ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

[仕事] 中級のレッスン

 わたしがものすごく熱を入れているのは、学生時代から変わらず導入レッスンなのですが(ゼミのテーマでした)、今は中級の子がたまたま増えて、毎日ブルグミュラーあたりからソナチネ前半の子がやってきます。
 ピアノの方に注目をひきつけるだけで大変な初級のレッスンと違って、この辺りをさらっている子どもたちのレッスンは、音楽的にとっても刺激的で面白くてたまりません。音の間違いとか、リズムを直したりするだけのレッスンは卒業。それぞれが弾くピアノにも個性が様々に出てきて、同じ曲をやらせても全然違う弾き方で弾いて来るこどもたち。すごいねぇとかそれはちょっとやりすぎとか、一緒に話をしながら曲を仕上げるお手伝いをするのも楽しいです。
 「こうやればもっと素敵」とか「ここすごいから、もっと強調した方がいいよ」とかほんのちょっとだけアドバイスしただけで、みんなのピアノが劇的に変わっていく様を見ているのも楽しいです。
 ただひとつ心配なのは、中級近辺の子どもたちは小6や中3の子が多くて、新学年になった時続けてくれるのかどうか?!最初のハードルは中学にあがる瞬間にやってきて、陸上部とかバレー部とかテニス部とか、運動部に所属すると間違いなくレッスンに通う時間が取るにくくなくなるのです。それと並行して、もちろん練習する時間も。
 そこを乗り切ればたいがい中3まではやめずにがんばれるのですが、小6辺りにやってくる山は結構手強いです。音大進学を考えている子は別として、趣味としてのレッスンからの卒業目標は、一応楽譜を見て、自力で好きな曲を弾けるようになること、「月刊ピアノ」に載っているくらいの曲は楽勝で弾けるようになって、楽しめること。ひいては一生音楽を友として、元気がなくなった時に音楽に助けてもらえるすべを持つこと・・・そこまではもう1歩。あと少しなんだからやめないで・・・と毎回思うのですが、生徒の方にも事情があるし。毎回この時期は落ち着きません。
 ただ、最近うれしいことがひとつありました。それは中3のある女の子のお話です。その子は中3の3月になった時点で一度、しばらく休みたいと言っていた子です。うぜーよちゃん(幼稚園時代、この言葉が口癖で、「うぜーよ」ばっかり言っていたので、このあだ名が定着している彼女です。今はお嬢様私立小学校に入学したので、うぜーよとは言わなくなりましたが、笑)のおねえちゃんです。
 やめる間際、同時にスタートしたまだ年長さんの妹に、ピアノの進度で追い越されてしまい、受験も手伝って、ピアノにくじけてイヤになってしまった子なのですが、この子がある私立高校に合格し、またレッスンに戻ってきました。
 わたしが当時、うまく姉妹の教材を別々に選んでいれば、こんな風に本人たちが比べられて傷つくこともなかったのに・・とものすごく後悔した女の子です。
 彼女が決然とした顔で、「もうやめませんから、また教えてください!」とやってきました。今度こそ、じょうずにレッスンをして、彼女が楽しく妹を気にせず練習できるようにしてあげられるかどうかは、わたしのスキルにかかっている気がします。実を言うとあんまり自信がありませんが。一緒にがんばろう!おねえちゃん!!
 今年小学校を卒業する子が3人、中学校を卒業する子が3人・・・う〜ん、6月ぐらいに生徒が何人になっているのか?!・・・個人経営だけにとっても心配です。
 とりあえず転ばぬ先の杖。ただ生徒募集のチラシを新たに作成中です。