当によかったです。
 彼女は今現在、「将来はもしかしたら保育士さんになるかも!?」と思っているそうで、ここまで10年かかったとはいえ、このペースでもうしばらくがんばれば、ピアノの実技試験は余裕だね!と話しています。
 いろいろな子がいますが、10年後、Aちゃんもピアノを楽しんでくれているでしょうか!?
 もちろん音大に進む子や音楽を仕事にする子が育ってくれたらしあわせですが、それが第一目標ではなくて「ピアノを一生の友にできる人を育てる」というのがわたしの教室の第一目標なので、そういう子がたくさん巣立ってくれたらいいなぁと夢見ています。