［仕事］［KinKi Kids］ 楽器店で。

　今、ふたり目の生徒が帰って、住所録の続きをやろうとパソコンを開いたはずなのに、また油を売っているレインです。
　先ほど楽器店で生徒とおかあさんに会いました。「ポリフォニーに親しんだ方がいいってお友達から聴いたのですが、何がいいでしょうか？」と言われたので、「今彼女が弾いている『かぶとむしがきょうだいで』という教材はポリフォニーの導入課題なんですよ」というお話をしたら「へぇ〜そうなんですか。もっとむずかしいものをイメージしてました。あれはおもしろい本ですよね」とおっしゃって、ひとしきりその本の話に花が咲きました。
　そもそもポリフォニーをWikipediaで引くと「複数の異なる動きの声部（パート）が協和しあって進行する音楽」と書いてあります。要は片っぽが伴奏じゃなくて、右手も左手も対等にメロディーを弾く音楽のことなのですが、バイエルからブルグミュラー、ソナチネという経路を辿るオーソドックスな経路をたどるとなかなかこういう音楽との出会いがありません。
　いきなりバッハのインベンションあたりから入ろうとするとかなり敷居が高いし、急にむずかしくなったように感じてしばらくアレルギー状態に陥ったりします（笑）
　わたしなんてまさしくポリフォニーに親しまずにかなりのところまで進んでしまったダメダメなパターンだったので、生徒にはなるべく小さいうちにポリフォニーに親しませてあげたいと思っているのです。

かぶとむしがきょうだいで (ピアノで語る音楽)

　この本を作られた中村佐和子さんという方はわたしが通っていた大学の先生で、わたしは直接教わったことはないのですが、その評判をよく耳にしていた方なのです。
　教材として何がおもしろいかというと、曲に歌詞がついていて、それが輸入盤の子ども用楽譜についているような陳腐な訳ではなくて、かなりユーモアに富んだイメージが沸きやすい曲になっています。タイトルも「パパのくつをはいて歩く」とか「いまはひとりでいたいの」とか「きむらさんのうちはどこですか」とか「ぼくのポチはどこにいる」とかとてもおもしろいです。弾き方についての注意書きもイタリア語で書いてあるのではなくて、日本語で「いばって」とか「楽しそうに」とか書いてあってわかりやすいです。
　メロディーがまたユニークでわくわくします。オリジナルな曲ばかりなので、子どもの評判はどうかな？と心配しましたが、以前に買ったディズニーの曲やわらべ唄をポリフォニーに編曲してあるものよりもずっと子どもたちの評判がいいです。知っている曲ならなんだってOKだというわけではないのだなあと思います。たとえ小さな子どもだって、曲を知らなくったって、いい曲はいい曲だとちゃんと認識するのだなあと再確認した教材です。
　さて、そんな話をしつつ自分用の楽譜を探していたら、後ろの方で声がして驚いたことに「KinKi Kidsの楽譜を探しているんです。」という声が。ええ〜っ！？（笑）
　生徒もいたし時間をかけてこっそりさりげなく後ろを振り返ると５０代後半とおぼしき女性が一生懸命に楽譜を探しておられました。
「そんなにむずかしくないのがいいんです。」とおっしゃっていて、店員さんと一緒にKinKiの楽譜を片っ端から拾い出しています。
　たまたま彼女がオレンジの楽譜を手に取ったので、テレパシーで「それにした方がいいよ！それ、それ。すごくいいアレンジだし、そんなにクソむずかしくはないし、『雪白の月』とか絶品だから！！『Anniversary』もなかなかだし〜」と思わず念を送ってしまいました（笑）本当は声に出して言いたいくらいだったのですが、恥ずかしいし（笑）まだ生徒は聞こえる距離で楽譜を物色しているし…（笑）
　ということで、しつこく念を送り続けた成果だかなんだか、無事にその楽譜をお買い上げ〜なんだか関係ないのに気合いを入れ過ぎてくたびれました。
　ちなみに前にも紹介した気がしますが、もっかい紹介しておこうかな。

ピアノソロ 中級 ベストヒッツ Secret Code/永遠に/愛のかたまり 「涙、ひとひら」「雪白の月」他全14曲

　この楽譜、いいですよん。とってもアレンジがよくて気にいってます。さっきamazonに見に行ったら、改訂版が出ているみたいです。わたしが持っているのには、まだ「Secret Code」や「涙ひとひら」は載っていませんでした。
　KinKi Kidsの楽譜で、弾きやすいわりに弾いていて気持ちよくなれるアレンジがいいものをお探しでしたら、お勧めです。