ふぇるまーた2

かたよらず、こだわらず、とらわれず。好奇心のおもむくままにどこまでも。

 いよいよ教室移転です。

 パソコン教室が統廃合されることは前に触れましたが、現教室での最後の授業でした。1年半通った場所なので、最後となるとちょっとさびしいです。いつも帰りに寄っていたドラッグストアと本屋さん。たまに寄ったパン屋さん。TV誌やスポーツ誌をチェックに走ったコンビニ。定期的にここに来ることはないんだなあとちょっとさびしいです。
 とはいえすごくうれしかったのは、大好きなH先生も、わたしと同じ教室に転任されることがわかったことです。H先生は、わたしが入学して早々に新人として入って来られた20代前半、バラというよりもかすみ草が似合いそうな、ふわふわっとした感じのかわいらしいお嬢さんです。
 最初の頃はあまりにも不器用で、まわりの優秀な先生たちによってたかって叱られている姿を見てしまったり、お年寄りの生徒さんに「わからないよ」と舌打ちをされたりして、見てられないなあと思ったものでした。かく言うわたしだって質問したいことは「できれば別の先生に」というのが本音だったのですが、だんだんに状況が変わってゆきました。
 彼女以外の先生方は皆さんとても聡明そうで、いかにもパソコンの達人という感じだったのですが、そんな先生方は誰もかれも長くは続かず、途中ですぐにやめていかれるのです。やめられるといつの間にか別の優秀な先生が補充されるのですが、その方もすぐやめてしまう。そんなことが3回くらいありました。生徒の側からすると、やっと新しい先生に慣れた頃に交代というのは案外ストレスになるし、教室のシステムとして、お別れを言わずにやめて行かれるので、「見ないなあ」と思っていたらいつの間にか別の先生に代わっていて、後味が悪い感じがしていたのです。
 ところが、周りの先生が辞められては、とばっちりでどんなに忙しくなっても、逆にどんなに生徒が少なくなっても、H先生は変わらずいつもマイペースで授業を続けられ、気がつけば教えることにだんだん習熟してきて、どんどん授業がわかりやすくなりました。物腰がやわらかいし、腰が低いのでお年寄りにも大人気です。ペースの遅いおじいちゃんたちは、優秀で頭の切れる先生を避けておっとりとやさしいH先生ばかり呼ぶし、わたしたちも、いつも誠実に同じ目線に立って授業をしてくださるH先生が大好きになっていたのです。
 わたしは彼女にパソコンを教わると同時に、生徒への接し方をも教えていただいた気がします。せっかくいい先生に出会えたのに、またお別れかと思うとさびしくてしかたなかったのです。
 そうしたら、冒頭に書いたように、同じ教室で11月からまた、残り10回の授業をご一緒していただけることになったのです。
 新しい場所へ移るのは本当に心細いのですが、「H先生も一緒なら大丈夫」と安心しているわたしがいます。彼女に出会えたことも、パソコンから得たもののひとつです。
 そういえば今日、初めて入力で1051字を記録しました。1000字を超えたのは初めてです。今までの最高は999字だったのです。まだまだアベレージは800代後半なので、検定のボーダーライン900がコンスタントに出るように、精進(?)したいと思います。