ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 トルコ行進曲

 朝一番で生徒が来ました。本当は9時からなのに、8時40分には来て大わらわ。服はもちろん着替えてありましたが、廃品回収用の新聞やたまりにたまった雑誌を縛ったりしていたので、髪の毛は無造作に結い上げてあっただけだし、ノーメーク。フリースにエプロンというスタイルで、外にいたのでした(笑)
 あまりにも早く来たので、「悪いけどレッスン室で指ならしをしていてくれる?!」と言いおいてとりあえずエプロンを取ったりもろもろの用事を済ませていたら、先週あげたばかりの「トルコ行進曲」がすでにかなり仕上がっている状態で聞こえてきて、驚きました。確か彼女はちょっと前まで初見演奏が極端に苦手だったはず。
 「この子はこういうタイプだから」とか「それがこの子らしさだから」とか、「こういう曲が似合う」とか、もっと単純なことで言えば「この子は手が(背が)小さいから」とか、わたしが余計な先入観で生徒を見てはダメだなあと思います。
 大人だってそうですが、特に子どもは日々成長するし、きのうまでできなかったことを、今日になって楽々クリアーしていたり、ある日気がついたら、背丈も手の長さもやすやすわたしを追い抜いていたりもします。
 彼女のことは、極端に初見が苦手だと思い込んでいたから、確かレッスンノートに「片手でもいいです!」と書いたのですが、全然問題なく両手で、しかも強弱やrit.(リタルダンド:速さをゆるめる)まで、きちんとそのとおりに弾いているではありませんか。わたしが勝手に「この子はここまでできれば十分」なんて天井を決めてしまっても、彼女のように先回りしてやって来てくれればいいのですが、そんな子ばかりではないし。もっともっとポジティブな言い方や考え方で、フレキシブルなレッスンができるといいのにと思います。