この日の朝拝はいつもより若干遅めの午前7時からと聞いていました。
5時半に起きてコーヒーだけ飲んで、早朝の道を洞川から約30分下って、いつも通り、天河神社に向かいます。
BGMはもちろん神社に近づくにつれて、当然のように「縁を結いて」。
これだけはオットもまた恒例だと思っているようで。
気がつけば夫婦で熱唱していたりして(笑)おもしろいです。
一緒にセットのように必ず「赤いsinger」や「赤い鼓動のHeart」も聴きます。
これらの曲たちは、とても天川に合う気がしています。
これらの曲を歌う堂本剛さんの声は少し儚くてまっすぐ。
もう何十年もファンでいるのに、変わらず清らかで魅力的な歌声だなぁといつだって惹きつけられながらそう思います。
そんなこんな雄大な景色を見ながら、つよしさんの美声を聴きつつ、ご機嫌なドライブをして・・・少し早めに神社の敷地へと入って行ったらすでに駐車場にはたくさんの車!!
朝拝でこんなに車がたくさん停まっているのを見たのは初めてかも。
先に少しだけ坪内の周りを歩きました。
雨なので、上を見上げて山の方を見るとすごく煙っていて霧がたちこめて幻想的です。
そして来迎院の大銀杏の木。
まだ葉が少なくて、少しさびしげでした。
若葉は少しずつ出てきているのですけれども。
少し遠目から見るとこんな感じです。
下に目を移すと・・・このお宅のシャクナゲがとても綺麗でした。
さて。
時間になって朝拝へ向かいます。
朝拝もまた、日によっては4~5人とか言うこともあるのですが、この日は何列分も椅子が用意してあって、ほぼ埋まっていました。
1日だったので、いつもより少し長い朝拝があり。
祝詞や御真言や般若心経を唱えた後で、君が代を歌いましょうということになりました。
そうか、今日が改元の初日だからだ・・・とすぐに気がつきました。
この歌の生まれた経緯について、意味するところについては諸説ありますが。
いろいろな解釈や、あと付けのさまざまな事情は置いておいて。
この瞬間、この日この場所にふさわしい歌だと感じました。
天河さんの神職のみなさまの、いつものありとあらゆる生き物にやさしい姿勢
「生きとし生きるものがすべてたいらけく、やすらけく、平穏無事でありますように」という心のありようを、重々知っているからかもですが・・・
とても素直に、おごそかな気持ちで歌いました。
そのあとで「今日は一日の日なので」・・・ということで、いつもは下から祈るだけですが、わたしたちたまたま居合わせて朝拝に参加した人たちも、階段を登っていって、神さまのそば近くで手を合わせていいですよとお許しをいただいて登段。
ドキドキしながらお参りしました。
そして、朝拝のあと、この日のご朱印をいただいて・・・
平成令和を跨ぐ、御朱印の見開きが完成しました。
年号跨ぎとか、あまり意識していなかったのですが、いざ並ぶとうれしいな。
それが大好きな心のふるさと、天河神社のご朱印だということで、うれしさもひとしおです。
それから、いつも「ここでだけ」「来たら必ずひく」と決めているおみくじを。
オットもわたしもたまたま揃って大吉!!
しかも二人とも書いてあることがぜんぜん違っていて、気のせいかも?だけどオットにはオットに必要なこと、わたしのにはわたしに必要なことが書いてあった気がして、おもしろかったです。
さらに「いい運勢です!」と手放しで書いてあるわけではなく、いろいろと転ばぬ先の杖的なことも書いてあって、それがとても納得できるものだったので、手帳に挟んで、迷った時などにこのおみくじを開こうと思いました。
さて。
一旦朝ごはんを食べたり、チェックアウトのために洞川まで戻り、再度10時ちょっと前に「践祚改元奉告祭斎行」に参列するためにやってきました。
今度はさらに車がたくさん。
見たこともないような大きなバスも見かけて、特別な日なのだなぁと実感しました。
いつもの駐車場がいっぱいなので、お隣の敷地に停めることになりました。
拝殿へ上がっていくと、すでにたくさんの人がいて。
この能楽堂のところにも椅子がびっしり。
この画像は終わってから撮らせていただいたもので、わたしたちが入って行ったときは、ここはほぼ満席。みんな人が座っておられました。
遠くからこの日に合わせてわざわざ来られた来賓やこの神社ゆかりの方々もいらっしゃったと思うけど、小さい子や赤ちゃんもいたし、ご近所の氏子さんたちもたくさんいらしていたのでは?と思ったし、わたしたちのようなたまたま居合わせた旅行者も多数くいて。
その日の朝座ったのと同じ場所にたくさん並べられた椅子に次々と座っていきます。
時間になると、朝拝の時の神職のお二人のほかに、もう一人。巫女さんもたくさんいらしていて。
その中で、マイクを持ってお話されている方がいらして。
その方は、ここのところずっと愛読していたご本の作者でもあり、この弁財天社の宮司さん、柿坂神酒之祐さんでした。
やっとやっと、お初にお目にかかることができて、とてもうれしかったです。
このページに飛んでいただけると、この方のことが少しだけわかります。
水と芸能の神|峯本宮 天河大辨財天社|宮司/柿坂神酒之祐|特別講話22|祈りの回廊 2017年秋冬版|特別講話|祈りの回廊|巡る奈良 [奈良県]
ちなみに・・・わたしがいつもここに来た時にお逢いする、朝拝などを取り仕切っておられる方は、この方の息子さんで、この神社の禰宜でいらっしゃるところの、柿坂匡孝さんとおっしゃる方。
この方もまた、祝詞をあげられる時の声がとても美しく、誠実なそのお話ぶりはとても心に響き、オットもわたしも大好きな方なのです。
神社などに行って神さまに向かい合おうとすると、この方の声で祝詞がイメージできるくらいすでにたくさん聴き親しんだ声と温かいそのお人柄。
ちなみに、柿坂匡孝さんのインタビュー記事はこちら。
japan-heritage-yoshino.jp
おっと、話が逸れてしまいました。
宮司、柿坂神酒之祐さんが、威厳のあるお声で式次第を始められました。
この方の声を聞くのははじめてですが、とても力強くてカリスマ性を感じました。
3人の神職の方々が、お役目を分担しつつ、おはらいをしたり、笛や太鼓をたたいたり、玉串を捧げたり、祝詞をあげられたりもし。
巫女舞が披露され、オットもわたしも、はじめて巫女舞を近くで見ることができました。
ひとつひとつ、笛や雅楽の楽器の音?に合わせて、ゆったりと舞うその姿はとても美しく、緊張感もあって。
神さまに捧げる舞らしく、見ているこちらまで背筋が伸びるなぁと思いながら見ていました。
そして。
新しい天皇陛下が、ここ天川村にもいらしたことがあること、ここの神社の奥宮にもご参拝なさったゆかりの方だというお話も伺いました。
新しい天皇家の繁栄を祈るのみならず、いつもどおり、今後も平和な世の中が続き、生きとし生けるもの、すべてがおだやかにしあわせに暮らせるように祈りましょう・・・というお話があって。
こういう姿勢がやはりとても好ましく、だからこそ、何度訪れても、またここに来たくなるのだなあと思いました。
天川の地は、古き良き日本がたくさん残っていて、人々もまたまっすぐで。話の内容を裏読みしたり、疑ったりする必要を感じないし、都会では常に緊張していないといけないような感覚があるのですが、ここ天川では肩の力を抜いていいんだよ?といつも言われている気がします。
なので、祈りもまた、自然と素直に広くあまねく、生きとし生けるものすべてのしあわせを祈ることができるような気がします。
式はさほど長くはなく終了して、みなさん順々にお清めをして、あらためて手を合わせて。画像を撮らせてもらったりして、だんだんに解散してゆきました。
祭壇に、いつもは外にある千年間点り続けるという「千年の灯」が移動していました。
千代に八千代に・・・という先ほど歌った君が代の歌詞が自然と心に浮かびました。
信仰心とは少し違う気持ちかもしれませんが、非日常の「践祚改元奉告祭斎行」に偶然参加することができ、いろいろなことを考えるきっかけをもらったような気がしました。
たまたまが重なって、導かれるようにこういうことが起こるのが旅の醍醐味。
すでにまたいつもの日常に戻っていて。
あの日の出来事が夢のように感じられたりもするのですが、なかなかできない体験ができてよかったです。
最後に、わたしがここのところずっと読んでいた本の紹介をします。
これは、さきほども書いた柿坂神酒之祐さんのご本で、天河さんでも売っていますが、わたしは偶然本屋さんで見つけました。
いわゆる宗教の本という感じでもなく。肩の力を抜いて、じっくりと読むことができる素敵な本です。
つよしさんが常日頃言っていることとも近いトーンで、つよしファンならきっとたくさんの方が好きなんじゃないかな。
この本を見つけたのは昨年の終わりごろですが、何度も読み返すうちに、一度著者の神酒之祐さんにお逢いしてみたいものだと思っていたら、願いが叶ってしまいました。
直接お話をしたわけではありませんが、十分満足しました。
個人的には・・・またこの本で「掃除」の大切さ、掃除は究極のメディテーションと御霊磨き・・・と掃除の大切さを説かれたのがおもしろかったのと。
(わたしはなぜか、ここのところ定期的に思いもよらぬ本で掃除をしなさい!と勧められたりするパターンがやってきます、笑)
ふとまに=直観力(ふと心に浮かんだもの)を大切にしなさいという話とか。
役割とかお役目という言葉よりも「はたらき」という言葉の方がしっくりくる気がする。一人一人が、それぞれのはたらきをすることが大事とおっしゃっていることとか。随神(かんながら)と言って、自然体のままで風が吹くままに生きる精神が大事とか。
神道は「道」、仏教は「教え」で、そもそも根本が違うけど、別々のものでもなく実は融合しているものなのだ・・・という話とか。
かと思うと、神酒之祐さんが、浮浪者の人たちの気持ちを知りたくて、天川まで彼らを連れてきてしまったお話とか、世界中を旅された話とか。
UFOはきっといるに違いない!!と言い切ってらっしゃるところとかね(笑)
そんなちょっと荒唐無稽な話も含め、とってもとってもおもしろかったです。
ね、ね。ちょっとエッセンスを書いただけでも、心惹かれる方がいらっしゃるのではないかと思います。
そんなお話がぜんぜん肩が凝るような感じでもなく。
だから神道を信仰しなさい!と勧められるわけでもなく。
まるでおじいちゃんが孫に話すような、くだけた愛情深い調子で書かれています。
旅の記録の最後についでのようにではありますが、いつか書きたいと思っていたので、一緒にオススメしておこうと思いました。
というわけで、とうとう旅日記も11までで完成と相なりました。
最初から読んでくださった方も、途中から、あるいはこのページがたまたま目に入ったという方も。
読んでくださって、本当にありがとうございました。